東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「眠り」の圧倒的治療パワー

2014.01.05

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正月、気付いたことがありました。

今回の正月は普段以上の寝正月。

まず、群馬の寒さをナメていて、速攻でカゼをひきました。(苦笑)

しかし、すぐに鍼して、症状を抑えながら、酒酒酒。。。

で、また、睡眠睡眠。。。

すると、この半年以上、地味に苦しんでいた、とある症状が、何と消えていました。

普段以上に酒を飲んだり、普段ほとんど食わない肉なんかをガンガン食っていますから、脾胃に負担はかかっている。

今回は、友人同士がちょっとモメてたりして、その間に入ったりしたので、ストレスもそれなりにあった。

なので、普段と違うことと言ったら、圧倒的な睡眠時間だ。

寝たい時に寝て、起きたい時まで寝る。

これだ。

これが確かに、この半年出来ていなかった。

睡眠時間、2014年の大テーマだ。(笑)

治らない、あるいは治るのが遅い患者さんにも、必ずこういう問題があるはず。

忘れていた基本。

勉強になった。

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また台風が。。。

2013.10.19

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先日、大きな被害のあった台風26号。。。

(さらに…)

微動だにしない。

2013.06.24

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清明院には、いわゆる精神疾患の患者さんが多く見えております。

近年増加傾向であり、社会問題にもなっておりますが、こういった精神疾患は、当然ながら東洋医学でも、なかなか簡単なものではありません。


治療者側も、患者さん側も、大変根気がいるものが多いです。


まずは話をよーく伺い、そして体の歪みをよーく窺い、上手に上手に、丁寧に丁寧に、少しづつ、慎重に、バランスを整えていきます。


そうすると、少しづつ少しづつ、精神も整ってきます。


しかし、治療経過中、何らかの原因、例えば誰かから何かショックなことを言われたとか、急激にカゼをひいたりして、

大きく体調を崩したりしたのがきっかけで、患者さんからしてみたら、これまでの治療が台無しになったと思えるような、

心身の不調を感じることがあります。


こういう時、患者さんは激しく動揺するでしょう。


診療所内で泣き叫ばれたり、責めたてられることもあります。


そういう時、術者はどうするか。


・・・微動だにしません。


この場面、極めて大事です。

 

(と思っています。)

ここでキッチリと、今回、その患者さんのカラダに起こったことを丁寧に説明し、これまでの経過も丁寧に説明し、粛々と、冷静に、治療します。

 


ここで、昂ぶる患者さんの感情に引きずられると、絶対にうまくいきません。


経験上。

圧倒的な不安定に、治療者として対峙するならば、必要以上に安定していなくてはいけない。


ここでは、知識と経験が必要不可欠。

 

理屈だけじゃ実践できない。

 

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「陰陽水」について

2013.04.11

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難病の患者さんを多く診ている。

難病の患者さんがカゼをひくと厄介だ。

皮膚表面が冷え、熱が発散できなくなって、熱がこもる。

すると、籠った場所にもよるが、色々な症状が出てくる。

例えば、喉の渇き。。。

そうすると、どうしてもたくさん飲んでしまうことがある。

そうすると今度は、飲み過ぎた水によって、胃腸や、その他の五臓に負担がかかる。

そうすると、結果的に「気血」が作りだしにくくなる。

全身のパワーダウンにつながる。

難病、進む。

・・・この流れ、非常にヤバい。

今日、それをどうにか食い止めた。

表面的な冷えをとりつつ、籠った熱をとりつつ、胃腸の働きをフォローする意図で、鍼を一本。

所見、好転するものの、まだ完ぺきに安心できないと思ったので、「陰陽水※」を飲ませ、脈の変化をうかがう。

バッチシ。

東洋医学最高。

 


※陰陽水とは、冷水を熱湯で割ったぬるま湯。患者さんに合わせて微調整が必要。(出典は『多識編』か。)

 

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花粉症考(くしゃみ篇)

2013.03.27

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今日、患者さんが面白いことをおっしゃった。

その患者さんは、整形外科的な問題や、婦人科疾患や皮膚科疾患はあるものの、現在のメインの症状は花粉症

清明院で治療し、諸々の症状は楽になってきているが、今日、清明院で治療している最中にくしゃみが出てきた。

連発連発。

しかも今日で2回目。(苦笑)


そこで、冷静に体表観察すると、治療に間違いはないものの、患者さんはやや不安顔で、

「なんで治療していると、くしゃみが出てくるんですか・・・??」

と。

 

 

たまに、治療中、あるいは治療後に、思いがけない症状が出たりして、患者さんが不安になる場合がある。

 

 

そういう時は、体が調う方向に向かう過程で、体のどこかに気の停滞が一時的に起こっているもので、一過性のものであり、いずれ解消されるので心配ない、

 

という風に解釈することが多い。

 

そこで、この現象(治療中に出てきたくしゃみ)を考えてみる。

くしゃみは東洋医学では「噴嚔(ふんてい)」と呼び、基本的にはカゼの症状の一種として考えるか、「肺の臓」の弱りとして考えるか、

の2パターンであります。

 

(『症状による中医診断と治療 上巻』P518)

 


ちなみに肺は、東洋医学では「嬌臓(きょうぞう)」と言われ、嬌臓の嬌は”ひ弱、弱々しい、なまめかしい”という意味であり、

まあ、か細く、繊細な女性のような臓器である、と考えられています。

だから弱りやすい、また、外界の変化の影響を受けやすい、という訳です。

これについても、またそのうち、詳しく書きましょう。

「肺の臓」に対する深い理解は、あらゆる病を治療する上で、超重要だと思います。

また、今日の例を考える上では、これが重要なんですが、古典の中に、くしゃみは、胃腸に問題がある場合や、

ある種のカゼや、冷えを中心とする慢性病が回復する兆候であったりと、意外と、

”くしゃみは、体が回復する時に現れる兆候”

という解釈があることです。

 

(『黄帝内経霊枢』口問萹(28))

ところで、くしゃみが出る前の、あの「鼻がムズムズ」する症状も、東洋医学では「鼻痒(びよう)」と呼んで、治療法を考えています。

 


・・・話が長くなるので、次回に続く。(笑)

 

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鼻血の色々

2013.03.08

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漫画『ドラゴンボール』に、”亀仙人”というキャラが出てきます。

 

彼は、セクシーなお姉さんをみると、Hな想像をして、興奮して、鼻血が数十センチも噴き出します。

この鼻血は、東洋医学的に考えた場合、病気でしょうか。

 


生理現象でしょうか。

 

今日はそんなお話です。(笑)

 


鼻血は、東洋医学では「鼻衄(びじく)」、「鼻出血(びしゅっけつ)」と呼んでいます。

 


これは実は、病的なものと、生理的なものがあります。

 


「生理的なもの」とはどういうものかというと、カゼが治る時に出る鼻血です。

 

ある種のカゼを引いて、治る時には、汗が出て治ります。

 

カゼが治る時、バアーッと発汗して、熱が下がり、楽になった経験は、多くの人があるでしょう。

 

しかし、治る方向には向かっているけど、何らかの原因で汗が出せない場合に、汗の代わりに鼻血が出て、カゼが治るというケースがあります。

 


これが、生理的な鼻血です。

 

これを、東洋医学では「紅(あか)い汗」と書いて「紅汗(こうかん)」と言います。

 


それ以外の場合は、基本的には鼻血は病理現象なのでありますが、一概に全ての鼻血が悪とは言えません。

 

鼻の粘膜よりももっと深い部分、つまり体内、とりわけ脳内で出血するよりは、鼻からの出血で体外に出てくれた方がマシ、という側面があるからです。

 

鼻血と脳出血とを同列に語るナ、と怒られそうですけれども、東洋医学的な考え方では、実際そうなんだから仕方ない。

 


冒頭の亀仙人の例なんかは、興奮して気血が上焦に突き上げた結果、体外に向かって余分な血が吹き出し、しかもそのあとにフラフラになったり、

 

倒れたりしないワケですから、まあそれほど心配ない鼻血であるワケです。

 


急に鼻血が出ると、患者さんは驚きます。

 

同じように、尿に血が混じる、便に血が混じる、月経血がやたらに多い、こういうことがあると、患者さんはビックリして、不安になります。

 

当然です。

 

しかし、これらの現象は、生体の自浄作用によって、出やすい場所から、滞った血を出血させることで、生体の動的平衡を保ってくれている場合があるのです。

 


だから、「出血=悪」という発想で、出血したら即止めろ、無理にでも止めろ、という発想は、危険な場合があるのです。

 

場合によっては、出血を無理に止めた結果、東洋医学的には病が「悪化」「深化」してしまう場合もあるのです。

 


また一方で、なかなか止まらない出血というのは、東洋医学的に言っても、西洋医学的に言っても、非常に難治な、命に関わるような病気のサインの場合もあります。

 

患者さんがおっしゃる、「出血」という症状に出会ったら、よくよく注意して、問診しなければなりません。

 

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ノド痛と鍼灸

2013.03.05

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この時期多い、カゼひきさん。

まあ、この時期のカゼって言っても、色々なパターンがあって、

「どんな人が」

「どんな状況で」

ひいたか、また、

「それがどういう経過をたどっていて」

「今現在どういう状況に置かれているか」

によって、治療方法も予後の推定も千差万別なんですが、かの有名な「花粉症」なんかも、東洋医学的には「カゼ」と判断して治療すると、

上手くいくことが多いということは、以前書きました。

カテゴリ 花粉症と東洋医学 参照


今日は、その絡みで、ちょうど昨日今日と、何人か診たので、「ノド痛」についてちょっと考えてみようと思います。

東洋医学では、痛みがあって、腫れる、ということは、その部分の気の流れが停滞している、あるいは足りてない、

ということを示す、と考えます。

・・・で、治療して、そこの部分の気の流れが通じれば、とりあえず痛みは取れるはずです。

ただ、喉を通る経絡というのは、実はほぼ全ての経絡であり、非常に複雑に入り組んでいるので、どの経絡の気の停滞かを、

一つ一つ明らかにするやり方は、ないではないけど、あまり効率が良くないので、僕はほとんどやりません。

そうなった原因をよく考えて、それを解決できるツボにバシッといくことが多いです。

ノドの部分の気の停滞だからって、ノドばっかり鍼をやったり、関係する経絡をやっても、なかなか治らない場合があります。

それはつまり、

「ノドの部分で気が停滞した理由(原因)」

が取れてないからです。

これには色々な原因がありますが、「腎の臓」「肺の臓」「胃の腑」の弱りや、「こもった熱」によるもの、あるいは東洋医学の言う「カゼ」

つまり「外邪(がいじゃ)」によるものや、「陰の不足」などに分けられます。

この中で、「こもった熱」「余分な水」が結びついて、「痰」の絡んでいるものは、比較的うるさく、しかもこの「痰」に加えて「陰の不足」も兼ねているものは、

しっかりと休息をとり、しかも飲食を節制してもらわないと取れてくれず、なかなかうるさいものです。

 

西洋医学でも、咽喉痛と言ったら、扁桃炎から喉頭癌まで、実に幅広くあります。


このように、ノドが痛いと言ったらここ、みたいに、病因病理を考えず、焦って治療しようとしても、まっすぐにはいかないものなのです。

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急性症との戦い

2013.01.26

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最近、急性症の患者さんが多い。

カゼに限らず、今朝からおかしいとか、昨日から急におかしいとか。。。

症状としては、胃痛、眩暈、腹痛、下痢、関節痛、頭痛などなど、実に様々です。

こないだ書いたように、24節気で「大寒」過ぎたら次は「立春」

「易(えき)」の世界では、「風」とか、「雷」に例えられる、よく言えば動的で活発、悪く言えば極めて不安定な「春」という季節のお出ましです。

(震雷木、巽風木の卦)

・・・で、すでにその影響か、非常に動きの速い病にかかっている患者さんを診ることが少なくありません。

こういう場合、どれだけタクティカルに治療を進められるか、術者のウデが問われます。

鍼をした、その場で楽になった、ハイじゃあ3日後に来てネ、では、急性症を治療しているとは言えません。

全然不十分です。

治療直後から、時系列的に何が起こっていくか、ということを詳細に予測し、実際に観察し、結果を分析することが、多くの重要な知見を与えてくれます。

清明院では、急性症の場合、2時間後、あるいは翌日、どういう状況になったか、必ず電話してもらって確認します。

・・・で、その変化を見極めた上で、次の手を打って行きます。

病と対峙して、常に先手先手が打てるように、細心の注意を払います。


スリリングな日々。(笑)

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肺と疲労

2013.01.17

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咳や痰と言ったら、「肺の臓」の異常から起こっていることが多いです。

「肺」って何ですか?(その12) 参照

カゼを引くと、咳や痰がよく出ます。


患者さんが治療中にゲホゲホ咳をしていると、院内が何とも言えない空気感になりますね。

(THE 医療機関!って感じね。)


東洋医学では、肺と皮膚は関係が深い、と言います。

 

(『黄帝内経素問』痿論(44)「肺主身之皮毛.」)

 


皮膚が急激に冷やされた結果、「肺の臓」の気の流れが悪くなり、呼吸そのものや気道に、様々な症状が出る。


なんか、分かったような、分かんないような話。(苦笑)

でも実際、こういう考え方でイケるケースも、あります。


咳が出ると、患者さんは

「カゼを引いた、冷えた。」

と訴えます。


しかし、当然ながら、それをまったく鵜呑みにすると、上手くいかない場合がある。

年末年始の胃腸の弱り、年始からの仕事の多忙さによる睡眠不足等の疲労、ストレス、こういうものの方が、大きな原因になっていることがある。


特に、ベースにキツイ疲労があって、急に咳が出だしたような場合は、治療に工夫がいる。


咳など、急性の症状というのは、色々なことを教えてくれる。

 

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夜のみ出る症状(子午流注その他)

2013.01.16

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今日、こんな患者さんがおりました。

カゼを引いて、夜中の2時、3時頃になると、急に咳が出て、目が覚めてしまう、とのこと。

咳に限らず、痛みでも痒みでもなんでも、様々な症状が、「夜中のみ」出るとか、「朝方のみ」出るとか、時間限定で出てくることがしばしばある。

・・・コレ、なんでか。

東洋医学では、「子午流注(しごるちゅう)」といって、時間帯によって、どの経絡の気の流れが盛んになるか、という考え方があります。

(これについても、そのうち書きましょう。)

子午流注も参考になりますが、それだけでは語れない面がある。

そういう、ある側面から見た法則性「のみで」あらゆる病気の全パターンを説明しようとすると、どうしても牽強付会が出てくる。

その患者さんが持っている病理産物の種類によっても違う。

陰の性質を持った病理産物なのか、陽の性質を持った病理産物なのか。

病の深さによっても違う。

こういう色々な法則性(陰陽の設定)を考え、「最も確からしい」モノサシを選ぶことによって、失敗する可能性が、限りなく減る。

逆に言うと、成功する可能性が、限りなく増す。


感覚的な診断、治療の確かさに自信があればある程、こういう意識を持つべきだ。

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