東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「憋気(へっき)」という病

2013.10.20

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こないだ、とある先輩から、「憋気(へっき)」という病の存在を教わりました。

「憋気(へっき)」というのはまあ、東洋医学的な病名みたいなもんです。

しかし、実は東洋医学をけっこう勉強している人でも、あまり聞きなれないこの病・・・。

日本語版の中医学書に、あまり出てないんですね。これ。

そこで、中国の詳しい本で調べてみると、現代人に意外と多い病のことを示しているようです。

『中医症状鑑別診断学 第2版』によると、「憋気(へっき)」とは、

◆胸の中が塞がったように通じず、鬱してのびやかでない。呼吸がしにくいものを指す。

とあり、似たような症状の「胸悶(きょうもん)」よりももっと重篤なものを指すようです。

原因となる臓腑の異常としては

1.肝の臓

2.心の臓

3.脾の臓と腎の臓

4.痰飲の邪気

が関与するものがあり、心、脾、腎が関与するのものでは、正気の弱りが関与する場合が多く、これらの3臓の働きは密接にかかわるので、

重層的に病んでいるケースも多いそうです。

 

要は正気の弱りが関わってくるようなものは治しにくい、ということです。

 

呼吸がしにくいのに、肺の病ではない、というのもポイントでしょう。

因みに肝、心、脾、腎、痰飲については、このブログでも触れています。

「心」って何ですか?(その7)
「肝」って何ですか?(その13)
「脾」って何ですか?(その9)
「腎」って何ですか?(その11)
「怪病多痰(かいびょうたたん)」という言葉
「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について            参照


また、『雑病源流犀燭(ざつびょうげんりゅうさいしょく)』という本に、「胸は、肝の分」という記載があり、これも興味深いです。

・・・まっ、たまには、こういう話も。(笑)

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輸血で血虚が治るか

2013.08.22

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東洋医学的な「血(けつ)」が不足している状態を、東洋医学では「血虚(けっきょ)」と言います。

 


当然ながら、東洋医学の言う「血」と、西洋医学の言う「血液=blood」は、意味的にはオーバーラップする部分もありつつも、違う概念です。

 

したがって、東洋医学の言う「血虚」と西洋医学の言う「貧血」は、違います。

 

東洋医学の言う「血」の意味については、以前書きました。

「血」って何ですか?(その10) 参照

 


 


患者さんで、様々な理由から、「貧血」になっている方がいます。

 


重篤なものになると、西洋医学では「輸血」を行い、赤血球などの数値が、正常値に近くなるようにしようとします。

 

そういうレベルの「貧血」の患者さんが、仮に東洋医学的に見ても「血虚」に該当する状態だったとします。

 


ではそこで、輸血すると、東洋医学の言う「血」は補われるのでしょうか。

 

輸血によって、「血虚」は回復するのでしょうか。

 

これは、個人的には、輸血された時点の、その患者さんの正気(清陽)の充実度に依存すると思っています。

 

要は、戻る場合と、戻らん場合がある、と思っています。

 

輸血することにより繋がる命があることは事実ですから、輸血という方法論はもちろんながら否定できません。

 

輸血療法は、素晴らしき、人類の英知の結晶と言っていいでしょう。

 

しかし、問題は輸血された「カラダ側」にそれを使いものにするだけの力がなかったら、単純に瘀血が増すのみ、になる可能性があることです。

「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について 参照

 


ここのところの判断は、血液検査の貧血の数値のみでは判断不能でしょう。

 


・・・まあ、これはまた長くなるから書かないけど、今は熱中症のシーズンですが、「点滴」による「輸液」と、東洋医学における「陰虚」「津液の虧損」も同じことです。

 

また、臓器移植なんかでも、同じようなことが考えられるでしょうね。

まー最近、そういう症例と立て続けに出会いました。

西洋医学も、東洋医学も、どっちも素晴らしいけど、完璧でなく、発展途上なんです。

 

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脳卒中と鍼灸 その5

2013.06.11

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これまでのお話・・・


脳卒中と鍼灸 その1
脳卒中と鍼灸 その2
脳卒中と鍼灸 その3
脳卒中と鍼灸 その4

 

ではでは、続きいきます!

 

 

今回は、脳卒中に伴う急性期、慢性期の数々の症状を、東洋医学ではどう考えるのか、というお話です。

 

◆卒倒して意識不明、意識混濁

 


これは、重症の脳卒中で起こる症状です。

東洋医学的には、正常な精神活動に大きく関わる臓腑、つまり肝の臓、心の臓、あるいは脳、こういったところを、急激に痰や風などの、

何らかの邪気が襲い、まともに機能しなくなった時、意識不明になったり、意識が混濁したりする、と考えます。


「肝」って何ですか?(その13)
「心」って何ですか?(その7)  参照

 

これは、発症した時の迅速で的確な処置が肝要で、倒れた時点できっちり戻せないと、その後も慢性的に意識不明、あるいは意識混濁状態になってしまいかねない、大変コワい症状です。

 

◆言語障害

 


これについては、正常な発語に関わる臓腑、つまり肺の臓や、発声に直接関わる機構である「声帯」を養う経絡経筋が大きく障害された時に、発症します。


本人にとっては、伝えたいことがうまく伝えられないという、大変つらい症状ですね。

 

◆めまい

 


これは、軽度から重度の脳卒中で起こりますが、主に上焦における気血の左右のバランスを大きく崩すと、平衡感覚が狂って、発症します。

また、何らかの原因で、上焦における気血が不足した場合にも、発症します。

一口にめまいといっても、ぐるぐると目が回るようなものから、左右にぐらぐらと揺さぶられるような感覚のもの、あるいは立ち上がった時にフラッとしたり、

 

グウーッと沈み込むような感覚がして、立っていられなくなるようなものなど、色々な種類のものがあり、それぞれ、関係する臓腑、邪気の種類など、病態が違います。

具体的には、肝の臓、胆の腑、風邪、湿痰、こういったものが関わることが多いです。

「胆」って何ですか?(その12)
カテゴリ 邪気(発病因子)   参照

 

・・・長くなったので、次回は続き、とても重要な「半身不随」からいきます。

 

 

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再び「頭痛」について喋ってきました!!

2013.06.06

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昨日は、東洋鍼灸専門学校にて、再び「頭痛」について喋ってきました!!

今回、初めて同じテーマで2回に渡って講義しています。

なんで「頭痛」に時間をかけるのかというと、「頭痛」という症状が大事であることもあるけど、それよりも、使用している教科書である

『東洋医学臨床論 はりきゅう編』

の、「頭痛」の項に、

「外感病と内傷病」

であったり、

「東洋医学における”痛み”とは何か」

であったり、

「腎の異常」や「肝の異常」、「気血生成のメカニズム」、「痰飲や瘀血などの病理産物」

などなど、非常に重要な内容(テーマ)を多くはらんでいるからです。

こういう基本的なことが頭に入ってないと、あらゆる症状を訴えて患者さんが見えた時に、それが東洋医学的にどういう意味を持つのか、

どういう経過で治っていくのか、どういう治療方法が考えられるか、さっぱり分かりません。

脈だけ診て、受け売りの稚拙な技術で、ヤレ腎虚だのヤレ肝虚だのとノタマッテも、その「腎」って何なのか、「肝」って何なのか、「虚」とはどういう状態なのか、

 

で、それが今現在のこの症状とどう結びつくのか、こういうことがクリアに分かってないと、患者さんに東洋医学的な治療を提供することは不可能です。

当然、結果も出ません。

たまにいい結果が出たとしても、それは単なるマグレです。

医学にはなりません。

・・・おー、ちょっとヤル気が出てきたぞ。

学校教育。(笑)

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脳卒中と鍼灸 その3

2013.06.01

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これまでのお話・・・

脳卒中と鍼灸 その1
脳卒中と鍼灸 その2

 


では続きいきます!

 

現代人にひっじょ~に増加傾向の「脳卒中」・・・。

これは、東洋医学でも2500年前に認識され、原因から治療方法まで、あれやこれやと模索されてきました。

・・・で、2500年分の膨大な情報を大体まとめると、原因としては、


1.精神的なストレス(特に急激な怒り)

2.飲食の不摂生(特に酒)

3.過労(特に過度のSEX)

4.急激な気温変化

だそうです。

結局、どんな病気も、根本原因は似たようなもんですな。(笑)

前回述べたように、東洋医学では「脳卒中」は最終的には主に「肝の臓」「胆の腑」の病、という風に認識するんですが、

 

それが成立するまでには「心の臓」「腎の臓」「火邪」「痰」「風邪」「瘀血」なんかも大きく関わります。


カテゴリ 肝・胆
カテゴリ 心・小腸
カテゴリ 腎・膀胱
カテゴリ 邪気(発病因子
) 参照

 


これらの臓腑の弱りや、各種の邪気が複雑に関わり合って体をいためているところに、さらにそれらが上記の1.~4.の4つの原因によって、

急激に助長され、成立するのが「脳卒中」という病なのです。

次回、これの具体的な症状とそのメカニズムを考えてみます。

 

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ノド痛と鍼灸

2013.03.05

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この時期多い、カゼひきさん。

まあ、この時期のカゼって言っても、色々なパターンがあって、

「どんな人が」

「どんな状況で」

ひいたか、また、

「それがどういう経過をたどっていて」

「今現在どういう状況に置かれているか」

によって、治療方法も予後の推定も千差万別なんですが、かの有名な「花粉症」なんかも、東洋医学的には「カゼ」と判断して治療すると、

上手くいくことが多いということは、以前書きました。

カテゴリ 花粉症と東洋医学 参照


今日は、その絡みで、ちょうど昨日今日と、何人か診たので、「ノド痛」についてちょっと考えてみようと思います。

東洋医学では、痛みがあって、腫れる、ということは、その部分の気の流れが停滞している、あるいは足りてない、

ということを示す、と考えます。

・・・で、治療して、そこの部分の気の流れが通じれば、とりあえず痛みは取れるはずです。

ただ、喉を通る経絡というのは、実はほぼ全ての経絡であり、非常に複雑に入り組んでいるので、どの経絡の気の停滞かを、

一つ一つ明らかにするやり方は、ないではないけど、あまり効率が良くないので、僕はほとんどやりません。

そうなった原因をよく考えて、それを解決できるツボにバシッといくことが多いです。

ノドの部分の気の停滞だからって、ノドばっかり鍼をやったり、関係する経絡をやっても、なかなか治らない場合があります。

それはつまり、

「ノドの部分で気が停滞した理由(原因)」

が取れてないからです。

これには色々な原因がありますが、「腎の臓」「肺の臓」「胃の腑」の弱りや、「こもった熱」によるもの、あるいは東洋医学の言う「カゼ」

つまり「外邪(がいじゃ)」によるものや、「陰の不足」などに分けられます。

この中で、「こもった熱」「余分な水」が結びついて、「痰」の絡んでいるものは、比較的うるさく、しかもこの「痰」に加えて「陰の不足」も兼ねているものは、

しっかりと休息をとり、しかも飲食を節制してもらわないと取れてくれず、なかなかうるさいものです。

 

西洋医学でも、咽喉痛と言ったら、扁桃炎から喉頭癌まで、実に幅広くあります。


このように、ノドが痛いと言ったらここ、みたいに、病因病理を考えず、焦って治療しようとしても、まっすぐにはいかないものなのです。

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肺と疲労

2013.01.17

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咳や痰と言ったら、「肺の臓」の異常から起こっていることが多いです。

「肺」って何ですか?(その12) 参照

カゼを引くと、咳や痰がよく出ます。


患者さんが治療中にゲホゲホ咳をしていると、院内が何とも言えない空気感になりますね。

(THE 医療機関!って感じね。)


東洋医学では、肺と皮膚は関係が深い、と言います。

 

(『黄帝内経素問』痿論(44)「肺主身之皮毛.」)

 


皮膚が急激に冷やされた結果、「肺の臓」の気の流れが悪くなり、呼吸そのものや気道に、様々な症状が出る。


なんか、分かったような、分かんないような話。(苦笑)

でも実際、こういう考え方でイケるケースも、あります。


咳が出ると、患者さんは

「カゼを引いた、冷えた。」

と訴えます。


しかし、当然ながら、それをまったく鵜呑みにすると、上手くいかない場合がある。

年末年始の胃腸の弱り、年始からの仕事の多忙さによる睡眠不足等の疲労、ストレス、こういうものの方が、大きな原因になっていることがある。


特に、ベースにキツイ疲労があって、急に咳が出だしたような場合は、治療に工夫がいる。


咳など、急性の症状というのは、色々なことを教えてくれる。

 

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どうして眠れないのか

2012.12.06

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「不眠症」に限らず、どんな病気であれ、健やかな睡眠をとれていない患者さんの、なんと多いことか。

食べる、寝る、動く、こういう基本が出来ていないと、どんな症状、病気であれ、治りの良し悪しに大きく関わってくる。

セオリー通りの治療で、スッスッス~ッとよくなっていく患者さんはいいとして、

「・・・ん?な~んか妙に、治りが悪いなあ。」

という患者さんの場合は、上記のポイントを必ず再チェック。

中でも眠れていない、というケースは多い。

あるいは寝てても、常習的に睡眠薬に頼っている、とかね。

睡眠薬というもので、ある意味「気絶」させて、半ば強制的にとらせた睡眠というのは、自然な睡眠と比べて疲労の取れ方が全然弱いように思います。

(患者さんが、皆さん大体そうおっしゃいます。)

まあ、薬によって色々な作用機序はあるでしょうし、使用は仕方ない局面もありましょうが。。。

・・・ともかく、なぜ眠れないのか。

東洋医学では心、腎、肝、胆、脾、熱痰、内熱あたりが原因とされている。

「心」って何ですか?(その7)
「肝」って何ですか?(その13)
「脾」って何ですか?(その9)
「怪病多痰(かいびょうたたん)」という言葉
「疲労」によって籠った熱
「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について
「風」「火」について
「湿熱」について        参照

これ、どういうメカニズムか。

まず、寝るということは、東洋医学的には体を休め、陰気を養う、重要な生理現象だ。

大地に体を預け、瞑目し、呼吸は深くなり、筋は緩み、陽気は体内に深く潜り、臓腑筋骨をめぐり、滋養する。

相対的に体表の気が不足するから、表邪を受けやすくなるため、布団をかぶる。

この時、体内深くに、「気の受け皿」がないと、気が潜れないから眠れない。

 

(つまり陰の器の不足)

あるいは陽気が昂ぶり過ぎてたり、熱が盛んだと、これも、気が深くに潜れないから眠れない、あるいは眠りが浅くなる。

 

(陽の過多、上、外ベクトルへの気機の過剰)

また、気の停滞がきつくてもダメ、神が安定していなくてもダメ。

 

(肝胆、心の異常)

あと、僕の好きな奇経八脈なんかも関わる。(蹻脉)

因みに張景岳大先生は、スッキリとぶった切る。

「不眠のキモは神の安定性だ。しょせんは虚実!」

『景岳全書・雑証膜・不寝』から、抜粋意訳by竹下(笑)

「張景岳(ちょうけいがく)」という人物 参照

・・・不眠(不寐)の治療は滋陰清熱が基本であれども、多くのケースで、神主学説が、応用可能。

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色々なカゼ

2012.11.16

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毎年この時期になると、カゼひきさんをよく診ます。

いつも書いているように、いわゆる「カゼ」というものに鍼灸は大変有効であり、東洋医学を勉強しているものにとって、

ウデの見せどころでもあります。

なぜならば、一言でカゼと言ってもパターンは無数にあり、これをしっかりと東洋医学的に分析、把握したうえで治療しないと、

なかなかスッキリと治ってくれないからです。

ノドが痛くなるもの、腹を下すもの、咳、痰がきつくなるもの、発熱するもの、などなど・・・、挙げていったらキリがないです。

こういう様々なパターンを、東洋医学的にきちんと表裏、寒熱、虚実、関連する臓腑、経絡、正邪のバランス、こういうことを勘案しながら慎重に治療を進めないとですし、

急性外感熱病の場合は経過が早いので、短期決戦になりますから、正確性がより厳密に要求されます。

最近、まあこういう言い方は良くないのかもしれないのけども、患者さんから、色々学ばせていただいております。

自分自身のカゼ治療の弱点、盲点を狙いすましたかのような患者さんが来ることもあります。(苦笑)


日々、勉強。

 

まったく、「ありがたい」の一言。

 

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タバコと東洋医学(その7)

2012.09.06

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これまでのお話・・・

タバコと東洋医学
タバコと東洋医学(その2)

タバコと東洋医学(その3)
タバコと東洋医学(その4)
タバコと東洋医学(その5)
タバコと東洋医学(その6)

 


では、続きいきます!!

 


前回、禁煙した時に僕自身の身に起こった、様々な症状について書きました。


・・・で、なぜ、それらの症状が起こったのか、というお話です。

1.イライラ感

これについては、「肝の臓」のところでよく出てきましたが、伸び伸びとした自由な状態を好む「肝の臓」が、タバコという嗜好品を奪われたことにより、

欲求不満がたまって、機能失調を起こしたことが、一番大きいと思います。

肝の臓が機能失調を起こすと「易怒(いど)」といって、些細なことで怒りっぽくなったり、イライラしたりするようになります。

「肝」って何ですか?(その13) 参照


2.のぼせ感、頭に汗が出る、鼻血

コレは、タバコによって、深い呼吸をすることで、無理やり下げていた気が、下げられなくなったことによって、上半身に気が鬱滞して、

熱をこもらせ、これらの症状が出たものだと思います。

3.口内炎の多発

これも、2.と同じように、上半身(上焦)に気が鬱滞し、熱がこもった結果であろうと思います。


現代医学的には、唾液に含まれる抗菌物質の濃度が、喫煙者は煙の毒で刺激されるせいか、非喫煙者よりも高いようで、

このせいで口内炎が出来にくいという説もあるようです。

この論から言えば、煙を肺まで入れないのであれば、タバコはむしろ健康にいい、とも取れますが、この論には異論もあるようです。


4.痰が絡む

タバコをやめて、余計に痰が絡むなんて、信じられないようですが、ホントの話です。

実際に経験した人が言うんだから間違いない。苦笑

コレはタバコと東洋医学(その2)で述べた内容そのものです。


5.体重の増加

これについては、スススーッと、これまでにないペースで一気に増えてきたので、このまま80㎏、90㎏の、

メタボ中年のだらしない体になっていくんではないかと、正直焦りました。

人からは、タバコを吸えないストレスから、暴飲暴食になっているんじゃない?とか、よく言われましたが、僕はかつては、これを暴飲暴食と言わなかったら、

 

何を暴飲暴食というのか、という食生活でしたから、食生活自体は、以前よりも全然マシになっていると思います。

・・・にも関わらず、なぜ太るのか。

コレは、上記のように「肝の臓」の機能失調や、「痰」という邪気が助長されたことで、結果的に消化吸収機能が煙草をやめる前よりも、

 

うまく働かなくなった結果だと思います。


ですので、鍼灸と養生で、「肝の臓」を調整しつつ、「痰」「のぼせ」を根気よく除去していくことで、徐々に徐々に普通の状態に戻ってきた、という印象です。

(これ正直、2年近くかかりました・・・。)


・・・まあこのように、長く続けてきたことを急にやめたら、色んなことが起こるというのは、タバコに限らず、よくある話です。


よく、痛み止めやステロイドで、何年も症状をごまかし続けていた患者さんが、一念発起して、急に廃薬しようとすると、一気に色んな症状が噴出することがありますが、

 

それと似たような現象なのかもしれません。


でも、その辛いリバウンドを乗り越えることが出来れば、次に進めるワケですから、やってみた方がいいとは思います。

タバコと東洋医学、ひとまず終わり。

これについてはまだ色々あるので、また気が向いたら、書き足すかもしれません♪

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