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これまでのお話
頭から汗が出る人 5 参照
ではまとめいきます!!
これまで、我々東洋医学のバイブルの一つである『傷寒論』における、「頭汗」のパターンを見てきました。
要するに、
1.湿邪持ち、
2.虚の激しいもの、
3.中途半端にこじれたカゼ(少陽病)
4.いろんなところに熱がこもったもの(陽明病)
にまとめることが出来そうです。
因みに同じ張仲景の 『金匱要略』では、これに加えて、産後に体力の非常に弱ったものにも「頭汗」という現象が起こると書かれています。
(「婦人産後病脉證治第二十一.」です。)
まあこれも、上記の分類の2.に入りますね。
だから患者さんから
「頭から汗が出るー(;゚Д゚)」
と相談されたら、少なくとも上記ぐらいのパターンを考えて、治療にあたるといいでしょう。
あとはまあ、”頭から”というキーワード以前の、そもそも論である「発汗」という生理現象のメカニズムに対する理解ね。
〇
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2016.06.28
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これまでのお話
4.『傷寒論』辨太陽病脉證并治下第七.の、柴胡桂枝乾薑湯方のところに、
「傷寒五六日.已發汗而復下之.胸脇滿微結.小便不利.渇而不嘔.但頭汗出.往來寒熱.心煩者.此爲未解也.柴胡桂枝乾薑湯主之.」
と、出てきます。
これは、カゼ引いてちょっと時間が経って、まだ完全に治りきってない時に、頭に汗が出る場合を述べています。
ちょっとこじれたやつです。
これは比較的よく診ますね。
5.また、同じところに、
「傷寒五六日.頭汗出.微惡寒.手足冷.心下滿.口不欲食.大便鞕.脉細者.此爲陽微結.必有表.復有裏也.
脉沈亦在裏也.汗出爲陽微.假令純陰結.不得復有外證.悉入在裏.此爲半在裏半在外也.脉雖沈緊.
不得爲少陰病.所以然者.陰不得有汗.今頭汗出.故知非少陰也.可與小柴胡湯.設不了了者.得屎而解.」
とも出てきます。
これは、カゼがこじれて、中途半端な状態になってしまった時に、頭から汗が出る場合があることを述べています。
そんな時は小柴胡湯がいいと。
小柴胡湯については、
「小柴胡湯」を含む記事 参照
まあここでは、深くもなく浅くもないような、中途半端な位置に熱がこもってしまった場合に、「頭汗」という現象が起こることを教えてくれています。
続く
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2016.06.26
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3.『傷寒論』の辨太陽病脉證并治下第七.の、大陷胸湯のところに、
「太陽病.脉浮而動數.浮則爲風.數則爲熱.動則爲痛.數則爲虚.頭痛發熱.微盗汗出.而反惡寒者.表未解也.
醫反下之.動數變遲.膈内拒痛.胃中空虚.客氣動膈.短氣躁煩.心中懊憹.陽氣内陷.心下因鞕.則爲結胸.
大陷胸湯主之.若不結胸.但頭汗出.餘處無汗.劑頸而還.小便不利.身必發黄.」
と、出てきます。
これは、カゼに対して、間違った治療をやったら、頭から汗が出て、黄疸まで出る場合があるよ、っちゅうことです。
しかもここでは、なかなかヤバい病態の話をしています。
すぐに適切な処置を行わないと、命にかかわるケースもあります。
カゼだからと言って、ナメたらいけません。
多くの人は、現在でも、最終的にはカゼから肺炎を起こして死ぬのです。
僕も長いこと往診をやっていますので、色々な症例が頭をよぎります。。。
続く
〇
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2016.06.25
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前回のお話
頭から汗が出る人 参照
2.『傷寒論』の辨太陽病脉證并治中第六.に、
「太陽病中風.以火劫發汗.邪風被火熱.血氣流溢.失其常度.兩陽相熏灼.其身發黄.陽盛則欲衄.陰虚小便難.
陰陽倶虚竭.身體則枯燥.但頭汗出.劑頸而還.腹滿微喘.口乾咽爛.或不大便.久則讝語.甚者至噦.手足躁擾.
捻衣摸床.小便利者.其人可治.」
とあります。
まあ要は、カゼ引きで、汗かきまくって体力をかなり失ったものは、頭に汗が出る場合があるよ、っちゅうことだね。
前回は湿邪持ちの人、今回は正気の弱った人。
これは東洋医学をちゃんとやっている人であれば、簡単に見分けることが出来るでしょう。
続く
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2016.06.24
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蒸し暑い日々が続いています。
皆さん、汗がベタベタして、イヤでしょ!?(笑)
東洋医学では、汗の出方と性質と、出た後の変化を問題にします。
患者さんから聞いていると、全身、色々な部位から汗をかく人がおります。
患者さんの中で、
「頭だけから妙に汗が出るー( ゚Д゚)」
と仰る人がいます。
さてこれは、東洋医学的に考えると、どういう現象か。
まずは弁証論治の父、張仲景(150?-219)先生の『傷寒論』に聞いてみましょう。
1.辨痓濕暍脉證第四.に、
「濕家之爲病.一身盡疼.發熱.身色如似熏黄.濕家.其人但頭汗出.背強.欲得被覆向火.若下之早則噦.
胸滿.小便不利.舌上如胎者.以丹田有熱.胸中有寒.渇欲得水.而不能飮.口燥煩也.
濕家下之.額上汗出.微喘.小便利者死.若下利不止者.亦死.」
と、出てきます。
まあ要するに、「湿邪」を体にため込んでいる人は、頭に汗かくよ、って話です。
(笑・・・端折り過ぎか。)
こういう人は、胃腸を弱らせると、体の状態が余計に悪化し、頭の汗が止まりません。
続く。
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2015.11.20
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これまでのお話
では続きいきます!
ここまで、手足の三陰三陽経と、五臓六腑との関わり(仮説も含めて)を説明してきました。
今日はまた別の角度から考えてみたいと思います。
手足の経絡にはそれぞれ、「三陰三陽」の名前が付いています。
どういうことかというと、以下の通り。
手の大腸経、足の胃経・・・陽明経(ようめいけい)
手の三焦経、足の胆経・・・少陽経(しょうようけい)
手の小腸経、足の膀胱経・・・太陽経(たいようけい)
手の肺経、足の脾経・・・太陰経(たいいんけい)
手の心包経、足の肝経・・・厥陰経(けついんけい)
手の心経、足の腎経・・・少陰経(しょういんけい)
とまあこのように、手の経絡と足の経絡を一つづつまとめて一対にし、それぞれに名前が付けられています。
この、”陽明”だの”少陽”だのという名前は、もちろん『黄帝内経』にて定義されたのですが、どういう意味かと言うと、一つには
「その経絡の陽気や陰気の多寡」
を示すんだそうです。
少陽経と太陽経といったら、何となく太陽経の方が陽気が多そう、というのは、字からしてすぐ分かりますね。
少陰経と太陰経もしかりですね。
では、陽明経というのはいったい何なんでしょう。
これは、太陽経よりもさらに陽気が多く、いよいよ明るい、という意味なんだそうです。
では、厥陰経というのはいったい何なんでしょう。
これは、太陰、少陰と陰気が少なくなってきて、いよいよ尽きるように少ない、という意味なんだそうです。
(厥には”厥(つ)きる”という意味があるそうです。)
でもまあ、本当に尽きてしまっては死んでしまいますから、あくまでも生きている人間の中における、相対的な陰気の少なさを示すのが、この呼び名なんだそうです。
そして、この6つの呼び名を「六経(りっけい)」と呼びまして、これが後代の有名な『傷寒論』の「六経弁証」という考え方に繋がっていきます。
『傷寒論』というのは、「傷寒」というぐらいですから、超簡単に言えば”寒邪(冷えの邪気)”にやられ、色々な症状を呈しながら、
最終的には死んでしまうところまでの病気の流れ(各ステージ)について、病の起承転結を詳細に詳細に説明した本です。
ですから当然、経絡それぞれの陽気や陰気の多寡に応じて、寒邪に侵襲された場合に出てくる症状や所見が、それぞれの経(位置)によって違うのです。
続く
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2015.09.30
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これまでのお話(分かり易いように、タイトルを付けました)
「尺膚診(しゃくふしん)」について(イントロ)
「尺膚診」について 2(『史記 扁鵲倉公列伝』における尺膚診)
「尺膚診」について 3(『黄帝内経素問』平人気象論(18)における尺膚診)
「尺膚診」について 4(『黄帝内経素問』通評虚実論(28)における尺膚診)
「尺膚診」について 5(『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形萹(4)における尺膚診)
「尺膚診」について 6(『黄帝内経霊枢』論疾診尺(74)における尺膚診)
「尺膚診」について 7(『黄帝内経霊枢』邪客篇(71)における尺膚診)
「尺膚診」について 8(「表をもって裏を知る」の重要性)
「尺膚診」について 9(「表をもって裏を知る」の重要性その2)
「尺膚診」について 10(『黄帝内経素問』脈要精微論(17)における尺膚診)
「尺膚診」について 11(『難経』13難における尺膚診)
「尺膚診」について 12(『傷寒論』における尺膚診)
「尺膚診」について 13(『腹証奇覧翼』における尺膚診) 参照
では続きいきます!
◆多紀元簡(たきげんかん)の『素問識(そもんし)』における尺膚診の記載
「尺膚診」について 4と、「尺膚診」について 10に、日本の多紀元簡という人物の言説をチラリと紹介しました。
この人物の紹介は、また後ほど詳しくするとして、彼の代表作である『素問識』の中でチョイチョイ、この尺膚診について述べてくれております。
一つは、『素問』の17篇目、”脉要精微論”を解説した部分です。
↑↑このような図とともに、細かく解説してくれております。(『素問識』より)
ここで彼が述べているのは、
「”尺”というのは前腕のことでアール!」
という説です。
それを言うだけでなく、前腕のどこで何を診るのかまで、わざわざ図にしてくれています。
専門家の方々は参考にするべきでしょう。
この前腕に書いてある文字を見て、あ!と、ピンとくるべきです。(笑)
もう一つは『素問』の28篇目、”通評虚実論”の解説部分です。
ここには、
「脈診で経を診て、尺膚診で絡を診る」
という論が提出されております。
経絡、経絡、と言うが、経が相対的に深く、絡は相対的に浅い、という論から始まり、さらに、経には営気が満ち、絡には衛気が満ちる、
という論から、脈が熱なのに尺膚が寒であるものについて、考察してくれております。
・・・とまあこのように、日本にもスゴイ先生がいた訳です。
(今でもいるけど)
この『素問識』なんかを読んでますと、『黄帝内経』のみならず、その周辺の有名な古典も、すべて頭に入った上で、平易に分かりやすく配慮しながら、慎重に解説しているのがよく分かります。
恐るべし、多紀元簡・・・。(苦笑)
尺膚診に関してはここらでいったん切って、また折に触れて解説してみたいと思います。
続く
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2015.09.22
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これまでのお話
「尺膚診(しゃくふしん)」について
「尺膚診」について 2
「尺膚診」について 3
「尺膚診」について 4
「尺膚診」について 5
「尺膚診」について 6
「尺膚診」について 7
「尺膚診」について 8
「尺膚診」について 9
「尺膚診」について 10
「尺膚診」について 11 参照
では続きいきます!
◆『傷寒論』における尺膚診の記載?
さて、前腕の皮膚の状態を詳細に伺う診察法である、この”尺膚診”というものに関して、超有名な古典である、
『史記』『黄帝内経』、そして『難経』における記載を紹介してきました。
今日は東洋医学を学ぶものにとってのもう一つの聖典、『傷寒論』における尺膚診の記載を紹介したいと思います。
『傷寒論』については 『傷寒論(しょうかんろん)』という本 参照
この傷寒論の最初に”傷寒卒病論集”という、序文のような文章があります。
ここに、
・・・觀今之醫、不念思求経旨、以演其所知、各承家技、終始順舊、省疾問病、務在口給、相対斯須、
便處湯薬、按寸不及尺、・・・(中略)・・・、所謂窺管而已。
という文章が出てまいります。
これを簡単に意訳しますと、
最近の医者をみてると、古典を学んで、そこから原理原則を自分で新たに発見して、自分の学術をレベルアップさせようとは少しも思はず、
それぞれ、自分の流派の技術を受け継いで、優れたものとし、始めから終わりまで、古いしきたりに従うだけであり、
病人を診察するにも、顔色を窺い、巧みに口を使って丸め込むことに身を入れて、診療にかける時間はいとも簡単に済ませ、
いい加減に薬を与えている。
脈診も、手首の脈を見るのが関の山で、尺膚は診ない。
こんなんじゃあ、細い管から天を臨むようなもんだ。
・・・という風に、『傷寒論』の著者である張仲景は嘆じて、当時の医療界を憂いています。
ここで言う”尺”をどう訳すかについては、
”尺膚(前腕の皮膚の状態)”
という説と、
”尺位の脈(手首の動脈の一部分)”
という説と、諸説紛々なんだそうですが、個人的には尺膚であってほしいですね。(笑)
『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)に書いてあるように、脈診情報と尺膚診情報は太鼓とバチのような関係ですのでね。(笑)
尺膚診情報と脈診情報、この二つが一致するのをもって順と考える。
尺膚診で相対的に陰をうかがい、脈診で相対的に陽をうかがう。
で、これら二つよりも顔面診はさらに相対的に陽をうかがう、と。
このように、各診察法は並列ではなく、それぞれに診ているポイントがあり、それらの陰陽のグラデーションまで考え併せて、弁証に資する情報と位置付けるのですな。
だから、各診察法の位置づけが明確であるほど、正確な診断を下すことが可能になる。
シャープな治療が可能になる。
位置づけがあいまいな人がやっている鍼よりも、大きく気を動かすことが出来る。
続く
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2015.09.21
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これまでのお話
「尺膚診(しゃくふしん)」について
「尺膚診」について 2
「尺膚診」について 3
「尺膚診」について 4
「尺膚診」について 5
「尺膚診」について 6
「尺膚診」について 7
「尺膚診」について 8
「尺膚診」について 9
「尺膚診」について 10 参照
では続きいきます!
◆『難経』13難における尺膚診の記載
ここまでで、『史記』『黄帝内経』における尺膚診の記載を引きながら、尺膚診という診察法の重要性を紹介してきました。
今日は、我々鍼灸師にとっての、もう一つの聖典と言っていい、『難経(なんぎょう)』という本の中の、尺膚診に関する記載を紹介したいと思います。
因みに、この『難経』という書物ですが、時代的には『黄帝内経』の後で、『傷寒論』の前、後漢の時代に書かれたと言われる本であり、
内容が多岐にわたり、様々な異なった立場や見地から述べられている『黄帝内経』とは違い、外邪に侵襲される病について詳細に論じた『傷寒論』とも違い、
薬でも灸でもない、鍼治療に関する内容に特化してスッキリとまとめられており、内容に非常に一貫性がある書物です。
日本の鍼灸師で、この本を知らないものはいないでしょう。
内容は『黄帝内経』と同じように81篇にまとめられ、1篇目から”1難、2難・・・、”と数え、最後は”81難”に至ります。
この本の”13難”に、尺膚診に関する記載があります。
どのような記載かというと、まず
五藏有五色.皆見於面.亦當與寸口尺内相應.
(五臓にはそれぞれ5つの色があって、その異常は顔面に出る。そしてそれは脈は尺内(前腕内側の皮膚の状態)と一致する。)
と出てきて、その後に
脉數.尺之皮膚亦數.
脉急.尺之皮膚亦急.
脉緩.尺之皮膚亦緩.
脉濇.尺之皮膚亦濇.
脉滑.尺之皮膚亦滑.
五藏各有聲色臭味.當與寸口尺内相應.其不相應者病也.
(脈が早ければ尺膚に熱感が現れ、脈が堅ければ尺膚も堅い、脈が緩んでいれば尺膚も緩み、脈が渋れば尺膚も渋る、脈が滑らかならば尺膚もなめらかである。
五臓にはそれぞれ声、色、臭い、味があるが、それらは脈、尺膚の状態と一致するものであり、一致しないのが病なのだ。)
と、出てきます。
※( )内は僕なりに平易に訳してみました。
ここの解釈なんですが、江戸時代中期にいた広岡蘇仙(1696-?)という人が書いた、『難経』の解釈本である『難経鉄鑑』という本の中に、
わざわざ”尺内”と書いてあることへの解釈がなされています。
”尺内”は前腕の内側を示し、外側でなく内側であることの理由として、前腕内側は陰経が流注する部位であり、相対的に陰であり、皮膚が和らかく、診やすいからである、
と述べ、尺膚よりも脈、脈よりも色が優位なのは、人体においては陽の方が優先されるからである、と説明しています。
一つの、参考にすべき考え方だと思います。
続く
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2015.06.19
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これまでのお話・・・
「柴胡桂枝湯証(さいこけいしとうしょう)」という状態
「柴胡桂枝湯証」という状態 その2
「柴胡桂枝湯証」という状態 その3
「柴胡桂枝湯証」という状態 その4
「柴胡桂枝湯証」という状態 その5
「柴胡桂枝湯証」という状態 その6 参照
久々に続き(というか補足)です。
ここまで、「柴胡桂枝湯」という薬について、簡単に、もともとカゼをひいた時の薬であった、という説明を中心に書いてきました。
まあこう書くと、
「じゃあ、柴胡桂枝湯っていうのは、ある種のカゼ以外には使えないんかい?」
と思う人もいるかもしれません。
その辺を、廣田先生からご指摘いただきました。
柴胡桂枝湯についての考察 参照
漢方薬というのは、もともとカゼひきの時に使う目的で考え出されたものでも、長い長い歴史の中で、どんどん色々な病気に応用されて、カゼ以外の慢性の病気にも効果が高い、
ということが伝わり、むしろ、もともと考え出されたシュチュエーション「以外での」使用方法が、結果的にメインになっていることも、少なくありません。
この柴胡桂枝湯という薬も、ある種の慢性病には、積極的に使われるようです。
僕ら鍼灸師としても、四逆散などと同じように、
「この場合、柴胡桂枝湯的な効果を狙いたいな~」
と思いながら鍼をすることがあります。
まあ要は、その患者さんの状態をどれだけ的確に把握できるか、にかかっているのです。
それが出来ないと、治療効果はピンボケします。
その時に、『傷寒論』に書いてある、きめ細かな方剤分類の考え方が、たいへん役に立つことがある、ということです。
とりあえず終わり
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