東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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乳製品は体にいい?(その6:番外コーヒー篇①)

2012.08.08

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これまでのお話・・・

乳製品は体にいい?
乳製品は体にいい?(その2)
乳製品は体にいい?(その3)
乳製品は体にいい?(その4)
乳製品は体にいい?(その5)

 


では、どんどんいきます!

 


今日はいよいよ、ムスタファさんからご質問の、コーヒーについてです。

ご質問の内容は、

1.コーヒーの寒熱がよく分からない。

2.ロースト(焙煎)すると寒熱が変化するのか。

とのことでした。

 

 

 

これについて考えてみました。

 

1.については、コーヒーは四気五味説で言うと四気は「温」、五味は「甘・苦」です。(メディカルユーコン『東方栄養新書』参照)

すなわち、コーヒーそのものについては、

「熱」というほどではないけど、どちらかというと温める方向に作用する

と、東洋医学では考えております。

 

2.については、乳製品の「酸化」の話の中でも述べましたが、変化すると思います。

コーヒーに限らず、「食品」というのは、熱を加えたり、冷やしたり、発酵させてみたり、味付けや食べ合わせによって、複雑で微妙に寒熱温涼などの陰陽バランスが変化するものだと思いますし、

 

しかも最終的にはそれ単品ではなく、様々な食材を実に複雑に組み合わせた「料理」という形で、しかも固形物やりゅう動物なども相まって体に入るワケですし、しかも料理も単品ではないですし、朝昼晩でも品目が違います。

 

 

超複雑系であり、ある一品について考察しても、それだけを摂って生きているわけではないので、極端に大量摂取でもしていないのであれば、いきおい、考察する意味自体あるのか??という気すらしてきます。苦笑

 

 

さらに現代においては、恐ろしいことに加工食品や添加物まみれの形で体内に入ってきますから、それぞれの食品(原材料)が持っている四気五味が、必ずしも絶対的な指標になるとも限らないと思います。

 


毎日、実に色々なものを口に入れてる中で、ある食材一品のみ捕まえて、

 

「東洋医学的には四気五味説で〇〇だ」

 

といっても、実際はその組み合わせのパターンは無限にある訳です。

 

ですので、まずはその人のもともとの体質を的確に分析し、さらに、その食生活や嗜好品を摂るようになってから具体的に何が起こったのか、

 

という結果から、慎重に帰納してみないと何とも言えない面もある、なかなか難しい問題です。

 

コーヒーについても、もともとは豆なわけですが、その豆を乾燥させ、さらに熱を加えて、煎った状態から、さらに煮出す、という飲み物なので、ある意味、もともとの豆をかなり陽性に傾けたものを使っていると考えられるので、

 

四気では結果的に「温」と解釈するんだと思いますが、コレがキンキンに冷えたアイスコーヒーなのか、砂糖を入れるのかミルクを入れるのかで、当然変わってきますし、豆そのものの焙煎の程度によっても変わってくるでしょう。

(いわゆる、”深煎り”か”浅煎り”かの問題ね。)

 

清明院の問診でも、「嗜好品がコーヒーです。」と患者さんがおっしゃった場合でも、1日何杯くらい飲むかはもちろん、それは夏冬問わずにアイスなのかホットなのか、

 

ブラックなのか加糖なのか、ミルク入れるのか、飲むとどのような反応が得られるのか(ホッとするのか、シャキッとするのか、症状に変化はあるのか)等々、

 

細かく絞り込んだ上で臨機応変に考えます。

 


ここに、ただ単に、”嗜好品がコーヒー”とか、”コーヒーは飲めない”というだけの問診情報では、東洋医学的な診断意義はあまり持たない、ということを付け加えておきます。

 


 

まあ、もともとはアフリカやブラジルを中心とした暑い国で出来た「豆」ですから、コーヒー豆をもし生で食べれば、冷やす方向に働いても全然おかしくないと思います。

 

まあ、生のコーヒー豆は食べたことないし、流通も一般人にはほとんどしていないと思いますがネ。(苦笑)

 

参考 味の素AGF株式会社様サイト「コーヒー大事典」

 

「焙煎」という方法を使って陽性に傾けることで、世界中を魅了する、あの独特の苦みと香り、渋みが得られるのです。

 

(因みに中国ではお茶と比較するとあまり人気がないそうです。)

 

当然ながら、嗜好品として成立するには、栄養価や性質だけでなく、「味」「香り」も、重要な要素なのです。

 


だからコーヒーは基本的には「温」性ですが、苦みの程度、渋みの程度によって、影響を与える臓腑も変わってくるでしょうから、繰り返しますが、通り一遍にこうと言えない部分がかなりあります。

 

それを踏まえた上で、知っとくといいかな、と思うのは、基本的には「豆類」というのは腎の臓を強くし、利尿作用があるものが多いので、

豆を食べた人の体の状態によって、結果として温めたり、冷やしたり、寒熱を調整してくれる効果が出る、ということです。

「腎」って何ですか?(その11) 
「形象薬理」という考え方
     参照

 

コーヒーについてはまだ色々あるんで、次回もう少し、補足します。

 


ムスタファさん、ご質問への回答としては、こんなところですが、いかがでしょうか??

 


何か分からないことがありましたら、またどうぞ。

 

 

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乳製品は体にいい?(その2)

2012.08.03

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昨日の記事に、ムスタファさんからご質問いただきましたので、僕なりの回答含め、何回かに分けて、ちょっと補足しようと思います。

乳製品は体にいい? 参照

ちょっと専門用語が出てきたりしてややこしいので、つまんない人は斜め読みして下さい。(笑)

・・・まず、乳製品は冷やす冷やす、と、なぜ東洋医学では言われるのか、という問題からいきます。


コレは、乳製品の過飲が、胃腸に負担をかけるから、結果的に消化力を落とし、他の飲食物の栄養吸収力が下がり、結果的にエネルギーが産生されにくくなったり、

 

老廃物が停滞したりする場合があるから、ということだろうと思います。


少し専門的な話ですが、東洋医学では「四気五味説(しきごみせつ)」と言って、自然界の飲食物を

 

”寒・熱・温・涼”の四気

”酸・苦・甘・辛・鹹”の五味

 

に分けて考える学説があります。

(この学説についても、そのうち解説しましょう。)


あらゆる漢方薬や薬膳などの生薬、食品の配合も、基本的にはこの「四気五味説」に従います。

これで言うと、牛乳は東洋医学では

 

「乳ナイ(女+乃)」

 

と言われ、

 

四気では平(へい・・・つまり、寒熱どちらにも偏っていない)、

五味では甘

 

臓腑では脾胃に主に関わる

 

とされ、

 

潤・降の作用がある

 

ことから、

 

陰虚や血虚、通便に効果あり

 

とされております。

ここだけ聞くと、色々なものに効く、魔法の飲み物のように思えますが、「潤・降」の作用が強いということは、逆に言えば陽気の働き(体を温め、清らかな気を昇らせる)を抑えてしまう側面も持っている、ということです。

つまり専門的には、あくまでもその人のキャパを超えて「過飲すると」の話ですが、牛乳は主に脾の臓の陽気を傷める側面がある、だから結果的に冷えるのだ~!

という論なんだと思います。

脾の臓については「脾」って何ですか?(その9) 参照


ちなみに牛乳については、現代医学的にも、現代栄養学的にも、

 

ガン予防、安眠作用、血圧降下作用、骨粗鬆症予防作用など

 

が謳われていますが、これについて辛辣な反論もある、というのは、前回書いた通りです。


・・・まあただ、「過飲」という量の定義なんて、人によって違い過ぎるので、一概にこの量飲んだらいけません、なんて話は出来ませんし、

一切飲むな、というのも行き過ぎだと、個人的には思います。

そもそも「牛乳を飲む」という食文化が日本に入ってきたのは飛鳥時代以降だそうですが、最初は天皇や皇族のみが利用していたそうです。

一般庶民が飲むようになったのは明治以降、さらに、”アメリカンライフスタイル”なんつって爆発的に普及しまくったのは、戦後の話だそうです。

給食で出るようになったのも、戦後からです。

(・・・ここら辺が、一部の人の思想を大いに刺激して、偏った、感情論的であったり、謀略論的な論調がネットに溢れている一つの要因なんじゃないでしょうか。)

まあ確かに、明治政府や、戦後の日本政府が採用した栄養学の是非論については、僕も興味のあるところで、あれが果たして正しかったのか、

 

相当見直す必要があるのでは?とは思っています。

伝統食の復権』(島田彰夫 東洋経済新報社 2000年)には、

「高脂肪・高タンパクを説くドイツ栄養学を無批判に受け入れた明治日本。

戦後は、アメリカの食糧戦略に基づいた食生活改善運動により、伝統的な食文化は否定され破壊された。

高度経済成長の影響もあり、今や日本は “飽食の時代” を迎えている。」

とあり、この指摘は、参考にする価値が高いと思います。

しかしながら、最近のアレルギーベイビ―の問題であったり、三大成人病の問題を、すべてこれのせい、と短絡的に結論付ける風潮も、

いかがなもんか、と思っていますが。

一番イカンのは、最初に無批判に受け入れたことと、時代が変わっても、それに合わせて変えようとしない姿勢だと思いますが。


・・・話が逸れた、次回に続きます。(笑)

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乳製品は体にいい?

2012.08.02

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健康のために、毎日乳製品をとっている、という人は意外と少なくないのではないかと思います。


便秘など、なにか不快な症状や、体質的に問題を感じて、乳製品を積極的に摂り始めてから、それが改善した、という人については、結果的に

「あっている」

場合もある(そうでない場合もあるが)と思いますので、問診の時点でその情報をつかんでも、特に何も言いません。

しかし、牛乳やヨーグルトを積極的に摂るようになってから、何か不具合が起こった、という場合には、この”良かれと思ってやった”養生法が「間違っている」可能性を疑い、

場合によっては中止してもらうこともあります。

そもそも、

「牛乳などの乳製品が体にいい。」

というのは、どういった根拠なんでしょうか。

・・・まあ、一般的には、タンパク質、カルシウム、脂肪、必須アミノ酸などの栄養成分がバランス良く豊富に含まれるから、という話しが有名です。

しかしこれには、異論もあるようで、近年、「牛乳は体に悪い!」と主張する人がチラホラ出てきています。

(ネットを探せば、山ほど出てきますが、ちょっと偏っている論調が多いように思いますので、あえてここではリンクは張りません。)


また、何やら強硬に、

 

「あなたの体が悪いのは、全部乳製品のせいだ!!」

 

とかいう、カルト的なことを言う医療者もいるようです。

 

(苦笑・・・やめて治らなかったり、悪化したらどうやって責任取るんだろうか。。。)

・・・で、双方踏まえて、僕の意見としては、つまんないこと言うようだけど、

「なんでも、摂り過ぎはダメだよ。」

です。(笑)

僕の、患者さんへの食養生の多くはコレです。(爆)

どちらかというと、食の問題に、あまり神経質になり過ぎることの方が、かえって問題なんじゃないか、と考えております。

食は人間にとって、生命維持に欠かせない行為であると同時に、大事なストレス解消行為でもあります。

食べたいもの、摂りたいもので、なるべくなら旬のものをおいしく、バランス良く、品目豊富に適量摂る、というのが基本中の基本で、

あとは何か特別なものが極端に多くなったりしないように、というだけの話だと思います。

・・・ま、牛乳に関して付け加えるならば、「にわか東洋医学」ではよく、乳製品は体を冷やす冷やす、と言いますが、

牛乳というのは本来、牛のお母さんが、牛の赤ちゃんを育てるためのもの。

そんなに冷やす力が強かったら、牛の赤ちゃんは冷え切ってカチカチになって死んじゃいます。(苦笑)

場合によっては乳製品で、かえって熱がこもる面もあるのです。

 

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モスキート師匠

2012.07.06

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こないだ、外にいると、また、一匹の蚊が・・・。

(さらに…)

補と瀉と

2012.06.24

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東洋医学、特に鍼灸医学では「補法(ほほう)」「瀉法(しゃほう)」という治療法を、よく言います。

 


「補法」というのは、正気(せいき)、つまり正常な気を補う治療です。

 

補うといっても、何やら怪しいパワーを注入するのではなく(苦笑)、体の中にある正気を、そのツボに集めることによって、

病気と闘う力を賦活化させよう、という目的でやります。

(・・・少なくとも僕は。)

 

それに対して、「瀉法」というのは、邪気(じゃき)、つまり病気の原因になるような、悪い気を散らす治療です。

 

これまでも述べてきたように、「瘀血」「痰濁」、「風、寒、熱、湿、燥、火」などの、病理産物を、直接ぶっ叩いて治療するイメージです。

 


こういった「邪気」が、体の中で暴れて、悪さをしますと、ツボが硬くなったり熱を持ったり、極端に冷えたりします。

 


鍼でコレを正常な状態に戻すことによって、邪気を叩いた、駆逐した、という風に判断します。

 


・・・まあこれ、素人が聞いたら、

「おいおいホントかよ!?うそくさ~。」

って話ですが、僕はこの考え方で何年もやってまして、実際にそうだなあ、という風に実感しておりますし、結果も出ております。

 


多くの仲間もしかりです。

 


 

臨床では、これら二つの治療方法を、患者さんによって、病によって、上手に組み合わせて治療します。

 


以上が基本なんですが、この「補法」「瀉法」については、まだまだ色々ありますので、折に触れて書いていこうと思います。

 

 

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「血」って何ですか?(その9)

2012.06.18

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これまでのお話・・・

「血(けつ)」って何ですか?
「血」って何ですか?(その2)
「血」って何ですか?(その3)
「血」って何ですか?(その4)
「血」って何ですか?(その5)
「血」って何ですか?(その6)
「血」って何ですか?(その7)
「血」って何ですか?(その8)

 

 

続きいきます!

 


◆「血」が出てっちゃったら問題アリ!


これまでで、東洋医学の言う「血(けつ)」というものが、

 

どういうもので、

どうやって作られて、

どういう臓腑に深く関わるのか、


という基本的な内容と、

 

ではそれがどうなった場合に問題があるのか、

 

ということで、部分的、全身的に「血」が足りなくなる「血虚」と、部分的、全身的に「血」が滞る「瘀血」というものについて、具体例を示しながらみてきました。

 


今日は、「血」の病変で、もう一つ重要な「出血」について解説しようと思います。

 


コレ、意外と多いんですよ、最近。

 

女性の不正性器出血や、血便、切れ痔、鼻血、歯茎からの出血などなど、患者さんに詳しく話を聞くと、意外と出血病変というのは多いのです。

 


これ以外にも、我々開業鍼灸師の現場ではなかなか診ることは少ないですが、吐血や喀血、血尿なども、同種の扱いをします。

 

東洋医学においても、正常で生理的な「血」というものは、全身の「血脈」の中を巡行し、全身を栄養するものですから、「血脈」から勝手に出ちゃってはいけません。

 

出てっちゃったら、それは病気と考えます。

 

ちなみに、女性の生理における出血は、もうすでに不必要になった「血」ですので※、あの場合は逆に「一定量出ないと異常」です。

(※「受精→妊娠」というイベントがなかった場合、その準備のために子宮に集まっていた「血」は不要なものとなるため、ある種の「瘀血」という扱いになります。)

 

女性特有の生理、病理についても、そのうち気が向いたら書こうかな、と思っております。

 

「血」が血脈の外に出てしまう病理のメカニズムは、色々あります。

 


単純にケガして出血する以外にも、「虚熱(きょねつ)」「実熱(じつねつ)」といって、体に余分な「熱」が籠り過ぎた場合、

 

その熱が血脈を内側から損傷させ、出血する、というメカニズムが一つ。

 

この場合、出血の量や勢いで「虚熱」「実熱」か見分けますが、この2者がどう違うかについては、難しいのでここでは割愛します。

 

 

まあ要するに、人間の体というのは冷えてもダメ、余分な熱が籠ってもダメなのです。

 

体内に生じる生理的な「熱」も、逃げ場がなくなったり、過剰に産生されたりすれば、「余分な熱」として問題になります。

 


それが血脈に籠れば、出血する可能性がある、ということです。

 


また、血脈内の血を推し進める「気」の働きが弱った場合にも、ダラダラと弱々しく出血してしまうことがあります。

 


これも、どの臓腑の弱りが「気」の働きをダウンさせているかを考えて治療します。

 


あるいは前回までに述べた「瘀血」があるために、「血」の停滞が部分的にきつく、そこから出血してしまうこともあります。

 

これは、血脈上に引っかかって進めない部分が生じて、横からあふれたようなもんですが、本体は瘀血ですので、瘀血を除くように治療します。

 

つづく

 

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「血」って何ですか?(その6)

2012.06.09

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これまでのお話・・・

「血(けつ)」って何ですか?
「血」って何ですか?(その2)
「血」って何ですか?(その3)
「血」って何ですか?(その4)
「血」って何ですか?(その5)

 

 

続きいきます!!!

 

東洋医学の基礎を、一般人用に解説しようと試みる、このシリーズ・・・。

 

忘れそうになるけど、ちゃんと、書きます。(゜レ゜)

 

こうした、コツコツとした努力は、やがては大岩を穿つのです☆

(笑・・・とかいって、まったく穿たなかったりしてネ♪・・・それはそれで面白い。)

 

・・・ま、無駄な努力と言われようが、これをやってる人はあまりいないんで、ボチボチやってま~す。

 

◆血が滞ると問題アリ

 

前々回、前回と、血が不足すると問題が起こるぞ、ということを書きました。

東洋医学では、血が部分的、あるいは全身的に不足した状態を「血虚(けっきょ)」といいますが、不足はないけど、血が滞っている状態のことを「血瘀(けつお)」といいます。

そして、その「血瘀」が慢性化して、ある部分に固着したものを、「瘀血(おけつ)」といいます。

有名な言葉で、この単語だけが独り歩きし、女性誌などで軽々に扱われているのをよく見かけますが、きちんとした東洋医学的な診断(弁証)に基づいて治療しないと治りません。

この「瘀血」というものは、そう簡単な病理産物ではないのです。


この、何やら見慣れない「瘀(お)」という字には、「滞る」という意味があります。


ですから、「血瘀=血が滞る」という意味だし、「瘀血=滞った血」という意味であり、前者は形容詞的な言い方、後者は名詞的な言い方です。



あらゆる慢性疾患や、ガンなどの重症疾患を治療していう上でも、無視することのできないこの「瘀血」・・・。

 


実に様々な原因で滞ります。


1.体が冷えて血の動きが悪くなる場合、

 

2.余分な熱が籠ってしまって、血が煮詰まり、動きが悪くなったケース、

 

3.血を動かす原動力となる「気」がうまく働かない場合、

 

4.単にケガをしたとか、

 

理由は色々あります。


治療する上では、上記のような様々なケースを想定し、

「一体全体、なぜ血が滞ったのか?」

「滞りの中心は上下左右前後内外のどこか?」

を考えて治療します。


ここが的外れだと、いくら一生懸命治療しても「瘀血」は取れてきません。


「瘀血」はしばしば、きっついきっつい、強烈な痛みや痒みの原因になったりします。


色々な思い出があります。

 

続く。

 

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「陰平陽秘」という言葉

2012.05.23

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東洋医学は「気」と「陰陽」の医学・・・。

 

 

鍼灸であれ、漢方薬であれ、治療の眼目は「気」を動かし、人体の「陰陽」のアンバランスを是正することです。

 


・・・フーン、なるほど。

 


そんじゃ、”人体の陰陽”って何すか?となりますわな。(笑)

 


これが、五臓と六腑であったり、気と血であったり、上下だったり左右だったり、前後だったりする訳です。

 


患者さん一人一人の病態によって、使うモノサシは変わります。

 

そうするとさらに、じゃあ”「陰陽」のバランスが取れた状態”ってなんすか?と思いますよね。(笑)

 

この状態を表す言葉で、古典に「陰平陽秘(いんへいようひ)」なんて言葉があります。

(※出典は『黄帝内経素問』生気通天論(3)です。)

 


これを分解して日本語っぽく言うと、「陰平らかにして陽秘す。」といいます。

 


・・・普通は、これを言われたところで、ハ?陰が平らか?陽が秘す?なんすかそれ??ってなもんだと思います。(笑)

 

ここでいう、”陰”を仮に海と考えると、”平らか”というのは大きな波の立ってない、涸れてもいない、穏やかな状態です。

 

それに対して、”陽”を仮に”太陽”と考えると、”秘す”というのは雲に「ほどよく」さえぎられている状態です。

 


雲が生じてる訳だから、陰陽が交流していないワケではないということが分かります。

 


ま、あまりうまい例えでもないけど、これがいい状態なんです。

 

陰と陽が、正常に交流しつつ、どちらも極端な状態でない。

 

極端な不和が生じていない。

 

陰が平らかだから陽はひそみ隠れられるし、陽がひそむから陰が平らかでいられる、というわけです。

 

人間で言うと、何らかの原因でこの隔たりが大きくなってしまったのが病気だし、もしこれがひどくなって、完全に離れてしまったり、どちらかがどちらかを滅ぼしてしまったら、死亡です。

 

古典にあるように、人体で陰陽の隔たりが大きくなると、体に余分な熱がこもったり、逆に冷えたりします。

『黄帝内経素問』調経論(62)です。)

 

すぐに是正しないと、必ずよくないことが起こります。

 

先手先手を、分かっていながら打たず、ついに大病して泣く、これは不幸だと思います。

 

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「経絡」ってなんですか?(その7)

2012.04.29

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これまでのお話・・・

「経絡(けいらく)」って何ですか?

「心包」って何ですか?(その5)

「経絡」って何ですか?(その2)

「経絡」って何ですか?(その3)

「経絡」って何ですか?(その4)

「経絡」って何ですか?(その5)

「経絡」って何ですか?(その6)

 

 



続きいきます!!

 

ここまでのお話で、経絡には12本のメインルート(正経十二経)があり、それぞれが順番に全身を循環し、体の上下左右前後内外、

六臓六腑と手足、頭も含めた、全身の気血のバランスをとってくれているよ、というお話をしました。

 

そして、それだけでは不十分で、さらに8つのサブルート(奇経八脈)で働きを補っている、という話もしました。

 


経絡には、気だけでなく、血も水も巡っているワケですが、中心は気血であり、中心のなかの中心が「気」である、というお話もしました。

 


ここで、興味深いことに、古典には、経絡の種類によって、この「気血」が流れる割合に違いがあるよ、という記載があります。

 


例えば、鍼治療の優れた方法の一つに、「刺絡(しらく)」といって、反応のある経穴に、三稜鍼(さんりょうしん)という太めの鍼を刺すことによって、

 

結果的に微量に出血することが多い、独特な伝統的治療法があるのですが、『黄帝内経』には、これをやっていい経絡と、やらない方がいい経絡があるよ、

 

という記載があります。

(専門家の間ではとっても有名な篇ですが、『黄帝内経素問』血気形志篇(24)です。)

 

その発想に基づけば、気が少ない経絡は、冷えや乾燥など、外からの邪気に入られやすいと考えられるし、気が多い経絡は、気が昂ぶって興奮状態になるような病が多く、

血が少ない経絡は、「刺絡」で血を出すような治療はあまり好ましくなく、反対に血が多い経絡は、太い鍼で深く打って、多少出血しても構わない、という考え方です。

 


こういう風に、「多血少気(たけつしょうき)」とか、「少気多血(しょうきたけつ)」という言い方で分類しております。

 

 

総じて「多気」の経絡は気が変化した病が多く、「多血」の経絡は鍼を深く刺して、少々出血させる事が多いようです。

 
 

・・・で、実際の臨床的な印象ですが、

「あー、確かに~!!古典の言うとおりだ~!!」

と思う時と、

「いや、別にそんなにこだわらんでも・・・。(苦笑)」

と思う時と、両方あります。

 
 

ですので、個人的には血気形志篇の記載を金科玉条視する必要もないように思いますが、ここはどうでしょうね?専門家の先生方。

 
 

血気形志篇によれば、各経絡における気血の多少は、「天の常数」なんだそうですが、ここは人によって、病によって個性あり、だと思うんですがねえ。。。

 
 
 
ここは個人的には、臨機応変に運用するべきな気がしています。
 
 
 

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『傷寒論(しょうかんろん)』という本

2012.04.10

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東洋医学をやる者なら、知らない者はいないし、通らない者はいないであろう、古典中の古典に、『傷寒論』という書物があります。

僕もまだまだ全然ですが、こないだも、とある勉強会に参加し、これを長いこと読んでおります。

何度も何度も読んで、解釈し、発見を得ながら、忘れては覚え、一生かけて読むような本だと思っています。

参考 wikipedia(傷寒論)

この書が著された年代は後漢末期の時代、書いた人物は張仲景という人物です。

張仲景については、以前このブログで紹介しました。

過去記事 「張仲景(ちょうちゅうけい)」という人物 参照

この本は、やれ伝染病の治療を論じた本だとか、やれ腸チフスの治療を論じた本だとか、色々な言われ方があるのですが、東洋医学的にいうと、

「寒邪(かんじゃ)に傷(やぶ)られてから、最終的に生命に関わるレベルまでの間に起こる、一連の病理変化の、詳細な様子とその治療法」

が書かれた本です。

「寒邪」については過去記事 「寒燥」について 参照

”傷(やぶ)られる”という表現は東洋医学独特の言い回しですが、要するに”侵入、侵襲される”というような意味です。

寒邪(冷えの邪気)に侵入、浸蝕されて、徐々に正気が弱って、最終的には死んでしまう、その一連の流れを、詳細に詳細に、説いた本です。

 

ここに書かれた多彩な病理変化の描写と解釈から、東洋医学固有の人体観、生命観が十二分に透けて見え、この本を、決して西洋医学のいう伝染病や腸チフスなどの、

 

特定の疾病「のみ」の治療方法を述べた本としたり、単なるカゼのステージ分類の本、と落とし込むのはもったいないと、個人的には思っています。

そしてこの本における各病態に対する処置は、湯液(いわゆる漢方薬)によるものが中心です。

鍼とお灸も出て来ますが、どちらかといえば完全に脇役です。

学生の頃、とある先生から、

「『傷寒論』は漢方薬の本だから、鍼灸師が読んでもあんまり役に立たないよ。」

と、聞いたことがあります。

 

 


その当時は僕も、へー、そんなもんかなあ・・・、と思って聞いていましたが、今ではその先生の考えは間違いだと思っています。

先ほども言うように、『傷寒論』が漢方薬の本、なんていう、浅すぎる解釈はイカンと思います。

『傷寒論』が、漢方薬を扱う先生方にとっての基本であることは確かですが、我々鍼灸師だって、『傷寒論』の内容をもし知らなかったら、

恐くて外感病の治療なんてできません。

なぜなら、『傷寒論』の内容を知らないと、患者さんの症候も、ある治療をした後の変化も、それが何を意味するか、考えようがないからです。

『傷寒論』には、人が病んでから死に至るまでの各レベルにおける詳細な様子が書かれているため、拡大解釈をすれば、どんな病にも応用が出来るし、

各レベルでの治療法を考えることが出来、予後の予測をすることが出来るのです。

だからこの本は鍼灸師にとっても、必須の書なんです。

『傷寒論』については、まだまだ書きたいことが山ほどありますので、折に触れて、あまり専門的で難しくならないように紹介していこうと思っています。

 

 

 

 


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