東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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頭から汗が出る人 まとめ

2016.07.02

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これまでのお話

 

頭から汗が出る人

頭から汗が出る人 2

頭から汗が出る人 3

頭から汗が出る人 4             

頭から汗が出る人 5        参照

 

 

 

ではまとめいきます!!

 

 

これまで、我々東洋医学のバイブルの一つである『傷寒論』における、「頭汗」のパターンを見てきました。

 

 

要するに、

 

1.湿邪持ち、

 

2.虚の激しいもの、

 

3.中途半端にこじれたカゼ(少陽病)

 

4.いろんなところに熱がこもったもの(陽明病)

 

にまとめることが出来そうです。

 

 

因みに同じ張仲景の 『金匱要略』では、これに加えて、産後に体力の非常に弱ったものにも「頭汗」という現象が起こると書かれています。

 

「婦人産後病脉證治第二十一.」です。)

 

 

まあこれも、上記の分類の2.に入りますね。

 

 

だから患者さんから

 

「頭から汗が出るー(;゚Д゚)」

 

と相談されたら、少なくとも上記ぐらいのパターンを考えて、治療にあたるといいでしょう。

 

 

あとはまあ、”頭から”というキーワード以前の、そもそも論である「発汗」という生理現象のメカニズムに対する理解ね。

 

 

 

 

 

 

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頭から汗が出る人 4

2016.06.28

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これまでのお話

 

頭から汗が出る人

頭から汗が出る人 2

頭から汗が出る人 3   参照

 

 

4.『傷寒論』辨太陽病脉證并治下第七.の、柴胡桂枝乾薑湯方のところに、

 

「傷寒五六日.已發汗而復下之.胸脇滿微結.小便不利.渇而不嘔.但頭汗出.往來寒熱.心煩者.此爲未解也.柴胡桂枝乾薑湯主之.」

 

と、出てきます。

 

 

これは、カゼ引いてちょっと時間が経って、まだ完全に治りきってない時に、頭に汗が出る場合を述べています。

 

 

ちょっとこじれたやつです。

 

 

これは比較的よく診ますね。

 

 

5.また、同じところに、

 

「傷寒五六日.頭汗出.微惡寒.手足冷.心下滿.口不欲食.大便鞕.脉細者.此爲陽微結.必有表.復有裏也.

 

脉沈亦在裏也.汗出爲陽微.假令純陰結.不得復有外證.悉入在裏.此爲半在裏半在外也.脉雖沈緊.

 

不得爲少陰病.所以然者.陰不得有汗.今頭汗出.故知非少陰也.可與小柴胡湯.設不了了者.得屎而解.」

 

とも出てきます。

 

 

これは、カゼがこじれて、中途半端な状態になってしまった時に、頭から汗が出る場合があることを述べています。

 

 

そんな時は小柴胡湯がいいと。

 

 

小柴胡湯については、

 

「小柴胡湯」を含む記事 参照

 

 

まあここでは、深くもなく浅くもないような、中途半端な位置に熱がこもってしまった場合に、「頭汗」という現象が起こることを教えてくれています。

 

 

 

続く

 

 

 

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頭から汗が出る人 3

2016.06.26

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3.『傷寒論』辨太陽病脉證并治下第七.の、大陷胸湯のところに、

 

「太陽病.脉浮而動數.浮則爲風.數則爲熱.動則爲痛.數則爲虚.頭痛發熱.微盗汗出.而反惡寒者.表未解也.

 

醫反下之.動數變遲.膈内拒痛.胃中空虚.客氣動膈.短氣躁煩.心中懊憹.陽氣内陷.心下因鞕.則爲結胸.

 

大陷胸湯主之.若不結胸.但頭汗出.餘處無汗.劑頸而還.小便不利.身必發黄.」

 

と、出てきます。

 

 

これは、カゼに対して、間違った治療をやったら、頭から汗が出て、黄疸まで出る場合があるよ、っちゅうことです。

 

 

しかもここでは、なかなかヤバい病態の話をしています。

 

 

すぐに適切な処置を行わないと、命にかかわるケースもあります。

 

 

カゼだからと言って、ナメたらいけません。

 

 

多くの人は、現在でも、最終的にはカゼから肺炎を起こして死ぬのです。

 

 

僕も長いこと往診をやっていますので、色々な症例が頭をよぎります。。。

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

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頭から汗が出る人 2

2016.06.25

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前回のお話

 

頭から汗が出る人   参照

 

 

 

2.『傷寒論』辨太陽病脉證并治中第六.に、

 

「太陽病中風.以火劫發汗.邪風被火熱.血氣流溢.失其常度.兩陽相熏灼.其身發黄.陽盛則欲衄.陰虚小便難.

 

陰陽倶虚竭.身體則枯燥.但頭汗出.劑頸而還.腹滿微喘.口乾咽爛.或不大便.久則讝語.甚者至噦.手足躁擾.

 

捻衣摸床.小便利者.其人可治.」

 

とあります。

 

 

まあ要は、カゼ引きで、汗かきまくって体力をかなり失ったものは、頭に汗が出る場合があるよ、っちゅうことだね。

 

 

前回は湿邪持ちの人、今回は正気の弱った人。

 

 

これは東洋医学をちゃんとやっている人であれば、簡単に見分けることが出来るでしょう。

 

 

 

 

続く

 

 

 

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頭から汗が出る人

2016.06.24

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蒸し暑い日々が続いています。

 

 

皆さん、汗がベタベタして、イヤでしょ!?(笑)

 

 

東洋医学では、汗の出方と性質と、出た後の変化を問題にします。

 

 

患者さんから聞いていると、全身、色々な部位から汗をかく人がおります。

 

 

患者さんの中で、

 

「頭だけから妙に汗が出るー( ゚Д゚)」

 

と仰る人がいます。

 

 

さてこれは、東洋医学的に考えると、どういう現象か。

 

 

まずは弁証論治の父、張仲景(150?-219)先生『傷寒論』に聞いてみましょう。

 

 

1.辨痓濕暍脉證第四.に、

 

「濕家之爲病.一身盡疼.發熱.身色如似熏黄.濕家.其人但頭汗出.背強.欲得被覆向火.若下之早則噦.

 

胸滿.小便不利.舌上如胎者.以丹田有熱.胸中有寒.渇欲得水.而不能飮.口燥煩也.

 

濕家下之.額上汗出.微喘.小便利者死.若下利不止者.亦死.」

 

と、出てきます。

 

 

まあ要するに、「湿邪」を体にため込んでいる人は、頭に汗かくよ、って話です。

 

(笑・・・端折り過ぎか。)

 

 

こういう人は、胃腸を弱らせると、体の状態が余計に悪化し、頭の汗が止まりません。

 

 

 

続く。

 

 

 

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「三陰三陽」という考え方 5

2015.11.20

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これまでのお話

「三陰三陽」という考え方 1

「三陰三陽」という考え方 2

「三陰三陽」という考え方 3

「三陰三陽」という考え方 4  参照

 

 

では続きいきます!

 

 

ここまで、手足の三陰三陽経と、五臓六腑との関わり(仮説も含めて)を説明してきました。

 

今日はまた別の角度から考えてみたいと思います。

 

手足の経絡にはそれぞれ、「三陰三陽」の名前が付いています。

 

どういうことかというと、以下の通り。

手の大腸経、足の胃経・・・陽明経(ようめいけい)

手の三焦経、足の胆経・・・少陽経(しょうようけい)

手の小腸経、足の膀胱経・・・太陽経(たいようけい)

手の肺経、足の脾経・・・太陰経(たいいんけい)

手の心包経、足の肝経・・・厥陰経(けついんけい)

手の心経、足の腎経・・・少陰経(しょういんけい)

とまあこのように、手の経絡と足の経絡を一つづつまとめて一対にし、それぞれに名前が付けられています。

 

この、”陽明”だの”少陽”だのという名前は、もちろん『黄帝内経』にて定義されたのですが、どういう意味かと言うと、一つには

「その経絡の陽気や陰気の多寡」

を示すんだそうです。

 

少陽経と太陽経といったら、何となく太陽経の方が陽気が多そう、というのは、字からしてすぐ分かりますね。

 

少陰経と太陰経もしかりですね。

 

では、陽明経というのはいったい何なんでしょう。

 

これは、太陽経よりもさらに陽気が多く、いよいよ明るい、という意味なんだそうです。

 

では、厥陰経というのはいったい何なんでしょう。

 

これは、太陰、少陰と陰気が少なくなってきて、いよいよ尽きるように少ない、という意味なんだそうです。

 

(厥には”厥(つ)きる”という意味があるそうです。)

 

でもまあ、本当に尽きてしまっては死んでしまいますから、あくまでも生きている人間の中における、相対的な陰気の少なさを示すのが、この呼び名なんだそうです。

 

そして、この6つの呼び名を「六経(りっけい)」と呼びまして、これが後代の有名な『傷寒論』「六経弁証」という考え方に繋がっていきます。

 

『傷寒論』というのは、「傷寒」というぐらいですから、超簡単に言えば”寒邪(冷えの邪気)”にやられ、色々な症状を呈しながら、

最終的には死んでしまうところまでの病気の流れ(各ステージ)について、病の起承転結を詳細に詳細に説明した本です。

『傷寒論(しょうかんろん)』という本 参照

 


ですから当然、経絡それぞれの陽気や陰気の多寡に応じて、寒邪に侵襲された場合に出てくる症状や所見が、それぞれの経(位置)によって違うのです。

 

続く

 

 

 

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「尺膚診」について 14(『素問識』における尺膚診)

2015.09.30

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これまでのお話(分かり易いように、タイトルを付けました)

 


「尺膚診(しゃくふしん)」について(イントロ) 
「尺膚診」について 2(『史記 扁鵲倉公列伝』における尺膚診)                     
「尺膚診」について 3(『黄帝内経素問』平人気象論(18)における尺膚診)          
「尺膚診」について 4(『黄帝内経素問』通評虚実論(28)における尺膚診)
「尺膚診」について 5(『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形萹(4)における尺膚診)   
「尺膚診」について 6(『黄帝内経霊枢』論疾診尺(74)における尺膚診)
「尺膚診」について 7(『黄帝内経霊枢』邪客篇(71)における尺膚診)
「尺膚診」について 8(「表をもって裏を知る」の重要性) 
「尺膚診」について 9(「表をもって裏を知る」の重要性その2)
「尺膚診」について 10(『黄帝内経素問』脈要精微論(17)における尺膚診)

「尺膚診」について 11(『難経』13難における尺膚診)

「尺膚診」について 12(『傷寒論』における尺膚診)
「尺膚診」について 13(『腹証奇覧翼』における尺膚診)         参照

 

では続きいきます!

 

 

◆多紀元簡(たきげんかん)の『素問識(そもんし)』における尺膚診の記載

 


「尺膚診」について 4「尺膚診」について 10
に、日本の多紀元簡という人物の言説をチラリと紹介しました。

 


この人物の紹介は、また後ほど詳しくするとして、彼の代表作である『素問識』の中でチョイチョイ、この尺膚診について述べてくれております。

 

一つは、『素問』の17篇目、”脉要精微論”を解説した部分です。

 

 

 

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↑↑このような図とともに、細かく解説してくれております。(『素問識』より)

ここで彼が述べているのは、

「”尺”というのは前腕のことでアール!」

という説です。

 

それを言うだけでなく、前腕のどこで何を診るのかまで、わざわざ図にしてくれています。

 

専門家の方々は参考にするべきでしょう。

 

この前腕に書いてある文字を見て、あ!と、ピンとくるべきです。(笑)

 

もう一つは『素問』の28篇目、”通評虚実論”の解説部分です。

 

ここには、

「脈診で経を診て、尺膚診で絡を診る」

という論が提出されております。

 


経絡、経絡、と言うが、経が相対的に深く、絡は相対的に浅い、という論から始まり、さらに、経には営気が満ち、絡には衛気が満ちる、

という論から、脈が熱なのに尺膚が寒であるものについて、考察してくれております。

 


・・・とまあこのように、日本にもスゴイ先生がいた訳です。

(今でもいるけど)

 

この『素問識』なんかを読んでますと、『黄帝内経』のみならず、その周辺の有名な古典も、すべて頭に入った上で、平易に分かりやすく配慮しながら、慎重に解説しているのがよく分かります。

 

恐るべし、多紀元簡・・・。(苦笑)

 

 

尺膚診に関してはここらでいったん切って、また折に触れて解説してみたいと思います。

 

続く

 

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「尺膚診」について 12

2015.09.22

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これまでのお話

 


「尺膚診(しゃくふしん)」について 
「尺膚診」について 2                     
「尺膚診」について 3          
「尺膚診」について 4
「尺膚診」について 5   
「尺膚診」について 6
「尺膚診」について 7
「尺膚診」について 8 
「尺膚診」について 9
「尺膚診」について 10
「尺膚診」について 11  
     
  参照

 

では続きいきます!

 

 

◆『傷寒論』における尺膚診の記載?

さて、前腕の皮膚の状態を詳細に伺う診察法である、この”尺膚診”というものに関して、超有名な古典である、

『史記』『黄帝内経』、そして『難経』における記載を紹介してきました。

 

今日は東洋医学を学ぶものにとってのもう一つの聖典、『傷寒論』における尺膚診の記載を紹介したいと思います。

『傷寒論』については 『傷寒論(しょうかんろん)』という本 参照

 


この傷寒論の最初に”傷寒卒病論集”という、序文のような文章があります。

 


ここに、

・・・觀今之醫、不念思求経旨、以演其所知、各承家技、終始順舊、省疾問病、務在口給、相対斯須、

便處湯薬、按寸不及尺、・・・(中略)・・・、所謂窺管而已。

という文章が出てまいります。

 

これを簡単に意訳しますと、

最近の医者をみてると、古典を学んで、そこから原理原則を自分で新たに発見して、自分の学術をレベルアップさせようとは少しも思はず、

それぞれ、自分の流派の技術を受け継いで、優れたものとし、始めから終わりまで、古いしきたりに従うだけであり、

病人を診察するにも、顔色を窺い、巧みに口を使って丸め込むことに身を入れて、診療にかける時間はいとも簡単に済ませ、

いい加減に薬を与えている。

脈診も、手首の脈を見るのが関の山で、尺膚は診ない。

こんなんじゃあ、細い管から天を臨むようなもんだ。

 

・・・という風に、『傷寒論』の著者である張仲景は嘆じて、当時の医療界を憂いています。

ここで言う”尺”をどう訳すかについては、

”尺膚(前腕の皮膚の状態)”

という説と、

”尺位の脈(手首の動脈の一部分)”

という説と、諸説紛々なんだそうですが、個人的には尺膚であってほしいですね。(笑)

 


『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)に書いてあるように、脈診情報と尺膚診情報は太鼓とバチのような関係ですのでね。(笑)

 

尺膚診情報と脈診情報、この二つが一致するのをもって順と考える。

 


尺膚診で相対的に陰をうかがい、脈診で相対的に陽をうかがう。

 


で、これら二つよりも顔面診はさらに相対的に陽をうかがう、と。

 


このように、各診察法は並列ではなく、それぞれに診ているポイントがあり、それらの陰陽のグラデーションまで考え併せて、弁証に資する情報と位置付けるのですな。

 

だから、各診察法の位置づけが明確であるほど、正確な診断を下すことが可能になる。

 

シャープな治療が可能になる。

 

位置づけがあいまいな人がやっている鍼よりも、大きく気を動かすことが出来る。

 

続く

 

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「尺膚診」について 11

2015.09.21

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これまでのお話

 

「尺膚診(しゃくふしん)」について 
「尺膚診」について 2                     
「尺膚診」について 3          
「尺膚診」について 4
「尺膚診」について 5   
「尺膚診」について 6
「尺膚診」について 7
「尺膚診」について 8 
「尺膚診」について 9
「尺膚診」について 10     
    参照

 

では続きいきます!

 

◆『難経』13難における尺膚診の記載

 

ここまでで、『史記』『黄帝内経』における尺膚診の記載を引きながら、尺膚診という診察法の重要性を紹介してきました。

 

今日は、我々鍼灸師にとっての、もう一つの聖典と言っていい、『難経(なんぎょう)』という本の中の、尺膚診に関する記載を紹介したいと思います。


因みに、この『難経』という書物ですが、時代的には『黄帝内経』の後で、『傷寒論』の前、後漢の時代に書かれたと言われる本であり、

内容が多岐にわたり、様々な異なった立場や見地から述べられている『黄帝内経』とは違い、外邪に侵襲される病について詳細に論じた『傷寒論』とも違い、

薬でも灸でもない、鍼治療に関する内容に特化してスッキリとまとめられており、内容に非常に一貫性がある書物です。

 


日本の鍼灸師で、この本を知らないものはいないでしょう。

内容は『黄帝内経』と同じように81篇にまとめられ、1篇目から”1難、2難・・・、”と数え、最後は”81難”に至ります。

 

この本の”13難”に、尺膚診に関する記載があります。

 


どのような記載かというと、まず

五藏有五色.皆見於面.亦當與寸口尺内相應.


(五臓にはそれぞれ5つの色があって、その異常は顔面に出る。そしてそれは脈は尺内(前腕内側の皮膚の状態)と一致する。)

 


と出てきて、その後に

脉數.尺之皮膚亦數.

脉急.尺之皮膚亦急.

脉緩.尺之皮膚亦緩.

脉濇.尺之皮膚亦濇.

脉滑.尺之皮膚亦滑.

 

五藏各有聲色臭味.當與寸口尺内相應.其不相應者病也.

(脈が早ければ尺膚に熱感が現れ、脈が堅ければ尺膚も堅い、脈が緩んでいれば尺膚も緩み、脈が渋れば尺膚も渋る、脈が滑らかならば尺膚もなめらかである。

五臓にはそれぞれ声、色、臭い、味があるが、それらは脈、尺膚の状態と一致するものであり、一致しないのが病なのだ。)

 


と、出てきます。

 

※( )内は僕なりに平易に訳してみました。

 


ここの解釈なんですが、江戸時代中期にいた広岡蘇仙(1696-?)という人が書いた、『難経』の解釈本である『難経鉄鑑』という本の中に、

わざわざ”尺内”と書いてあることへの解釈がなされています。

 

”尺内”は前腕の内側を示し、外側でなく内側であることの理由として、前腕内側は陰経が流注する部位であり、相対的に陰であり、皮膚が和らかく、診やすいからである、

 

と述べ、尺膚よりも脈、脈よりも色が優位なのは、人体においては陽の方が優先されるからである、と説明しています。

 


一つの、参考にすべき考え方だと思います。

 

続く

 

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「柴胡桂枝湯証」という状態 その7

2015.06.19

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これまでのお話・・・

 


「柴胡桂枝湯証(さいこけいしとうしょう)」という状態 
「柴胡桂枝湯証」という状態 その2            
「柴胡桂枝湯証」という状態 その3                
「柴胡桂枝湯証」という状態 その4     
「柴胡桂枝湯証」という状態 その5        
「柴胡桂枝湯証」という状態 その6
             参照

 

 


久々に続き(というか補足)です。

 

 

ここまで、「柴胡桂枝湯」という薬について、簡単に、もともとカゼをひいた時の薬であった、という説明を中心に書いてきました。

 

まあこう書くと、

「じゃあ、柴胡桂枝湯っていうのは、ある種のカゼ以外には使えないんかい?」

と思う人もいるかもしれません。

 

その辺を、廣田先生からご指摘いただきました。

柴胡桂枝湯についての考察  参照

 


漢方薬というのは、もともとカゼひきの時に使う目的で考え出されたものでも、長い長い歴史の中で、どんどん色々な病気に応用されて、カゼ以外の慢性の病気にも効果が高い、

 

ということが伝わり、むしろ、もともと考え出されたシュチュエーション「以外での」使用方法が、結果的にメインになっていることも、少なくありません。

 


この柴胡桂枝湯という薬も、ある種の慢性病には、積極的に使われるようです。

 

僕ら鍼灸師としても、四逆散などと同じように、

「この場合、柴胡桂枝湯的な効果を狙いたいな~」

と思いながら鍼をすることがあります。

「四逆散」というお薬 11 参照

 


まあ要は、その患者さんの状態をどれだけ的確に把握できるか、にかかっているのです。

 

それが出来ないと、治療効果はピンボケします。

 

その時に、『傷寒論』に書いてある、きめ細かな方剤分類の考え方が、たいへん役に立つことがある、ということです。

 

とりあえず終わり

 

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