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2010.04.18
最近、初診の患者さんで、
「水分を多く取った方が健康にいいって聞いたんで、たくさん飲むようにしてます!」
と、声高らかにおっしゃる方が多いように思います。
ここで僕が、
「ほおー、それ、誰に言われたの?」
と聞くと、
「あれ、誰だっけな・・・。」
とか、
「いや、何となくテレビでやってたような気がして・・・。」
とおっしゃる方が多い。(苦笑)
そして、そういう方に限って、症状の中に、冷え、足のむくみ、体のダルさを訴えている方が少なくありません・・。
あのー・・、これねえ、間違った養生法である可能性が高いです!
人間の体の、正常な状態の維持には、正常な物質の代謝が基本です!
つまり、必要なものを摂り入れて(同化)、不要なものを排泄する(異化)、コレが出来るから健康(正常な状態)を維持していけるんですよ。
しかも、その能力にはかなり個人差があります。
無駄なものを体の外へ、大便なり小便なり汗なり月経なりで排出できる力は、人によって違うんです。
もちろん、水分排出能力は人によって違う訳です。
弱い人だっているんです。
それなのに、そのキャパを超えた水分が無理やり体に入ってきたら、そういう人にとっては「無駄なお水」が体に溜まるだけです。
誰も彼も、たくさん飲めば無条件に健康になるなら、当然人類の歴史の中で、太古からの常識(健康の秘訣)になっているはずでしょ!?
・・・なってないのはどうして??
「現代人」だけは、これまでの歴史と全然違う体の機能を持ってるんでしょうか!?
・・・ちなみにこのことは、以前にも書きました。是非ご参照ください。
・・・まあなんていうか、自分の健康は最終的には自分で守るしかないんです。
「健康」というのは、人間が本当の意味で幸せに生きるためには、絶対に欠かせない条件だと思います。
雑多で根拠のない、商業ベースの怪しい情報に流されたり、浅はかな考えから、一つしかない大事な体を下手にいじくりまわして、
その条件を失うのは、大変な不幸だと思います。
もちろん僕と縁のあった患者さんには精一杯、治療も、アドバイスもさせていただきますが、みんなホントにこれ、よく考えて~。
お体を大切に。
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2010.02.23
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前回に続いて、今日は「寒熱(かんねつ)」についてです。
人間はみんな、体に
「冷やす力」
と
「温める力」
が同時に備わっています。
だから、少々の気候変動では、健康状態が左右されることはない訳です。
暑ければ薄着をして、それでもダメなら汗をかいて、体内の余分な熱を漏らし、寒ければ厚着をして、それでもダメなら鳥肌を立ててガタガタ震えて、小便を出して、体を温めようとします。
しかし、これら二つの力のうちの、どちらかが弱ったり、元々持っているその力を超えた、激しい気候変動にさらされたりすると、病変が出現します。
要は体が「熱側に」「冷え側に」傾いてしまうのです。
治療にあたっては、これらがどうなっているかを考えて、崩れた寒熱のバランスがうまく調うように治療します。
上記の二つのうち、人体が元々持つ「温める力」が弱ったり(陽虚)、自然界の「寒さ」があまりにも強い(寒邪の邪気実)ことによって病気になったものを
「寒証(かんしょう)の病」
なんて言います。
この場合、温める治療が主になります。
「温める治療」と言うと、お灸が思い浮かぶと思います。
基本的にはそうですが、これは鍼でも出来ます。
逆に、人体の「冷やす力」が弱ったり(陰虚)、自然界の「暑さ」があまりにも強くて起こる病気(熱邪の邪気実)を
「熱証(ねっしょう)の病」
と言います。
この場合は冷やす治療が主になります。
では「冷やす治療」はどうかというと、これは東洋医学では主に鍼で行います。
お灸でも出来ないことはないけれど、ちょっとやりにくいのであえて初手では使いにくい、と個人的には思います。
もちろん上記の両方とも、漢方薬でも治療は可能です。
この考え方も、治療する上では外せない考え方です。
”寒熱”という相反する概念を使って、病の”性質”を考えるわけですから「病性」と言ったりします。
この「寒熱」(病性)に、前回書いた「虚実」(病勢)を重ねて、さらには「表裏」(病位)も重ねます。
こうすることで、その患者さんの
「どこが」
「どのように」
「どの程度」
悪くなっているかが、徐々に明らかになってくる訳です。
・・・次回は「表裏(ひょうり)」について書きます!
ドンドン行きますよ~!!
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2009.12.13
先日、患者さんからこのタイトルのようなご質問をいただきました。
僕はこの質問にはいつも、
「ムクミっていうのは体にある余分なお水です。原因は
1.水分の飲み過ぎか、
2.余分な水分を排出する機能の低下か、
3.あるいはその両方か、
です。で、あなたの場合はですね、・・・」
という感じで、説明させて頂いております。
多くの患者さんを観察していますと、圧倒的に1.の「水分取り過ぎパターン」が多いように思います。
現代は、「飲み物」があまりにも簡単に手に入ります。
家の冷蔵庫の中には飲み物があるし、もしなくても水道水が飲めるし、最悪でも、家から歩いて3分以内の位置には自動販売機があるし、
職場や学校にも、自動販売機が置いてあるところが珍しくありません。
その上、テレビの健康番組なんかで、
「毎日2リットルは飲んで脳梗塞を予防しまショー!」
なんてやってるもんだから、みんなこぞって飲みます。
一生懸命飲みます。
良かれと思って。
・・・結果、ダブダブの、立派にムクんだ姿になっていることが多いです。(笑)
このムクミ(停滞した水分)というものは、東洋医学的にはなかなかタチが悪くて、体を冷やし、体を重ダルくし、疲れやすくします。
ついでに集中力も奪われ、眠くてしょうがないとか、仕事に行く気が起きないとか、現代人によくある様々な症状を引き起こします。
これらは、東洋医学的に考えたらすべて当たり前のことです。
腰痛にしても肩こりにしても、マッサージに行っても全然楽にならないとか、症状を慢性化させている原因の多くがこの「余分なお水」だったりすることが多く見受けられます。
確かに、
「人体の60%は水分で出来ている!」
というのはその通りでしょうし、そう言われてしまうと、いかにも飲まないとヤバいように聞こえます。
しかし、それはあくまでも「使える」水分の話で、「使いもんにならん」水分がいくらあったって邪魔なだけです。(笑)
東洋医学ではこういう、体の中にある邪魔な水のことを、
「水湿の邪(すいしつのじゃ)」
あるいは
「湿邪(しつじゃ)」「水邪(すいじゃ)」「水毒(すいどく)」
などと呼んで、治療する場合には、これをいかに体から追い出すかを考えます。
「邪魔なお水」の出口(逃げ道)はどこかと言えば、大きく分けて3つあります。
すなわち汗、小便、大便です。
(他に呼気とか、その他の分泌物なんかもあるけどね)
東洋医学では、よく、この3つの出口からうまいこと邪魔なお水を排出させるように、治療していきます。
なので治療していくうちに、
「おしっこの量が増えました!」
とか、
「便が前よりも柔らかくなってスッキリ出るようになってきました!」
とか、
「以前よりも全身にじわっと汗をかくようになりました!」
という言葉が患者さんから出てくると、僕としては
「しめしめ・・・(二ヤリ)」
となる訳です。(笑)
ちなみに、上記のやり方は、東洋医学には無数にあり、とてもここで説明しきれるような内容ではないので、省きますが、はるか昔のお医者さん達も、
これにはずいぶん苦労した様子が、古典の中にも多数出てきます。
「ムクみ」という症状を気にされてる方は、まず自分が一日にどれだけ飲んでいるか、それに見合った量が排出出来ているか、について考えてみるといいと思います。
お酒もお茶もみそ汁もラーメンのスープもぜーんぶ含めて、です。
現代は飲食物があまりにも簡単に手に入るし、仕事など、他の事で頭がいっぱいのため、どれだけ飲んでるか、食べてるかなんて、意識にすらのぼらないことが多いんです。
多くの人はそれ(飲食の総量)を7、8割に減らすだけで、10日もすればムクみの改善を実感できると思います。
(体重も減るでしょうね)
あと当然、飲んでる「量」以外に飲んでるモノの「質」の問題がありますが、これについてはまた今度・・・。
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3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
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