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これまでのお話
文化大革命と中医学 2 参照
では続きいきます!!
◆鍼麻酔やはだしの医者
1966年から1976年という、文化大革命の騒乱の時期に、近代世界史、アジア史を考える上でも大きな出来事がありました。
一つは1971年の、アメリカのニクソン大統領の訪中。
もう一つは翌年の1972年の田中角栄、周恩来会談による日中国交正常化。
僕は個人的に、近代東アジア史をよーく踏まえることは、鍼灸師にとって大変重要だと思っております。
〇
まあともかく、文化大革命の騒乱によって、多くの中医大学は休校を余儀なくされ、医学部も6年制から3年制に短縮されたり、教育制度も混乱していたようです。
田舎の農村部では、中学卒業後に半年間の研修を行っただけの
「即席医者」
とも揶揄される
「はだしの医者(赤脚医生)」
の呼び名で有名な
「半医半農(半分医者、半分農民)」
が、(よく言えば)プライマリケア医として活躍しており、増加していました。
また、この時期には鍼麻酔や耳鍼や頭皮鍼など、ある意味、マニュアル的でお手軽とも言える「微鍼療法」も開発された時期でもありました。
特に鍼麻酔は、1971年にニクソン訪中に同行した、ニューヨークタイムズのレストン記者が鍼麻酔で盲腸の手術を受けたという報道(実はこれは誤報で、実際は手術後の疼痛や違和感のコントロールだったとか)
が全世界にセンセーショナルに紹介され、アメリカや日本でもこれが大々的に紹介され、アメリカではこれをきっかけに鍼灸医学の教育整備が進み、日本では鍼ブームが起こったようです。
当時は、開腹手術中の患者が鍼麻酔下で、医者と談笑しながら手術を受けている映像が、世界に衝撃を与えたそうです。
まあ今見ても鍼麻酔での手術中の映像は、インパクトあります。
(これは鍼灸学校時代に見ましたね。こないだのWFASでも、鍼麻酔下の帝王切開かなんか、流してた先生がいたかな。)
因みに鍼麻酔はその後、
「特定の経穴に鍼をして、一定時間通電刺激をすると、特定の部位に麻酔効果が現れる」
という事実はあるものの、外科手術などの臨床現場での麻酔効果の安定性などが疑問視され、実際には多くの事故を起こしたようで、現代ではほとんど使われていません。
耳鍼や頭皮鍼などのいわゆる「微鍼療法」の方が、現代では普及しているんじゃないでしょうかね。
「肥満」と東洋医学 4 参照
続く
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