東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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『鍼灸時間治療学』

2013.12.11

清明院では現在、スタッフを急募しております!!

ぜひ我々とともに、切磋琢磨しましょう!!詳細はこちら。

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今日、学校でチラッと話したら、意外と食いつきの良かったこの話・・・。

自分自身がやっていないので、紹介だけしようと思って話したら、えらいたくさん質問が出て、ちょっとびっくり。

なんでまあ一応、歴史的変遷を簡単にまとめておきます。

(みんな、こういうの好きなんだねえ。。。僕には分からんわー。。)

それは、「鍼灸時間治療学」のお話です。

東洋医学では、『黄帝内経』の中に、すでに時間と人体との関わりが述べられています。

(素問なら六節蔵象論、六微旨大論、八正神明論、宝命全形論など、霊枢は経別篇、衛気行編などです。)

要するに人間は自然界の影響を受ける、時間の影響も当然受ける、そこには一定のパターンがある、という考え方です。

・・・で、時代は下って、北宋から金元時代になると、暦法や天文学などの学問がどんどん発展し、医学もその影響を受け、

人体と時間との関係、また、それに応じた治療法が考案されました。

因みにこの時代は、中国の科学、文化、学問が飛躍的に発展した時代で、”中国のルネッサンス期”なんて言われることもあるようです。

この時代、金代の何若愚(かじゃくぐ)という人物が著した『子午流注鍼経』という本が、時間治療学の最初と言われているようです。

そして、このブログにもチョコチョコ出てきている竇漢卿(とうかんけい)という人物が書いた『鍼経指南』という本で、奇経八脈を主る八つの経穴が紹介され、

それをもとに、明代に徐鳳(じょほう)という人物が『鍼灸大全』という本の中で”霊亀八法”という、これまた時間によって取穴を考える治療法が考案されました。

「竇漢卿(とうかんけい)」という人物 参照


こうして、”鍼灸時間治療学”が構築されていったのですが、現代ではあまり使う人はいないようです。

このブログの読者に、時間治療の使い手がいたら、ぜひやり方、効果のほど、教えてくださいネ~♪

 

因みに、興味のある方はこの2冊を読んでみてください。

『鍼灸時間治療学』 川井正久 谷口書店

『全訳鍼灸治療学』 淺野周 訳 たにぐち書店 

そしてこのPCソフトを購入し、時間治療を実践して下さい!!

橋本浩一先生制作 『内経気象学リアルタイム 製品版』

↑↑このブログにも、ちょいちょい登場している橋本先生の、渾身の力作です。


素晴らしいです。

 


東洋医学的なその年の特徴、対処法が分かってしまう、前代未聞のPCソフトです。。。


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「膀胱の腑」が興味深い

2013.07.28

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相変わらず難病のオーダーが多い清明院なんですが、こないだ、興味深い症例を経験しました。

 

まあ、あまり詳しくは言えませんが、小便に関する症状、お悩みであります。

 


以前書いたように、東洋医学では、小便というのは、直接たまるところは「膀胱の腑」です。

「膀胱」って何ですか?(その5) 参照

 


この「膀胱」という、一見東洋医学的にはなんてことない臓腑が、なかなか重い意味を持っているなあと、最近非常に感じています。

 

三焦の腑、小腸の腑、腎の臓、脾の臓、肺の臓、肝の臓などと複雑に連携を図り、「水の代謝」「衛気の動き」に大活躍しています。

 

これが最近、非常に興味深くてねえ。。。

 

勉強し直しております。

 

まあ、完全に独り言です。

 

ふっふっふ。(笑)

 

 

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ツボのカオ

2012.08.30

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こないだの研修会で診た、モデル患者さんのお腹が、ちょっと気になっていた。

あるツボが、どうしてああいう形になっていたのか。

・・・で、僕が打鍼をした後、そのツボは良性の変化を見せたが、なぜああいう変化を見せたのか。

で、今日に至るまで、ずーっと何となく気になっていて、患者さん達のお腹とにらめっこしながら考えてたら、ちょっとひらめいた。

あとは、その考えに基づいて、検証検証・・・。


ま、僕の日々って、こういう日々です。


色々考えながら、ツボとにらめっこ。

いつも、妄想っちゃ妄想。(爆)

陰が陽を抑えた場合、陽が陰を抑えた場合、陰が陰を、陽が陽を・・・。


衛気営血、三焦、六経、どのレベルでそうなってるのか・・・。

みんな表情が違う。

大変だけど、どうにか、ツボには、ハツラツとしてもらわないとネ。

ツボのカオは、生命の表情ですからねえ。


wp-1597325042863.jpg

 

↑↑明治神宮で地下75mから湧く、清正の井戸。

 


人間のツボもこういう風に、パワフルでないと。

 

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「肺」って何ですか?(その8)

2010.09.10

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これまでのお話・・・


「肺」って何ですか?(その1)

「肺」って何ですか?(その2)
「肺」って何ですか?(その3)
「肺」って何ですか?(その4)
「肺」って何ですか?(その5)
「肺」って何ですか?(その6)
「肺」って何ですか?(その7)

 

 

では、続きいきます。

☆「肺の臓」と「衛気(えき)」


前回、「肺の臓」、「衛気」というものと深く関わる、というお話をしました。


今日は、では実際に、”どう”関わるのか、というお話です。

「衛気」というのは、読んで字のごとく、「気」の一種であります。

東洋医学ではこのように、人体をくまなく巡り、養う「気」というものを、その

「働き」や「巡る場所」

によって、「〇気」という風に名前を付けて呼び分け、それぞれの生理、病理を考えております。


「衛気」”衛”という字は、”防衛””衛”ですから、

人体を、様々な外側からの物理的、あるいは温度刺激から防衛する「気」

という風に解釈します。


・・・ということは、「衛気」というのは、人体の”表面”を守ってくれる「気」だというわけですね。

 

人体の表面と言ったら、当然皮膚と、粘膜です。

 


つまり東洋医学の言う「皮毛(ひもう)」の部位です。

 

ここを巡り、人体の正常な状態を保つのに重要な働きを持つ「気」のことを指して「衛気」と呼ぶ訳です。

 


ということは、前回言うように、

”肺は皮毛をつかさどる”

訳ですから、当然、「肺の臓」「衛気」と深く関わる、となるのです。

 


・・・しかし!!

 


ここで一つ気なることがあります。

「じゃあどうして、皮毛や衛気と深く関わるのが”肺”じゃなきゃいけないんですか??」

という、当然の疑問です。

 


僕も学生時代から、ここは疑問に感じまして、色んな先生に伺いましたが、ここはその先生の解釈によって、理解の仕方が若干分かれるようです。

 


こういうところをおざなりにせず、突き詰めてやっていくと、理解が深まり、どんどん楽しくなってくる訳です。

 


・・・しかし、ここから先の話はマニアックになりますので、ここではいたしません。(笑)

 

東洋医学が「前提」として定義づけていること、というのは、思いつきや適当で言っているのではなく、絶え間ない実地臨床を通じて、「実践面」「理論面」において、

”最も確からしい”という仮説を採用してきているのです。

 

極めて、歴史の中の、その時その時における「科学的な」態度で。

 

・・・そりゃあ、医者からも患者からも、何千年も支持されるわな。

 

 

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「肺」って何ですか?(その7)

2010.09.03

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これまでのお話・・・


「肺」って何ですか?(その1)

「肺」って何ですか?(その2)
「肺」って何ですか?(その3)
「肺」って何ですか?(その4)
「肺」って何ですか?(その5)
「肺」って何ですか?(その6)

 

☆「肺」と皮膚


今日はコレです。

コレもまあ、

「え!?なんで??肺と皮膚なんて、なんか関係あんの?」

と思う方もいらっしゃるんじゃないかと思います。

これは、東洋医学をちょっと知っているような人の間では、ポピュラーな話です。

東洋医学では、人体の皮膚表面(皮膚、汗腺、産毛、粘膜等まで含む)のことを「皮毛(ひもう)」と呼び、

”肺は皮毛をつかさどる”

という有名な言葉があります。

 

『黄帝内経素問』痿論(44)です。)

つまり、何らかの原因で「肺の臓」に異常を起こすと、この「皮毛」に異常が起こることを教えてくれています。

 

今日はこのことについて考えてみたいと思います。

 

まずこれには、「皮毛」の意味をサッと理解する必要があります。

 


・・・東洋医学のいう「皮毛」は、

1.外気温や、湿度などの複雑な陰陽変化に常にさらされ、それに対する防衛の最前線であり、

2.汗や分泌物を体外に出すことによって体温調節や解毒に一役買い、

3.粘膜においては、常に様々なばい菌や機械的刺激にさらされながらも、それに侵されないように体を守り(ここでも最前線)、

4.体の全ての器官(内臓、骨、筋肉etc…)を大外から「まるっ」と包みこみ、外界との境界線となる

部分のことです。

現代では、アトピー性皮膚炎など、この「皮毛」に慢性的に異常を起こす患者さんが非常に増加しています。

 

(2018年版日本皮膚科学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 参照)


コレの原因は当然、様々な原因が複合的に絡み合った結果だとは思いますが、東洋医学的に考えると、一つには、

”大気汚染による「肺の臓」の機能の低下”

も、大きく関与しているであろう、と思います。

 


新宿なんかに住んでますと、まったく、中国の古典にあるような「天空の清らかな気」を吸っている感覚がしません。(苦笑)

 

海の匂いのする伊東に生まれ、土の匂いのする群馬で育った僕には、それがよく分かります。

 


そもそも空気の悪いところで生まれ育った人に、皮膚の異常が増えるなんてのは、東洋医学的に考えたら”当たり前”ですね。

 

・・・ところで、最近はあまり言われなくなりましたが、

「皮膚呼吸」

なる言葉がありましたねえ?

 


現在でも、一部のサイトなんかでは、当たり前のようにこの言葉が登場し、それに基づいた施術の効能なんかが説明されています。(苦笑)

 

皮膚でガス交換(酸素と二酸化炭素の交換)を行うのは両生類(カエルさんたち!)とかです。

 


つまり、

「人間は皮膚で呼吸しているからうんぬん・・・。」

と主張することは、

「人間は卵を産むからうんぬん・・・。」

と言っているのと、ある意味同じことです。(苦笑)

 

・・・東洋医学の言う、「肺と皮毛」の関係というのは、こういうことを言っているんじゃありません。

 


コレを正しく理解するためには、「衛気(えき)」というものについて、「サッと」考える必要があります。


・・・これはちょっと長くなりそうなので、次回に続く。(笑)

 

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