東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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即効性

2011.03.02

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「鍼には即効性がある。」

・・・場合が多い。(笑)

という言い方にした方がイイのは、何でもかんでも直後に症状がなくなるわけではない、ということです。

(笑・・・カン違い予防、ということネ。)

まあコレ言うと、自己弁護とか言い訳みたいでイヤといえばイヤなんだけど、実際そうなんだから仕方ない。

誤解を恐れず言えば、鍼の即効性というのは、鍼をした瞬間に「気」が大きく、正しく動き、体の「陰陽」のバランスが調和する方向に向かうことを言うのであって、

 

必ずしも「症状が取れること」を指している訳ではない。

もちろん、「気」が「陰陽バランス」が整う方向に動いた結果、その場で症状まで取れてしまうことはよくあります。

しかし症状によっては少しづつ攻めるしかない場合もあるのです。

例えばぎっくり腰が一発で治った患者さんは、

「あそこに行くと一発で治るよ!!」

と、患者さんを紹介して下さいます。

そしてそれがうわさで広まっていくと、

「あそこに行くと”何でも”一発で治るよ!!」

に変化するまでに、それほど時間はかかりません。(笑)

これはこれでもちろんありがたいんですが、そういう病気ばかりでないこともまた事実。

たとえ同じぎっくり腰であったとしても、です。

また、

「症状が取れる」

ということと、

「治る」

ということはそもそも別物である、という考え方もできます。

あまりにも無茶な生活やストレスフルな生活をしている人にとって、ある程度の症状は体からの”注意”のサインであることも多く、下手に症状だけ取ってしまえば、

 

もっともっと深刻な事態になるまで無理がきいてしまう、というマイナス面もあります。

自分の生活の見直しをまったく棚に上げた安易な「症状の除去」のみの追求というのは、善し悪しなのです。

「鍼の即効性」というのは、症状だけをとるとか、そういうものではないのです。

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「春」と「木」と「風」と「肝」

2011.02.08

立春を過ぎれば、

「暑さ寒さも彼岸まで」

なんて言葉が、患者さんとの会話の中に混ざるようになってきて、ぼつぼつ春到来の予感でございます。

立春!!
三寒四温
ちょっとした養生法 参照

 

今日はえらく寒いし、夜には関東でも雪が降るなんて言ってるけど、昨日やおとといなんかは、意外と寒くなかったですよね。

 


また、昨日はけっこう風が吹いていましたが、その風の冷たさ、吹き方が真冬のそれとは随分違ってきたなあ、ということに、敏感な人は気付いたことでしょう。



春→夏→秋→冬→・・・
という季節の循環は、昔からある程度一定であります。

 


東洋哲学では、この「四季」の循環に応じて、人体にどういう影響が起こるかを、非常に理論的に考察しています。

 


なぜならこれは日本人、中国人が農耕民族であったからではないか、というのは、多くの学者さんが指摘するところです。

 


・・・という話を、このブログでも何度か書いています。

雨はなぜ降る?
「東洋医学」と「数学」
「清明」について    参照

 


・・・農耕民族にとって、その年の気候の変化をなるべく正確にうかがい知る、予測する、ということは、その年の収穫の多い少ないを決定づける事項であるため、

 

まさに死活問題であったワケです。

 


まーそれはともかく、1年のうちで「春」という時期は、五行で言うと「木(もく)」に分類され、自然界は樹木が青々と、伸び伸びと繁茂し、

 

また新芽が芽吹く時期でもあります。

 

 


人体も同じように、伸び伸びと繁茂するように気が伸び伸びと動いてくれればなにも問題は起こらないんですが、そうもいかない人にとっては「肝の臓」の働きが必要以上に高ぶりやすく、

 

肝の臓の不調を起こしたり、木の性質を持つ邪気である「風邪(ふうじゃ)」という邪気に侵されやすい時期となる、と考えます。(苦笑)

カテゴリ 「五行」
小麦アレルギー
「花粉症」について(その2) 参照

 


・・・ですのでもともと運動不足や仕事のストレスから「肝の臓」の働きが昂っていることが多い現代人は、この時期、

「肝の臓の働き高ぶり過ぎ病」

とか、

「風邪(ふうじゃ)に侵された病」

になってしまうことが多いのです。


(長くなっちゃいそうなんで今日はこの辺にしときます・・・。)

 

 


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ココロとカラダ

2011.01.21

毎日患者さんを診ていると、

「人はどうしてこんなにもストレスを抱えて生きるようになってしまうのか・・・。」

と思うことがある。

・・・なにもハナから悪気があったワケでなし。

どちらかといえば楽な方、楽な方と選んできたつもり。

それなりに人生を楽しもうと、やってきたつもり。

それなのに毎日毎日、許せないことばかり、イライラすることばかり。

あるいは、それを隠そう隠そう、抑えよう抑えよう、とか、

そんなことはない、自分の判断は間違ってなかったと、自分に言い聞かせるようにして我慢我慢・・・。

ごまかしごまかし・・・。

そしてその裏では今にもはち切れそうな、ブチ切れそうな思いを常に抱いていたり・・・。

そういう精神状態が、あらゆる病の原因になることは明らか。

そこで、周りや自分を許そうとか、ありのままを受け止めるとか、ありきたりな理想論に、すぐに限界を感じるのも明らか。

どこでどう失敗したのかが分からず、打開策も見出せず、苦しみもがく。

・・・残念ながら、この問題には、決定版の解決方法というのはないと思う。

これさえやれば間違いナシ!という方策はないのだ。

ケースバイケース過ぎる。

したがっていかなる方法論の提示も、無数にある中の一つにすぎない。

ここら辺のこととか、あるいはその方法論のことを説いた書物が、最近よくコンビニなんかにおいてある。

まあ、「売れる」ということだろう。

大手出版社からも、どんどん本が出る。

テレビや雑誌で、盛んに特集が組まれる。

ネット上でも、そういう内容のブログやHPが人気なようだ。

カリスマ占い師が、下手な芸能人よりテレビに引っ張りダコ。

・・・まあ、要はみんな不安なワケだ。

漠然と。

そしてみんな「より建設的な方法で」、どうにかそれを解消したいワケだ。

・・・ということは、東洋医学に熱い視線が注がれ始めているのも、なるほど納得だ。

・・・ということは、僕らとしては、これからホントに、楽しみだ。

 


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「ホンイキの」寒さ対策

2011.01.12

いや~しかし、毎日毎日、なかなかの寒さが続いておりますナー。

(昨日、少々カタイ話だったんで、今日はサラッと軽~く行きましょう。(笑))

・・・という訳でここ最近、清明院にもカゼひきさんが多く来院されております。

今さらながら、知らない人のために一応言っておきますが、カゼに鍼はよく効くんですよ。

今さらながらネ。(苦笑)

ちなみにこのことは、以前に何度もこのブログで書いております。

カゼひきの患者さんに、カゼをひいた前後の状況をよくよく聞いてみると、寒さ対策が甘いことが非常に多く見受けられます。

まずはここをキッチリおさえておいていただくことが、どう考えても重要です。

「ホンイキで」「オオマジで」寒さ対策をすることをお勧めします。(笑)

・・・近年、自然界の気象変動は激しいです。

異常気象、異常気象と、言われるようになって久しいです。

しかし、大自然の気象の問題を、我々一般人の力で変えてしまうことはなかなか出来ません。

だから自分たちの側で「過ごし方そのものを」工夫するしかないんです。

・・・まず、風邪をひいた人、ひいてなかなか治らない、という人の話を聞くと、圧倒的に多いのが「足腰の冷え対策の甘さ」です。

 

(特に女性)

やはり、おしゃれにスカート履きたくても、ここは我慢してズボンでいくべきです。

下着も、ババシャツ、腹巻き、タイツ等々、頑丈かつ完璧にガードするべきです。

男性の場合も、腹巻きや、ズボン下をはいてでも防寒するべきです。

カゼで寝込んじゃったら、おしゃれも仕事も出会いもへったくれもないんですから。

室内の仕事で暖房が効いてて暑いからヤダ、という方は、通勤の間にキッチリ防寒出来るような工夫をするべきです。

(ダウンコートなどの超強力なアウターとかネ。)

・・・東洋医学の言う冷え(寒邪)というのは「下(下焦)」から入る、と言われます。

冬場のカゼを予防するにあたって、下半身の冷え対策は基本中の基本なのです。

・・・次に多いのが、飲食の不摂生です。

年末から、忘年会、新年会と、暴飲暴食をする機会はみんな普段より多かったはずです。

この間「七草粥」の話題で書いたように、それを修正し、胃腸を休ませなければいけない時期に入っているにもかかわらず、

刺激物や脂っこい物の過食をやめない、その結果、胃腸が弱り、冷えに抵抗する力が弱り、カゼをひく、というパターンです。

なぜ七草粥を食べるのか 参照

・・・またこれ以外にも、過度の精神的なストレスや睡眠不足、または間違った養生法なんかが、

カゼをひく、あるいはこじらす原因になっていることが少なくありません。

・・・結局、カゼなんてもの自体は、日頃の養生と、もしひいてしまったとしても、適切な対処さえすれば、どうってことないものがほとんどです。

なぜ、カゼは「かかる」ではなしに「ひく」と表現するのか、考えてみたら分かります。(苦笑) 

カゼは昔からの認識として、自分で「ひく」んです。

そして適切に対処しないから「こじれる」んです。(苦笑)

 

参考「日経電子版 ことばオンライン」


自分の体質を正しく認識し、その上で万全に対策し、もしひいてしまっても、鍼と養生をしてすぐに回復し、ぜひ快適な冬をお過ごしください。

 

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「養生」の大事

2010.12.07

最近、随分と寒くなってきました。

・・・というよりも昼と夜の寒暖差、湿度の差が激しいですねえ。

以前も、養生や、急激な気候変動について書きました。

「養生」と「鍼灸」
急激な温度差と湿度差 参照


まあ、いずれにせよ本格的な真冬はもうすぐそこです。

こういう時の過ごし方を誤ると、普段から精神的、肉体的に疲れている人は特に、大概カゼをひきます。

そして、そこにさらに誤った養生法を重ねることによって、さらにこじれていきます。

早い段階で正しい治療と正しい養生をしてしまえば、カゼなんてものはどうってことありません!

コワいコワいと思って、カゼの人を避けてたってこの時期避けきれませんし、始まりませんから(笑)、

まずは正確な自分の体質を知って、正しい養生法はどんなものかを知るところからスタートするべきでしょう。

西洋医学では、インフルエンザや、肺炎が恐いということもあって、ワクチン接種や、ひいてしまったら解熱剤、抗生剤なんかを使って対応しています。

東洋医学では当然ながら、昔から今日に至るまで、鍼灸と漢方で対応します。


でも双方とも、その前に、まずは「養生」が大事です。

いざひいてしまって、治療しなければならない状況になったとしても、まずは「正しい養生」ありきです。

手洗いうがいはもちろんのこと、普段からのぼせ易い人は足腰をしっかりと防寒しておく必要があるし、

暴飲暴食から胃腸を弱らせている人は飲食を減らし気味にし、胃腸に負担をかけないことがポイントになるでしょう。

また、ハードワーカーで睡眠不足、過労気味の人はしっかりとした睡眠時間の確保、

運動不足で体がなまっていたり、精神的ストレスでイライラしている人は散歩等の軽い運動や、

そういう時間が取れないのであれば、せめて少しぬるめのお湯にゆっくりつかって少し汗を出してあげてから布団に入るとか、

必ずその人の弱点をうまくフォローできるような養生法が効果的です。

よく巷で目にする、

「〇〇さえ食べていればカゼ知らず!」

とかそういう、

”これさえやってればオールオーケー”方式は絶対に間違いです。


これだけ個体差があって、なおかつその個体が置かれている環境も千差万別な訳で、特定の何かをしとけばオールオーケーなんて、どう考えてもありえません。

 

(特定の感染症に対するワクチンなんかの場合は除く)

そうではなく、

「自分自身の正しい体質と、それを取り巻く今現在の環境、状況」

に対する正確な理解と、

「それに合わせた的確な養生法」

があってこそ、病を未然に防げる、あるいはかかってしまったとしても最小限に食い止めることが可能になるのではないしょうか。


患者さんの話を聞いていると、間違った養生法をしていることが非常に多く見受けられます。

上記に書いたような養生法はあくまでも一例であり、その患者さんに合わせた、もっともっと細かい養生指導も、やろうと思えば可能であります。

きちんとした養生、それをするためのきちんとした自分の体質把握、これが健康の第一歩じゃないかな、と思います。

そのために清明院では、初診時の詳細な問診を大事にしているのです。

治らん治らんと、自分の生活の見直しを棚に上げて、あれ飲んでみたりこれ食べてみたり、ウロウロしてても、思うように治らんのは当たり前です。

東洋医学も西洋医学も確かに優れた医学であり、あらゆる病に効果的ではありますが、

 

その効果を最大限生かすためにも、

 

「その人に合った正しい養生の実践」

 

というのは一大事なのであります。

 


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海老蔵さんの事件で思うこと

2010.12.03

今日往診中に、信号待ちでふと上を見上げると、市川海老蔵さんの顔がデカデカと載った、「お~いお茶」のポスターが。

・・・ということで、久々の時事ネタ。(笑)

ここのところ連日、歌舞伎界のプリンス、市川海老蔵さんの事件のことが盛んに報道されております。

 


今日も年配の患者さんと、この話になりました。

 


その患者さんも、

「正直ガッカリした。自覚が足らな過ぎる。だからお坊ちゃんは困る。あの位で済んだんだから、彼にとっていい薬だ。」

とおっしゃっていました。

 


まーあれだけやられて、ここまで世間に同情されない人も珍しい、と思うと同時に、あまりにも冷た過ぎる意見には、若干の「怖さ」を感じることもあります。

 


確かに、新婚家庭を持つ若い男が、仕事をさぼって、しかも女性を連れて酒を飲みに行き、悪い連中に酔っ払って絡み、返り討ちにあっただけの話し、

 

と考えれば、海老蔵さん側が非難されるのは当然でしょう。

 


僕も一面、そう思います。

 


しかも彼自身も相手に手を出したんであれば、喧嘩両成敗で、彼自身も傷害罪に問われるか、双方ともに被害届を取り下げて、穏便に解決するべきでしょう。

まあしかし、決して彼を擁護する訳ではないけど、この事件の「病因病理」を冷静に考えると、海老蔵さんという人は、きっと幼いころから歌舞伎界のプリンスとして、

 

周囲の大人から、それこそ腫れ物に触るように、大事に大事に育てられてきた人なんでしょう。

 


同時に、芸事に関しては、よく言えば英才教育、悪く言えば半強制的に仕込まれてきたことでしょう。

(あくまで推測ですが。)

 


周囲の一般人からは、それも含めて羨望の的であり、誰から見ても恵まれた人生を送っているかに見えました。

 


でもそれだけに、歌舞伎を離れた「外側の」世界に彼が興味を持ち、逆にそれを「彼自身が」うらやましがる傾向が、幼いころから実は彼の本心の中にはあったんじゃないでしょうか。

 

そんな彼が、夜の街で自由気ままに呑んだくれている悪い連中に興味を持ち、泥酔して挑発めいたことを言ってしまう、あるいはしてしまうのは、

実はある意味当然の、彼にとって、

”自分自身の、一見恵まれた人生”

に対する「反発」の表れの一つだったのかな、とも思えます。

 


幼いころから溜まりに溜まったストレスマグマが、”大辛大熱”の酒の力を借りて、一気に噴出した結果だろう、と思います。

(平素から鍼治療をやってれば、未然に防げた事件かもね・・・。)

 


もちろん、だからといって報道されているような執拗な挑発行為、それを言われた方、やられた方はたまらないし、彼の今回の行動は、一社会人として考えても許されるものではありませんがネ。

 


今回の事件で彼が休演した講演が大成功していることもあって、一部には、

「もう歌舞伎やめちゃえば!?」

なんていう、心ない意見もあるようですが、僕としては、めちゃくちゃキツイだろうけども、今回のことをよくよく反省して、何とか這い上がって、

 

そういう意見をはじき飛ばして欲しい、とも思います。

 


これをもし反省出来ずに、同じことを何度も繰り返すようであれば、マーシーの様になっていきかねませんしね。

(あれは見ていていやなもんです・・・。)

 


・・・しかしまあ、最近ではのりピーしかり、朝青龍しかり、これまで散々おだてておいて、こういうことがあると、一斉に容赦なく叩く、

マスコミのあり方、それに乗っかって悪口、当事者の人格を無視した誹謗中傷を言いまくる世間の風潮は、いつも思うけど、何なんだろうナー・・・、と思います。

 


先日も、清明院副院長の松木先生がスタッフブログ「清明なる日々」の中で、”他者の気持ちを考える”ということに触れています。

ニュースを読んで思うこと(その2)
残念な出来事               参照

 


自分のことは棚に上げて、人を貶めることは簡単に出来てしまう、してしまう、

 


今の世の中は、

「人の振り見て我が振り直せ」

という考え方の、出来にくい世の中になってしまっているんでしょうかねえ・・・。

 

 

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「病識」という言葉

2010.11.27

皆さん、「病識(びょうしき)」という言葉、ご存知でしょうか。

 


参考にwiki

 

要するに、

「自分が”病的な状態”であるということを自覚していること」

と考えていいと思います。

 

これはよく、現代医学の、精神科、あるいは内科領域でしばしば問題になる用語だそうです。

 


とりわけ、アルコール依存統合失調症などの病気の際に、よくこの用語が問題になります。

 


自分がアルコール依存統合失調症に該当する状態になっていても、その自覚が患者さん自身にない。

 


患者さん本人としては、自分のことをいたって健康だと思っている。

 


そういう時、

”病識がない”

と考え、問題視し、治療の第一歩は、

”病識を持つこと”

と考えたりすることがあるようです。

・・・まずは、自分が健康でない、ということを理解するところが治療の始まり、と考えると、コレは何も西洋医学に限ったことではなく、

 

我々が普段診ている患者さん達でも、当てはまるケースは大いにあるように思います。

 


例えば、ある患者さんは、仕事に追われ、あくせくあくせく働いているうちに、それが当たり前になってしまった。

 


当然食生活、睡眠時間はメチャクチャ、運動は全くしてない、ストレスは常に感じている。

 


そういう人が、たまたま腰が痛くなったので、紹介されて鍼灸院に来た。

 


診てみると、とても1回や2回の治療で立て直せるような体の状態ではない。

 


しかし本人としては「病識」がないため、すぐ簡単に治ると思っている。


・・・こういうケース、実際に、たまにあります。

 


こういう場合に、患者さんを極力ビックリ(動揺)させないように、何がどうよくないか、そしてそれはどうすればよくなるか、という話を、

患者さんの納得を得ながら進めるのは、なかなか難しいことです。

 


こういうケースは、特に、20代、30代の若い患者さんに多いように思います。

 


確かに、あまりにも自分の体のことを気にし過ぎて、いつも不安がってばっかりいるのも問題です。

 


しかし、自分の健康を過信し過ぎて、突っ走った結果、手遅れ状態になってしまった。

 


それから慌てても、最悪、

”時すでに遅し”

になってしまっている場合さえあります。

・・・忙しく働くのも結構だけれども、たまには自分の体を冷静に見つめなおし、確かな「病識」を持つことは、

”未病を治す”

ことに直結します。

「病識」、軽んじてはいけないと思います。

 

 

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よい酒

2010.11.25

昨日、水曜日の診療終了後は、とある鍼灸学校のお偉いさん(?)が、清明院にお見えになり、

そのまま近所の居酒屋で、サシで、お互い次の日仕事なんで、だらだらと呑んでました。

(笑)・・・平日だというのに・・・。

でも平日しか時間が合わないんですよね。(泣)

・・・いや~、たまにはあーやって、気の合う人とサシでじっくり呑むのもいいもんですね~♪

まあ色々と、鍼灸教育、学校運営にまつわる色々な問題、僕からは臨床の現場の様子など、お互いに興味深い情報を、延々と交わしてまいりました。

その先生とは旧知の仲なんですが、以前から色々と話の合う先生で、年齢は僕よりもだいぶ上ですし、

東洋医学の話とかっていうよりも、ものの見方や考え方が非常に参考になりましたネ。

やっぱ年の功。

一枚も二枚も上手(うわて)です。

・・・しかしまあ、医療に関わる上で、他人を思いやる気持ち、謙虚さ、人間が好きであること、ブレない信念を持つことなど、

パッと聞くと、な~んか単なるキレイごとにも思えるようなことが、いかに大事かということに、日々気付かされます。

昨日も最終的には、そんな話になりました。

その先生も、日々学生さんと接し、とてつもないプレッシャーやストレスと闘いながらも、自分の信念を曲げずに、頑張っておられます。

やなことがあった時に、そこで腐るならそれまでだし、やな思いして腐るぐらいなら最初からやらなければいい。

そこで前に出れる原動力は信念だ。

お互いに、自分を表現する現場は全然違うけど、

「医学はどれもスゴイけど、東洋医学もスゴイ。微力ながら、それを少しでも世に伝えたい。」

それが共通の意見です。

今日も多くの患者さんがいらっしゃいました。

襟を正して、僕も頑張らねば・・・。

しかし、よい酒でした。

日本酒が、やたらうまかった・・・。(笑)

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「でも・・」という言葉

2010.09.30

皆さんはないですか?

会話の中で、相手の言葉に対して、

「でも・・・。」

と、言ってしまう時。

また、周りにいませんか?いつも会話が、

「でも・・・。」

から始まる人。

これは人間関係の中で、けっこう大事な言葉である、と僕は思います。

コレの意味(辞書)はこちら

辞書の意味を見ると、これを使うタイミングは、

1、相手の意見を一応肯定しつつも、違う意見を言う時。

2、弁解、反論をする時。

となります。

・・・ということはですねー、会話の中でコレばっかり言う人というのは、相手に対して、

反抗的、ないしは言い訳がましい、という印象を与えかねない、ということです。

そして、もちろんその逆の意味もあります。

コレばかり言う人、というのは、常に冷静に、相手の発言から導かれるものとは「異なる結果」を想定しながら会話している、とも取れます。

前者の場合は、相手に悪印象を与えます。つまり嫌われる、ということです。

人間関係の摩擦、もつれのはじまりはじまり・・です。

後者の場合は、相手に好印象を与えることがあります。”なるほど、賢い人だなぁ。”と思わしめるケースです。

良好な関係性構築のはじまりはじまり・・です。

・・・では、その前者と後者を分かつのは何でしょうか。

これは、

「その会話以前に培った、相手との関係性」

によって、決まってきます。

相手との距離、関係性、それを意識することがもしも希薄だった場合、「何気ない会話」によって相手との関係性が、

”なんだか知らないけど”

マズくなることも、よくなることも、ありえる訳です。

人間関係によるストレス・・・。

日々患者さんを診ていて、これがあらゆる症状の、主たる病因になっていることは、臨床上、少なくありません。

しかしながら、ストレスを感じた原因は、よくよく聞くと、当事者の「双方に」ある場合が多く、その一つの答えは、

「相手との距離感、関係性に対する、当人の意識の希薄さ」

からくる、言葉のチョイスミスがある、と思います。

その代表格の一つが、

「でも・・・。」

じゃないかな、と思います。

この言葉を使う時は、注意する必要がある、と思います。

”相手と自分との距離感”

”相手と自分との関係性”

”常にそれに対する意識、注意”

これらに配慮した言葉選び、つまり、

”相手との、空気を読んだ関わり方”

これが、人間関係の摩擦係数を、結果として減らすことになる、と思います。

そしてこのことは、対象とドライに付き合う、という意味ではないんです。

・・・大事なことです。

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「不安」と「症状」(その2)

2010.09.23

・・・以前、このテーマついて、実例を挙げて少し書きました。

「不安」と「症状」 参照


西洋医学的に、「慢性」だとか、「難治性」だとか言われる病気というのがあります。

 


最初に断わっておきたいのは、それらが東洋医学的に見ても、必ずしも難治性か、慢性か、というと、そうではないことがあります。

 


西洋医学的に見たら慢性、難治性であっても、東洋医学的には意外とシンプルな病気、ということは、実際にあります。

 


なので東洋医学の場合は、一概に西洋医学的なそういう分類に、病を機械的に当てはめることはしません。

 

 

しかし、実際の臨床上、治癒するまで、あるいは症状の緩解をみるまでに時間がかかったり、また、ある程度まではよくなっても、途中から治りの伸びシロが停滞してくる病気がある、これは事実です。

 


なかなか症状が変わってこない、あるいは最初はよかったけど徐々に治療効果が停滞してきた、こういう時、患者さんに容赦なく襲いかかってくるのが、

「不安感」

というマイナス感情でございます。

 


正直な患者さんは、こうした時、ちゃんとこちらに訴えてきて下さいます。

「先生、だいぶ良くはなったけど、これ以上よくならないのかと思うと、不安で・・・。」

とか言ってネ。

 


この時、瞬間って、僕は個人的に、治療においてとっても大事なタイミングだな、と思っています。

 


なぜならば、ようやっと「不安→症状悪化」という”悪循環”から抜け出しかけた患者さんが、再び”悪循環”の渦に飲み込まれ「かけて」いる時だと思うからです。

 


そして、今度巻き込まれた時は、最初よりは助け出しにくくなります。

 


ですのでここは、何としてでも手を引っ張り上げてあげたい場面なんです。

(どんな言葉をかけるかは、完全にケースバイケースですので書きません。)

 


僕は多くの「治りにくい」病気の構造というのは、意外と単純だと思っています。

 

 

つまり・・・

1.「不安感」
    ↓
2.「症状」
    ↓
3.「治療効果の停滞、無効」
    ↓
4.「不安感増強」
    ↓
5.「症状増強」
    ↓
6.振り出しに戻る・・・ 

この悪循環が、あらゆる病を治りにくくする基本構造だと思っています。

 


この循環の中の3.のところに、「有効な治療」→「安心感」という流れが入ると、この悪循環から脱却することが出来ますが、

何かの拍子で、再び症状が出たりした場合、患者さんによっては再びこの悪循環の渦に飲み込まれそうになるケースがあります。

 


・・・短期間に治りにくい病気というのは、経過中に、患者さんを取り巻く外界の状況が様々に変化していきます。

 


即ち、四季の変化、社会環境の変化、家庭環境の変化、外的な精神的ストレスなどなどです。

 


こういう変化にもうまく対応しながら、なおかつ最も治したい症状を治していく、という場合に、こうした悪循環に「治る力」を邪魔されない、

 

ということが、極めて重要になってきます。

 


・・・では、そのためにはどうすればいいかというと、やはり、ベタなようですが

 

「その症状に対する過剰な執着心、拘りを捨てる。」


とか、


「感謝の心を大事にし、ポジティブにものごとを考える。」

ということ(心がけ)が、結果として「不安感」を忘れさせ、治癒への早道になる、というケースがすごく多いように思います。

 


・・・つまり、誤解を恐れず、大げさに言えば、大概の病気というのは、

 

「必ず治る!!」


と信じきったり、


「ここまで治ったんだ、なんてありがたいんだろう!」


と感謝しきって、そういうポジティブな感情で頭の中の「半分以上」を埋め尽くしたモン勝ちなんだと思います。


これは「心がけひとつ」の問題です。

 


・・・もしもその逆をいくと、ろくなことにならんのは、想像に難くないはずです。

 


そして、患者さんにそういう心がけを持ってもらいたい、と思うのであれば、僕(治療者)自身が、そういう心がけを常に持っている、ということが重要です。

 


僕は今なぜか、周りにひかれるぐらいプラス思考です。(笑)

 

 

もちろんまだまだ修行中の身ですが、この業界に入り、毎日毎日患者さんに接するうちに、不思議と、徐々にそうなりました。


(まあ、色々と辛い思いもしながらも、たくさんの大事なことに気付かせてもらった訳です。昔はもうちょい普通だったんですがネ・・・。(苦笑))

 

 

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