東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「表裏同治」とは(その4)

2012.02.03

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これまでのお話・・・。

「表裏同治(ひょうりどうち)」とは
「表裏同治」とは(その2)
「表裏同治」とは(その3)

 


前回、漢方薬に「表裏双解剤(ひょうりそうかいざい)」というグループが存在する、というお話をしました。

 

これはまさに読んで字のごとく、「表証」と「裏証」を同時に解く(治療する)お薬のグループです。

 

そしてそれは、さらに3パターンに分けられております。すなわち・・・、

1.解表温裏(げひょうおんり)・・・表証を治しながら、裏を温める。

2.解表清裏(げひょうせいり)・・・表証を治しながら、裏の熱を冷ます。

3.解表攻裏(げひょうこうり)・・・表証を治しながら、裏を攻め下す。

『中医臨床のための方剤学』神戸中医学研究会 編著 医歯薬出版株式会社から引用)

 

 


・・・まあ、コレ以上いくとどんどん難しくなっていくので深入りはしませんが、要は、表裏両方を治そうとする場合、

「表の状態」「裏の状態」にそれぞれ適切に合わせた処置をしないと治せませんよ、ということなんです。

ここで、こぼれ話になりますが、3.の”解表攻裏剤”の中に、有名な「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」という薬があります。

”メタボリックシンドローム”というものが騒がれるようになった近年、「やせ薬」なんつって大々的にうたわれ、話題になった薬です。

・・・やせ薬?? 

 

 

・・・漢方に??

 

 

いやいや、ちょっと待ってよ、そーゆーの、と思いませんか??

 


そういう、太ってるから、太鼓腹だから、イコールこの漢方、とかっていう考え方、また、そう誤解されるような宣伝方法に、僕はまったく賛成しない立場です。

この薬はもともと、1172年、元の時代に、「金元の四大医家」の一人といわれ、火熱論という学説を唱え、寒涼派といわれる劉完素(りゅうかんそ 1120-1200)によって書かれた、

 

『黄帝素問宣明論方(こうていそもんせんめいろんほう)』、通称『宣明論(せんめいろん)』という本に登場するお薬であり、この薬の目的は、

 

表裏、三焦(つまり全身)ともに実(邪気が旺盛)のものに使うことです。

 

・・・まあ確かにそう言われると、慢性的な食べ過ぎ飲み過ぎで、肥満から糖尿病が大流行りの現代人にとっては、とてもいい薬な気がします。

 


でも、コレ飲んで痩せようなんてのは、虫がイイ話です。

 


場合によっては(証が合っていなかったら)具合が悪くなることもあるかもしれません。

 

たまたま証があっていれば、スッキリと汗や便や尿が出て、痩せるケースもあるでしょうが、もしそうなったとしても、僕はあまり感心しません。

 


やっぱり薬に頼る前に、適切な運動、食事、睡眠です。(笑)

 

足すことよりも引くことを考えないと。

 

 


それでもダメな場合に、もし漢方薬でやりたいなら、漢方薬の専門家の診断に基づいた、適切な処方を選ぶことをお勧めしますねえ・・・。

 


忙しくて時間がないのは分かりますし、お手軽を求め、それに飛びついてしまう気持ちも分かります。

 

しかしながら・・・、です。

 

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(社)北辰会役員講師研修会

2011.08.01

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昨日、7月31日の日曜日は、大阪、天満橋で行われた、(社)北辰会、役員講師研修会に参加してきました!!

今回の研修会の内容は・・・、といっても、この勉強会は外向けの、オープンなものではないので、内容に関しては一応念のため伏せさせていただきます。

まあ別に、怪しいこととかをやってる訳ではないんだがネ。

内容はいたって真面目、かつ素晴らしい内容です。(笑)

まあ一つだけオープンにしちゃうと、今回はなんとワタクシ、「学力テスト」を受けてきました!!

我々が基本に置いている『中医学』であったり、『臓腑経絡学』、あるいは『北辰会方式とはいかなるものか』

という、基本的かつ根本的な問題について、何年振りかに「学力テスト」を受けちゃいました・・・。

まあ、鍼灸学術研究団体の講師として、「技術面」のみならず、「理論面」というのも、当然内外から問われる資質になってきますので、

こういうことは当たり前といえば当たり前だと思います。

しかし実は問題にまんまと引っ掛かり、いくつか間違えました。

(苦笑・・・でもそれにより、自分の理論の甘い部分が分かるワケです。)

・・・とにかく、役員講師研修会というのは、日頃教えている立場の、北辰会の講師の先生方が、

「さらに学術を高める」

「さらに教育力を向上させる」

という目的で、学術両面のすり合わせや確認、さらなる上達をするための貴重な場であります。

今回も、ガッチリ終電まで色々と教わってきました。

(やや飲み過ぎた感のあるお酒とともに。)

まあ~、充実の週末。

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東洋鍼灸専門学校での講義スタート!

2011.06.14

今日から5週間、毎週火曜日は、新宿、新大久保にあります、東洋鍼灸専門学校という鍼灸学校にて、ワタクシ、昼夜それぞれ全5コマ、合計10コマほど、

 

講義させていただきます!!

東洋鍼灸専門学校といえば、全国でも有数の鍼灸教育の名門伝統校です。

東洋鍼灸専門学校HP

このような学校で、私ごとき青二才が講義させていただけるなんて、大変光栄な話です。

こうなるまでの流れに協力、尽力して下さった、全ての先生方に、本当に感謝しております。

そして、講義させていただく内容は、

「北辰会方式概論」

であります。

(なんと責任重大なタイトル!!)


・・・でもこれは、あえて私の判断で、このタイトルにさせていただきました。

学生さんにとって、単純にこの方が分かりやすいだろうし、興味を引くかな、と思ったので。

・・・もちろん、たったの5コマで、北辰会方式の全てを詳細に語る、見せることなど到底出来ませんので、さわり部分のみ紹介させていただくことと、

今やWHO(世界保健機構)も大々的に取り上げる、TCM(Traditional Chinese Medicine)、日本語訳でいうところの、「中医学」に基づく鍼灸治療、

というものについて、これまたさわりのみになりますが、学生の皆さんに、ちょっとでも御理解いただけたらな、と思います。

現在、鍼灸医学は世界中で、現実の医療の現場において、たいへん実用的で有用な医療として認められ、世界各国で法整備、学問体系の整備、教育システムの構築等々、

言わば「メジャー化」みたいな動きが起こってきております。

東洋医学、鍼灸医学がマイナーからメジャーへ変化するにあたって、世界共通の用語、認識として、WHOから選ばれているのがTCM(中医学)です。

この流れは、今後もどんどん加速し、世界中に浸透するでしょう。

その中医学をベースに、さらにいいものを構築しようとして、30年以上前から、日本で活動してきたのが北辰会です。

ですから、学生の皆様にとって「北辰会方式概論」を学ぶことは、「中医学」に基づく鍼灸治療の、一つのしっかりとした”カタチ(方法論)”を学ぶことになります。

初日を終えた印象として、東洋鍼灸専門学校は、熱心な学生さんが多いなあ、という印象です。

質問もたくさんいただきました。

嬉しい限りです。

まあ僕ごときにどこまでお伝えできるか分かりませんが、今日から5週に渡って、全力でやらせていただきたいと思います!

東洋医学の明るい未来のために・・・。

 

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「錯雑証(さくざつしょう)」という考え方(その3)

2011.06.08

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これまでのお話・・・

「錯雑証(さくざつしょう)」という考え方
「錯雑証(さくざつしょう)」という考え方(その2)

 

・・・ここまでのお話で、病気の中には、

・「性質」が冷えか熱か、

・「趨勢」が虚か実か、

・「位置」が表か裏か、

スッキリと分けられない、ハッキリしないものがある、そういう病気を東洋医学では「錯雑証(さくざつしょう)」などと呼び、非常に注意を払っている、というお話をさせていただきました。

 

 

まあ、あまり難しく考えないでほしいけど、これはつまり、

 

1.表裏、

2.寒熱、

3.虚実

 

の病変が、一つの体に「両方同時に」存在している場合のことをいいます。

 


具体的に言うと、

1.「表裏が同時に存在」というのは、一つには病が、浅い位置と深い位置のちょうど中間ぐらいの、中途半端な深さにあることを言い、これを専門用語では「半表半裏証(はんぴょうはんりしょう)」なんて言ったりします。

(これを初めて聞いた時、なんちゅ~そのまんまなネーミングなんだ!と思いました・・・。(笑))

 

もう一つは、浅い部分である表の部位と、深い部分である裏の部位が同時に病んでいて、甲乙つけがたい状態にある場合も、臨床的にはあります。

 

2.「寒熱が同時に存在」というのは、一つの体に、”冷えによる病”と”余分な熱による病”とが同居している状態を言います。

いつかこのブログにも書いた、頭がカッカのぼせて、足が冷える、「上熱下寒(じょうねつげかん:いわゆる冷えのぼせ)」なんていうのは、コレの典型例です。

「上熱下寒」を含む記事 参照

3.「虚実が同時に存在」というのは、「虚(きょ)・・・つまり治る力の衰え」と、「実(じつ)・・・つまり発病因子の侵襲」が、”同程度”存在するものを言います。

 

この”同程度”の中にも、

 

A.「虚」が主体のもの、

 

B.「実」が主体のもの、

 

C.「虚実」ともに明明白白のもの、

 

と、3パターンあるのですが、この「虚」「実」ともに明明白白なパターンは、陰陽のバランスが大きく崩れているものと考え、中医学ではかなり重症、と位置付けています。

 


これをうまく調整できるのは相当な腕達者、ということです。

 

・・・では、これら錯雑証に出会ってしまった場合の、治療はどうしたらよいのでしょうか。

 

 


次回に続く

 

 

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「気」ってなんですか?(その3)

2011.05.25

これまでのお話・・・


「気」ってなんですか? 
「気」ってなんですか?(その2)
 参照

 


前回、「中医学」の教科書の中に、この医学が根本に置く、「気」というものの定義として、

「”気”は万物を構成する、最も精微な”物質”である。」

という表現に対して、僕自身が、正直言って、どうも納得がいかなかった、というお話をしました。

そこで、「物理学」とか、「素粒子」というキーワードを出しましたが、ここに対して、某先生からありがたいご指摘をいただきました。

某先生についてはこちらをご参照ください。(笑)


そのご指摘とは、以下の通りです。

(以下、メールの内容から引用)


物理学でお話をするのであれば、ミクロの世界の量子力学の知識が必要になります。

マクロの世界は従来の物理学(ニュートン力学)で説明できますが、「素粒子」ということばを使う場合、ミクロの世界の量子論が欠かせません。

現代医学はまだマクロの世界の科学を基礎にしています。

量子力学では素粒子は粒(物質)であり波である、つまりこの世の根源的なものは粒であって波であると説いています。

つまりマクロの世界の物理学とミクロの世界の物理学は違っているということをしっかりと認識して、論を展開しないと話がおかしくなります。

ちなみに、「紐解く」は今よくそのまま間違われて使用されていますが、正しくは「繙く」です。

(引用おわり)

・・・とのことです。

かなり、重要な指摘をして下さっています。

 


「ミクロの物理学とマクロの物理学」あるいは「量子力学」というものがいかなるものか、という問題については、僕なんぞが説明するよりも、

 

その道の専門家の方が、誰にでも分かるようにと配慮して平易な言葉で解説された、分かり易い書籍やブログが山ほどあります。

 

・・・ですので、興味のある方はそちらをのぞいていただくことにします。

 


僕なんかがこれらについて「したり顔で」書いたりしたら、専門家の先生方にフルボッコでしょう。(怖)

 

したがって、これらの理解についてはそちらにお任せするとして、ここでは立ち入らないことにして、このブログでは、なぜ僕自身が、結果的に中医学というものに納得できていったか、というお話をしていこうと思っています。

 

・・・ですので、「気」というものについて、「論を展開する」というほどの内容を書こうとは、今のところは思っておりません。(苦笑)

まあ、量子力学や現代宇宙物理学なんかは、我々のように「気」というものの存在を、ある意味で信じ、実感しながら臨床応用し、医療をやっているものにとっては、

大変興味深い分野なので、そのうちさわりだけでも紹介できたら・・・、な~んて野望ぐらいは抱いております。


・・・また長くなっちゃったので、続きは次回。

 

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「気」ってなんですか?(その2)

2011.05.24

かなり前に、「気とはなにか?」という根本的な問題について簡単に書きました。

「気」ってなんですか? 参照


今日はその続きをちょっと書きます。


◆「気」は物質!?

私の所属する(一社)北辰会では、医学理論のベースに「中医学(ちゅういがく)」というものを置いています。


東洋医学と中医学 参照


その、中医学の教科書を紐解きますと、

「”気”とは、万物を構成する最も精微な”物質”である。」

と、出てきます。

 


この表現を十数年前、初めて読んだとき、僕は正直、違和感を感じました。

「”気”が物質!? なんかちょっと・・・、それってどうなん??」

と思ってしまったのです。

何となくだけど、僕が思っている”気”というものとイメージが違う感じがしたのです。

 


この定義でいくと、物理学なんかがいう”素粒子”とか”原子”とかと、東洋医学、東洋哲学の言う「気」が、”=(イコール)”ってことになりゃあしないですかね??

 

これを人間のカラダで考えたら、「細胞=気」みたいな感じになっていって、人間の体は60兆の「気」で出来ている、みたいな、おかしな話になっていかないですかね??

 

・・・しかも、だとすると、人体を流れる「気」っていうのも、西洋医学の言う「血液」「リンパ液」というものと同じとか、しまいには気の流れと神経伝達、跳躍伝導は同義、

 

とかっていう感じになってきて、西洋医学の方がよっぽど、そういうもの(体内の流動物)の動きや変化について緻密に、細かく説明されていて、

 

甚だ優れているものである、という結論になっていかないでしょうか。

 


「”気”は”物質”である。」・・・。

 

サラッと書いてあるこの一文、果たしてそうなのかナー??、という疑問がわかないでしょうか。

 

・・・長くなりそうなんで次回に続く。

 

 

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東洋学術出版社から・・・

2011.02.25

今日はちょっとカタイお話。(苦笑)

・・・今日、東洋学術出版社から、とある勉強会の案内がメールで届きました。

なんでも、

中医学(ちゅういがく)の教育がそれほど整っていない学校の学生さんや、あるいは整っていなかった学校を卒業したOBの方など

を主な対象とした勉強会をやるそうで、講義名は

「中医弁証(ちゅういべんしょう)トレーニング」

と題して、全4回のシリーズ講義だそうです。

講師は、清明院のスタッフは僕も含めて全員お世話になったことがある、東京衛生学園の兵頭明(ひょうどうあきら)先生だそうです。

詳細はこちら

兵頭明先生は日本の中医学教育の草分け的存在の一人であり、東洋学術出版社という出版社も、

我々の勉強にとって欠かせない、数多くの貴重な良書を出版して下さっております。

最近ではインターネットを使って、有料で講義そのものを試聴できるサービスまで始めています。

興味のある方はこちら

・・・まあ現状、世界レベルで東洋医学を考えた場合に、共通の用語、共通の考え方に基づいて、

世界中の東洋医学者が討論できうる東洋医学の理論ツールと言ったら、「中医学」をベースに置く以外にないだろうと思います。

簡単に言うと、現在、世界中で最も広まりつつある(メジャーになりつつある)東洋医学なんじゃないかと思います。

「中医学」というのは、以前書いたように、新中国が国家主導でまとめ上げた、大変論理性の高い医学です。

東洋医学と中医学 参照

(・・・まあ、色々と問題はあるにせよ・・・です。)

(社)北辰会も理論のベースにはこの「中医学」を置いています。

兵頭先生が教鞭をとっておられる、大森にある東京衛生学園専門学校も、国内でも特に積極的に中医学教育を実践している学校の一つです。

僕自身、学生時代にこの「中医学」の教科書と出会えたから、東洋医学に夢中になれた面が多分にあります。

この中医学教育が、残念なことに日本ではなかなか浸透していません。

現在、鍼灸学生が授業で使用している『東洋医学概論』という教科書がありますが、これも中医学をベースにしているとは言えません。

(というか、ベースがハッキリしないように思います・・・。)

その分、よく分からず、東洋医学というもの自体に混乱、曲解してしまう学生が多いのが現状です。

中には、「中医学」がどういうものかもよく分からずに、勉強したこともないのに、変に批判する学校教員や学生までいる始末です。

批判するにしたって、批判する対象をよく勉強してもいないのに批判できる神経が、僕には意味不明であります。

単なる近所迷惑です。(苦笑)

僕個人的には、東洋医学という膨大な学問を一生をかけてキチッと理解していく上で、

最初の段階で「軸」に据えるのに最もいいのが現状では中医学だと思っています。

基礎基本としての中医学教育が、もっと活発化することを望みます。

コレを読んで下さっている学生諸氏や、中医学に興味はあるけど疎い駆け出し鍼灸師の方は、ぜひ参加してみたらいいと思います。

「百聞は一見にしかず」

です。

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(社)北辰会関東支部研修会「順雪会」

2011.01.10

1月8日の土曜日の夜から、群馬県、草津温泉にて行われた、(社)北辰会関東支部主催、

宿泊型大規模研修会「順雪会(じゅんせつえ)」

に参加してきました!!!

これまで、この研修会は基本的に関東支部の会員のみを対象とした研修会であり、あまり宣伝されてこなかったんですが、今回からは、定例会、

 

北辰会HP等で大々的に宣伝し、事前に一般の先生や鍼灸学生にも参加を募ったところ、例年よりも多くの参加者がはるばる草津温泉まで訪れ、

 

いつになく盛り上がったように思います。

また今回は、神戸中医学研究会から、医師の先生も参加され、両会の今後のよき交流に繋がることを予感出来る雰囲気もありました。

僕は8日の深夜に到着したので、1日目の宴会とナイトセミナーには残念ながら参加できなかったんですが、2日目(9日)は朝から蓮風先生の講義、

 

午後は島内先生による講義と、2コマともに普段は聞けない特別な内容で、お二人ともサスガの濃密な内容、ハンパじゃなかったです。

そして夜は大宴会・・・。

「関東支部にはこんなに芸達者な先生がいたのか!」

と思うほど、色んな先生方の

 

「新春かくし芸的な芸」

 

を見せていただき、大いに盛り上がりました。(笑)

そしてそのあとは、島内先生による特別ナイトセミナー・・・。

基本を外さず、超絶技巧の数々、秘儀秘伝の数々を伝授しておられました。(笑)

いや~、なんていうか、今回の順雪会は、”濃かった”です・・・。(笑)

来年はもっともっと盛り上がるでしょうね~♪

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(社)北辰会12月本部臨床コース 水本淳先生の傷寒論 陰陽論シンポジウム

2010.12.06

昨日、12月5日の日曜日は、大阪、上本町で行われた、(社)北辰会本部臨床コースに参加してきました。

今回は、午前中は愛媛の水本淳先生による大人気シリーズ講義、

「傷寒雑病論(しょうかんざつびょうろん)」

でした。

今回は水本先生自身の貴重な症例を中心に話が展開され、いつもながら非常に勉強になりました。

水本先生の治療院の待合室で、突然失神してしまった患者さんへの迅速な「鍼での」対応等、まあ、出来れば出くわしたくはない状況だけど、

 

僕も開業している以上、あり得ない話ではないので、とても参考になりました。


そして午後は、この日の目玉企画である、代表理事、藤本蓮風先生と、以前清明院にもお見えになった、神野英明先生、橋本浩一先生による、

「陰陽論シンポジウム」

でした!

・・・まあ、言わずと知れた、北辰会が誇る3人のベテラン臨床家であり、ブックメーカーでもあります。

はるばる・・・(その12)
はるばる・・・(その8)   参照


そして今回は、神戸中医学研究会という団体の先生方も多く参加されていて、質問コーナーでも、そこの先生方が盛んに質問しておられ、大変活気のあるイベントとなりました。

 


神戸中医学研究会とは、医師を中心とした、歴史ある中国医学の専門家集団であり、その著作も多く、しかもそのどれもが大変な良著ばかりであります。

 


僕も、ここが出している本には非常にお世話になりましたし、今でもなっております。

神戸中医学研究会 作品一覧

 

こういうところの先生方が多く参加された、ということは、北辰会が注目されているということの証拠であることはもちろん、徐々に団体間の”壁”のようなものが崩れて来つつある、ということを示唆していると思います。

 


この流れは非常にイイと思うし、今後どうなっていくかに大いに期待したいです。

 


団体間で交流がまったくないとか、あってもケンカとか、そんなの発展性がない感じがして、個人的には好きじゃありませんのでね。

・・・まあ内容の方も非常に充実しておりまして、ちょっと時間が短すぎたように思います。

司会の堀内先生から、来年2月に第2弾を開催するという宣言がありましたので、それを楽しみにしようと思います。

 

そして終了後の忘年会は、いつになく異常な盛り上がりを見せていましたネ・・・(笑)

 

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再分析(標本について その2)

2010.07.25

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これまでのお話・・・


再分析(病因病理について)

再分析(標本について)

 

 

・・・東洋医学的な鍼灸治療において、初診の時にその患者さんが、

・なにで困っているのか

・どうしてそうなったのか

・そうなってから他に変化したことはないか

・普段の生活状況(仕事、家庭環境)はどうか

・それは今後どう変化していくのか

・もともとの体質的な特徴はなにか

・実際に観察してみてどうなっているか

・・・などなどを、つぶさに、丁寧に診察し、それを「東洋医学の考え方に則って」分析し、治療する訳です。

 


そしてその患者さんが今後どうなっていくのかを、これまた、

「東洋医学の考え方に則って」

予測し、それを説明させていただいた上で、養生法や治療頻度などについても、ご提案させていただく、という訳です。

 


当然、「病気」というのは、難しいものになればなるほど、1,2回の治療で効果が期待できるようなものは少ないです。

 


これはどんな名人だろうが仙人だろうが、そうなんです。

 


病治しの世界は甘くはないんです。

 


・・・残念ながら。苦笑

 


しかも、治療していく日々の中で、その患者さん自身が、こちらが期待している通りの生活をしてくれるとは限りません。

 


患者さんの体の状態や、置かれている状況というのは常に変化、流転する訳です。

 

 

悪い方向にも、です。

 


つまり、たとえ初診の段階で、

「これで完璧だ!」

と思えるような東洋医学的な診断、治療を施したとしても、そこから一直線に何もかもが治癒、快方に一直線に進む、などということはなかなかない、

 

というのが厳しい現実なんです。

 


ただしかし、そうであっても、患者さんの変化に迅速についていき、時には先回りして、いち早く、治癒に導いてあげたい、笑顔が見たい、というのが、治療者側の普通の考え方です。

 


ここで大いにモノを言うのが「再分析力」です。

 

 

それも瞬時の。

 

 

 


「標」と「本」という言葉の意味については前回お話しした通りです。

 

 

ここで、

「病を治そうと思ったら、根本を治す”本治”だけやり続けるのが一番いいんじゃないの?」

と思う方もいらっしゃるかも知れません。

 

 

これは中医学の成書では「治病求本」と言われ、非常に重要な考え方なんですが、いつも必ずそうとは限りません。

 


しかし、時には”病の枝葉”ともいえる「標」を先にやっつけた方がいい場合もあるのです。

 

 

どんな時かというと、急性症状や激しい症状で、まずは症状を治めてしまわないといけないような場合です。

 

 

これも「急則治標」という、重要な考え方です。

 

 

反対に、症状があるけれども、ある程度安定している状況の時は「緩則治本」といって、本質的な病理を治療するのです。

 


また、時々刻々と流転する日々の中で、患者さんの病の「標」と「本」の主従が逆転することもあるんです。

 


その、

 

「今この瞬間は、標を相手にするか、本を相手にするか、あるいはその両方を相手にするか(標本主従の明確化)」

 

という判断の正確さ、的確さの下支えになるのが、


「病因病理把握力」+「体表観察力」


なのであります。

 


前者は基礎理論~応用理論の把握がしっかりしてないと正確性を失うし、後者は感覚の鋭さ、的確さがないとこれまた正確性を失います。

 


「理論」と「感覚」・・・これ両輪の輪です。

 


この両者を「バランスよく」鍛え、臨床の精度をより高めようと思ったら、結局は一生懸命勉強して、毎日患者さんに「本気で」向き合い続けるしかないんです。

 


漫然とやってたら、十年やってもダメです。

 


常に「本気」でやることです。

 


ただ、引かれない程度にね。(笑)

 

 

とどのつまり・・・、患者さんこそが我々の「先生」なのだ、ということです。

 

 

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