東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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お灸大活躍。

2019.04.15

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北辰会方式の治療と言えば、99%は少数鍼による軽微な治療です。

 

 

でもごくたまに、奥の手的に

 

「灸をする場合」

 

「刺絡をする場合」

 

「五十肩などの際、手技療法をする場合」

 

なんかがあります。

 

 

僕は実は、清明院を開業する前は、叔父の治療院で勤めておりまして、叔父は「刺絡」「灸」を非常に多用する治療家です。

 

 

ですので、今の僕しか知らない人にとっては意外かもしれませんが、10年以上前の話ですが、毎日毎日、ほとんどの患者さんに、刺絡とあらゆるお灸(透熱灸、棒灸、灸頭鍼、カマヤミニなどなど)をやっていた時代があります。(笑)

 

 

・・・これらは、今となっては僕の秘密兵器だと思っています。

 

 

ここぞという時に使うと、実に興味深い効果が得られますね。

 

 

鍼灸師たるもの、必ず身に付けるべき技術だと思います。

 

 

 

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日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(2日目編③)

2018.12.03

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ここまでのお話し

 

日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(1日目編①) 

日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(1日目編②) 

日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(1日目編③)   

日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(1日目編④)

 

参照

 

 

加地伸行先生の名人芸的講演を聞いて感動した後は、漢法苞徳会会長、鈴木福三朗先生の講義「八木素萌師と『難経』の世界」

 

 

鈴木先生は八木素萌先生が生前、現在の経絡治療の問題点を強く訴えておられたこと、東洋医学は「時節」を鑑みた治療をするべきだ!というメッセージを、

 

語気強く訴えておられました。

 

 

今回の大会では、普段接することの無い、漢法苞徳会の治療の方法論が少し分かったことがひとつの収穫でしたね。

 

 

まだ全然よく分かりませんが、少し勉強してみたいと思います。

 

 

そして午後一は1日目の続きである実技セッション「気口九道脈診」

 

 

1日目と同じく3名の先生が壇上に上がり、「気口九道脈診」を使った実技を披露しました。

 

 

川北先生以外の二名の先生の実技は分かりやすかったです。(苦笑)

 

 

新風先生が登壇して、脈の変化を診たのはスリリングなシーンでしたね。(゜o゜)

 

 

今回、二日間にわたって行われた「気口九道脈診」、ずいぶん興味を持った方も多いのではないでしょうか。

 

 

今後、脈診を怪訝に感じて東洋医学から脱落する鍼灸学生さんの間にも、

 

「脈診にも色々ある」

 

「この脈診なら分かりやすい」

 

とか、そういう考えが広まればいいなあ、と思いました。

 

(まあでも、ムリかな。。。(苦笑))

 

 

最後は刺絡鍼法実技。

 

 

日本刺絡学会副会長で、ベテランの大貫進先生、北里大学の友部和弘先生、あと二人の中国の先生による刺絡の実技。

 

 

中国の先生方のうちの一人は、実技前にスライドを使って紹介されていましたが、スライドで見ると、圧倒的マンパワー、圧倒的建物(白い巨塔)、

 

圧倒的患者数(年間450万人以上が来院する病院)でやっていることがよく分かりました。(苦笑)

 

 

東洋医学(漢方、鍼灸)が、数(大規模調査)でモノを言おうとした時、中国以上のことを日本が言うのは大変じゃないかなあ、という気がしました。

 

 

まあ、出来るのであれば、相互に協力したらいいですね。

 

 

日本の先生方は基本的な刺絡の方法の解説と実技でしたが、刺絡は基本が大事です。

 

 

また、中国の先生の、耳の経穴から刺絡する手法は初めて見ました。

 

 

あれは使い方によっては劇的に効くだろうな、と思いますね。

 

 

今度やってみよっと。(゚∀゚)

 

 

 

続く

 

 

 

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日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(2日目編②)

2018.12.02

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ここまでのお話し

 

日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(1日目編①) 

日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(1日目編②) 

日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(1日目編③)  

日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(1日目編④)

  

参照

 

 

2日目の午前、一般口演の後は、医師である西田晧一先生による刺絡療法のお話し。

 

 

今回、日本刺絡学会とも共催でしたので、刺絡の話が多いのは嬉しいですね。

 

 

しかも医師である西田先生が、力強く

 

「刺絡は合法的で大変有効な施術法だ、鍼灸師の先生方にはドンドン覚えて、ドンドン活用してほしい!!」

 

と訴えておられたのは良かったと思います。

 

 

ですがまあ、刺絡をやったからといって、どんなアトピーでも治るわけではないので、そこは

 

「刺絡適応となる難治性疾患の診断学」

 

を強調してほしかったです。

 

 

ここを途中で抜けて、メインホールへ。

 

 

大阪大学名誉教授の加地伸行先生による「死の不安の解決は」を聴きに。

 

 

正直、あまり期待していなかったのですが、いい意味で完璧に裏切られました。(゜o゜)

 

 

あれはもう、教育講演の究極というか、名人芸というか。。。

 

 

「難しいことを簡単に分かりやすく話す」

 

「動きでもなく、スライドでもなく、話術だけで聴衆を引きつける」

 

「ユーモアと教養のバランス」

 

 

・・・あの手の講義の最高峰を見せつけられた気がします。

 

 

あの勢いで喋れて、80代とは、そこも素晴らしい。

 

 

僕も講師の端くれ、非常にいい刺激をいただきました☆

 

 

ぶっちぎりで今大会最高の講演だったと思います。

 

 

 

続く

 

 

 

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日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(2日目編①)

2018.12.01

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日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(1日目編①) 

日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(1日目編②) 

日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(1日目編③)     

日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(1日目編④)

 

参照

 

 

さて、あっという間に1日目が終わり、2日目です。

 

 

2日目は朝一、なんと普段なら寝ている時間である9時から、一般口演の座長をやることになっていました。

 

(マジで寝過ごしが不安でしたが、奇跡的に起きれました☆)

 

 

演題は6つ。

 

 

前半の3つは教育や臨床現場の現状に関する調査研究であり、私の母校である花田学園の教員である武藤厚子先生にお任せしました。

 

 

武藤先生は、確か私が学生の時に教育実習生としてやってきた先生だったと記憶しています。

 

 

あれから約20年経って、学会の座長として横に座る日が来るとは思いませんでしたね。。。(笑)

 

 

そして、私が座長(司会)を担当させていただいたのは後半の3つの発表。

 

 

いずれも(一社)北辰会以外の、他流派の先生方の症例発表でした。

 

 

一つは漢法苞徳会の蓬原先生による発表。

 

 

実は私は19歳の時(これも今から約20年前)だったと記憶していますが、当時の刺絡学会で、漢法苞徳会の創設者である、生前の八木素萌先生にお会いしたことがあります。

 

 

長い髭をたくわえた、一度見たら忘れない、強烈なビジュアルでした。(笑)

 

 

今回の症例では、八木先生の古典解釈の元になったのではないかと思われる部分が、ちょうど私が読んでいたところにあったので、妙に嬉しくなりましたね。

 

 

漢法苞徳会の理論と技術に関して、僕はまったくの素人ですが、これを機にちょっと覗いてみようと思います。

 

 

後の二つの症例は(一社)東洋はり医学会関西支部の先生方の症例。

 

 

いずれも大変劇的で、大きな効果を挙げた症例でした。

 

 

僕は、実は以前の職場で、東洋はり医学会の先生と一緒に仕事していました。

 

(治療も何度か受けたことがあります。)

 

 

非常に繊細な鍼をなさる流派です。

 

 

質問もまずまず出ていましたし、顔や名前を知っているだけではなくて、もっと学術面を討論して、お互いが分かり合えるような機会があるといいですね。

 

 

僕も、フロアからの質問を、もっと膨らませればよかったなあと、あとから反省しました。

 

 

次回またやる機会があれば、意識してみようと思います。

 

 

・・・とまあ、反省と、今後の展望が少し生まれたので、まずまずの座長デビューだったかな、と思います。

 

 

僕をよく知っている先生方からは、

 

「妙におとなしかったじゃん!」

 

とか言われましたが、皆さん普通に、僕がギャーギャー言うような、イケてない発表でなかったです。

 

 

もう少し、学術面での相互理解が事前にあれば、もっと面白い発表になったなあ、という反省が勝っていますね。

 

 

ともあれ、いい経験になりました。

 

 

勧めてくれた先生、どうもありがとうございます。<m(__)m>

 

 

 

続く

 

 

 

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日本伝統鍼灸学会迫る!!

2018.11.18

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毎年、まあこの時期になると、一気に年末な感じがしてきます。。。

 

 

来週末は大阪で日本伝統鍼灸学会があります。

 

 

今回も、もちろん北辰会の先生方はたくさん出ます。

 

 

日本伝統鍼灸の特長である打鍼といい、李時珍以来の伝説の脈診法である「気口九道脈診」の臨床応用の話だったり、刺絡あり、症例あり、流派紹介あり、と、

 

「日本伝統鍼灸」に興味のある医療人にとっては、絶対に欠席できない、素晴らしい内容になったと思います。

 

 

ただ、僕以外の北辰会の先生方はみんな土曜日に出てしまい、僕だけが日曜日に座長として行くことに。。。(苦笑)

 

 

それも苦手な朝一に。。。(苦笑)

 

 

寝坊かまして、主催者に大目玉くらわないように気を付けます。( ゚Д゚)

 

 

このブログの読者で申し込んでない人はそうそういないと思うけど、これは行かないと損ですよ☆

 

 

 

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血絡を刺す

2018.10.05

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今日は、朝から思いがけず刺絡が活躍しました。

 

「刺絡」を含む記事 参照

 

 

刺絡については、かつては全患者にやっていたような時代もあったんですが、今では奥の手的に使うことが多いのですが、今日は妙に刺絡の日でした。

 

 

秋分過ぎて、間もなく寒露。

 

 

正気も邪気も、それ相応に動きます。

 

 

このタイミングで、邪気、特に邪熱が血絡に入っちゃってると、やっぱり刺絡しないと動かない、あるいは動きにくいのって、ありますね。

 

 

因みに「血絡」については『黄帝内経』(特に霊枢)にたくさん出てきます。

 

 

いつかまとめましょう。

 

 

・・・で、それを動かすと、エライ深いところまで響くなあー、と、感心しちゃいました。(゜o゜)

 

 

実に勉強になりました。<m(__)m>

 

 

ありがたい。

 

 

毫鍼とは別のオーダーの最たるものとして、非常に重要な手法だなあと、痛感しました。

 

 

これはホント、使いようによっては非常に強い武器なのになー。。。

 

 

ある意味、翳しに匹敵するよ。

 

「翳す」意味 ⑤   参照

 

 

 

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森道伯という人物

2018.08.31

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↑↑圧倒的貫禄。これは墓マイラー 森道伯先生で紹介したお写真をもとにした肖像画らしいんですが、素晴らしい出来栄えですね。

 

 

 

 

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昨日、墓マイラー 森道伯先生という記事を書きました。

 

 

・・・まあ、東洋医学をやっている者にとっては言わずと知れた、「一貫堂医学」の創始者であります。

 

 

このブログにも、これまでチョイチョイ、名前だけは登場していました。

 

「森道伯」を含む記事 参照

 

 

・・・さて、どんな人物か。

 

 

 

 

1867年大政奉還の年に、水戸藩(現茨城県中・北部)の、代々武家の家系に生まれる。

 

父は白石又兵衛という。

 

遠い祖先に清和源氏・源頼義がいる。

 

 (清和源氏とは、清和天皇の血を引く源氏姓の一族。後述しますが、皇室とご縁がありそうです。)

 

2歳の時、水戸藩の内乱を逃れて、今の茨城県、笠間城下の陶器商である森喜兵衛の養子となる。

 

 (だから森姓なわけね。)

 

12歳で養父が死去。

 

この時、養母を連れて東京に出て、すでに東京にいた長兄・又二郎とともに、鱉甲彫刻をして生活する。

 

 (なんて立派な12歳なんだ!( ゚Д゚) 現代にはこんなんいないでしょうな。。。)

 

この時の荷物の中に、実父の白石家に伝わる家伝の医書があったそうです。

 

 (この一冊が原点か。因みに詳細不明。)

 

 

1887年(明治15年)、15歳の時、実父の勧めにより、東京(浅草蔵前)で開業していた、実父の知己であり、仙台出身の産科の名医である、

 

遊佐大蓁(ゆさたいしん:正しくは快慎かいしんというらしい)について、3年間医学を学ぶ。

 

因みにこの遊佐先生の先祖は大庄屋で、医家としての初代の人物は、婦人科で有名なあの賀川玄悦(1700-1777)の学統であり、

 

道伯が師事したのは医家としての遊佐家の2代目で、4代目の遊佐寿助は宮城県薬剤師会の初代会長であったらしい。

 

賀川玄悦という人物

墓マイラー 14      参照

 

(繋がるね~~(゜o゜))

 

 

・・・ともかく、その後も鱉甲職人を続けながら、清水良斉という漢方医について漢方を学ぶ。

 

この清水先生がまた謎の人物で、名医だったそうだが大酒呑みで、ある時、旅に出ると家を出たまま、忽然と姿を消したそうで、その後を継ぐ形で「道伯」と号し、診療を行うようになったそうです。

 

 (まあ、神が道伯先生に診療所を与えたんでしょうかね。。。)

 

因みに道伯は鱉甲彫刻職人としても「西町の豊光(彫刻師としての道伯の号)」と呼ばれ、名が売れていたらしい。

 

 (サスガです。<m(__)m> きっかけは生活の為でも、やるからにはマジ、って感じだったんでしょうな。)

 

明治24年、24歳で最初の結婚。

 

26歳で長男義之介、30歳で次男光隆が生まれる。

 

(結婚してすぐに長女が生まれたそうですが、出生後すぐに亡くなってしまったそうです。)

 

明治32年、32歳の時に妻が妊娠中に腸チフスに罹り、流産し、亡くなる。

 

この時、道伯自身も、水戸に旅した際に風湿に中たり、強烈な黄疸を発し、清水良斉の治療を受けるも、生死を彷徨う。

 

(この時のエピソードについては後述します。)

 

 

1902年(明治35年)、35歳「日本仏教同志会」創立、社会教化運動を行う。

 

 (これは明治39年には解散したらしいですが。。)

 

↑↑こういうところも、道伯先生の面白いところです。

 

医家であると同時に、彫刻家であり、宗教家、社会活動家でもあったんですね。(゜o゜)

 

道伯先生は大変博学で、禅宗、真言密教にも精通しており、熱心に観音信仰をしていたそうです。

 

また政治や経済にも明るく、観劇に行く趣味もあったとか。

 

30代の頃、清水良斉先生の失踪後、「一貫堂」の看板を掲げて「道伯」と号し、診療を行うようになったそうです。

 

「一貫堂」はかつて師事した遊佐先生の診療所からとったもので、論語の里仁第四にある吾道一以貫之に基づいているそうです。

 

 

明治41年、41歳で再婚し、42年、道伯先生にとっては第4子である敬三郎が出生。

 

 

1918年(大正7年)、51歳の時、スペインかぜが大流行した際、病のパターンを胃腸型、肺炎型、脳症の3つに分け、それぞれ漢方で治療し、

 

大いに効果を挙げたという逸話はあまりにも有名です。

 

 

1923年(大正12年)、56歳で関東大震災に遭遇、居所保護法の建議案を訴えて、上野公園で演説を行う。

 

 (こういう、政治活動家的な側面もあったようですね。)

 

 

1926年(大正15年)、59歳の時、門人・西原学氏が「漢方専門」と標榜したところ、医師会から圧迫を受けたことをきっかけに、森先生は憤慨し、

 

長野市善光寺にて「漢方医道復興大講演会」を開催し、

 

「漢方を滅さんと欲せば、まず森道伯の首を刎ねよ!!」

 

との有名な文句を叫び、専門科名認可の訴訟を起こし、ついにこれを獲得しました。

 

 (スゲエ!(゜o゜) でも森先生は無資格!!みたいなね。。(笑))

 

 

・・・この、魂の籠った一言が、昭和の「漢方復興運動」の第一声と言ってもいいでしょう。

 

 

今日、街中に当たり前に「〇〇漢方クリニック」とか、総合病院内の中に「漢方外来」なんてのがあるのは、古くは森先生のこの行動のお陰と言ってもいいでしょう。

 

 

1930年(昭和5年)、63歳の時、森道伯の名声を伝え聞いた竹田宮、北白川宮から治療の依頼あり。

 

 (ここで皇室と繋がるわけです。何かの縁なんでしょうね。)

 

同年8月、歩行困難を訴え、9月には病床に伏せ、脊髄炎、尿毒症を起こす。

 

 

1931年(昭和6年)、64歳で逝去。

 

亡くなる3年前には、自分の死期を家人に告げていた。

 

 (ということはやはりあの墓石は自分で建てたっぽいですね。。。)

 

道伯先生は32歳の時に大病をした時に、観音菩薩に、

 

「寿命をもう32年延ばしてくれ、そしたら残りの人生は東洋医学の復興のために生きる」

 

と日夜お願いし、鍼灸と漢方薬で全治した経験があるらしく、その予言の通り、64歳でこの世を去った。

 

臨床でも、非常に直観が冴えており、不問診で患者の状態をピタッと言い当てたり、患者がこれからかかる病を予言し、その通りになったりと、

 

霊能力者っぽい逸話も多い先生であります。

 

 

 

 

以前書いた丸山昌朗先生といい、自分の死期を正確に悟っていたエピソードは、他の先生でもけっこうありますね。

 

丸山昌朗という人物 

墓マイラー 36 丸山昌朗先生  参照

 

 

名医らしいエピソードだと思います。

 

 

また道伯先生は

 

「術は以心伝心で初めて伝わるもの」

 

とし、著述を好まず、書籍は残っていないそうです。

 

 

もっとも有名な弟子である矢数格(道斎)先生『漢方一貫堂医学』が、森先生を知る重要な手がかりだと思います。

 

 

また、この先生は臨床において漢方だけでなく鍼灸も非常に重用したようであり、弟子には「人迎脈口診」の研究で有名な小椋道益先生や、

 

『漢方医術復興の理論』の著者で、昭和の時代に経絡治療を唱道したことで知られる竹山晋一郎先生、また婦人科医で、現在私が講師としてお世話になっている

 

東洋鍼灸専門学校の校長でもあった石野信安先生、他にも刺絡で有名な工藤訓正先生や、道伯先生と直接は会っていないようですが柳谷素霊先生門下の西沢道允先生など、

 

鍼灸師に与えた影響や、鍼灸そのものとの縁も深いです。

 

 

お弟子さんの諸先生方の後日談によって、この先生の臨床でのエピソードはたくさんあるのですが、特に印象に残ったものを二つ紹介します。

 

 

矢数格(道斎)先生の弟君である矢数道明先生が、漢方を学びながらも西洋医学にも興味を持ち、こっそりと患者の尿検査をしていたところ、それが道伯先生の耳に入り、

 

「試験管で小便の検査をしなければ治療が出来ないような漢方家になるならやめてしまえ!破門だ!!」

 

と怒鳴られたとか、あるお金持ちの患者さんが、処方を渡されて、帰るときに受付で

 

「これで本当に治るんでしょうか?」

 

と尋ねると、

 

「疑うような薬なんか飲むな!」

 

と一喝し、一旦渡した薬を引き取った事があるそうです。

 

(後日この患者さんは自分の態度振る舞いを反省し、無事治ったそうです。)

 

 

・・・とまあ、アツい臨床家、という感じの森先生。

 

 

この情熱が、多くの患者さんを救い、多くの優秀な後輩の心に火をつけ、現代まで脈々と続いているのでしょう。

 

 

「漢方医学復興」といえば、森道伯と同じ時代を生き、似た主張をした大人物である和田啓十郎先生とは、親交や面識があったかどうかは分かりませんが、

 

和田先生の場合は先に西洋医学を学び、その後に東洋医学に傾倒した人物で、業界に対して、ある種のイデオローグ的な言行を取ったのと違い、

 

森先生は最初からまさに「一貫して」漢方医学であり、生涯一臨床家であったと、後の竹山晋一郎先生は両者をともに”天才”と評価しつつ、

 

対比、比較しています。

 

 

また、和田啓十郎先生の息子さんである和田正系先生と、森道伯先生の高弟である矢数格(道斎)先生が、千葉医専(現千葉大学医学部)の同級生であったことは、

 

単なる偶然でない気がしてなりません。

 

和田啓十郎という人物

墓マイラー 39  和田啓十郎先生    参照

 

 

・・・以上、どんなにコンパクトにまとめても僕の頭と文章力ではこれぐらいになってしまうので、肝心の「一貫堂医学」がどういうもので、

 

鍼灸ではどういう風に応用が利くか、みたいな話は、また違うところで書きましょう。(笑)

 

 

イヤーなんか、森家と和田家と矢数家、そして大塚家、柳谷素霊先生、千葉大学、北里大学、東洋鍼灸専門学校と、一連の近代日本東洋医学の歴史の流れ、重みを感じます。

 

 

また、僕としては、一貫堂も、森道伯先生の弟子には鍼灸師もいるのに、どこからか、鍼灸師と漢方医が一枚岩でなくなってしまったような感じがして、それが悔やまれますね。。。

 

 

 

 

◆参考引用文献

 

『漢方一貫堂医学』矢数格

『漢方一貫堂の世界』松本克彦

『漢方医術復興の理論』竹山晋一朗

『森道伯先生生誕百年祭記念文集』仁性会

『森道伯先生伝並一貫堂医学大綱』道齋矢数格編

『漢方治療百話 第八集』矢数道明

 

 

 

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「門」の付く経穴

2018.06.13

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こないだ、

 

「風門」という経穴

 

という記事を書いた。

 

 

「門」には当然「門扉」という意味があり、気が入るところでもあり、出るところでもある。

 

 

平生は閉まっているものであり、気の往来がある時には開く、という意味か。

 

 

また、「門」には地霊を祀る要所、という意味もある。

 

(白川静『字訓』より)

 

 

ところで、「門」という字の付く経穴にはどういうものがあるか。

 

 

任脈:石門

 

督脈:命門、瘂門

 

手太陰肺経:雲門

 

手陽明大腸経:なし

 

足陽明胃経:梁門、関門、滑肉門

 

足太陰脾経:箕門、衝門

 

手少陰心経:神門

 

手太陽小腸経:なし

 

足太陽膀胱経:風門、殷門、魂門、肓門、金門

 

足少陰腎経:幽門

 

手厥陰心包経:郄門

 

手少陽三焦経:液門、耳門

 

足少陽胆経:京門

 

足厥陰肝経:章門、期門

 

経外奇穴:気門(関元の横3寸)、患門(心兪穴の少し外側、灸で使う)

 

正穴の別名:督脈の顖会穴の別名として鬼門

 

(臨床上重要な経穴を赤字にしました。)

 

 

赤字以外の経穴にも、思わぬ使い道があることでしょう。

 

 

大腸経、小腸経にないというのも興味深い。

 

 

大腸、小腸はそれ自体が門みたいなもんだからでしょうかね。

 

「大腸」って何ですか?(その6)

「小腸」って何ですか?(その5)   参照

 

 

個人的には、顖会穴の別名である「鬼門」は意味が深いように思います。

 

 

「顖会穴」については、明代、張景岳が『黄帝内経霊枢』海論(33)における脳髄海の治療穴にある「蓋(がい)」のことを百会ではなく顖会であると言っています。

 

「百会(ひゃくえ)」という経穴 5

「気」と「鬼」               参照

 

 

ここは僕もよく注目し、場合によっては刺絡したりします。

 

 

ある種の精神病の患者さんなんかでは、百会よりも反応の出ている経穴ではないかと思います。

 

 

 

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今日も

2018.04.21

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本日も満員御礼、大変勉強になりました。

 

 

ありがとうございます。

 

 

来週からまた、もっといい鍼が出来るように精進します。

 

 

今週は小児も乳児も成人も、発熱、喉痛が多かったですね。

 

 

いずれも温病、伏気温病の考え方で対応しました。

 

 

清明院も、最近は刺絡を多用しています。

 

 

刺絡というのも、非常に奥の深い世界ですね。

 

 

開業以前(10年以上前)はほぼ全患者に刺絡をやっていた時期もある私ですが、最近は院内助手も充実してきたので、チョイチョイ解禁しています。

 

 

また、今年の伝統鍼灸学会は刺絡学会との共催です。

 

2018 日本伝統鍼灸学会 学術大会 大阪大会HP

 

 

しかも今回、副実行委員長は清明院元初代副院長、松木宣嘉先生です。(笑)

 

 

なかなか面白い大会になると思いますので、関西の人はもちろん、関東、東北、北海道の人も、是非参加しましょう!!

 

 

北辰会の先生方ももちろん出ますよ~~

 

 

また近くなったら告知します!!

 

 

 

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カゼひいてもうた

2017.08.30

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いやー、久々にカゼひいてもうた。。。orz

 

 

この3日くらい、喉からくるカゼの患者さんが激増してまして、私もどうやらその流行に乗ったようです。(゚∀゚)

 

 

昨日の後半から喉痛、節々の痛み、熱っぽさ、と、

 

「THE・温病」

 

って感じの症状群が出てきましたが、帰りがけに置鍼しつつ、スタッフに刺絡してもらい、帰ってからも何度か自分で治療。

 

 

今回は素人ながら、漢方薬も使ってみました。(苦笑)

 

 

結果、就寝中に発汗し、じゃっかん喉に違和感を残すものの、朝にはほぼ回復し、東洋鍼灸での後期一発目の講義に行ってきました!!

 

(今回、熱は測ってないけど、あの感じだと38度くらいかな。。。)

 

 

まあカゼは、僕のように、気を付けてても引くときは引きます。

 

 

でも大概のものは、すぐにきちっと鍼して養生すれば、信じられないスピードで良くなります。(*‘∀‘)

 

(もちろん、カゼの診方治し方を分かってる、ちゃんとした先生のところに行かないとダメですよ。)

 

 

この3日間くらい、カゼ治しまくってますよ、清明院は。

 

 

そしてついでに院長までカゼになったと。(苦笑)

 

 

・・・ということで皆さんも、カゼひいたらまず鍼に行きましょう。

 

 

 

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