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これまでのお話・・・
補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法
補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法
補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法
補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法
補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法
補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法
補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法
補瀉 8 『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法
補瀉 9 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法
補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法
補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法
補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法
補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法
補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法
補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ
補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ
補瀉 17 『難経』71難における補瀉
補瀉 18 『難経』76難における補瀉
補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き
補瀉 20 『難経』78難における補瀉
補瀉 21 『難経』79難における補瀉
補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ
補瀉 23 孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉
補瀉 24 金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉
補瀉 25 金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉
補瀉 26 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉
補瀉 27 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2
補瀉 28 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3
補瀉 29 明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉
補瀉 30 明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉
補瀉 31 現代中医学における補瀉
補瀉 32 日本における補瀉の受容
補瀉 33 『針道秘訣集』における補瀉
補瀉 34 『杉山真伝流』における補瀉 1
補瀉 35 『杉山真伝流』における補瀉 2
補瀉 36 永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉
補瀉 37 『杉山流三部書』における補瀉
補瀉 38 岩田利斉『鍼灸要法』における補瀉 参照
では続きいきます!!
◆岡本一抱『鍼灸抜萃大成』における補瀉
(一社)北辰会の代表著作と言っていい、『臓腑経絡学』。
この『臓腑経絡学』は、以前このブログでも紹介した、江戸時代の名医、岡本一抱(1654-1716)の『臓腑経絡詳解』にインスパイアされた本、と言っていいと思います。
その岡本先生の著作の一つに、『鍼灸抜萃大成』という本があります。
この本は元禄11年(1698年)に、岡本先生が以前出版した『鍼灸抜萃』という本の増補改訂版として出版されました。
ここに、補瀉に関する記載があります。
「補瀉迎隨の論」というところにツラツラと書かれているのですが、これまで書いてきたように、呼吸に合わせたり、
鍼を捻ったりして補瀉するのですが、面白いのは、補瀉する時に、なんと呪文を3回唱えなさい、と出てきます。
(おいおい・・・。)
そして、男女では補瀉が逆になる、と説きます。
〇
ここから何を読み取るべきかというと、 治療における「意念」の関与の問題です。
昨今のEBMだとか、データに基づく医療を実践している人や、そういうものでないと信じない、という患者さんからしたら、まったく奇異な話にしか聞こえないと思いますが、
同じ術者が、同じ患者に、同じ診立てで、同じ経穴に、同じような手技を施す場合、
「どうせ効かねえや。」
と思いながら打つのと、
「絶対に効く!!」
と確信を持って打つのでは、正直、効果が違うと思います。
これは後者の方が、明らかに良く効くと思います。
これが、我々東洋医学、”気の医学”の面白いところの一つではないかな、と思います。
人間の意識による反応、違いも、気のありようの一つなのです。
岡本先生のこの記載は、それを示唆していると思います。
・・・まあ実は、岡本一抱に限らず、他の先生の本にも、刺鍼する上では、術者の心持ち、患者の心持ちが大事である、という話は、たくさん出てきます。
僕も15年ほど臨床をやってみて、実際にそういう部分はかなりある、と、経験から思います。
逆に言うと、鍼をするのにいい加減な気持ちでやると、間違いなくとんでもない目に遭います。(笑)
ただ、これを最初からあまり強調し過ぎるのは、僕的にも賛成できません。
まずはキチッと、基礎学問。
冷静に、一つ一つ基本を押さえる。
すべてそれを前提とした話です。
続く
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2016.04.05
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補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法
補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法
補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法
補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法
補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法
補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法
補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法
補瀉 8 『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法
補瀉 9 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法
補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法
補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法
補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法
補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法
補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法
補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ
補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ
補瀉 17 『難経』71難における補瀉
補瀉 18 『難経』76難における補瀉
補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き
補瀉 20 『難経』78難における補瀉
補瀉 21 『難経』79難における補瀉
補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ
補瀉 23 孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉
補瀉 24 金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉
補瀉 25 金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉
補瀉 26 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉
補瀉 27 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2
補瀉 28 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3
補瀉 29 明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉
補瀉 30 明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉
補瀉 31 現代中医学における補瀉
補瀉 32 日本における補瀉の受容
補瀉 33 『針道秘訣集』における補瀉
補瀉 34 『杉山真伝流』における補瀉 1
補瀉 35 『杉山真伝流』における補瀉 2
補瀉 36 永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉
補瀉 37 『杉山流三部書』における補瀉 参照
では続きいきます!!
◆岩田利斉『鍼灸要法指南』における補瀉
(一社)北辰会の学術部長である奥村裕一先生もよく講義の中で引用なさる、岩田利斉の『鍼灸要法指南』(1686序刊1720重刊)。
この人は江戸期の鍼灸医なんですが、生没年等、詳しいことがイマイチ分からない人物であります。
(詳しい方、教えてください。<m(__)m>)
この人物が書いた『鍼灸要法指南』は非常に有名な書物で、非常に分かりやすい文章で、非常に的を得た内容です。
そこには、補瀉に関してもいくつか記載があります。
例えば、
「瀉した後きちんと補わないと、すぐ戻っちゃうよ~~」
とか、
「補瀉する時に虚実を間違えないようにね~~」
とか、我々少数鍼治療家にとって嬉しいことに、
「色々な病であっても、鍼は一本。せいぜい2、3本。重要な経穴に補瀉迎隨すればよい。これも一つの流儀だよ~~」
とも書き、また、
「鍼で一番大事なのは正気の往来を知ることだ~~」
とか、
「鍼の方法論で一番大事なのは補瀉で、色々な補瀉法があるよ~~」
とか、
「鍼は瀉法に適しているよ!でも、だからと言って補法がないというのは間違いだよ!!」
とか、非常に重要なことを簡潔に述べてくれております。
(言葉遣いは抜粋意訳 by 竹下)
この本の序文で岩田利斉は、近頃の鍼灸医のレベルが下がっていることを嘆いて、この本を指南書にしたいという思いで書いた、と述べています。
そして、内容にまで立ち入って検討すると、どうもその頃の鍼灸医の治療が、緻密な診たてが不足した、多穴治療で、
強刺激の瀉法偏重になっていたんじゃないかな、 と思わされます。
いつの時代も、その業界がおかしな方向に進むと、それのアンチテーゼが出てきますね。
正義感を持った立派な先生が現れる訳です。
とりわけ医療業界というのは、そういうことが起こりやすいのでしょうか。(*’ω’*)
続く
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2016.04.04
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補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法
補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法
補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法
補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法
補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法
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補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法
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補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法
補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法
補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ
補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ
補瀉 17 『難経』71難における補瀉
補瀉 18 『難経』76難における補瀉
補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き
補瀉 20 『難経』78難における補瀉
補瀉 21 『難経』79難における補瀉
補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ
補瀉 23 孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉
補瀉 24 金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉
補瀉 25 金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉
補瀉 26 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉
補瀉 27 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2
補瀉 28 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3
補瀉 29 明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉
補瀉 30 明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉
補瀉 31 現代中医学における補瀉
補瀉 32 日本における補瀉の受容
補瀉 33 『針道秘訣集』における補瀉
補瀉 34 『杉山真伝流』における補瀉 1
補瀉 35 『杉山真伝流』における補瀉 2
補瀉 36 永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉 参照
では続きいきます!!
◆『杉山流三部書』における補瀉
先日、『杉山真伝流』における補瀉手技について簡単に紹介ましたが、せっかく杉山流に触れたので、杉山流を理解する上でもう一つ重要な、
『杉山流三部書』(1682年頃)における補瀉に関する記載にも触れておこうと思います。
『杉山流三部書』というのは、『療治の大概集』『選鍼三要集』『医学節用集』の三書を指し、1682年頃から出版されたと言われています。
その中の『療治の大概集』の一番最初に、”補瀉の方法”という、そのまんまのタイトルの項があります。(笑)
そこには、これまでにも述べてきたような、呼吸の補瀉と、開闔の補瀉が簡単に説かれています。
また、『選鍼三要集』の中には、”補瀉迎隨を論ずる”という項と、”虚実を論ずる”という項があり、ここでは、『黄帝内経』、『難経』の説を引きつつ、
これまでにも書いてきたような、捻鍼の補瀉、開闔の補瀉、徐疾の補瀉、呼吸の補瀉、左右の補瀉を紹介しつつ、一つの結論として、
”補瀉は迎隨を持って主とするべきである”
と述べ、これを極めて、意識的に経脈の流れを調整することが出来れば、鍼の道は完成する、とまで述べています。
さらに、
”陰陽のバランスを調えることが治療の目的であり、これが補瀉の意味なのである”
と述べます。
そこで、陰陽ともに弱った患者に、無理に気血を動かそうとするから、かえって元気を傷って、失敗するんだよ、と述べています。
さらに、
”医道は虚実に尽きる”
と述べています。
先日、藤本漢祥院に研修に行った時に、とある先生とチラッとこの「迎随の補瀉」の話になったんですが、僕としても、
補瀉の究極はこれなんじゃないかと、今のところ思います。
それは、単純に経絡の流注の向きに鍼を添わせる、というような形式的なことを言っているのではなく、患者さんの自然な気の動きを邪魔しない様に、
正気に随い、邪気を迎えるように、鍼を打つ、結果的に経脈の流れを正常化する、ということなんだろうと思います。
(実際にそのようにやってみようと思うと、いかに難しい世界か分かります。)
これって、鍼でも手技療法でも、共通だと思います。
どんなにたくさんの本を読んで、理論武装をしたとしても、結局のところ、これがうまい人は治療がうまく、これが下手な人は、治療が下手なんだと思います。
残酷なことに。(笑)
杉山流は他にも重要なことをたくさん教えてくれますので、今後もチョイチョイ触れようと思います。
続く
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2016.04.03
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補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法
補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法
補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法
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補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法
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補瀉 9 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法
補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法
補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法
補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法
補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法
補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法
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補瀉 23 孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉
補瀉 24 金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉
補瀉 25 金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉
補瀉 26 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉
補瀉 27 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2
補瀉 28 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3
補瀉 29 明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉
補瀉 30 明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉
補瀉 31 現代中医学における補瀉
補瀉 32 日本における補瀉の受容
補瀉 33 『針道秘訣集』における補瀉
補瀉 34 『杉山真伝流』における補瀉 1
補瀉 35 『杉山真伝流』における補瀉 2 参照
では続きいきます!!
◆永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉
御園夢分斎と同じ時代にいたのではないかと言われる有名な医家に、永田徳本がいます。
この人物も、以前紹介しました。
実はこの人物は、多賀法印という人物に師事したと言われているのですが、実は夢分流の創始者と言われる夢分斎も、同じ多賀法印に師事していたのではないかという研究がありましたが、
最近の研究で、それが間違っていたことが分かっているようです。
こうやって、歴史研究というのは新事実が発覚したりして、発展していくものなのです。
この辺の、江戸期の日本古流派の登場人物の関係性については、非常に熱心に調べていらっしゃる先生方がたくさんおられますので、そのうちもっともっと色々なことが明らかになって、
それがまとまった教科書でも出してくださると、我々としては頭をスッキリと整理するのに非常に役立ちますので、応援したいです。
・・・まあともかく、永田徳本は『鍼灸極秘伝』の中では特定の経穴に対する鍼の刺し方を述べ、『徳本多賀流針穴秘伝』の中では、
補瀉の重要性を述べ、「先補後瀉」の原則や、補瀉するにあたって、痛くなく打つことの重要性などを述べています。
ここでは深入りしませんが、この「刺針時の痛み」をどう考えるかというのも、一つのテーマかと思いますね。
まあ、永田徳本自体は、補瀉に関して、さほど目新しいことは言っていません。 (‘Д’)
続く
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2016.04.02
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補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法
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補瀉 8 『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法
補瀉 9 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法
補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法
補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法
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補瀉 31 現代中医学における補瀉
補瀉 32 日本における補瀉の受容
補瀉 33 『針道秘訣集』における補瀉
補瀉 34 『杉山真伝流』における補瀉 1 参照
では続きいきます!!
◆『杉山真伝流』における補瀉 2
前回に引き続き、『杉山真伝流』における補瀉です。
今日は、杉山流の刺鍼手技の基本となる「十八術」を紹介します。
十八種類それぞれについて細かく、分かりやすく解説してあるのは、前回も紹介した『杉山真伝流 臨床指南』に詳しく記載されていますので、
専門家の先生方はそちらを見ていただくとして、ここに提示された十八種類の手技は、実に様々な刺し方で、気を集めたり散らしたりできるように、
工夫がなされています。
杉山流はこの十八種類の手技を縦横無尽に組み合わせて、無数のパターンを作り出している、とも言えます。
そしてこの十八術の筆頭に紹介されているのが、有名な”雀啄術”です。
これは、中国では”提挿の補瀉”と言われるものと類似した手技と言っていいでしょう。
刺した鍼を、雀が啄むように出し入れする手技です。
この際の、鍼を入れるスピード、抜くスピード、どの程度大きく鍼を動かすか、こういう微妙な動きによって気の去来を操作します。
ただこの際に前提となるのは、今果たして鍼の先に正気が集まったのか、邪気が散っていっているのか、噛み分ける能力です。
これなしで、見よう見まねで鍼のいじり方だけマネしても、効果は薄いでしょう。
杉山流では、それまでの中国、日本で行われていた補瀉についてももちろん勉強しつつ、新たに”管鍼法”を編み出し、
手技についてはさらに工夫して、あらゆる気の操作方法を提示した、というのが功績の大きな一つだと思います。
夢分流、杉山流、両流とも、『黄帝内経』『難経』、それ以降の医書を、おそらく十二分に研究したうえで、補瀉について
「補は瀉なり、瀉は補なり。」
とブッタ切った夢分流と、補瀉を複雑に技術で細分化分類化したこの杉山流は、双方ともに、いい意味で個性が光っています。
続く
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2016.03.31
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補瀉 23 孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉
補瀉 24 金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉
補瀉 25 金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉
補瀉 26 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉
補瀉 27 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2
補瀉 28 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3
補瀉 29 明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉
補瀉 30 明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉
補瀉 31 現代中医学における補瀉
補瀉 32 日本における補瀉の受容
補瀉 33 『針道秘訣集』における補瀉 参照
では続きいきます!!
◆『杉山真伝流』における補瀉 1
『針道秘訣集』(1685)が世に出たころ、杉山和一(1610-1694)という人物がおりました。
この人物については、実は以前墓参したことがあります。
日本鍼灸史を語る上でも、超重要人物ですので、そのうち紹介しましょう。
この先生は、実は清明院ではほとんど用いませんが、「管鍼法」というたいへん有名な鍼術を発明した先生です。
刺入する前に、鍼を、鍼自体よりも少し短い管に通して、出た鍼の頭の部分をトントン叩いて刺入する、日本独特の鍼術です。
今では世界中の鍼医師が使います。
前回紹介した「打鍼術」や、今回紹介する「管鍼法」あたりが、単なる中国の模倣ではない、日本独特の鍼の術式、
と言っていいんじゃないでしょうか。
まあともかく、杉山和一の鍼術を指して「杉山流」と呼び、その流儀が書いてある、いくつかの書籍は、現代の鍼灸師である我々も、非常に重要視しているわけですが、
その中のとくに有名な一つである『杉山真伝流』(江戸中期)には、刺鍼の際に使うあらゆる手技が、実に96種も記載されております。
(多すぎます。。。(@_@))
その中に、「鍼管」そのものを用いた手技も記録されており、それは「十四管術」と呼ばれています。
(これは完全に独自の世界ですね。中国には鍼管自体がないワケだから。)
これには、鍼を刺した後に、その周りの皮膚を鍼管で軽くポンポンと叩いたり、鍼自体を鍼管で叩いたり、実に様々なバリエーションがあります。
この辺の解説については、僕が毎週学校でお会いする、尊敬する大先輩である大浦慈観先生が書かれた『杉山真伝流臨床指南』に詳しく、
しかも超分かりやすく書かれていますので、専門家の先生方は是非ご参照いただきたいところです。
これを読みますと、まあ非常に複雑な手技を色々とやることで、どうにか治療効果を最大化しようとしていた様子が伝わってきます。
杉山流は重要なので、もう一回書きます。
続く
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2016.03.25
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これまでのお話・・・
補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法
補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法
補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法
補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法
補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法
補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法
補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法
補瀉 8 『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法
補瀉 9 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法
補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法
補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法
補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法
補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法
補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法
補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ
補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ
補瀉 17 『難経』71難における補瀉
補瀉 18 『難経』76難における補瀉
補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き
補瀉 20 『難経』78難における補瀉
補瀉 21 『難経』79難における補瀉
補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ
補瀉 23 孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉
補瀉 24 金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉
補瀉 25 金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉
補瀉 26 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉
補瀉 27 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2
補瀉 28 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3
補瀉 29 明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉
補瀉 30 明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉
補瀉 31 現代中医学における補瀉
補瀉 32 日本における補瀉の受容 参照
では続きいきます!!
いよいよ日本における補瀉の変遷、いきましょう!
◆『針道秘訣集』における補瀉
曲直瀬道三(1507-1594)の少し後の時代、御薗意斎(1557-1616)の門人である奥田意伯(17世紀)という人物が、『針道秘訣集』(1685)という本を出版しました。
これは我々北辰会とも、非常に関係の深い本です。
我々が主に使い、今では全国的に他の流派の先生方も多く使うようになった”夢分流打針術”のことが書かれた本です。
弱冠30代前半の時に蓮風先生が書いた、この『針道秘訣集』の解説書である『弁釈針道秘訣集』は、その後の鍼灸界に非常に大きな影響を与えた、
不朽の名著と言っていいでしょう。
現代日本で、腹部打鍼術を行う鍼灸臨床家で、これを読んでいない人はいないでしょう。
この本に、「補瀉の大事」という項があります。
ここには、
「『素問』『難経』『針灸聚英』等の本に、補瀉迎随の事が色々書かれてるけど、うちの流派では”補は瀉なり、瀉は補なり”と考えてるんですよ~~。」
と、書いてあります。
この本を書いたのは奥田意伯ですが、彼は、この本は夢分流の創始者である夢分斎の伝書として、発刊しています。
夢分斎という人は、京都の大徳寺の禅僧で、僧医です。
ですのでここの文章は、サスガ禅僧、って感じの言い方ですね。(笑)
これについて、蓮風先生は、最近でも2010.7.24のブログで、
「・・・腹部体表の状況を手掌で感知し邪気と正気をかみ分け、刻々と変化する腹壁に対応して鍼を施すのだ。
真に感性そのものの対応だ。これも「補瀉」の一つのありようなのである。」
と、述べておられます。
第43回 鍼の「補瀉」法にみる中国と日本 ―試みの論― 参照
まあ要は、正気と邪気を噛み分けて、自在に鍼を施し、結果的に臓腑経絡の虚実を調えて、全身の陰陽のバランスを整えて、生体の”治る力”を最大化する、
これが達成できれば、必ずしも形式的な手技にこだわる必要はなく、感性そのもので対応してもOK、ということです。
ただここで、個人的に危険だと思うのは、こういう考え方を盾に、全く意味不明な、破綻した論理に基づいて治療したり、
”意念”だの”愛”だの、そればかり主張して、全然医学理論を勉強しない輩が現れる可能性があることです。
夢分斎が、どれほどの勉強の上にこれを主張しているか。
蓮風先生が、どれほどの勉強の上にこれを主張しているか。
まずそれをきちんと踏まえるべきだと、僕は思います。
続く
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2016.03.24
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これまでのお話・・・
補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法
補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法
補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法
補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法
補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法
補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法
補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法
補瀉 8 『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法
補瀉 9 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法
補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法
補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法
補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法
補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法
補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法
補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ
補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ
補瀉 17 『難経』71難における補瀉
補瀉 18 『難経』76難における補瀉
補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き
補瀉 20 『難経』78難における補瀉
補瀉 21 『難経』79難における補瀉
補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ
補瀉 23 孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉
補瀉 24 金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉
補瀉 25 金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉
補瀉 26 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉
補瀉 27 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2
補瀉 28 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3
補瀉 29 明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉
補瀉 30 明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉
補瀉 31 現代中医学における補瀉 参照
では続きいきます!!
いよいよ日本における補瀉の変遷、いきましょう!
◆日本における補瀉の受容
中国では、医学の歴史といったら2500年前の『黄帝内経』から、歴史的変遷を考えていくんですが、日本では、医学といったら、
約1500年前、朝鮮半島や中国大陸から伝わった、ということになっています。
(by『日本書紀』)
そして、以前このブログでも紹介した丹波康頼(912-995)による『医心方』が、内容を確認できる最古の医学書、ということになっています。
(因みに『大同類聚方』(808年)も、一応確認できます。)
いずれにせよ、日本での医学の歴史となると、文献的には約1000年前から、となり、中国よりもかなり歴史は浅いようですが、
まあ、中国医学が伝来する以前から、おそらく土着の医療行為は行われていたわけで、それと、大陸から伝わった学術が合わさって、
独自の医学、医術が形成されていった側面がある訳です。
(日本は宗教にせよ何にせよ、それが面白い。)
約1000年前から、これらの書籍が登場する中で、刺鍼の際の技術が詳細に記載されているもので、日本最古のもの、となると、
その約500年後、このブログにも何度か登場している曲直瀬道三(1507-1594)の『鍼灸集要』なんだそうです。
彼は『鍼灸聚英』『鍼灸大全』など、それまでの中国の鍼灸の専門書を十分に勉強して、その上で自分の意見を加えてまとめたのが『鍼灸集要』なんだそうです。
それまでの医学書の中にも、刺鍼に関してはチラホラ記載があるものの、『黄帝内経』から明の時代に至るまでの、
刺鍼技術をまるっと紹介したのは、彼が初なんだそうで。
偉大ですねー、曲直瀬道三。
そりゃあNHKで特集組まれるわー。(笑)
続く
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2016.03.21
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補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法
補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法
補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法
補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法
補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法
補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法
補瀉 8 『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法
補瀉 9 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法
補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法
補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法
補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法
補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法
補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法
補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ
補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ
補瀉 17 『難経』71難における補瀉
補瀉 18 『難経』76難における補瀉
補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き
補瀉 20 『難経』78難における補瀉
補瀉 21 『難経』79難における補瀉
補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ
補瀉 23 孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉
補瀉 24 金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉
補瀉 25 金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉
補瀉 26 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉
補瀉 27 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2
補瀉 28 明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3
補瀉 29 明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉
補瀉 30 明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉 参照
では続きいきます!!
ここまで、実に長々と、 鍼灸医学の超重要ポイントである「補瀉」について、2500年前の『黄帝内経』から、中国での歴史的変遷を語ってきました。
気が付けば、過去のシリーズで最大の長さになっていますが、まあいいです。
この後、今度は日本における「補瀉」、現時点での僕的な「補瀉」についても書いていきます。
(笑・・・ですのでまだまだ、終わりが見えてません。。。)
患者さんには、このシリーズ、意味不明、難しいとよく言われるのですが、気分的に、書きたいんだから、仕方ないです。。。<m(__)m>
さて、明代清代を経て、いよいよ今日は現代です。
「中医学における補瀉」はどういうことになっているのでしょうか。
◆現代中医学における補瀉
・・・まあこれは、一口に言って、先生によって諸説紛々、というのが、一番的を得た言い方のようです。(爆)
2500年前、『黄帝内経』で定義され、『難経』でさらに具体的に示され、元代の『針経指南』あたりから複雑な手技が登場し、
明の時代に至って『鍼灸大成』で集大成されたものの、同時代の『鍼灸聚英』などの一部の本から、やや複雑化し過ぎて形式的、
観念的に偏り過ぎたともとれる補瀉法には批判もありつつ、清の時代ではさほど目新しい動きはなく、諸説紛々のまま、
鍼灸臨床をやっている各人の解釈で、現代に至っているようです。
(因みに清代には、アヘン戦争という一大事があったので、なかなか新しい動きが生まれにくかったんでしょう。。。)
中国に実在する名医の先生方の、鮮やかな手技は、一定の参考にするべきだと思います。
・・・補瀉法には、実に無数の手技があり、これについては、一つ一つ取り上げて紹介するよりも、東洋学術出版社から出ている、
『針灸手技学』という本が非常に参考になります。
興味のある方は、そちらを見ていただければ、と思います。
まあ何しろ、
「正気を集めるのが補法、邪気を散らすのが瀉法」
その目的は、
「人体の陰陽の調和を図り、気血の流れを正常化すること」
これが補瀉の原則です。
で、それを”手法”に落とし込もうとすると、無数のパターンが想定できる、ということです。
続く
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2016.03.10
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3.9の水曜日で、東洋鍼灸専門学校、2015年度の後期授業が終了しました!!
〇
・・・いやー、長かったー!!(@_@)
今回は「体表観察学」を昼夜3クラスに、「臓腑経絡学」を昼1クラスに、各クラス約20コマずつ、合計80コマの講義を終了しました!!
この、1日4コマ講義の話を受けたとき、どんなことが起こるか、楽しみとか言っていましたが、結果的には、「僕が」けっこう疲れました。
(苦笑・・・すなわち、まさかの”僕が疲れる”という結果が得られました。。。)
まあでも、ここに、カリキュラム内容を公開し、記念碑にしようと思います。
【昼専科、夜本科専科】
1.ガイダンス~北辰会方式概論
2.中医学概論 実技デモ
3.28脈状診 実技
4.胃の気の脈診 実技
5.舌診 実技
6.腹診 実技
7.背候診 実技
8.原穴診・八脈交会八穴診 実技
9.顔面気色診・眼診 実技
10.臓腑経絡学概論 実技
11.弁証問診①総論 実技
12.弁証問診②各論 実技
13.弁証問診③女性カルテ 実技
14.弁証問診④男性カルテ 実技
15.刺鍼術・施灸術 実技
16.難病症例解説 実技
17.公開臨床①(問診)
18.公開臨床②(体表観察~治療~養生指導)
19.空間診 実技
20.爪甲診・井穴診 実技
【昼本科】
1.ガイダンス 実技
2.臓腑経絡学総論 実技
3.臓腑経絡学 肺 実技
4.臓腑経絡学 大腸 実技
5.臓腑経絡学 胃 実技
6.臓腑経絡学 脾 実技
7.臓腑経絡学 心 実技
8.臓腑経絡学 小腸 実技
9.臓腑経絡学 膀胱 実技
10.臓腑経絡学 腎 実技
11.臓腑経絡学 心包 実技
12.臓腑経絡学 三焦 実技
13.臓腑経絡学 胆 実技
14.臓腑経絡学 肝 実技
15.奇恒之腑 実技
16.奇経八脈① 実技
17.奇経八脈② 実技
18.気と陰陽論基礎 実技
19.神主学説基礎 実技
(昼本科については前期に体表観察学の一通りの講義が終わっているため、座学講義の後半は実技で体表観察の練習をしました。)
・・・専門家の皆さん、なかなかのラインナップでしょ??(笑)
上記講義、どのコマも、一切の手抜きナシです。
やるからにはマジです。
でもちょっと疲れたので(苦笑)、2016年度はコマ数を半分に減らして、臨んでみようと思います。
やっぱ僕の居場所は、患者前だ。
それをよく理解する上で、大変大きな半年でした。
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2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2025.04.04
2025年3月の活動記録2025.04.01
2025年 4月の診療日時2025.03.13
2025年2月の活動記録2025.03.01
2025年 3月の診療日時2025.02.06
2025年1月の活動記録2025.02.01
2025年 2月の診療日時2025.01.21
順天堂東医研、第6回公開シンポジウム「総合診療と東洋医学」2025.01.10
2024年12月の活動記録2025.01.02
2025年 1月の診療日時2025.01.01
謹賀鍼年!!2024.12.28
年内診療終了!!2024.12.14
2024年11月の活動記録2024.12.01
2024年 12月の診療日時2024.11.07
2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
2024年7月の活動記録2024.08.01
2024年 8月の診療日時2024.07.10
患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
2024年4月の活動記録2024.05.01
2024年 5月の診療日時2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
2024年3月の活動記録2024.04.01
2024年 4月の診療日時2024.03.14
2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!2024.02.03
3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
2024年 2月の診療日時2024.01.11
2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
2024年 1月の診療日時2023.12.30
2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
2023年 12月の診療日時2023.11.26
患者さんの声(60代女性 背部、頚部の痒み、首肩凝り、高血圧、夜間尿)2023.11.25
患者さんの声(70代女性 耳鳴、頭鳴、頭重感、腰下肢痛、倦怠感)2023.11.22
12.3(日)市民公開講座、申し込み締め切り迫る!!2023.11.21
今週からの講演スケジュール