東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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手術の後遺症と鍼灸

2012.11.13

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患者さんにたまに言うが、「手術」「大けが」は似ているところがある。

手術が見事成功して、ガンやポリープをとって、結果的に、その部分が正常に機能するようになった、という話はよく聞く。

しかし、そこに関しては良くなったけど、手術以降、その他の色々な症状が出てしまった、という話しもよく聞く。

それを緩和する目的で来院される方もいらっしゃる。

なぜ、そういうことが起こるのか。

それは、ガンやポリープなどの余分なものを取り除くために、「正常な部分」をもカットする必要が出てくるからだ。

 

(まあ最近では、内視鏡や腹腔鏡などの道具も進化し、以前と比べると侵襲性の低い外科手術が増えてきてはいますが。)

もちろん現代は「麻酔」という素晴らしい技術が発達しているので、痛みを感じずに切り刻まれることが出来る。

しかし、切り刻まれたことに変わりはないのだから、切り刻まれた正常な部分に関しては「大けが」したようなもので、当然、様々な後遺症の原因になる。

癒着や瘢痕化、様々な組織変性が起こり、そこが血行不良のもととなり、その部分が引き攣れたり違和感を生じるのみでなく、その部分を通過する神経に異常が出たりする。

東洋医学的には、そういう部分を通過する経絡経筋、それに関係する臓腑の異常にも結び付く。

だから、詳細な問診が必要。

患者さんが関係ないと思っていても、東洋医学的には関係大あり、ということだってある。

そういう考え方で治療して、うまくいった例は多くある。

手術の後遺症に、鍼灸は大変有効だ、という印象を持っているし、手術に踏み切る前に、時間的猶予があるなら、鍼灸を試して欲しいとも、強く思う。


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4つの失敗(『黄帝内経素問 徴四失論(78)』)

2012.10.20

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我々にとってバイブルと言っていい、『黄帝内経(こうていだいけい)』という書物。

およそ2500年前頃に中国で成立したといわれる、言わば医学(哲学も含む)論文集のようなものです。

この中で表明されている学説や指摘の多くは、2500年経った現代において、中国から離れた外国である、この日本の東洋医学者にも、世界中に多大な影響を与え続けています。

その本の中に、『徴四失論(ちょうししつろん)』という篇があります。

ここでは、医者が決して犯してはならない4つの過ちが書かれております。

ここでの『徴』は、いわゆる「懲罰」『懲』という意味だと思います。

つまり、

”ここに書かれている4つの過ちをやる奴を懲らしめる!”

そんな刺激的な篇名です。(苦笑)

・・・で、そこに書かれている4つの過ちとは、以下の通り。

1.陰陽についてよく勉強しないこと。


2.師匠につかず、みだりに各種の療法を行い、でたらめな説を真理とし、勝手な名前を付けて自慢し、乱用し、勘違いと誤りを犯すこと。


3.患者ごとの様々な生活(貴賎、住環境、飲食、性格、寒熱)を考えず、自ら乱れ、迷うこと。


4.問診をせず、やみくもに脈を診て、でたらめな病名を付けること。

・・・と、書かれてあります。

 

(意訳by竹下)

これ、現代日本の鍼灸業界そのもののような気がしますが・・・。(苦笑)

『徴四失論』の中では最後に、

「この医学は、天地よりも広く、海よりも深い。その前提が分からないやつは、何を言っても理解できないから、救いようがない。」

と、吐き捨てるように非常に痛烈に指摘して終わっています。

こういう、金言至言が、『黄帝内経』の中にはたくさんたくさんありますが、それを活かすか殺すかは、読んだ先生次第なんだと思います。


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虚実の深さ

2012.09.02

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東洋医学的な診療を行う上で、「虚実」をきっちり分けることは重要。

「八綱」って何ですか? 参照

 

でも、それが分けれても、ちゃんとそれを調整出来てないと、そのうち生体に思いがけないことが起こって、対応できない。

 

虚実虚実というけど、それが”どこで”、”どういう風に”起こってきてて、今、起こっているのか。

 


位置と深さ。

 


たてよこななめ。

 

「虚実」「表裏」を重ねりゃいいっていうけど、「裏」は広い。

 


コレがある程度正確に、正邪の動き方のクセも含めて見えてないと、やってて気持ち悪い。

 

これ、問診で詰められるのか。

 


患者さんによっては、なかなか難しいと思う。

 


問診で詰められなかったら、自分の指頭感覚を信じ、やるしかない場面。

 

 


冷静に、ガチンコ勝負なんだけど、リスクは最小に。

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タバコと東洋医学(その5)

2012.08.26

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これまでのお話・・・

タバコと東洋医学
タバコと東洋医学(その2)
タバコと東洋医学(その3)
タバコと東洋医学(その4)

 


では、続きいきます!!

今日は、東洋医学の考える”ため息”について触れます。

清明院が使用している、「北辰会専用カルテ」の予診票の項目には、

「ため息がよく出る」

〇か☓か△か、という問診項目があるぐらい、”ため息がよく出るかどうか”については、東洋医学的には注目します。

よく、クラ~イ顔して、

「ハァ~・・・。。」

ってやってる人、見かけますよね。(苦笑)

このため息のことを、東洋医学では「太息(たいそく)」といい、その意味づけは、ざっくり言うと胸の周辺部分の「気の停滞の除去」です。

肝の臓、胆の腑、心の臓、肺の臓の働きが主に関わります。

主にこれらの臓腑の働きが、何らかの原因によって失調しているときに、生理的にそれを是正しようとするため、

”ため息”が出やすい、ということになろうかと思います。

(太息については、『黄帝内経』『素問 五常政大論(70)』『素問 至真要大論(74)』『素問 平人気象論(18)』『霊枢 口問篇(28)』『霊枢 邪気蔵府病形篇(4)』

あたりに記載があり、特に『霊枢 口問篇(28)』の記載が非常に参考になります。)



患者さんが呈する、あらゆる症状というのは、何気ないものでも、その一つ一つが、その人の中身(五臓六腑の状態)を反映してくれる鏡なのです。

「表を以て裏を知る」 参照

ここまでをまとめると、「タバコを吸う」ということは、

1.胸部に絡んだ痰の邪気を乾かしつつ、

2.深い呼吸により、上った気を下げ、

3.自分好みの香りで気を巡らせ、脾の臓の働きを鼓舞し、

4.「ため息」によっても胸部の気を巡らせ、胸部周辺の緊張を緩め、様々な臓腑の失調をフォローしようとする

行為である、ということなのです。


逆に言えば、

 

「そうする必要があるような体の状態である」

 

ということです。

 

これはもちろん、喫煙習慣を肯定しているわけではなく、この対処法は、非常に不健康な対処法だ、という指摘です。

だから、東洋医学的には、「タバコを吸う習慣がある」という時点で、様々な臓腑の機能失調や、胸部を中心に、痰の邪気を持っている可能性が高い、と考えます。


また、タバコの葉に含まれるニコチンの毒性を考えると、上記のような”いい側面”というのはあくまでも一時的、対症的なものに過ぎず、

東洋医学的には徐々に胸部を中心に「熱毒」を籠もらせる結果になるので、ほどほどにしないといけないし、出来れば吸わない方がいい、

 

ということになります。

(今の時代、他人様に迷惑をかける可能性も高いし。。。)

ただ、あまり患者さんを脅かして、無理やり、急に止めさせたりすると、上記のような、

”タバコを吸うことによって抑え込んでいた異常”

が一気に表面化して、様々な症状を呈することがあります。


僕のように。(^^;)

 

次回こそいよいよ、その話が出来そうですな。(笑)

 

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タバコと東洋医学

2012.08.20

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以前、乳製品は体にいい?(その5)に、読者の方からご質問をいただきましたので、近年急速に忌み嫌われるようになった、

「タバコ」というものについて書いておこうと思います。

 

 

コレ実は、現代医学的に考えても、諸説様々あって、なかなかつかみどころがないようです。

タバコといえば、肺ガンや肺気腫、心筋梗塞などのリスクを高め、百害あって一理ナシ、という考え方が大勢を占める一方で、

「大してリスクにならない、やめたストレスの方が有害だ。」

とか、

「むしろタバコは有益だ!」

という論もないことはないです。

事実、タバコをやめてから急速に体調が悪化した事例などもあるようで、本当のところはどうなんだろう、と思ってしまう部分も、ないではないです。

(ちなみに僕としてはどちらかというと有害に一票であります。)


ただ、それより何より、今や、どこに行っても、あの臭いと煙を嫌う人が非常に多いことは事実。


愛煙家としては、非常に肩身が狭い時代です。

僕も以前はチェーンスモーカーでして、ある時そば屋に入って、一服つけたら、つけた瞬間に、少し離れた席のオバサマに、まるで殺人犯でも見るような、

嫌悪と憎悪に満ち満ちた目で執拗に睨まれたことがあります。(苦笑)


・・・まあ、

「公共の場ではほとんど吸えず、吸えたとしても、人様に迷惑をかける、嫌がられる可能性が極めて高い。」

という意味では、もう時代にそぐわない嗜好なんだろうな、と思います。

僕自身、以前はウルトラヘビースモーカー、かつチェーンスモーカーで、やめる前は1日に2、3箱吸っていました。(苦笑)


やめてもう2年近くなりますが、よく言う、

「メシがうまくなる」

だの、

「空気がうまいと感じる」

だの、

「体力が上がって、疲れにくくなった」

なんてのは、悪いけど1ミクロンも感じません。(爆)


アレは全部ウソです。

(少なくとも僕の場合は。)


むしろ、やめてから最初のうちは、後で説明しますが、一気に5kgくらい太った上に、キツイ痛みを伴う口内炎が、それまでになかった頻度と程度で次々に多発しまして、

なんと同時に5つぐらい出来たこともありまして、食事はおろか、講義や問診の際に喋りにくくなったりして、非常に苦しみました。

・・・この、実に謎めいたタバコというものを、東洋医学ではどのように考えるか。

 


長くなったからそれは次回。(笑)

 

 


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原因不明とは言うが。

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毎日新しい患者さんを診ていて、よくある話。

「いついつから始まった症状だけど、原因不明なんです。」

というお話。

これにはいろんなパターンがあり、患者さん自身は原因と思しきものを認識してても、病院から、

「それとこの症状は関係ない。」

と言われているケースもある。

こういう場合、東洋医学的には関係アリアリなことが少なくない。(苦笑)

また、完全に原因不明、患者さん自身も全く身に覚えがないこともある。

しかしこれも、細かく発症当時の状況を聞いていると、何かいつもと違うことをやってたりするものだ。

問診者「発症した時、何かありませんでしたか?」

患者さん「いえ、特に何も・・・。」

問診者「はい、原因ナシ、と。」

コレは最悪です。

まあ、もちろん、色々工夫して聞いても、出て来ないこともあるけどネ。

そうなった場合は、体表観察勝負になります。

体表情報に、どれだけのストーリー性を見いだせるか。

原因なくして、結果なし。


「因果律」です。

崩れるには、ワケがある。

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乳製品は体にいい?(その6:番外コーヒー篇①)

2012.08.08

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これまでのお話・・・

乳製品は体にいい?
乳製品は体にいい?(その2)
乳製品は体にいい?(その3)
乳製品は体にいい?(その4)
乳製品は体にいい?(その5)

 


では、どんどんいきます!

 


今日はいよいよ、ムスタファさんからご質問の、コーヒーについてです。

ご質問の内容は、

1.コーヒーの寒熱がよく分からない。

2.ロースト(焙煎)すると寒熱が変化するのか。

とのことでした。

 

 

 

これについて考えてみました。

 

1.については、コーヒーは四気五味説で言うと四気は「温」、五味は「甘・苦」です。(メディカルユーコン『東方栄養新書』参照)

すなわち、コーヒーそのものについては、

「熱」というほどではないけど、どちらかというと温める方向に作用する

と、東洋医学では考えております。

 

2.については、乳製品の「酸化」の話の中でも述べましたが、変化すると思います。

コーヒーに限らず、「食品」というのは、熱を加えたり、冷やしたり、発酵させてみたり、味付けや食べ合わせによって、複雑で微妙に寒熱温涼などの陰陽バランスが変化するものだと思いますし、

 

しかも最終的にはそれ単品ではなく、様々な食材を実に複雑に組み合わせた「料理」という形で、しかも固形物やりゅう動物なども相まって体に入るワケですし、しかも料理も単品ではないですし、朝昼晩でも品目が違います。

 

 

超複雑系であり、ある一品について考察しても、それだけを摂って生きているわけではないので、極端に大量摂取でもしていないのであれば、いきおい、考察する意味自体あるのか??という気すらしてきます。苦笑

 

 

さらに現代においては、恐ろしいことに加工食品や添加物まみれの形で体内に入ってきますから、それぞれの食品(原材料)が持っている四気五味が、必ずしも絶対的な指標になるとも限らないと思います。

 


毎日、実に色々なものを口に入れてる中で、ある食材一品のみ捕まえて、

 

「東洋医学的には四気五味説で〇〇だ」

 

といっても、実際はその組み合わせのパターンは無限にある訳です。

 

ですので、まずはその人のもともとの体質を的確に分析し、さらに、その食生活や嗜好品を摂るようになってから具体的に何が起こったのか、

 

という結果から、慎重に帰納してみないと何とも言えない面もある、なかなか難しい問題です。

 

コーヒーについても、もともとは豆なわけですが、その豆を乾燥させ、さらに熱を加えて、煎った状態から、さらに煮出す、という飲み物なので、ある意味、もともとの豆をかなり陽性に傾けたものを使っていると考えられるので、

 

四気では結果的に「温」と解釈するんだと思いますが、コレがキンキンに冷えたアイスコーヒーなのか、砂糖を入れるのかミルクを入れるのかで、当然変わってきますし、豆そのものの焙煎の程度によっても変わってくるでしょう。

(いわゆる、”深煎り”か”浅煎り”かの問題ね。)

 

清明院の問診でも、「嗜好品がコーヒーです。」と患者さんがおっしゃった場合でも、1日何杯くらい飲むかはもちろん、それは夏冬問わずにアイスなのかホットなのか、

 

ブラックなのか加糖なのか、ミルク入れるのか、飲むとどのような反応が得られるのか(ホッとするのか、シャキッとするのか、症状に変化はあるのか)等々、

 

細かく絞り込んだ上で臨機応変に考えます。

 


ここに、ただ単に、”嗜好品がコーヒー”とか、”コーヒーは飲めない”というだけの問診情報では、東洋医学的な診断意義はあまり持たない、ということを付け加えておきます。

 


 

まあ、もともとはアフリカやブラジルを中心とした暑い国で出来た「豆」ですから、コーヒー豆をもし生で食べれば、冷やす方向に働いても全然おかしくないと思います。

 

まあ、生のコーヒー豆は食べたことないし、流通も一般人にはほとんどしていないと思いますがネ。(苦笑)

 

参考 味の素AGF株式会社様サイト「コーヒー大事典」

 

「焙煎」という方法を使って陽性に傾けることで、世界中を魅了する、あの独特の苦みと香り、渋みが得られるのです。

 

(因みに中国ではお茶と比較するとあまり人気がないそうです。)

 

当然ながら、嗜好品として成立するには、栄養価や性質だけでなく、「味」「香り」も、重要な要素なのです。

 


だからコーヒーは基本的には「温」性ですが、苦みの程度、渋みの程度によって、影響を与える臓腑も変わってくるでしょうから、繰り返しますが、通り一遍にこうと言えない部分がかなりあります。

 

それを踏まえた上で、知っとくといいかな、と思うのは、基本的には「豆類」というのは腎の臓を強くし、利尿作用があるものが多いので、

豆を食べた人の体の状態によって、結果として温めたり、冷やしたり、寒熱を調整してくれる効果が出る、ということです。

「腎」って何ですか?(その11) 
「形象薬理」という考え方
     参照

 

コーヒーについてはまだ色々あるんで、次回もう少し、補足します。

 


ムスタファさん、ご質問への回答としては、こんなところですが、いかがでしょうか??

 


何か分からないことがありましたら、またどうぞ。

 

 

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乳製品は体にいい?

2012.08.02

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健康のために、毎日乳製品をとっている、という人は意外と少なくないのではないかと思います。


便秘など、なにか不快な症状や、体質的に問題を感じて、乳製品を積極的に摂り始めてから、それが改善した、という人については、結果的に

「あっている」

場合もある(そうでない場合もあるが)と思いますので、問診の時点でその情報をつかんでも、特に何も言いません。

しかし、牛乳やヨーグルトを積極的に摂るようになってから、何か不具合が起こった、という場合には、この”良かれと思ってやった”養生法が「間違っている」可能性を疑い、

場合によっては中止してもらうこともあります。

そもそも、

「牛乳などの乳製品が体にいい。」

というのは、どういった根拠なんでしょうか。

・・・まあ、一般的には、タンパク質、カルシウム、脂肪、必須アミノ酸などの栄養成分がバランス良く豊富に含まれるから、という話しが有名です。

しかしこれには、異論もあるようで、近年、「牛乳は体に悪い!」と主張する人がチラホラ出てきています。

(ネットを探せば、山ほど出てきますが、ちょっと偏っている論調が多いように思いますので、あえてここではリンクは張りません。)


また、何やら強硬に、

 

「あなたの体が悪いのは、全部乳製品のせいだ!!」

 

とかいう、カルト的なことを言う医療者もいるようです。

 

(苦笑・・・やめて治らなかったり、悪化したらどうやって責任取るんだろうか。。。)

・・・で、双方踏まえて、僕の意見としては、つまんないこと言うようだけど、

「なんでも、摂り過ぎはダメだよ。」

です。(笑)

僕の、患者さんへの食養生の多くはコレです。(爆)

どちらかというと、食の問題に、あまり神経質になり過ぎることの方が、かえって問題なんじゃないか、と考えております。

食は人間にとって、生命維持に欠かせない行為であると同時に、大事なストレス解消行為でもあります。

食べたいもの、摂りたいもので、なるべくなら旬のものをおいしく、バランス良く、品目豊富に適量摂る、というのが基本中の基本で、

あとは何か特別なものが極端に多くなったりしないように、というだけの話だと思います。

・・・ま、牛乳に関して付け加えるならば、「にわか東洋医学」ではよく、乳製品は体を冷やす冷やす、と言いますが、

牛乳というのは本来、牛のお母さんが、牛の赤ちゃんを育てるためのもの。

そんなに冷やす力が強かったら、牛の赤ちゃんは冷え切ってカチカチになって死んじゃいます。(苦笑)

場合によっては乳製品で、かえって熱がこもる面もあるのです。

 

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(社)北辰会関東支部7月定例勉強会

2012.07.23

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昨日、7月22日の日曜日は、高田馬場にある日本医学柔整鍼灸専門学校にて行われた、(社)北辰会関東支部、勉強会に参加してきました!!

今回の講義内容は朝から後藤りゅう先生による講義

「心神をうかがう問診」

でした。

(社)北辰会では、「心の臓」が蔵する「神(しん)」というものや、もっと大きな、東洋自然哲学における「神(しん)」というものを、大変重要視しております。

私も以前、これに関する中心的な内容である「神主学説(しんしゅがくせつ)」の講義を何度かさせていただいたことがありますので、

僕自身、前から好きなテーマの一つであります。

「心の臓」「神」については

「心」って何ですか?(その7)
「心包」って何ですか?(その6) などなど参照

(これ以外にも検索機能を使えば、”神主学説”についても山ほど解説してあります。読んでね~♪)

「心神」に対する学問的、歴史的な理解から、神秘的な部分まで、後藤先生自身の実体験を通じた、大変興味深い講義でした。

午後一からは実技指導

「背候診」

でした。

私も臨床コースをひと班、担当させていただきましたが、みんなやる気があって、指導しやすかったです。

そして最後は山梨の渡邊久子先生による講義

「女性カルテ解説」

です。

「女性カルテ」とは、北辰会専用の、女性特有の、月経や出産について問う、女性を診療する上では欠かせない、とっても重要なカルテであります。

女性の会員や聴講生からの質問が多かったことが印象的でしたね。

やはりみんな、非常に興味はあるけど、なかなか正確に理解できていない部分なんだと思います。

そして、終わったあとは酒・・・。(笑)

北辰会の飲み会で出る話は、いつもスゴイですよ・・・。

来なきゃソンだと思いますけどねえ~。(笑)

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麻痺が動く感動

2012.07.04

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最近見た、下垂手(かすいしゅ)の患者さん。


西洋医学的には、末梢性(※まっしょうせい)の「橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)」なんて呼ばれる。

(※末梢性とは、脳(中枢)に異常が起こって発症したものではないということ。)

いわゆる”お化け”の手みたいに、だらりと下がったまま、手首を挙げることが出来ず、指を開く、グーチョキパーの”パー”の動きが出来ない病気です。

 

日本脊髄外科学会「橈骨神経麻痺」のページ 参照


コレは、寝てる間に自分の上腕を腕枕にして寝ていたりすると、自分の頭で圧迫されたりしても起こることがあり、軽い、すぐ戻る程度のものなら、

 

意外と経験のある方も多いのではないでしょうか。


しかし、コレがいつまで経っても全く動くようにならず、整形外科に行っても、整骨院に行っても、一向に動き出す様子がない・・・。


心配して先生に聞いても、

「そのうち動いてくるよ。」

とか、先生によっては、

「場合によっては動くようにならないケースもある。」

とか、

「後遺症になることもある。」

とか言われ、全然動き出す気配がないままに、数週間が過ぎると、ますます不安・・・。


仕事でパソコンは使うし、もし手がこのままだったら、もしかしたら仕事を辞めなきゃかも・・・と、不安は募るばかりです。

2日前、まさにこんな感じの患者さんがみえました。

発症から2週間経っているものの、まったく動き出す気配がない。

そこで、詳しく問診し、多面的観察から、とあるツボに鍼を一本。


治療直後に、いきなり少し動いたことにビックリ仰天。


2日後の今日、かなり動くようになった手を、嬉しそうに見せてくれた。


(最初の全く動かない状態を数字の10だとすると、4程度まで回復していました。)

 

・・・ま、鍼最高。(笑)

 

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