東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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タバコと東洋医学(その5)

2012.08.26

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これまでのお話・・・

タバコと東洋医学
タバコと東洋医学(その2)
タバコと東洋医学(その3)
タバコと東洋医学(その4)

 


では、続きいきます!!

今日は、東洋医学の考える”ため息”について触れます。

清明院が使用している、「北辰会専用カルテ」の予診票の項目には、

「ため息がよく出る」

〇か☓か△か、という問診項目があるぐらい、”ため息がよく出るかどうか”については、東洋医学的には注目します。

よく、クラ~イ顔して、

「ハァ~・・・。。」

ってやってる人、見かけますよね。(苦笑)

このため息のことを、東洋医学では「太息(たいそく)」といい、その意味づけは、ざっくり言うと胸の周辺部分の「気の停滞の除去」です。

肝の臓、胆の腑、心の臓、肺の臓の働きが主に関わります。

主にこれらの臓腑の働きが、何らかの原因によって失調しているときに、生理的にそれを是正しようとするため、

”ため息”が出やすい、ということになろうかと思います。

(太息については、『黄帝内経』『素問 五常政大論(70)』『素問 至真要大論(74)』『素問 平人気象論(18)』『霊枢 口問篇(28)』『霊枢 邪気蔵府病形篇(4)』

あたりに記載があり、特に『霊枢 口問篇(28)』の記載が非常に参考になります。)



患者さんが呈する、あらゆる症状というのは、何気ないものでも、その一つ一つが、その人の中身(五臓六腑の状態)を反映してくれる鏡なのです。

「表を以て裏を知る」 参照

ここまでをまとめると、「タバコを吸う」ということは、

1.胸部に絡んだ痰の邪気を乾かしつつ、

2.深い呼吸により、上った気を下げ、

3.自分好みの香りで気を巡らせ、脾の臓の働きを鼓舞し、

4.「ため息」によっても胸部の気を巡らせ、胸部周辺の緊張を緩め、様々な臓腑の失調をフォローしようとする

行為である、ということなのです。


逆に言えば、

 

「そうする必要があるような体の状態である」

 

ということです。

 

これはもちろん、喫煙習慣を肯定しているわけではなく、この対処法は、非常に不健康な対処法だ、という指摘です。

だから、東洋医学的には、「タバコを吸う習慣がある」という時点で、様々な臓腑の機能失調や、胸部を中心に、痰の邪気を持っている可能性が高い、と考えます。


また、タバコの葉に含まれるニコチンの毒性を考えると、上記のような”いい側面”というのはあくまでも一時的、対症的なものに過ぎず、

東洋医学的には徐々に胸部を中心に「熱毒」を籠もらせる結果になるので、ほどほどにしないといけないし、出来れば吸わない方がいい、

 

ということになります。

(今の時代、他人様に迷惑をかける可能性も高いし。。。)

ただ、あまり患者さんを脅かして、無理やり、急に止めさせたりすると、上記のような、

”タバコを吸うことによって抑え込んでいた異常”

が一気に表面化して、様々な症状を呈することがあります。


僕のように。(^^;)

 

次回こそいよいよ、その話が出来そうですな。(笑)

 

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タバコと東洋医学(その3)

2012.08.22

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これまでのお話・・・

タバコと東洋医学
タバコと東洋医学(その2)

 

では、続きいきます!!

 

 

僕がタバコをやめた時のお話に行く前に、タバコの「プラス面」について、少し補足しておきます。

前回お話ししたように、タバコには、

「胸部~上気道部に絡んだ”痰”という邪気を乾かす。」

という、いい面もある、というお話をしました。

(もちろん、痰をため込んでいる人にとっては、対症療法的に、症状緩和という意味で、ですよ。)

 

これにより、人によってはリラックス効果はもちろん、呼吸器症状がかえって楽になったり、息苦しさがかえってマシになったりする人が、実際にいます。

 

では、タバコが持つ「いい面」というのはそれだけであって、他にいい面はないのでしょうか。

・・・「ある」と思います。

近年、まるで「諸悪の根源」みたいにしか言われないタバコですが、もとはナス科の植物の葉っぱを乾燥させたものに、火を付けたものです。

 

煙草の歴史については 「JT」のHP 参照

葉の成分であるニコチンには、確かに毒性があるけれども、なぜ長い間、嗜好品として支持されてきたんでしょうか。

それには、それなりの理由があるはずです。

ここは冷静に、多面的に評価するべきでしょう。

それはあの匂いと、深呼吸(ため息と言ってもいい)によるリラックス効果が大きいのではないでしょうか。

こんなこと言うと、ヒステリックな嫌煙家の皆様からは、

「アレがいい匂いだなんてとんでもない!!どうかしてる!!」

と言われそうですが(苦笑)、僕も10年以上タバコを吸っていた身です。

タバコによって、いい匂いと感じる匂いや、自分に合う匂い、合わない匂い、というのは、厳然として存在します。

だからあれだけ多くの銘柄が存在するのだと思います。

・・・まあ、コレは吸ったことのない人にはいくら言っても分からないと思いますがネ。(苦笑)

その人の主観によりますが、「いい匂い」だと、その人が感じる香りには、気の巡りをよくし、脾の臓の働きを鼓舞し、湿邪を化する効果があります。

 

これを中医学の専門用語では、芳香理気(ほうこうりき)、芳香化湿(ほうこうけしつ)、芳香醒脾(ほうこうせいひ)なんて言葉があります。

ちなみに漢方薬においても、生薬の匂い、香りというのは大変重要なんだそうで、専門家の先生に伺うと、同じ材料であっても、きちんとした、

素材本来の香りがあるかどうかで、効果が全然違うらしいです。

また、重症で、意識不明になったような患者さんを、キツイ匂いのある生薬を嗅がせて、意識を付けるという、芳香開竅(ほうこうかいきょう)という方法もあります。

 

(韓国ドラマ『イ・ジェマ』でよく出てきましたね。)

また、深呼吸や、ため息というのは、東洋医学では特別に考えます。

そもそも、「呼吸」というものに対する考え方が、東洋医学と西洋医学とでは違います。

長くなりそうなんで、次回。

・・・こうやって、一つの話題から派生して、細かいことに触れていくと、どんどん長くなってしまいますが、それがこのブログの自由さ。

竹下式。(笑)

 

 

 

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タバコと東洋医学(その2)

2012.08.21

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前回のお話・・・

タバコと東洋医学

 


では、続きいきます!!

タバコ(煙草)については、いくつかの日本の江戸時代の名医達の医書にも出てくるようですが、ここでも意見は分かれています。

☆煙草なんて、メマイはするし、金はかかるし、火事のもとにもなるし、やめた方がいいよ!

(by 貝原益軒 『養生訓』)

☆いやいや、煙草は、胸の痞え感とか、痰がとれて気の流れがよくなるし、冷えや余分な水分によるシビレの病気にはイイよ!だけど熱がこもるから、老人はやめた方がいいな~。

(by 香月牛山 『老人必用養草』)

☆大して害がないから、別にやめさすこと無いよ。あんまり咳や痰が出てる時は控えさせりゃいいってぐらいカナ。

(by 平野重誠 『病家須知』)

・・・だそうです。


この記載、下記のブログ様を参考に引用させていただきました。↓↓

http://blog.goo.ne.jp/harumi4567/e/361bcee05abaf1382eb402b06b734fad

まあ、東洋医学的にも、見解の分かれるところだ、ということでしょう。

この中で、香月先生の、「痰がとれる」という言い方に、違和感を感じる人が多いのではないでしょうか。

「痰」については「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について 参照)

「煙」という異物(汚れた空気)が気道に入るんだから、軽い炎症を起こして、痰がかえって絡むはず、と考えるのが普通でしょう。


でも実際は違うみたいです。

「煙」というものは、基本的に何かが燃えたから発生するものであり、五行で言えば「火」、陰陽で言えば「陽」の性質を持っています。

(もちろんその毒性は、燃やされたものによって異なりますが。)

つまり陰の性質を持った邪気である「痰」は、”さほど有害でない”タバコの煙の陽気によって、ある一定、乾かされる側面があるのです。

つまり食生活の不摂生や胃腸の弱り等によって、「痰」という邪気を体にため込んでしまっている人にとっては、

タバコを吸っていた方が症状も出ず、楽にいられるという側面があるのです。

 

(毒を以て毒を制すじゃないけど)

また、お香や、お灸の煙などは、匂いにリラックス効果があり、むしろ有益、とされています。

煙というのは、もちろんモノによりますが、「過度でなければ」問題ないのです。

(一社)北辰会でも、患者さんでヘビースモーカーの人には、無理にやめろとは強制しないように、と教わったことがあります。

 

煙草を吸うことで取れているバランスを一気に崩してしまい、思わぬ症状が出る場合があるからですね。

 

まるで強い薬を断薬する時と似ていますね。

・・・で、僕自身、急にやめたらエライ目に遭いました。(苦笑)

次回はそのお話。

 

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水と熱

2012.08.19

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「水と熱」、一見、相反するこの二つ・・・。

コレが複雑に絡んで、色々な病気を引き起こします。

適正量を超えて、水分を摂っている人は、少なくない。

体の中に、処理しきれない、「余分な水」が生じれば、その「余分な水」があるところには、「気」「血」も停滞してきます。

水は、スラスラとスムーズに流れてないと、汚れてきます。

そうすると、体としては、ますます処理しにくくなります。

いったん水自体の絶対量を減らして、処理能力(自浄能力)に余裕を作るか、そこにキレイな水を集めて、一気に大水で押し流すしかないです。

自然界でいうと、ドブ川の、流れの端っこの方の、ゴミがたまった汚い水のようなもんです。

人体の場合、汚い、余分な水の停滞が長引けば、そこは熱をもつことがあります。

 

これを「鬱熱」と呼んだりします。

汚い水が熱をもつと、煮詰まっていって、ますますドロドロになります。

カレーのようなもんです。

(汚いけど。)

 

これを「痰」と呼んだりします。

その段階になると、この、汚いカレーの熱を冷まそうと、薄めようと、生理的で、キレイなお水がそこに集まってきます。

それで冷やし、流すことが出来ればいいけど、冷やせなかったら、もっともっと強大な汚いお水と熱の塊を成していきます。

 

そこには、「血」も停滞してきます。

 

これを「瘀血」と呼んだりします。

 

「気の停滞」「邪熱」「湿痰」「瘀血」これらが結びついて、大変頑固な、熱くて汚い、ヘドロの塊を形成したりします。

この病理産物の形成の流れを、東洋医学では、「ガン」なんかの考え方に応用します。

最近、ガンの患者さんを診る機会が多くあります。

単純で基本的な話なんだけど、水と熱、その割合、双方の勢い、位置、深さ、それをキチッと踏まえた上で鍼で上手に「気」を動かす、

 

ということが、とても重要だと思います。

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補と瀉と

2012.06.24

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東洋医学、特に鍼灸医学では「補法(ほほう)」「瀉法(しゃほう)」という治療法を、よく言います。

 


「補法」というのは、正気(せいき)、つまり正常な気を補う治療です。

 

補うといっても、何やら怪しいパワーを注入するのではなく(苦笑)、体の中にある正気を、そのツボに集めることによって、

病気と闘う力を賦活化させよう、という目的でやります。

(・・・少なくとも僕は。)

 

それに対して、「瀉法」というのは、邪気(じゃき)、つまり病気の原因になるような、悪い気を散らす治療です。

 

これまでも述べてきたように、「瘀血」「痰濁」、「風、寒、熱、湿、燥、火」などの、病理産物を、直接ぶっ叩いて治療するイメージです。

 


こういった「邪気」が、体の中で暴れて、悪さをしますと、ツボが硬くなったり熱を持ったり、極端に冷えたりします。

 


鍼でコレを正常な状態に戻すことによって、邪気を叩いた、駆逐した、という風に判断します。

 


・・・まあこれ、素人が聞いたら、

「おいおいホントかよ!?うそくさ~。」

って話ですが、僕はこの考え方で何年もやってまして、実際にそうだなあ、という風に実感しておりますし、結果も出ております。

 


多くの仲間もしかりです。

 


 

臨床では、これら二つの治療方法を、患者さんによって、病によって、上手に組み合わせて治療します。

 


以上が基本なんですが、この「補法」「瀉法」については、まだまだ色々ありますので、折に触れて書いていこうと思います。

 

 

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「血」って何ですか?(その4)

2012.05.05

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これまでのお話・・・


「血(けつ)」って何ですか?
「血」って何ですか?(その2)
「血」って何ですか?(その3)

 

 

続きいきます!

 

◆血が不足すると問題発生

 

これまでの話で、東洋医学における「血」というものは、基本的には「飲食物」が主な原料となり、足らなくなると「腎精」「血」に変化してくれることによって不足がフォローされ、

 

主として「血脈」の中を流れて、全身を隅々まで循環し、必要に応じてカラダを栄養するもの、でした。

 

また、睡眠時など、あまり使われない時は「肝の臓」に蓄えられている、というお話もしました。

 


そして、「血」が循環する際の原動力や律動性には「心の臓」「肺の臓」が、飲食物を消化吸収するためには「脾の臓」「胃の腑」が、


「腎精」から「血」に変化するには「腎の臓」の働きが大きく関わり、「血」の生成、作用は、実に様々な臓腑の働きに支えられているよ、

 

というお話でした。

 

・・・で、今日は、”「血」が不足する”とはどういうことか、を考えてみたいと思います。

 

上記のようなメカニズムで生成される訳ですから、当然、「脾の臓」「胃の腑」に異常があって、飲食物をうまく消化吸収出来なければ、


「血」が生成されにくくなり、不足が起こってきます。

 

それでも、「腎の臓」がしっかりしていて、「腎精」をガッチリ蓄えてくれていれば、不足をフォローできます。

 

また、「肝の臓」「血」がたっぷりと貯蔵されていれば、ここからも不足をフォローすることが出来ます。

 


ですので、”脾胃が弱い=必ず血が不足する”という短絡的な考え方はNGなのです。

 


しかし、脾の臓や胃の腑が弱く、飲食物から「血のもと」を取り込めない、しかも腎の臓も弱っていて、「腎精」による血のフォローが出来ない、

 

なおかつ肝の臓にもあまり貯蔵出来ていない、ということになると、これは”全身的な血の不足”が起こります。

 


まずコレが一つ重要。

 

こうなると、カラダを潤すことが出来なくなるワケですから、いたるところがパサパサになってきます。

 

具体的には皮膚、髪、爪がパサパサ、弱く脆くなり、全身的に血色が悪くなり、唇や舌の色も褪せて白くなってきます。

(コワイネ~)

 

もう一つのパターンとして、「血」の全体量としてはあるんだけど、巡る力が弱い、あるいは何かによって邪魔されてるために、停滞してしまって、

 

必要な部分に届かず、”部分的に”足らなくなるパターンです。

 

皮膚に足らなければ痒みを起こしたり、目に足らなければ眼精疲労を、筋肉に足らなければこむら返りやけいれんなどなど、実に様々な症状を引き起こします。

 

これが、”部分的な血の不足”です。

 

二つ目にはコレが重要です。

 

・・・ちなみにこの、「部分的な血の不足」の原因の一つである、”停滞してしまって、使い物にならん血”のことを東洋医学では「瘀血(おけつ)」と呼んでおります。

 

「瘀血」については、素人の方でも、聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。

 

 


以前、このブログでも紹介しました。

「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について 参照

 


要はこの瘀血が、正常な血の運行を物理的に邪魔して、必要な部分に届かないと、様々な症状が起こす場合があるのです。

 


それ以外にも、肝や心や肺の異常により、「気の停滞」が起こると、血の正常な循環が保てなくなる、というケースもあります。

 

・・・このように、「血の不足」と一口に行っても、東洋医学的にはまずそれが「全身的なのか、部分的なのか」を考え、それらのメカニズムまで考え、対処、治療しております。

 

 

ちなみにちなみに、言うまでもないですが、東洋医学の言う「血の不足(血虚)」と、西洋医学の言う「貧血」とは別物ですので、あしからず。(苦笑)

 

 


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「肺」って何ですか?(その12)

2010.09.20

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これまでのお話・・・


「肺」って何ですか?(その1)

「肺」って何ですか?(その2)
「肺」って何ですか?(その3)
「肺」って何ですか?(その4)
「肺」って何ですか?(その5)
「肺」って何ですか?(その6)
「肺」って何ですか?(その7)
「肺」って何ですか?(その8)
「肺」って何ですか?(その9)
「肺」って何ですか?(その10)
「肺」って何ですか?(その11)

 

☆「肺」を病むとどうなるか


・・・これまで長々と、肺について語ってまいりましたが、ここらでそろそろ完結しようかな、と思います。

まー、いつも言うように、東洋医学の言う「五臓六腑」というのは、西洋医学の言う「内臓」というモノとは全然違うのだ、ということがお分かりいただけているかと思います。

今日は、では実際に「肺の臓」を病むと、どういう現象(症状)が出てくるか、について考えて、「肺」シリーズを一旦完結しようと思います。

一般的には、「肺」の病気と言えば、”肺炎”、”肺癌”、”肺結核”などなど、”肺〇〇”という病名が多く、そしてその症状は主に呼吸器の異常(呼吸困難、咳、痰など)ですよね?

 


東洋医学の言う、「肺の臓」は、これまで述べてきたように、人間のあらゆる機能に関わりますので、当然症状も、呼吸器の症状のみにとどまりません。

(もちろん呼吸器の症状も出るけどネ。)

 

具体的には、たとえば

 

カゼに伴う諸症状(寒気、ノド痛、肩こりetc..)、喘息、尿の色が変わる、胸が苦しい、

 

などなど、呼吸の症状がメインでありながらも、実に様々な症状が出てきます。

 

また東洋医学では、

「呼吸器の症状がある」=「肺の臓が中心の病」

とは考えません。

「呼吸器の症状がある」=「肺の臓が異常を起こしている」=「その異常を起こさしめた中心はどこか」

という風に、もう一枚深く考えます。

 


その上で、その病理の中心が「肺」であれば、治療の対象はそのまま「肺」になりますが、「肺」以外の臓腑の異常が中心であった場合、

 

そこを治療していくことが出来るのが、東洋医学の賢いところだと思います。

 

病の中心は何か、

そしてそれはどこか、

こういうところを明らかにして治療するから、あっちもこっちも触る必要はなく、極めて少数の鍼での治療が可能になるのです。

 

 


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