東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Search Results for: 肝の臓

「胆」って何ですか?(その6)

2013.02.07

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これまでのお話・・・

「肝」って何ですか?(その13)
「胆(たん)」って何ですか??(その1) 
「胆」って何ですか?(その2)        
「胆」って何ですか?(その3)

「胆」って何ですか?(その4)
「胆」って何ですか?(その5)

 

では、続きいきます!!

 

◆「胆の腑」の特殊性(その2)

 

前回、”奇恒(きこう)の腑”という言葉が出てきました。

 

この”奇”という文字は、”風変わりな”という意味です。

 

「奇」という文字の考え方については、以前述べました。


「正」と「奇」 参照

 

そして”恒”という文字は、旧字体では”恆”と書き、色々な意味があるんですが、要は”常に変わらない”というような意味です。

 

”奇恒の腑”という言葉の意味について、柴崎保三先生の大著『黄帝内経素問』によれば、

「常に変わることのない独立(単独)の腑」

と説明されています。

 


・・・まっ、つまり、頑固で孤独な、変わりモン、みたいなもんです。

(笑・・・いるでしょ?そういうの。)

 


しかし、人体や病を考える上で、そういった存在が、捨て置けないケースがよくあるのです。

 

まあ「胆の腑」はそういう、特殊なグループの一員です。

 



 

ところで前回、「胆の腑」は、その「奇恒の腑」の中でも、また特殊なんだ、と述べました。

 


奇恒の腑には、「胆」の他に骨、髄、脳、脈、女子胞(女性生殖器)があります。

 


これら「胆」以外についても、そのうち詳しく書こうかと思っていますが、まあ今は置いといて、とりあえずこれら「胆」以外の5つは、

それぞれが単独で、しかもほぼ左右対称に、対をなして存在しております。

 

しかし「胆」だけは、肝の臓にくっついて、ぶら下がってるような形で人体の右側に存在し、しかも肝の臓と同じ、五行では「木」の性質を持ち、

肝の臓と表裏関係という、形態的にも機能的にも、非常に強い関係性で結ばれています。


(こないだ述べたように、漫才コンビです。)

 

まあこのように、他の臓腑と直接表裏関係で対をなして深く関わるのは、「奇恒の腑」の中でも「胆の腑」のみなのです。

 


 


ここまでで、「胆の腑」というものが、五臓六腑の”六腑”の中でも際立って特殊な存在であり、しかも東洋医学的には生命活動の中心となる五臓六腑以外の、

 

特殊な分類である”奇恒の腑”の中でも、また際立って特殊な存在である、ということが分かりました。

 

「胆の腑」はこのように、かなり変わった、実に個性的な存在なんです。

 

(変わり者中の変わり者です。)

 

これはつまり、「胆の腑」というものが、「五臓六腑」だの、「奇恒の腑」だのと、こういう”分類学”に収めるには、ちょっと特殊過ぎ、中途半端過ぎる、

取り扱いに注意を要する腑なのだ、ということを示しています。

 


でも、だからこそ、非常に大事なんです。

 

次回から、そんなお話。

 

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「胆」って何ですか?(その3)

2013.02.02

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これまでのお話・・・


「肝」って何ですか?(その13)
「胆(たん)」って何ですか??(その1)
「胆」って何ですか?(その2)

 

さて、今日からいよいよ東洋医学の言う、「胆の腑」とはどういうものか、を簡単に解説していこうと思います。


簡単に、です。

難しい、いかめしい話が好きな方は、そういう感じの解説サイトや専門書はいくらでもありますんで、そっちを見てもらうとして、

僕がやるのはチョーカンタンな、肝胆(カンタン)の話です。(笑)

 

・・・でも、ポイントは外さないように注意を払います。

 

分かる人が読んだら分かる、大事な話も入れていこうと思っています。

 


 

前回、「肝胆相照らす」という言葉が出て来ましたが、東洋医学的にも、「胆の腑」「肝の臓」は非常に密接な関係にあります。

 

以前書きましたが、この2者(肝と胆)を陰陽で分けると、「肝の臓」は相対的に陰、「胆の腑」は相対的に陽、という関係性にあり、これを”表裏の陰陽関係”なんて言います。


「表裏(ひょうり)」する臓腑 参照

 


「肝の臓」の詳細については以前書きましたので、
そちらをご参照いただくとし、要はそういう、「肝の臓」の働きをサポートするのが、

「胆の腑」の大きな役割の一つ、という訳です。

 


肝胆で協調して、一つの働き(漫才コンビみたいなもんです。)を成しているワケですね。

 

そういう意味では、機能における関わりの密接さにおいて、「脾胃」とも似ているものがあります。

カテゴリ 「脾胃」 参照

 


そして、肝胆は脾胃と同じく、中焦に存在し(ただし肝は下焦まで大きく垂れ下がっていますが。)、この4者で、飲食物を消化、吸収し、


「気血のもと」を調達するとともに、完成した「気血」を上下左右前後、全身へくまなく巡らせる、という役割もやっています。

 


コレは大変重要な役割でありまして、多くの患者さんでは、ここのところ(肝胆、脾胃の4臓腑)が機能失調を起こして、

それがあらゆる慢性病の原因になり、また、治らない原因になっていることが多く見受けられます。

 

なんていうか、このワンユニットは「生命のモーター」「自然治癒力のモーター」ですな。

 

まずコレが大事です。

 

 

そしてその中で、「胆の腑」は独特の役割を果たします。

 

次回へ続く。

 

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「胆(たん)」って何ですか??(その1)

2013.01.31

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久々に書きます!

五臓六腑シリーズであります!!


何となく気が向かなくて、長いこと書いていませんでしたが、今日、なんか知らないけど気が向いたので、書いておこうと思います。


いわゆる”啓示”ってやつデスネ。

 

(笑・・・たまにあります。)


なんとかしてブログを継続していると、とってもいいのは、こうやって気が向いた時に、あるテーマについて書きためておけば、

そのうち、カテゴリごとにまとまった知識の塊が勝手に出来てくる、ということなんです。

しかも、出版するのと違って、内容の手直し、推敲も迅速、簡単に出来る。

コレは書く側にとってはいいことです。

やはり”継続は力なり”なんですね。

 

 

そういう訳で、厳密に推敲した文章ではございませんので、読者諸賢におかれましては、もし本ブログに間違っている内容等ありましたら、ぜひともご教示ください。<m(__)m>

 


 

・・・まあ、前置きはさておき、五臓六腑シリーズ最後になります、「胆の腑」です。

 

東洋医学の言う「胆の腑」は、五臓六腑の中の「六腑」の中の一つです。

「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」って何ですか? 参照

 


ちなみに”胆”という字は新字体であり、旧字体では”膽”と書きます。


”膽”のもともとの意味は『説文解字(※)』によると瓶(ビン、カメ)という意味があり、肝の臓のすぐ横にあり、胆汁を溜めておく瓶のような形をした器官、と理解されていたようです。

※説文解字・・・後漢の時代の許慎(きょしん)が書いたと言われる、世界最古の漢字辞典→wikipedia

胆(類経図翼)

↑↑ちなみにこれが、東洋医学的な「胆の腑」の図です。

 

 

まあ確かに、”瓶”て感じですねえ。。。

 

張介賓(1563-1640)『類経図翼』より)

 

またこの”膽(胆)”という字は”い”とも読みます。


クマの胆のうで、漢方薬の生薬である、

”熊の胆(い)・・・熊胆(ゆうたん)とも言う”

は有名ですので、聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。

リンク先の図を見て頂くと分かるように、東洋医学では珍しく、実際の内臓の姿かたちと、東洋医学の内臓図が近いです。

 

(笑・・・まあこれはクマさんの胆のうですが。)

この生薬(熊胆)は主に邪熱をとり、炎症をひかせるのに使うのですが、この生薬で面白いのは、水溶液にして目を洗うことで、

結膜炎の炎症をとったり、粉末にして直接ふりかけることで、ヘルペスの激痛をとったり、という使い方があることです。

 

漢方薬も、飲むばかりではありません。

 

昔の医者の工夫が見てとれますね。

 

ちなみに奈良と大阪の境にある生駒山(いこまやま)という有名な山は、『日本書紀』では”膽駒山”と記載されており、漢字学者の白川静先生なんかは、『字訓』という本の中で、

「”胆(膽)”という漢字は”生きる”ということと大きく関わる意味を持つ。」

と解釈しており、ここは興味深いところです。

 

また、『淮南子(えなんじ) 精神訓』の中に、

”膽を雲となす”

という記載があります。

 


これは「胆の腑」を自然界のモノで言うと「雲」である、という、なかなか独創的な言説で、これもまた興味深いところであります。

 

これらの意味は、今後、「胆の腑」の働きや位置づけを説明していくと、うっすらと分かってくると思います。

 

・・・な~んて、こうやって漢字の解釈やってたら、あっという間に行数が過ぎていってしまいますので、この続きはまた今度・・・。(笑)

 

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もう春が。

2013.01.23

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今日は、24節気でいうと「大寒」に入って3日目です。


大寒は、「一年のうちで最も寒い時期」、とされております。


しかし、ということは”もうピークですよ”ということです。

逆に言えば、”コレ以上寒くならないですよ”ということです。

てことは、さらに言えば、”徐々に暖かくなってくるよ”ということでもあります。

大自然に対する古代中国人の考え方では、春は五行でいうと「木(もく)の気」が盛んになる、と考えます。


人間では、「肝の臓」「胆の腑」が、「木」に分類されます。


この時期(春)、肝や胆が影響を受け、もともとこれらの臓腑に不調を抱えている患者さんでは、症状の悪化を診ることがあります。


清明院でも、この「肝や胆」に問題を抱えておられる患者さんは多いです。

まだ、患者さんが症状として自覚はしていなくても、特に何があったわけでもないのに、肝や胆の反応を示すツボの異常が、いつもよりきつくなっているパターンの患者さんが、チラホラおりました。

自然界では陰が極まり、すでに「木気」「陽気」が、芽生え始めており、それにつられて、人体にも同じことが起こっているようです。

もう春が、そこまで来ています。。。

微妙な変化を意識していれば、気付くことと思います。

・・・な~んて、カン違いだったりしてネ。(爆)

 

とりあえず、鍼最高。

 

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(般社)北辰会1月本部臨床コース

2013.01.21

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昨日、1月20日の日曜日は、大阪、上本町で行われた、(般社)北辰会、本部臨床コースに参加してきました!!

今回、午前中は刺鍼クラスでの実技練習

「古代鍼」

でした。

古代鍼というのは、日ごろ我々が当たり前に使っている道具で、いわゆる「刺さない鍼」ですが、この扱いには、

非常に治療家の個性が出ます。

僕自身、普段意識してない悪い癖を先輩から指摘されて、非常に勉強になりました。

そして午後は蓮風先生の講義

「肝病について-序論-」

でした。

現代人に非常に多く、単純な慢性病から難病まで、全てに渡って大きく関わる、「肝の臓の病変」についてです。

「肝の臓」については、以前このブログにも書きました。

「肝」って何ですか?(その13) 参照

北辰会では、この「肝の臓」をいかに治すか、ということを、非常に丁寧に研究し、臨床実践しています。

どういう新見解が出るか、今後の展開を楽しみにしたいと思います。

最後は京都の木下慶二先生による臨床レポート

「意識消失の症例2例」

でした。

木下先生は鍼灸師であると同時に柔道整復師であり、柔道の先生もなさっており、いわゆる「締め技」で失神してしまった生徒を診ることは少なくないそうです。

一般にはあまり知られていませんが、こういう時、意識を付けるのに、実は鍼灸が効くんです。

今回の発表では、事前に、奥村裕一学術部長が、中国、日本における、

「意識消失」

に対する、古典からの鍼灸の治療例を紹介して下さいました。

スポーツや事故で意識が無くなっているもの以外でも、何らかの病気で意識がなくなっている場合、鍼灸師だったら、

救急車を呼ぶ以外に、たくさん出来ることがあるのです。

出来たら出会いたくはない症例ですが(苦笑)、万が一出会ってしまった場合に、この日学んだことを活かし、的確に対応したいと思います。

そして、終わった後は酒・・・。

充実の週末。(笑)

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症状と精神状態

2012.11.18

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患者さんの話を聞いていると、よく出てくるのが、

「〇〇が終って、ホッとしたら症状が出ました。」

とか、

「〇〇があると思っただけで、色々な症状が出ます。」

というお話。

前者は、会社での仕事が終わると、症状が出るとか、忙しい平日が終わり、土日の休日になると症状が出る、というやつです。


後者は、大したことないことでも、本人がプレッシャーに感じただけで、様々な症状が出る、というやつです。


・・・これ、何ででしょ?


本来、”ホッとする”ということはリラックスすることなわけですから、症状が楽になりそうなもんです。


これはその、”ホッとする”前の状態が、緊張し過ぎているからなんです。

いわば、あまりに緊張し過ぎて、感覚が鈍くなっている、というパターンです。

この逆に、あまりに緊張し過ぎて、感覚が過敏になることもあります。

この場合は、何かプレッシャーがあると、感覚が過敏になり、普段は気にならないような痛みやかゆみが出てしまう、というパターンです。


東洋医学的には、前者の場合には「肝の臓」が、後者の場合には「心の臓」が病んでいる、と考えます。

”ホッとして”、その過緊張が緩むと、これまで自覚していなかった症状を自覚するのが、「肝の臓」の異常、また、大したことないようなことに対して、

 

異常に緊張してしまい、その場ですぐに何か症状が出てしまうのが「心の臓」の異常、という風に考えます。

 

まあ、知ってる人からすれば当たり前の話だけど、最近改めてコレ、非常に重要と思いました。

 

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「木」が伸び放題の時

2012.10.24

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東洋医学の、五行論(ごぎょうろん)という考え方では、「肝の臓」「木」に分類します。

「五行」って何ですか?(その8) 
「肝」って何ですか?(その13)
 参照

 


現代人、都会人は、体を動かさず、毎日毎日パソコンに向かって、イライライライラ・・・。

 


職場の人間関係に、イライライライラ・・・。

 

彼氏や彼女に、イライライライラ・・・。

 


奥さんや旦那さんに、子どもに、親に、イライライライラ・・・。

 


自分自身に対しても、イライライライラ・・・。

 


なんで、そんなことになっちゃってんすか?・・・というぐらい、まさに「ハチ切れんばかり」の状態の人をよく見かけます。(苦笑)

 

こういうことだと、本来は伸び伸びと、縦横無尽に空間や土中に広がっていく「木」に例えられる「肝の臓」が、鬱々として伸びれなくなることがよくあります。

 

要は、「肝の臓」に機能失調が起こるワケです。

 

そうなると、「木」である「肝の臓」はなんとかせねばと、地面から「水」をぐんぐん吸い上げて吸い上げて、何とかいい状態を作ろう作ろう、

正常な状態を保とう保とうとしますが、そうすると今度は地面の水が枯れてくることもあります。

 

(これを「木旺水虧(もくおうすいき)」なんて言ったりします。)

 

ちなみに、五行で「水」に例えられるのは「腎の臓」であります。

「腎」って何ですか?(その11) 参照

 


要は、「腎の臓」の力を借りて、どうにか立て直そうとする訳ですが、この「水」が枯れてくる場合がある。

 


そうすると徐々に「木」は水分を失い、硬く脆くなっていき、ついには梢が擦れて火がついて山火事になるか、「ボキッ」と折れるか、です。

 


で、治療としては、そうならないために、早い段階でどうするか考えなくてはなりません。

 


まず、梢が擦れないように、地下の水が枯れないように、「木」そのものを間引くか、「水」を足すか、と考えます。

 


ここで、自然界における大地の地下水の原料はなんでしょうか。

 

雨ですよね?

 

では雨に相当するものは人間で言うとなんでしょうか。

 


原料は飲食物でしょう。

 

では飲食物はドコに入るんでしょうか。

 

「胃の腑」ですねえ。

 

「脾の臓」「胃の腑」は、五行でいうと「土」にたとえられます。

カテゴリ「脾・胃」 参照

 

 

つまり、「木」である肝の臓を立て直すための、潤沢で清浄な「水」を得るためには、「土」である脾の臓や胃の腑の働きが重要なのです。

 

飲食物は、ヘタに足しまくると、カラダ全体がびちゃびちゃのパンパンになって、結果的に「水」は淀み、「木」「根グサレ」を起こします。

 

飲食物が”その患者さんの体にとって”適量になるように、量を加減しなければいけないし、加工食品だらけの現代においては、質も考えなければいけません。

 

また、雨が降った場合にびちゃびちゃにならないように、土壌(脾や胃)の側の状況にも注意を払わないといけない。

 


「木」の異常一つとっても、対処法は様々なんですが、ごく当たり前の自然現象に基づいて考えれば、何が大事か、よく分かると思います。

 


ポイントは「木」、「水」、「土」です。

 

これは、「水」の異常や、「土」の異常の場合でも、こうやって、同じように考えていくことが出来ます。

 

なぜ、こうなる理論設計になっているか。

 

 

水害は、現代の中国でも大問題。

 

 

 

東洋医学が、長江、黄河といった、大きな河川の流域に発展した、農耕民族が作った医学であることと、関係が深いだろうな、思っています。

 

 

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タバコと東洋医学(その7)

2012.09.06

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これまでのお話・・・

タバコと東洋医学
タバコと東洋医学(その2)

タバコと東洋医学(その3)
タバコと東洋医学(その4)
タバコと東洋医学(その5)
タバコと東洋医学(その6)

 


では、続きいきます!!

 


前回、禁煙した時に僕自身の身に起こった、様々な症状について書きました。


・・・で、なぜ、それらの症状が起こったのか、というお話です。

1.イライラ感

これについては、「肝の臓」のところでよく出てきましたが、伸び伸びとした自由な状態を好む「肝の臓」が、タバコという嗜好品を奪われたことにより、

欲求不満がたまって、機能失調を起こしたことが、一番大きいと思います。

肝の臓が機能失調を起こすと「易怒(いど)」といって、些細なことで怒りっぽくなったり、イライラしたりするようになります。

「肝」って何ですか?(その13) 参照


2.のぼせ感、頭に汗が出る、鼻血

コレは、タバコによって、深い呼吸をすることで、無理やり下げていた気が、下げられなくなったことによって、上半身に気が鬱滞して、

熱をこもらせ、これらの症状が出たものだと思います。

3.口内炎の多発

これも、2.と同じように、上半身(上焦)に気が鬱滞し、熱がこもった結果であろうと思います。


現代医学的には、唾液に含まれる抗菌物質の濃度が、喫煙者は煙の毒で刺激されるせいか、非喫煙者よりも高いようで、

このせいで口内炎が出来にくいという説もあるようです。

この論から言えば、煙を肺まで入れないのであれば、タバコはむしろ健康にいい、とも取れますが、この論には異論もあるようです。


4.痰が絡む

タバコをやめて、余計に痰が絡むなんて、信じられないようですが、ホントの話です。

実際に経験した人が言うんだから間違いない。苦笑

コレはタバコと東洋医学(その2)で述べた内容そのものです。


5.体重の増加

これについては、スススーッと、これまでにないペースで一気に増えてきたので、このまま80㎏、90㎏の、

メタボ中年のだらしない体になっていくんではないかと、正直焦りました。

人からは、タバコを吸えないストレスから、暴飲暴食になっているんじゃない?とか、よく言われましたが、僕はかつては、これを暴飲暴食と言わなかったら、

 

何を暴飲暴食というのか、という食生活でしたから、食生活自体は、以前よりも全然マシになっていると思います。

・・・にも関わらず、なぜ太るのか。

コレは、上記のように「肝の臓」の機能失調や、「痰」という邪気が助長されたことで、結果的に消化吸収機能が煙草をやめる前よりも、

 

うまく働かなくなった結果だと思います。


ですので、鍼灸と養生で、「肝の臓」を調整しつつ、「痰」「のぼせ」を根気よく除去していくことで、徐々に徐々に普通の状態に戻ってきた、という印象です。

(これ正直、2年近くかかりました・・・。)


・・・まあこのように、長く続けてきたことを急にやめたら、色んなことが起こるというのは、タバコに限らず、よくある話です。


よく、痛み止めやステロイドで、何年も症状をごまかし続けていた患者さんが、一念発起して、急に廃薬しようとすると、一気に色んな症状が噴出することがありますが、

 

それと似たような現象なのかもしれません。


でも、その辛いリバウンドを乗り越えることが出来れば、次に進めるワケですから、やってみた方がいいとは思います。

タバコと東洋医学、ひとまず終わり。

これについてはまだ色々あるので、また気が向いたら、書き足すかもしれません♪

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タバコと東洋医学(その5)

2012.08.26

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これまでのお話・・・

タバコと東洋医学
タバコと東洋医学(その2)
タバコと東洋医学(その3)
タバコと東洋医学(その4)

 


では、続きいきます!!

今日は、東洋医学の考える”ため息”について触れます。

清明院が使用している、「北辰会専用カルテ」の予診票の項目には、

「ため息がよく出る」

〇か☓か△か、という問診項目があるぐらい、”ため息がよく出るかどうか”については、東洋医学的には注目します。

よく、クラ~イ顔して、

「ハァ~・・・。。」

ってやってる人、見かけますよね。(苦笑)

このため息のことを、東洋医学では「太息(たいそく)」といい、その意味づけは、ざっくり言うと胸の周辺部分の「気の停滞の除去」です。

肝の臓、胆の腑、心の臓、肺の臓の働きが主に関わります。

主にこれらの臓腑の働きが、何らかの原因によって失調しているときに、生理的にそれを是正しようとするため、

”ため息”が出やすい、ということになろうかと思います。

(太息については、『黄帝内経』『素問 五常政大論(70)』『素問 至真要大論(74)』『素問 平人気象論(18)』『霊枢 口問篇(28)』『霊枢 邪気蔵府病形篇(4)』

あたりに記載があり、特に『霊枢 口問篇(28)』の記載が非常に参考になります。)



患者さんが呈する、あらゆる症状というのは、何気ないものでも、その一つ一つが、その人の中身(五臓六腑の状態)を反映してくれる鏡なのです。

「表を以て裏を知る」 参照

ここまでをまとめると、「タバコを吸う」ということは、

1.胸部に絡んだ痰の邪気を乾かしつつ、

2.深い呼吸により、上った気を下げ、

3.自分好みの香りで気を巡らせ、脾の臓の働きを鼓舞し、

4.「ため息」によっても胸部の気を巡らせ、胸部周辺の緊張を緩め、様々な臓腑の失調をフォローしようとする

行為である、ということなのです。


逆に言えば、

 

「そうする必要があるような体の状態である」

 

ということです。

 

これはもちろん、喫煙習慣を肯定しているわけではなく、この対処法は、非常に不健康な対処法だ、という指摘です。

だから、東洋医学的には、「タバコを吸う習慣がある」という時点で、様々な臓腑の機能失調や、胸部を中心に、痰の邪気を持っている可能性が高い、と考えます。


また、タバコの葉に含まれるニコチンの毒性を考えると、上記のような”いい側面”というのはあくまでも一時的、対症的なものに過ぎず、

東洋医学的には徐々に胸部を中心に「熱毒」を籠もらせる結果になるので、ほどほどにしないといけないし、出来れば吸わない方がいい、

 

ということになります。

(今の時代、他人様に迷惑をかける可能性も高いし。。。)

ただ、あまり患者さんを脅かして、無理やり、急に止めさせたりすると、上記のような、

”タバコを吸うことによって抑え込んでいた異常”

が一気に表面化して、様々な症状を呈することがあります。


僕のように。(^^;)

 

次回こそいよいよ、その話が出来そうですな。(笑)

 

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乳製品は体にいい?(その7:番外コーヒー篇②)

2012.08.09

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これまでのお話・・・

乳製品は体にいい?
乳製品は体にいい?(その2)
乳製品は体にいい?(その3)
乳製品は体にいい?(その4)
乳製品は体にいい?(その5)
乳製品は体にいい?(その6)

 


では、どんどんいきます!

 

前回、「コーヒー」について書きました。

 


毎日毎日、患者さんの話を聞いていると、コーヒーや紅茶、緑茶などといった、いわゆる「カフェイン類」を過飲している人は多く、キチッと養生指導しなくてはいけないことが多いです。

 

これまでに多い人で、1日10杯も飲んでる、なんて人もいました。

 

ナンボいい鍼をしても、患者さんが誤った食生活を続けていたりすると、治療の大きな妨げになるものです。

 

カフェイン含有食品として有名なのは、紅茶、緑茶、コーヒーあたりです。

 

(因みに含有量的には紅茶>お茶>コーヒーの順ですが、インスタントコーヒーはレギュラーコーヒーの約70倍ものカフェイン量なんだそうです。。。(゜o゜))

 

問題はカフェインが入ってるものを、その人の”適正量”、”許容量”を超えて摂ってしまっているかどうか、また、それがどの程度、今回の症状に影響を与えているかどうか、です。

 


カフェインについて栄養学的に詳しく、一般人に分かりやすく解説したサイトは山ほどありますので、ここではしませんが、”いい作用”としては、

 

脳の働きを活発にするとか、利尿作用、虫歯予防作用、胃液分泌促進あたりが有名です。

 

反対に、過飲した場合の”悪い作用”は、胃潰瘍や卵巣嚢腫や乳腺嚢腫になりやすいとか、イライラや頭痛といった中毒症状が出るとか、です。

 

参考 内閣府 食品安全委員会「食品中のカフェインについて」

 

このカフェイン類というのは、東洋医学的にはどういう意味を持つのでしょうか。

・・・これは摂った人の、その時の状態によって、発現する作用が違ってくると思いますので、これまた臨機応変に、個別に考える必要があると思いますが、基本的には肝気を鼓舞する、という押さえ方で良いと思います。

 

因みに、何度も言うようですが、そもそも「過飲」の量だって、人それぞれ違います。

 

興味深いことに、患者さんに聞いていると、カフェイン類を摂ると、シャキッとする人と、ホッとする人の2パターンがおります。

 


同じ人でも、状況によって違う(逆の反応を示す)場合もあります。

 


会社にいる時はシャキッとするけど、家にいる時はホッとする、とかね。

 

家でカフェインを摂るとホッとする人には、寝る前にカフェイン類を摂った方が、かえってよく眠れる、どうして??なんておっしゃる方もいます。

 

このことから、興奮状態になったり、安静状態になったりすること(精神情緒の変動)にカフェインが関わる、と考えられ、それならば、東洋医学的には、

気の巡りや精神状態や思考機能に大きく関わる訳ですから、臓腑で言えば「肝の臓」「心の臓」「脾の臓」あたりに作用する面が相対的に大きいのかもしれません。

つまり、「肝の臓」「心の臓」、「脾の臓」を中心に病んでいる人は、摂取量に注意が必要、と考えます。

「肝」って何ですか?(その13)
「脾」って何ですか?(その9)
「心」って何ですか?(その7)  参照

 

 

このように、臨床的にはあくまでも総合的に判断するべきで、ある情報のみをもって何かを断言することはできません。

 

・・・とまあ、このシリーズに関して、こんなもんなんですけど、山の子供さんからご質問いただいたので、せっかくなんで、タバコの問題もついでにいっときましょうかネ。

 

 

 

やはり皆さん、この辺の話は興味あるんだな。。。

 

 

◆参考文献 

 

『食材効能大辞典』東洋学術出版

『東方栄養新書』メディカルユーコン

 

 

 


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