東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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(社)北辰会関東支部9月定例会

2010.09.27

昨日、9月27日(日)は、代々木青少年オリンピックセンターで行われた、(社)北辰会関東支部定例勉強会に行ってきました!

今回、午前中は臨床コースにて、川田浩之学術副部長による「腰痛」講義。

基礎コースはベテラン講師である、小黒郁夫先生による臓腑経絡学「肺・大腸」

どちらも絶対にはずせない、大変重要な内容です。

午後は1時から基礎コースと臨床コースに分かれて実技「望診(ぼうしん)」の後、

3時から全員合同で、神野英明先生による特別講義「医易学(いえきがく)」と、盛りだくさんの内容でした。

・・・実技では、僕もひと班、指導を担当させていただきましたが、東洋医学の診察法(四診:望聞問切(ぼうぶんもんせつ))の中で、

この「望診(ぼうしん)」という診察法は、相当難しい診察法の一つです。

古典にも、

”望んで知るを神となす”

という言葉があるぐらいで、”見ただけで”患者さんの状態がすべて分かるのは神業である、と位置付けているぐらい、習得するのが難儀な診察法です。

僕が担当したのは臨床コースの中級班の先生方でしたが、実際に現場で治療をやられている先生でも、なかなか感覚がつかめない、あるいはこれまでずっと勘違いをしてきた、

 

という先生がいらっしゃいました。

・・・しかし、これは「毎日」「正しい」練習を繰り返さなければ絶対に上達しません。

僕も全然まだまだですが、もっともっと精進して、”神業”を体現できるようになりたい、と思っています。

神野先生による「医易学」講義では、時間も少なかったため、概論的な内容の講義となりましたが、この「医易学」というテーマは、とても1時間半とか2時間で説明しきれる様な内容ではありません。

シリーズ化が必要な科目だと思います。

(北辰会には、そういう科目が山ほどあります。今後、どうなっていくのやら・・・。楽しみですな♪)

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ちょっとした養生法

2010.03.31

いや~しかし最近(この3~4日)、異常な寒さですね!

清明院の患者さんでも、

「ここ何年か出ていなかった腰痛が久しぶりに出た!温めると楽。」

・・・とか、

「5年ぶりにカゼひいた!鼻水が止まらない・・。」

とかおっしゃった方がおられました。

以前にも書いたけど、一体、

「暑さ寒さも彼岸まで」

という言葉はどこへ行っちゃったんでしょうか・・・。

まあとかくこういう、時知らずな寒さや暑さがあった時は、体調を崩すことが多いです。

しかしこういう時ほど、「養生(ようじょう)」がモノを言う時もありません。

では、具体的に何をすればよいかというと、それは患者さんによって違うので何とも言えません・・・。(笑)

まあしかし、そう言ってしまっては元も子もないんでネ、参考までに多少の注意点は書いてみましょう。

くれぐれも注意していただきたいのは、ここで紹介する養生法はあくまで参考です。

本来、養生法というのは、患者さん一人一人に合わせて個別に指導されるべきものです。

ですので、実際にお体を調べれば、もっと的確で効果的な養生法を指導してあげられる、ということを前提に、お読みください。

まずこの時期、「春」と言う時期は、こないだも書いたけど、ある意味、1年のうちで最ものぼせ易い時期になります。

(やや語弊がある気もするけど、極端に言うとネ。)

つまり体の「上下のアンバランス」が起こりやすい時期、とも言えます。

またこの時期は、年度末~年度初めの時期ですから、お仕事をされている方なんかは、何かと飲み会の増える時期でもあります。

(歓送迎会ネ。)

・・・ということは、

暴飲暴食+上下のアンバランス

というパターンから、何らかの病になる可能性が高い、ということなんです。

 

(実際に多いパターンです)

今回のブログの冒頭に紹介した腰痛、カゼも、「暴飲暴食」「上下のアンバランス」を起こしていたものに、ここ何日かの「冷え」が重なって起こったものでありました。

・・・ということは、事前に

「上下のアンバランスを整え」、

「飲食を控えめに」

していれば、外界がいかに寒くなろうが、高確率で病気知らず、未然に予防することが出来ます。

ここで、「飲食を控えめ」は簡単(分かりやすい)ですが、「上下のバランスをとる」には一体どうしたらいいんでしょう。

これ、一番いいのは「足を使った軽い運動」です。

散歩とかね。

ただ、これを言うとたまに患者さんに、

「ええ~、そんな時間ないよ~!」

とか、

「無目的にただ歩くのって、超苦手なんですけど・・・。」

って言われちゃいます。

(苦笑・・・都会人のサガなんでしょうかネ?)

そんな時は、せめてもの方法として、「青竹踏み」で足の裏を刺激することをお勧めしています。

これなら簡単に出来るし、時間もお金もかかりません。

しかもこれ、大概の患者さんは、やらせてみると右と左で痛み方が違います。

なのでそういう方にはその「左右差」が整うまで踏んでもらいます。

その左右差が整うまで踏むと、面白いことに、それだけで”のぼせ”がかなり引きます。

それが色んな症状の予防になるんですね。

東洋医学に基づいた、ちょっと工夫した養生法です。

だまされたと思って、やってみて下さい。

意外と効果てきめんな筈ですよ~。

(笑・・・ホントにだまされたりして♪)

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鍼灸には保険が効かない!?(その7)

2010.03.28

これまでのお話

鍼灸には保険が効かない!?(その1)
鍼灸には保険が効かない!?(その2)
鍼灸には保険がきかない!?(その3)
鍼灸には保険が効かない!?(その4)
鍼灸には保険が効かない!?(その5)
鍼灸には保険が効かない!?(その6)

 


・・・まあ、色々と難しい問題が山積みの中、苦しみながらも楽しんでいる、僕らの姿が少しづつお分かりいただけてるんじゃないでしょうか?

 


話を本題に戻しましょう。

 


WHOが言っているように、幅広い疾患に有効と考えられる鍼灸を、日本が積極的に保険適応にしない、というのはおかしい、とも思えます。

 


しかし、最初に述べたように、たとえ「鍼灸」自体がそうであったとしても、「鍼灸師」という人たちに、アベレージとして、安定的に

「確かな東洋医学を患者に提供できるスキル」

があって、初めて成り立つ話です。

 

そうなって初めて、国や保険組合から、

「ああ、この”人達”なら安心して保険適用の対象に出来そうだ。」

となる訳ですよね?

 

・・・しかし、これまで書いてきたように、残念ながら、その有効性の証明も、各個人の力量の問題も、なかなか解決出来ていない、というのが日本の鍼灸師の現状ではないでしょうか?

 


じゃあ外国ではそれが出来ているかというと、韓国や中国などは、日本よりは出来ていると思いますが、まだまだ十分には出来ていない、というのが現状のようです。

 


となると、「日本」「先進諸国」の相違点は何でしょうか?

 


色々考えられると思いますが、一つには「国民性」の問題がないでしょうか。

 


日本人というのは、島国のせいか、歴史的に見ても、舶来品(要は新しモン)好きですよね。

 

 

大陸に学び、あらゆるものを発展させてきた。

 


明治の西洋化以降は、より極端に「海外(特に欧米)のもの=イイ!」になっちゃってないでしょうか。

 


しかも「和」を大事にする民族ですから、モメないための知恵が至る所に張り巡らされていると思いますが、悪く言えば「付和雷同」が大好きですよね。

 


もともとあったそういう考え方、国民性、そして、明治以降の歴史的経緯の結果として、現在の「西洋医学」のみを強く支持するような風潮も含まれているような気がしないでもないです。

 


また日本国内では、西洋医学に関しては、マスコミを通じて、様々な医療過誤や事件が話題になる一方で、輝かしい研究成果や臨床成果も話題になっています。

 

東洋医学は、ついこないだの「気胸事件」とかは大きな話題になるけど、「東洋医学で〇〇が治った!」という報道が、大きくなされることはほとんどありませんよね?

 

実際はたくさんあるのに、です。

 


これは「なぜ治ったか」が、現代科学では説明がつかないし、治る確率だって明確に示されていない訳だから、当然と言えば当然です。

 


しかも国民の多くは「気」や「陰陽」という考え方に対して、極めて懐疑的だと思います。

(東洋思想、哲学を知っている人、興味ある人自体が少ない。)

 


しかも巷の多くの鍼灸院では、肩こり、腰痛、膝痛に対して、痛みのある部分の周りに鍼を打って、血行が良くなれば治ります式の治療をやっているところがほとんどです。

 


こんな状況で、例えば、

「東洋医学的な考え方で鍼治療を行い、「気」の流れが整い、「陰陽」のバランスが整った結果、難病が治った!」

という報道がされたとしても、みんなのリアクションは

「へ?鍼って肩こりにやるもんなんじゃないの?」

とか、

「はいはい、オカルトね。なんか宗教っぽ~い。こわ~い。」

で終わりでしょう。

 

 

またそういう、実際にあるセンセーショナルな事実の存在と同時に、

「以前、鍼やってもらったけど、全然治らなかった。何も変わらんかった。」

という患者さんがいることも事実です。

 

 

清明院にも、初診の時にそうおっしゃる患者さんがたまにいらっしゃいます。

 


こういった厳しい現実を、一体どのように打開していったらいいんでしょうか?

 

 


(次回に続く)

 

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鍼灸には保険が効かない!?(その1)

2010.03.21

この間、いいコメントをいただきましたので、「鍼灸と保険」というテーマで何回かに分けて書こうかな、と思います。

(そういうことにも目を向けていかないとね。現実は大事です。目をそらさずに行きましょう!)

 


まず初めに、今現在、日本は言うまでもなく「国民皆保険制度」というものを採用しています。

 

これのお蔭で、前年の収入に応じて1~3割の負担金で国民誰でもが低額で医療を受けることが出来ます。

(皆さん持ってますよね?保険証。)

 


仮に収入がなくても、生活保護制度、後期高齢者医療制度等によって、その権利は守られますし、病気によっては全額公費負担になる制度もあります。

 

とても弱者思いの、いい制度ですよね。

 


しかしこれは、「保険医療機関」での治療がメイン(というかほとんど)です。

 


つまり、国家資格である「医師免許」「歯科医師免許」を持った医師が営業している、病院、医院、診療所、クリニック、歯科医院での治療に関して、

 

保険者(国や保険組合等)から治療費の大部分(7~9割)が支払われるわけです。

 


あと一部、柔道整復師がやっている接骨院、整骨院でも保険が使える、という認識があります。

 


しかしこれは正確に言うと、接骨院の場合は原則として、一度窓口で治療費を全額(10割分全額)払って、
自分の保険負担割合との差額分を、

 

患者さん自身が、自分で保険者(例えば国保なら区役所)に請求する、という方法をとるものです。


(あくまで「原則」としてね。)

 


しかしそれだと、一時的にでも患者さんの負担が大きくなりますので、多くの(というかほとんど全ての)接骨院では、「受領委任」といって、

 

保険者への差額の請求手続きを接骨院が代行するため、窓口では一部負担金のみをいただく、という形をとっています。

 


接骨院に治療に行ったことのある方は、申請書にサインを求められた経験があると思います。

 


これは、上記の手続きを接骨院さんの方に任せますよ、という確認なんです。

 


これにより、接骨院、整骨院では保険が使える、という認識が国民に浸透しています。

 


もう一つ言うと、接骨院で保険が使えるのは「骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷の5つの外傷(ケガ)のみ」についてです。

 


最近、慢性の腰痛や肩こり、単なる疲労感などに対する不正な保険請求が問題になっていますね・・・。

 

(逮捕者も全国に出ています)

 


ではいよいよ、鍼灸の場合はどうかというと、一応、保険は使えます。

 


・・・が、なぜかほとんど全然、使っている鍼灸院ありませんよね?

 


これはなぜかというと、保険を使って鍼灸を受けるためには、「医師による同意書」というものが必要になることと、保険制度においては、

 

一回の治療費がかなり低く設定されていること(総額でなんと1500円程度!)が理由になると思います。

 

しかも、保険適用になる症状として、「腰痛、頸肩腕症候群、リウマチ、五十肩、神経痛、頸椎捻挫後遺症」という、たった6つの疾病に限定(!)されており、

 

なおかつ、ひと月の治療回数、治療開始から終了の期間に至るまで、全て同意書を書いた医師が決定します。

 


さらには、上記6つの疾病を、病院と鍼灸院で併療(同時に治療)することは認められていません。

 


これまでに、患者さんがそのことを知らずに、同じ疾病で医院と鍼灸院に同時にかかってしまって、鍼灸院に「だけ」保険者から治療費が支払われなかった、

 

なんていう恐ろしい事例もあったようです。

 


しかも、今では撤廃されましたが、つい最近までは、鍼灸の治療回数には、なぜか法的に制限(ひと月10回までだったかな?)があり、

とてもまともに商売できるような仕組みではございませんでした。

 


そのため、保険専門の鍼灸院というものはほとんどなく、積極的に保険を使っている鍼灸院は、単純にすぐ隣にある医院と業務提携していたり、

単純にそこの鍼灸院の院長の親や親戚が医師であったり、という特殊な場合以外は、なかなか導入しにくいのが現状です。


「・・・あのさー、これ、なんか不公平じゃない?」

と思います。

 

さも日本という国に、保険制度に、鍼灸なんて効かない、嫌いじゃ、滅びよ!と言われているような気ィすらします。(苦笑)

 


しかも前回のブログにも書いたように、患者さんからは怪しい、痛そう、熱そう、恐いなんて言われます。(苦笑)

 


なんで、こんなことになるんでしょう。僕ら一生懸命やってるつもりなんだけどなー・・・。

 


毎日毎日、睡眠時間、遊ぶ時間を削って、鍼の本を読み、休日は勉強会にいき、知識、技術を少しでも高め、
患者さんの健康に少しでも寄与しようと頑張っているのは、

 

鍼灸の学術を最大化するためであって、こんな扱いを受けるためじゃない!

 


・・・とかって、卑屈になったこともあります。でも冷静に考えれば、こうなるには、それなりの理由、いきさつがあったはずです。


(次回に続く)

 

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「痛み」と「鍼灸」

2010.02.20

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今日は、「痛み」について考えてみたいと思います。

 


清明院にも、「痛み」を訴えてやってくる患者さんが多くいます。

 


頭痛、腰痛、生理痛、ひざ痛などなど、例を挙げ出したらキリがありません。

 


この「痛み」というものに対して、東洋医学ではどのように考えているのかというと、


1.「痛み」がある部分を流れる気が滞っている

2.「痛み」がある部分の気がうつろで、その部分に栄養がいかない

3.「痛み」を認識する仕組みそのものの異常


大まかに言うと、以上の3つと考えます。

 


大体は1.と2.でカタがつきますが、どうにもならない場合、あるいは1.2.の必要条件に当てはまらない「痛み」の場合に、3.を疑います。

 


1.の場合は「滞った気」をうまく流してやればいいし、

2.の場合は「気のうつろな部分」「気」がうまく集まり巡るように仕向けてあげればいい訳です。

3.の場合はやっかいで、これには色々なやり方があります。

 


「エ?なにそんなに簡単な分類なの!?東洋医学における痛みって・・。」


と思う人もいらっしゃるかもしれませんが、上に挙げたのは細かく診ていった先にある、最終結論部分ですので、1.~3.のどれに属するかを確定するまでには、

 

ホントは長い道のり(各種診察)があります。(苦笑)

 


要は、1.~3.がなぜ起こっているのか、どういうメカニズムか、が分かれば、その病気を理解することが出来て、治療したり、今後の変化を予測したり、

 

仮に治療途中で悪化したとしても、それがどういう意味を持っているのかが分かります。

 


こういう、「痛み」というものの、「東洋医学的な病態」をキチッと把握することが、我々にとって、非常に重要です。

 


また、上記の例の中の3.は、実は大変面白い内容を含んでおります。

 


(笑・・・そのうち書こうかな。。)

 

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なぜ、「痛いところ」に鍼をしないのか

2009.12.26

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これはですねー、僕が鍼を持った当時からずーっと、新しい患者さんに聞かれ続けている疑問であります。

 


この間も、何気ない会話の中で聞かれました。

 


これについては以前、「ある腰痛の患者さん」というタイトルでも少し述べましたので、そちらも参照してください。

 


これは患者さんからしてみれば、ある意味当然の疑問でもあります。

 


僕はこの質問が来たときはたいてい、

「もちろん打つ場合もあります。でもね、それで治るものはごく軽症のものなんです。また、患部に鍼を打つということは、弱っている(血行の悪い)ところに鍼を打つわけだから、

 

それだけリスク(かえって悪化させる危険性)も高いんです。」

とか、場合によってはもっとシンプルに、

「この場合は打たない方が効くと思うからです。」

という風に説明します。

 


しかし、これには実はもっと深イイ意味があります。

 


今日は僕の経験を例に挙げて説明しようと思います。

 


このブログ上でも、HP上でも何度も言うように、清明院では「東洋医学」に立脚した治療を行います。

 


治療をするにあたっては、その患者さんのどの臓腑(五臓六腑)が悪いのか、どの経絡が悪いのか、ということを考えながら診察し、最も効果が高いと思われる経穴(ツボ)を選んでいきます。

 


つまり、「東洋医学的な」病気の原因究明をさせていただく訳です。

 


その過程を経て、この臓腑が悪くて、この経絡が悪くなっている、という診断結果を得た上で、初めて治療に入りますので、「痛いところ(患部)」に鍼をするよりも、

 

その痛みを起こさしめている「原因」となっている臓腑や、それと関連する経絡に、経穴を使って直接アプローチした方が結果がいいことが多いし、

 

もし結果が良くなかったとしても、なぜ良くなかったのかを考察するのが非常にやりやすいんです。

 


もちろんこれは僕の経験上の話です。

 


しかし、もし皆さんが鍼師だとして、それまでの経験や知識から見当のつかないこと、あるいは効かないと分かっていることを、患者さんに出来ますか?

・・・その昔、とある腰痛の、なかなか治療がうまくいかない患者さんがおられまして、僕は当時、なぜだろうなぜだろう、と考えながら、

睡眠時間を削ってその患者さんの病気について調べ、細かく再問診をしながら治療していると、

「そんなことどうでもいいから、さっさと腰に鍼をしてくれよ!!」

と言われたことがあります。

 


このとき、本当は自分の技術不足を素直に反省するべきだなー、と今は思うのですが、当時僕は自分の必死の努力(のつもり)を

「そんなことどうでもいい」

と言われた怒りと悲しみから、

「僕はあなたの召使いではありません!そんなに自分の体のことが分かるんなら、鍼ならあげるからご自分で腰に鍼を刺したらどうですか!?」

と言ってしまったことがあります。

 

 

いわゆる「逆ギレ」ですネ。(苦笑)

 


・・・当然、二度とその患者さんは見えませんでした。

 

 

今にして思えば、完全に冷静さを欠いた若造の、安いプライドから来る、だっさい物言いですね。

(まあもし今、こんな後輩がいたら、その「やる気」は高く評価しますがね。)

 


こういうとき、本来なら(プロなら)冷静に患者さんの納得が得られるような説明がキチッと出来なければいけません。

 


それでも納得が得られないし、治っていかないようなら、

「自分なりに最善は尽くしましたが、残念ながら今の僕には治せません。」

と素直に謝り、自分よりも腕達者だと思う先生とか、信頼できる西洋医にでも紹介するべきなんです。

 


「臨床」というのはまさに真剣勝負です。

 


こういう時に、患者さんに言われるがままに、ハイハイと言って患部に鍼してても、それで治らなけりゃ、結局「下手くそ」の烙印を押されます。

(ちなみに、その経験もあります。)

 


そこで頑固に、「いや、私はこう思うのだ!」といって、東洋医学的に一生懸命考えた鍼をしても、やっぱり治らなかったら「下手くそ!」と言われます。

 


こちらのプロ意識(まあプライドみたいなもんか)と、患者さんの要求との最大公約数が表現できてて、しかも治った、効いた場合にのみ成立するのが我々の「臨床」です。

 


これはあまり言いたかないんだけど、大変、厳しい世界だと思います。

 


でもその中で、苦しんだ末に僕が得た、一臨床家としての結論が、

「東洋医学的な最高の鍼の世界を追求すること」

ですし、それで生活がまわり出してしまえば、メチャメチャ楽しいんです!

・・・まあちょっとカタい話になったけど、それを踏まえて、冒頭のテーマに関して平たーくいうと、

「東洋医学では、症状の原因にアプローチできる経穴は、必ずしも患部周辺にある訳ではないのです。だから結果的に患部に打たないことが多いんです。

 

僕の経験上、その方が効きます。」

ということです。

 

 

コレじゃあ平たすぎるかな・・・?

 

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どうしてムクむの?

2009.12.13

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先日、患者さんからこのタイトルのようなご質問をいただきました。

 


僕はこの質問にはいつも、


「ムクミっていうのは体にある余分なお水です。原因は

1.水分の飲み過ぎか、

2.余分な水分を排出する機能の低下か、

3.あるいはその両方か、

です。で、あなたの場合はですね、・・・」


という感じで、説明させて頂いております。

 

 

多くの患者さんを観察していますと、圧倒的に1.「水分取り過ぎパターン」が多いように思います。

 


現代は、「飲み物」があまりにも簡単に手に入ります。

 


家の冷蔵庫の中には飲み物があるし、もしなくても水道水が飲めるし、最悪でも、家から歩いて3分以内の位置には自動販売機があるし、

 

職場や学校にも、自動販売機が置いてあるところが珍しくありません。

 


その上、テレビの健康番組なんかで、

「毎日2リットルは飲んで脳梗塞を予防しまショー!」

なんてやってるもんだから、みんなこぞって飲みます。

 

 

一生懸命飲みます。

 

 

良かれと思って。

 


・・・結果、ダブダブの、立派にムクんだ姿になっていることが多いです。(笑)

 

 


このムクミ(停滞した水分)というものは、東洋医学的にはなかなかタチが悪くて、体を冷やし、体を重ダルくし、疲れやすくします。

 

 


ついでに集中力も奪われ、眠くてしょうがないとか、仕事に行く気が起きないとか、現代人によくある様々な症状を引き起こします。

 

 

これらは、東洋医学的に考えたらすべて当たり前のことです。

 

 


腰痛にしても肩こりにしても、マッサージに行っても全然楽にならないとか、症状を慢性化させている原因の多くがこの「余分なお水」だったりすることが多く見受けられます。

 

 


確かに、

 

「人体の60%は水分で出来ている!」

 

というのはその通りでしょうし、そう言われてしまうと、いかにも飲まないとヤバいように聞こえます。

 

 


しかし、それはあくまでも「使える」水分の話で、「使いもんにならん」水分がいくらあったって邪魔なだけです。(笑)

 

東洋医学ではこういう、体の中にある邪魔な水のことを、

 


「水湿の邪(すいしつのじゃ)」

 

あるいは

 

「湿邪(しつじゃ)」「水邪(すいじゃ)」「水毒(すいどく)」

 


などと呼んで、治療する場合には、これをいかに体から追い出すかを考えます。

 


「邪魔なお水」の出口(逃げ道)はどこかと言えば、大きく分けて3つあります。

 

すなわち汗、小便、大便です。

 

(他に呼気とか、その他の分泌物なんかもあるけどね)

 

 

東洋医学では、よく、この3つの出口からうまいこと邪魔なお水を排出させるように、治療していきます。

 


なので治療していくうちに、


「おしっこの量が増えました!」


とか、


「便が前よりも柔らかくなってスッキリ出るようになってきました!」


とか、


「以前よりも全身にじわっと汗をかくようになりました!」


という言葉が患者さんから出てくると、僕としては


「しめしめ・・・(二ヤリ)」


となる訳です。(笑)

 


ちなみに、上記のやり方は、東洋医学には無数にあり、とてもここで説明しきれるような内容ではないので、省きますが、はるか昔のお医者さん達も、

 

これにはずいぶん苦労した様子が、古典の中にも多数出てきます。

 


「ムクみ」という症状を気にされてる方は、まず自分が一日にどれだけ飲んでいるか、それに見合った量が排出出来ているか、について考えてみるといいと思います。

 


お酒もお茶もみそ汁もラーメンのスープもぜーんぶ含めて、です。

 


現代は飲食物があまりにも簡単に手に入るし、仕事など、他の事で頭がいっぱいのため、どれだけ飲んでるか、食べてるかなんて、意識にすらのぼらないことが多いんです。

 


多くの人はそれ(飲食の総量)を7、8割に減らすだけで、10日もすればムクみの改善を実感できると思います。

 

(体重も減るでしょうね)

 


あと当然、飲んでる「量」以外に飲んでるモノの「質」の問題がありますが、これについてはまた今度・・・。

 

 


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緊急情報!

2009.11.28

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今日は清明院から緊急のお知らせです。

 

先日、政府の行政刷新会議の事業仕分け作業で、医療用漢方製剤を健康保険から外すという案が、なぜかほとんど何の議論もないまま出されました。

 

私の所属する(社)日本東洋医学会および、(社)北辰会では、これに対して断固反対の意向を表明し、署名活動を開始しました。

 

以下、(社)日本東洋医学会からの呼びかけ文を載せておきます。↓

 

(以下本文)

 

この議論は長年、自民党政権時代に政府ならびに財務省が再三提案しては消えた案件ですが、今回の仕分け作業の中で、他の課題と一緒くたになって提出されました。

 

過去には平成5年、6年に(社)日本東洋医学会が署名活動を行い、それぞれ、2週間で24万名、3ヶ月で148万名の皆様から署名を頂戴しております。

 

しかしながら今回は平成5年、6年にあった保険給付はずしと異なり、診療報酬の問題等大きな問題の中で埋もれたまま、仕分け作業班の意見が通ってしまう可能性もあります。

 

仕分け作業が終わるのが11月下旬、審議に持ち込まれる12月上旬には政刷新会議仕分け結果の審議が行われ、そこで決定されると他の案件とともに、漢方の保険給付がはずされる危険性が大です。
 

 

漢方は現在、医療の現場で医師の7割以上が用いて、がん患者さん、更年期障害などの女性疾患、花粉症などのアレルギー疾患、腰痛、膝関節症などの疼痛管理などに、医療の現場で医師が使うことによって、大きな効果を挙げており、医療として欠かせない薬です。

 

また、全国の医学部・医科大学でも医学教育の中に漢方教育が取り入れられ、日本東洋医学会で専門医教育も行われ、専門家育成も進んでいます。

 

今回の行政刷新会議の判断は国民不在のものであり、断固として阻止すべきと考えます。

 

 

            平成21年11月20日
            社団法人日本東洋医学会会長 寺澤捷年
            日本臨床漢方医会理事長 石川友章
            NPO健康医療開発機構理事長 武藤徹一郎
            医療志民の会共同事務局長 木戸寛孝

 

 

本趣旨にご賛同いただけます皆様からのご署名をお願い致します。
メールアドレスをご記入の上、連絡の可否の欄を可にしていただいた方には、漢方関連のニュースをお知らせ致します。

 

(以上)

 

・・・とあります。

 

僕個人としても、鍼灸と漢方は同じ「東洋医学」という一家の家族みたいなものと考えているので、署名しようと思います。

 

患者さんにもご賛同いただける方には是非協力していただきたいと思います。m(__)m(以下に電子署名サイトURL↓)

http://kampo.umin.jp/contents02.html

 

医療費削減しないといけないのは分かるし、他の案件も山積みで忙しいのも分かるけど、自分たちが一生懸命仕事でやってることを、

 

こう勝手に話進められちゃったら、そりゃカドたっちゃいますよ、誰だって。

 

数字とか合理性もいいけど、「医療」っていうのは「患者さん」という弱者のためのものなんだから、現実の患者さんの声をまずはよく聞かないとねぇ。

 

・・・ただ、この件で僕が思うのは、漢方薬も鍼灸も、キチッとした東洋医学的な診断に基づいて処方するから、医療として初めて成立する(効果が期待できる)んであって、

訳も分からずに「カゼに葛根湯」とか、「くしゃみ3回小青竜湯」みたいな使い方をしているDrがいるから、こういう案が出てしまう面がある、

 

ということも考えなくてはいけないと思います。(鍼灸の場合もしかり)

 

僕レベルでも、患者さんから、

 

「病院で漢方薬もらったけど全然効かなかった」

 

という残念な言葉を耳にすることは実際しばしばあります。

 

 

詳しく聞くと、専門でない僕から見ても、どう見てもメチャメチャな処方がされていることも珍しくありません。

 

いくら漢方、鍼灸が広まってよかった、といっても、「効かない」「意味ない」という評判が広まっていいはずありません。

 

こういう現実を踏まえた時、今やらなくてはいけないのは、東洋医学の現場の医療の、教育制度、資格制度も含めた、現実的な構造そのものの改革じゃないのかな、と僕は思います。

 

例えば、漢方薬を処方できるのは認定専門医のみにするとかね。(薬局もしかり)

 

 

コンビニや薬局の店頭で売っていいのは、濃度をかなり抑えた「漢方サプリ」的なもののみにするとかね。

 

(まあエキス剤ってそういうことなのかもしれないが、そうであればそれに保険が使えるのはおかしい、ともなる。)

 

 

漢方薬はあくまでも「薬」であり、サプリメントや栄養ドリンクとは目的からして違います。

 

 

「薬」の目的は病気の治療であり、日々の健康維持や、疲労回復、栄養補助は補足的な意味であって、薬の本質ではないのです。

 

お隣の韓国や中国では、もうとっくに東洋医学と西洋医学の二本立て医療が実現しているというのに…。

 

ちなみに余談ですが、今や欧米では東洋医学振興の動きが高まっていますし、韓国では若い女性が結婚したい職業のNO1は韓医師(鍼灸、漢方を扱う医師)なんだそうです。(苦笑)

 

・・・なんか遅れてないですか??

 

 

日本の医療って。

 

 

どうして?やっぱまたお金と利権の話?と思う方も多いんじゃないでしょうか。(苦笑)

 

 

基本的には明治の初期の制度をそのまま踏襲していますし、我々鍼灸マッサージ師に関する法律(あはき師法)は、戦後間もない昭和22年から基本的には変わっていません。。。

 

(社)北辰会代表理事、藤本蓮風先生の言葉ですが、

「医療とは、正しく患者に働きかける意志と行動である。」

という、いい言葉があります。

 

(アルテミシア『臓腑経絡学』「総合と総体」参照)

 

 

日本の医療も、客観的に見てそう思える医療であってほしいんですがね・・・。

 

 

・・・皆さんは、いかが思われますでしょうか?

 

 

 

 

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