東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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患者さんの声(30代女性 不妊症 冷え性 ノドのつまり感など)

2015.03.26

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「患者さんの声」をいただきましたので、紹介します。

(さらに…)

小半夏加茯苓湯と船酔い 3

2015.02.28

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これまでのお話

 

小半夏加茯苓湯と船酔い  
小半夏加茯苓湯と船酔い 2
           参照

 

では続きいきます!

 

前回までは、「小半夏加茯苓湯」の元になった「小半夏湯」について、簡単に紹介しました。

 


本日はいよいよ本題である「小半夏加茯苓湯」についてです。

 

これも、「小半夏湯」と同じく、『金匱要略』の中に出てきます。

 

一つ目は「痰飲欬嗽病脉証治」という章の中であり、小半夏湯の”支飲”という病の、言わば親戚のような関係である、”水気”という病証を治療するパターンの一つです。

 

急に嘔吐して、しかもみぞおちが詰まった感じがして、横隔膜の部分(東洋医学の言う”膈”)に余分な水分が停滞し、めまいと動悸を伴うものに使いなさい、と出てきます。

 

因みに東洋医学の言う”膈”と、西洋医学の言う”横隔膜”の違いはこちら↓↓

「心」って何ですか?(その2) 参照

 



 

そしてもう一箇所、『金匱要略』の同じ部分の後半に出てきます。

 


ここでは、まず喉が渇き、それによってたくさん飲み、みぞおちに水が痞え、後で吐くものに使いなさい、という指示で出てきます。

 

こういう人のことを金匱要略では

「飲家(いんか)・・・常に余分な水分を持っている病人」

と呼んでおります。

 


このように、みぞおちや横隔膜周辺あたりに水が痞えたものに、「小半夏加茯苓湯」は使える、という考え方のようです。

 

次回、さらに深く、半夏、生姜、茯苓という3つの構成生薬について、考えてみたいと思います。

小半夏加茯苓湯と船酔い 4  に続く

 

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小半夏加茯苓湯と船酔い 2

2015.02.27

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前回のお話

 


小半夏加茯苓湯と船酔い                参照

 

では、続きいきます!

 

前回、「小半夏加茯苓湯」は、漢の時代の、東洋医学を代表する古典の一つである『金匱要略』に記載されている方剤で、現代では妊娠悪阻(つわり)に応用されているお薬である、というお話をしました。

 

 


では今日は、この方剤の元になった「小半夏湯」という薬について、ちょっと専門的に考えてみたいと思います。

 

「小半夏湯」『金匱要略』に登場するのは「痰飲欬嗽病脉証治」という章の”支飲”という病証の項に出てくるのが一点目で、ここでは、

 

嘔吐しても、まだノドの渇き感が出ず、嘔吐が止まらないものを治療する薬として紹介されております。

(嘔吐してもまだ余分な水分が出し切れておらず、みぞおちに支(つか)えている、という判断です。)

 

次は、「黄疸病脉証治」という章の”黄疸の治法”が紹介されているところに出て来るのが二点目なんですが、ここでは、黄疸そのものの治療というよりも、

 

黄疸の治療をミスして、結果的に脾胃が冷えてしまって、しゃっくりが止まらなくなった時に使うように、という形で紹介されております。

 

最後は、「嘔吐穢下痢病脉証治」という章の”嘔吐の治療法”が紹介されているところに出てきます。

 

ここでは、単に中焦(脾胃)に水分が停滞している場合の嘔吐の治療に用いるように、との指示で出てきます。

 

このように、「小半夏湯」は総じて

嘔吐や、脾の臓、胃の腑の異常、中焦の水分の停滞

に、用いられております。

 


これは、この方剤の中の構成生薬である”半夏”に、水分の停滞を取り除く効果があること、また”生姜”には、胃を温め、結果的に気を下げて吐き気を止める効果があることから、

 

上記のような症状に使われるのですね。

 


ではこれ(小半夏湯)に”茯苓”を加えた「小半夏加茯苓湯」はというと・・・?

 

小半夏加茯苓湯と船酔い 3       に続く。

 

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小半夏加茯苓湯と船酔い

2015.02.26

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先日の和歌山、加太港への遠征タイ釣り・・・。

大爆釣!! 参照

 


実はこの日の前日に関西入りし、迂闊にも、新風先生と遅くまでお酒を飲んでしまいました。。。

(しかも、何故か僕だけがけっこう呑んでいたような気がします。しかも最初からずっと日本酒で。)

 

翌朝は、早朝に起きて港まで行ったわけですが、港に着いた時点で、すでに若干気持ち悪かったです。。。

 

(船酔いする前に二日酔い!!)

 

この時点で内心、

「あーこれ、ヤバいなー・・・。」

と思いながらの釣り開始、となりましたが、幸い海が荒れなかったので、眠いこともあって、しばらくは大丈夫でしたが、だんだんタイが釣れ出して、

 

目が覚めてくると、時間的にも、体内の陽気が盛んに動き出してきて、悪心が強まるのです。

(苦笑・・・この経験、分かる人には分かるでしょう。)

 


そしてついに嘔吐。。。

(まったく荒れてない海で。)

 

これは船酔いではなく、二日酔いです。(笑)

 

それだけに、一回吐いたら、やたらスッキリしました。

(本格的な船酔いの場合は、一回吐いてもそれほどスッキリせず、また吐きたくなります。そして吐いているうちに、徐々に立っているのもしんどくなってきます。(笑))

すると、隣に座っていた油谷真空先生

「これ飲んでみたら?」

と、胸ポケットから

「小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)」

を取り出しました。

 


これは、このブログでも何度か紹介している、東洋医学の超有名な古典である、『金匱要略』という書物に記載されている漢方薬であり、

現代ではよく”悪阻(つわり)”に応用される薬です。

『金匱要略(きんきようりゃく)』という書物 
「張仲景(ちょうちゅうけい)」という人物
    参照

 


これは半夏(はんげ)生姜(しょうきょう)という生薬からなる

「小半夏湯(しょうはんげとう)」

という薬に、茯苓(ぶくりょう)という生薬を加えたものでして、小半夏湯というのは、ちょっと難しくなりますが、

『金匱要略』の中の痰飲欬嗽病脉証治という章の中の”支飲”に関する項に出てくる薬でして、いわゆる

「嘔家(おうか)・・・もともと嘔吐しやすい人」

に対する薬なのであります。

小半夏加茯苓湯と船酔い 2   に続く。

 

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形のあるような無いような世界 3

2015.01.19

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これまでのお話

形のあるような無いような世界
形のあるような無いような世界 2   参照

 


では続きいきます。

 

東洋医学は、気の医学。

 


あの手この手を使って、最終的には「気」というものを如何に正しく動かすか、というところに主眼が置かれる。

 


 

とはいえ、東洋医学にも、「形」という概念は存在する。

 


これまで、このブログ上の様々な記事(五臓六腑などに関するもの)に書いてきた通りだ。

 

しかし、どこをみても、西洋医学による「形」に対する分析のような「写実的精緻さ」はない。

 


これはなぜなら、東洋医学(東洋哲学)は、形よりも気(機能)、言い変えれば、人体と大自然との調和も含めた有機的な連関性と調和の具合、つまり

「人体内、および人体内外の全体的なバランス」

を最優先し、そこにこそ、最も注目するからだ。

 

(・・・と、僕は考えています。)

 

この観点からすれば、局所の詳細な分析や描写は、相対的に”些末な問題”となる。

 

東洋医学(東洋哲学)では、西洋医学のような手法で、「形」を精緻に分析していったところで、それを組み合わせてできるものは、所詮”ミックスジュース”に過ぎず、

 

この大自然、大宇宙の中における、小宇宙である人体、生命の動き、ダイナミズムを表現するには不十分、と考えていたのだろう。

 

このような観点から、生命、自然を「よりリアルに」表現し、理解するためには、物理的な臓器や各器官の写実的な描写や分類よりも、それらの間隙、及び全身、果ては全宇宙に存在し、

 

それらを繋ぎ合わせ、1個体を1個体たらしめる、一体不可分な「気」の動的なバランスにこそ、括目したのだろう。

 



 

ところで、東洋医学の病理産物に、「痰」と呼ばれるものが存在する。


「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について
「怪病多痰(かいびょうたたん)」という言葉 参照

 


一般的な認識からしたら、カゼひいたときなどにノドに絡む、白や黄色のネバネバした液状の物質を想像するであろう。

 


しかし、東洋医学では、それのみではなく、「痰」は全身各所に瀰漫し、気の正常な運行を阻害するもの、と考えている。

 


その分類として、「有形の痰」とか、「無形の痰」という言い方がある。

 

有形はともかく、この、”無形の痰”というのは何だろうか。

 

これはまさに、


”形として凝集してはいないが、今後、痰になる、前駆的な無形の気の停滞状態”

のことを言っているのだ。

 


このように、東洋医学では「気」を重視するがゆえに、無形から有形、有形から無形の連続性を細かく表現することが出来、それに応じた治療方法を考えることが出来る、ということ。

有形の邪気として凝聚する前に、叩くことが出来る。

 


あるいは凝聚した有形の邪気を霧散させることが出来たならば、それが再度凝聚しないように、散らし続けることが出来る。

 

つまり積極的、選択的に病を予防できるのだ。

 

これを「治未病」というのであって、西洋医学的な「予防」とは趣を異にする。

 

極めてタクティカルなのだ。

 

続く

 

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肩こりと東洋医学 2

2014.10.26

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前回のお話・・・

肩こりと東洋医学

では、続きいきます!!

では今日は、我々北辰会が用語と理論の基本に据える、「現代中医学」ではこの「肩こり」をどう考えるか、という問題です。


中医学については 「中医学」とは何なのか。 参照

我々が普段よく参考にする『症状による中医診断と治療 上巻』には、おおよそ現代日本人の言う「肩こり」に近いものとして、

「項強(こうきょう・・・項背部の強張り)」

とか、

「頸項痛(けいこうつう)」

という症状について、解説がなされています。

それによれば、「項強」の方は、分類として、

1.外感風寒の項強

2.外感風湿の項強

3.熱盛傷津の項強

4.金瘡風毒の項強

とあり、「頸項痛」の方は、

1.外感風湿の頸項痛

2.風熱挟痰の頸項痛

3.扭傷(ちゅうしょう)の頸項痛

4.落枕の頸項痛

と出てきます。


・・・まあ、細かい説明は避けますが、「項強」の方は首がガチッと堅くなっちゃって動きの悪くなったようなものを指しますし、

「頸項痛」の方は首や肩の”痛み”を指します。

となると、我々日本人が日常的に感じる「肩こり」とは、やっぱりどうもニュアンスが違う気がします。。。

我々はあの、妙に突っ張ったような、重いような、だるいような、何とも言えないイヤな感じを称して、「肩こり」というのです。

 

「強張る」というほどではないし、「痛み」というほどでもない。

あのニュアンスを説明してほしいんだよねー。。。

何でないのかなー。。

さてこれ、何故でしょうか。

続く。

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「肥満」と東洋医学 2

2014.05.23

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前回のお話し・・・

「肥満」と東洋医学

 

では続きいきます!!

前回、肥満は現代病として、問題視されているが、中国古代では、さほど問題視されていなかった、というお話をしました。

◆肥満のメカニズム


・・・なぜ、肥満になるのか。


これは、西洋医学的に言えば、摂取カロリーと消費カロリーのアンバランス(摂取過剰)から、体内に余ったエネルギーを脂肪組織に蓄えてしまうため、

それが徐々に徐々に体内に蓄積するためです。

何故脂肪なのかというと、糖質やたんぱく質よりも、圧倒的に脂肪の方が貯蔵効率が高いからですよね。


これが、単純な運動不足や飲食の不摂生に起因する、単純性肥満の西洋医学的なメカニズムだそうです。

 

(詳しくは(一社)日本肥満症予防協会様のサイト 参照)

・・・では、東洋医学ではどうか。

中医学では、肥満のことを”肥胖(ひはん)”と呼び、

主に脾の臓を中心とした臓腑及び全身の代謝機能の低下(気虚)+痰湿、脂膏を中心とした病理産物の増加

と説明されます。

 

(『症状による中医診断と治療 上巻』参照)

 


因みに中医学、脾の臓、気、湿痰については過去記事

カテゴリ「中医学」
「脾」って何ですか?(その9)

「気」ってなんですか?
「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について
「湿熱」について                参照


まぁ要は、東洋も西洋も、似たようなこと言ってるわけですが、これは中医学の方が、西洋医学の考え方に寄せてまとめたような感じがします。


なぜなら、前回言うように、東洋医学では、太っていること自体はあまり問題ではなく、太っている人が何らかの陰陽バランスの不調和を起こしていないかどうか、

を問題にするので、肥満そのものについては「イコール病気」とはとらえてこなかったからではないかと思います。

 

ここにも、個体差(各々における陰陽バランスの調和度合い)を重視する東洋医学と、やれBMIだの理想体重だのと、集団における平均値や理想値を重視する西洋医学の違いがハッキリと見て取れますね。

 

 

また、一般国民が理想とするような体格も、男性は背が高く、手足が長く、スリムであり、女性では胸があり、腰はくびれがあり、お尻は大きく、足は長く、

 

という、もともとの日本人らしからぬ体型なのも、明治維新以降の、西洋化の流れの一つかもしれませんね。

 

 

そういう視点で見ても、興味深いと思います。

 


因みに、あまり聞きなれない「脂膏」という表現ですが、『黄帝内経霊枢 衞氣失常(59)』に出てきますし、『黄帝内経素問 異法方宜論(12)』には「脂肥」という表現が出てきます。

 

 

専門家の方はご参照あれ。

 

続く

 

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小児喘息と霊台 6

2014.04.18

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これまでのお話・・・

小児喘息と霊台 
小児喘息と霊台 2 
小児喘息と霊台 3   
小児喘息と霊台 4   
小児喘息と霊台 5  参照

 


続きいきます。

 

◆霊台の別名

実は霊台には、「肺底(はいてい)」という別名があります。

このように、経穴には、みんなが知っている名前の他に、歴史上、別名があることも多く、その名前に、非常に重い意味が込められていることも少なくありません。

ただまあ、霊台の別名である「肺底」に関していうと、場所的な意味合いが大きいと思います。

しかし、「肺底」というからには、当然「肺の臓」と関わりが深いことを意味し、まさに今回のテーマである小児喘息というのは、

「肺の臓」の病でありますから、見逃せません。

 

また、東洋医学的には、「肺の臓」の下端ということは、拡大解釈すれば「心の臓」の上端ということですから、「心の臓」とも深くかかわります。

 

因みに肺の臓、心の臓については

「肺」って何ですか?(その12)
「心」って何ですか?(その7)   参照

 


◆督脈(とくみゃく)との関わり

また、この経穴は、奇経八脈の中の「督脈」上の経穴であります。

奇経八脈については カテゴリ 奇経八脈 参照

 


色々な本に、「霊台は、督脉の気の発するところである」という記載があります。

『銅人腧穴鍼灸図経』『聖済総録』『普済方』『医学綱目』『中華鍼灸学』です。)

 


督脈というのは、簡単に言うと陰陽の「陽」の気を調整する働きを持っています。

 

その督脉の気が発する、ということは、陽気の調整に大きく関わる経穴だ、ということであります。

 

であるからして、陽気の調整がうまくいかず、熱が籠ってうまく発散できない、あるいは冷えて気の巡りが悪い、結果的に痰が生じ、

その痰が肺の臓を障害した、というようなパターンの小児喘息には、使える可能性がある、とも考えられます。

続く

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小児喘息と霊台 4

2014.04.12

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これまでのお話・・・

小児喘息と霊台 
小児喘息と霊台 2 
小児喘息と霊台 3    参照

 


続きいきます。

 

前回、”霊台”という経穴の「霊」という文字に着眼して、精神的なもの、それも根が深いものに作用する経穴なのではないか、と述べました。

で、そういうものがバックボーンにあるような小児喘息には効果を示すであろう、とも述べました。

で、今日は、それ以外にはどんな効果があるか、というお話。

我々がバイブルとする『黄帝内経素問』の中の「刺熱論(32)」という篇には、この「霊台」の使い方が書いてあります。

そこには、

 

六椎下間.主脾熱.

 

とあり、要は

”霊台は脾の臓の熱を取る”

と書かれております。

(脾の臓については 「脾」って何ですか?(その9) 参照)

 


これも大変重要な記載だと思います。

 


小児喘息の主な症状と言えば、咳、痰、呼吸困難です。

 


この大きな原因となる”痰”の生成には、脾の臓の異常が大きくかかわります。

 

”痰”については


「怪病多痰(かいびょうたたん)」という言葉
「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について     参照

 


つまり、脾の臓が熱をもって、結果的に痰が生じ、呼吸を阻害しているパターンの小児喘息であれば、「霊台」の使用価値が高い、となります。

 

これも極めて重要。

 

続く

 

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「柴胡桂枝湯証」という状態 その4

2014.02.09

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これまでのお話・・・

 


「柴胡桂枝湯証(さいこけいしとうしょう)」という状態
 
「柴胡桂枝湯証」という状態 その2
            
「柴胡桂枝湯証」という状態 その3
                      参照

 

 


では続きです。

 

 

ここまでで、柴胡桂枝湯という薬は、小柴胡湯と桂枝湯を合体させた薬であり、東洋医学的なカゼひきのパターン分類である、

「”太陽病”と、”少陽病”が同時に存在する場合」

に治療する薬である、というお話をしてきました。

 


今日はこの、

1.東洋医学的なカゼ引きのパターン

と、

2.そのパターン分類が、同時に存在する場合

について簡単に触れておきます。

 

1.については、張仲景が書いた、東洋医学の大古典である『傷寒論』の中に、詳しく述べられております。

「張仲景(ちょうちゅうけい)」という人物
『傷寒論(しょうかんろん)』という本    参照

 


カゼを引いた経験なんてのは、ない人はいないだろうと思います。

 


軽いものでは、寒気が中心だったり、ノド痛が中心だったり、鼻水や咳、くしゃみや痰が中心だったり、熱が出たり、頭痛や節々の痛みがしたりします。

 


中等度のものでは、場合によっては下痢になったり便秘になったり、食欲不振になったり吐き気がしたり、めまいがしたります。

 


重症例では肺炎を起こしたり、内臓の機能不全が起こって、命を落とす場合もあります。

 

『傷寒論』にはこういう、いわゆるカゼ引きの各レベルの状況とその治療法が、詳細に述べられております。

 

これが約1800年前の話です。

 

1800年前も、人間はもちろんカゼをひいていたし、医者はそれに真剣に対峙していたんです。

 

『傷寒論』は、著されて以降、約1800年もの間、中国、朝鮮半島、日本で歴代の有名な医師達によって踏襲されつつ批判され、現代でもその価値を失っていないという、怪物のような書物です。

 

 

因みに、単純なカゼにとどまらず、西洋医学的には「腸チフス」や「インフルエンザ」、「マラリヤ」など、重篤な感染症の治療法も含む書物、という解釈もあります。

 

『傷寒論』では、浅いレベルのものから、深いレベルのものまで、

 


太陽病(たいようびょう)     浅い
  ↓               ↓
陽明病(ようめいびょう)    
  ↓               ↓
少陽病(しょうようびょう)
  ↓               ↓
太陰病(たいいんびょう)
  ↓               ↓
厥陰病(けついんびょう)
  ↓               ↓
少陰病(しょういんびょう)    深い

 


という名称を付けて分類し、論じています。

 

(この順番については、諸説ありますがネ。)

 


それぞれのレベルにおいて、

”どういう症状を呈し”、

”どういう所見を呈し”、

”どういう治療をすればよくなり”、

”それはどうしてか”

までが、キッチリと、理路整然と、説いてあります。

 


このパターン分けが前提となり、例えば太陽病と少陽病が同時に現れたり、太陽病と陽明病が同時に現れたりする場合についても論じられております。

 


今回のテーマである柴胡桂枝湯は、要するにこの中の太陽病と少陽病が同時に存在する場合に使う薬なんですね。

 

ちょっと話題が広がってきたので、調子に乗って「柴胡桂枝湯証」という状態 その5 に続く(笑)


(この話題、いいね少ないけど、お構いなし!(爆)・・・決して読者に阿らないアティテュード。)

 

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