東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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補瀉 35

2016.04.02

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これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容

補瀉 33    『針道秘訣集』における補瀉

補瀉 34    『杉山真伝流』における補瀉 1        参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆『杉山真伝流』における補瀉 2

 

 

前回に引き続き、『杉山真伝流』における補瀉です。

 

 

今日は、杉山流の刺鍼手技の基本となる「十八術」を紹介します。

 

 

十八種類それぞれについて細かく、分かりやすく解説してあるのは、前回も紹介した『杉山真伝流 臨床指南』に詳しく記載されていますので、

 

専門家の先生方はそちらを見ていただくとして、ここに提示された十八種類の手技は、実に様々な刺し方で、気を集めたり散らしたりできるように、

 

工夫がなされています。

 

 

杉山流はこの十八種類の手技を縦横無尽に組み合わせて、無数のパターンを作り出している、とも言えます。

 

 

そしてこの十八術の筆頭に紹介されているのが、有名な”雀啄術”です。

 

 

これは、中国では”提挿の補瀉”と言われるものと類似した手技と言っていいでしょう。

 

 

刺した鍼を、雀が啄むように出し入れする手技です。

 

 

この際の、鍼を入れるスピード、抜くスピード、どの程度大きく鍼を動かすか、こういう微妙な動きによって気の去来を操作します。

 

 

ただこの際に前提となるのは、今果たして鍼の先に正気が集まったのか、邪気が散っていっているのか、噛み分ける能力です。

 

 

これなしで、見よう見まねで鍼のいじり方だけマネしても、効果は薄いでしょう。

 

 

杉山流では、それまでの中国、日本で行われていた補瀉についてももちろん勉強しつつ、新たに”管鍼法”を編み出し、

 

手技についてはさらに工夫して、あらゆる気の操作方法を提示した、というのが功績の大きな一つだと思います。

 

 

夢分流、杉山流、両流とも、『黄帝内経』『難経』、それ以降の医書を、おそらく十二分に研究したうえで、補瀉について

 

「補は瀉なり、瀉は補なり。」

 

とブッタ切った夢分流と、補瀉を複雑に技術で細分化分類化したこの杉山流は、双方ともに、いい意味で個性が光っています。

 

 

 

続く

 

 

 

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補瀉 33

2016.03.25

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これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容          参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

いよいよ日本における補瀉の変遷、いきましょう!

 

 

◆『針道秘訣集』における補瀉

 

 

曲直瀬道三(1507-1594)の少し後の時代、御薗意斎(1557-1616)の門人である奥田意伯(17世紀)という人物が、『針道秘訣集』(1685)という本を出版しました。

 

 

これは我々北辰会とも、非常に関係の深い本です。

 

 

我々が主に使い、今では全国的に他の流派の先生方も多く使うようになった”夢分流打針術”のことが書かれた本です。

 

 

弱冠30代前半の時に蓮風先生が書いた、この『針道秘訣集』の解説書である『弁釈針道秘訣集』は、その後の鍼灸界に非常に大きな影響を与えた、

 

不朽の名著と言っていいでしょう。

 

 

現代日本で、腹部打鍼術を行う鍼灸臨床家で、これを読んでいない人はいないでしょう。

 

 

 

この本に、「補瀉の大事」という項があります。

 

 

ここには、

 

「『素問』『難経』『針灸聚英』等の本に、補瀉迎随の事が色々書かれてるけど、うちの流派では”補は瀉なり、瀉は補なり”と考えてるんですよ~~。」

 

と、書いてあります。

 

 

この本を書いたのは奥田意伯ですが、彼は、この本は夢分流の創始者である夢分斎の伝書として、発刊しています。

 

 

夢分斎という人は、京都の大徳寺の禅僧で、僧医です。

 

 

ですのでここの文章は、サスガ禅僧、って感じの言い方ですね。(笑)

 

 

これについて、蓮風先生は、最近でも2010.7.24のブログで、

 

「・・・腹部体表の状況を手掌で感知し邪気と正気をかみ分け、刻々と変化する腹壁に対応して鍼を施すのだ。

 

真に感性そのものの対応だ。これも「補瀉」の一つのありようなのである。」

 

と、述べておられます。

 

第43回 鍼の「補瀉」法にみる中国と日本 ―試みの論― 参照

 

 

まあ要は、正気と邪気を噛み分けて、自在に鍼を施し、結果的に臓腑経絡の虚実を調えて、全身の陰陽のバランスを整えて、生体の”治る力”を最大化する、

 

これが達成できれば、必ずしも形式的な手技にこだわる必要はなく、感性そのもので対応してもOK、ということです。

 

 

ただここで、個人的に危険だと思うのは、こういう考え方を盾に、全く意味不明な、破綻した論理に基づいて治療したり、

 

”意念”だの”愛”だの、そればかり主張して、全然医学理論を勉強しない輩が現れる可能性があることです。

 

 

夢分斎が、どれほどの勉強の上にこれを主張しているか。

 

 

蓮風先生が、どれほどの勉強の上にこれを主張しているか。

 

 

まずそれをきちんと踏まえるべきだと、僕は思います。

 

 

 

続く

 

 

 

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(一社)北辰会夏季研修会

2015.09.01

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8.30の日曜日は、大阪、森之宮医療学園で行われた(一社)北辰会夏季研修会に参加してきました!!

今回もテーマは腹診と打鍼

北辰会が主に採用している腹診法は、江戸時代の流派である

「夢分流(むぶんりゅう)」

という流派の腹診術です。

また、この流派の特長的な治療法である

「打鍼術(だしんじゅつ)」

も、皮膚に刺さない形で、現代風にアレンジして、積極的に臨床に用いております。

僕は例年、上級班に参加させてもらっております。

そして毎年、担当講師は北辰会副代表、藤本新風先生であります。

年に一回、新風先生に、ウデというか、日頃の臨床をチェックされる日、って感じです。(笑)

でもこの緊張感が、非常に良い。

今年も技術を盗みつつ、いい緊張感を味わわせてもらいました。

そして終了後の飲み会。

今年も、なかなかのもんでしたな。(笑)


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東洋医学をやっている鍼灸院の求人がほとんどないメカニズム 2

2015.02.13

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前回のお話

東洋医学をやっている鍼灸院の求人がほとんどないメカニズム

 

 

では続きいきます!

 

前回は、ただ漫然と通って、鍼灸学校を出たところで、「国家資格」とかいう紙っぺらがもらえる以外は、ほとんど何にもならない、というお話と、

 

東洋医学的な鍼灸治療を理論面、実技面から懇切丁寧に教えてくれて、なおかつやらせてくれる職場なんてのは、皆無に等しい、それがしたかったら、

 

自分から動く以外にない、というお話をしました。

 

現実として、鍼灸学校の新卒者を待っている、

「多くはないが、まあまあまともな給料をくれる」

就職先といったら、いわゆる鍼灸整骨院や、整形外科のリハビリ室、あるいはサウナやスポーツジムでのマッサージ室や、街なかのマッサージ屋さんなどです。

 

そこでの業務の大半は、客の満足度のみが優先される、医学的な裏付けのまったくない、慰安的なマッサージと、低周波治療などの電気治療の機械の

”スイッチを入れる係”

です。(苦笑)

 

昔から業界ではこれを揶揄して、というか皮肉気味に”スイッチマン”とか呼んでおります。(笑)

 

3年間勉強して、500万円学費を払った結果が、1日中、低周波治療器のスイッチを只管入れる業務だなんて、実に悲哀、という感想を持つ人が多いようですね。

 

実は、かつて僕も、学生の頃、バイトで”スイッチマン”をやっていたことがあります。(笑)

 

・・・まあ、”実に悲哀”と思う人の心境は、よく理解出来ましたね。(爆)

 

あと最近では、清明院も例外ではないですが、医師に同意書を書いてもらって、健康保険を用いた、


”訪問マッサージの業者”


というものが乱立し始めております。

 

 

最近ではいわゆる「大手」と言われるような、大きい資本力を持った会社も、この事業に乗り出してきており、我々のような、「吹けば飛ぶような」個人事業の延長でやっているところは、もはや風前の灯火です。(苦笑)

 

ここでの業務も、ほぼほぼ、マッサージのみですな。

 

(清明院の患者さんはほとんどが鍼併用か鍼のみですが。)

 

これについてのややディープな話は、以前書きました。


「訪問鍼灸マッサージ」の現実 その5 参照

 


まあこれらの諸業者の業務内容に、キチッとした医学理論的な裏付けがあるか、あるいは単なる慰安的、マニュアル的なマッサージを、漫然とやらされるのかは、

 

業者によって違うでしょうが、後者がほとんどではないでしょうか。

 

これらの現実問題を踏まえると、

1.毎日患者さん(お客さんではなく)を触りながら、

2.ある程度生活していける給料をもらいながら、

3.夢に向かっての勉強は勉強でキチッと自分で続けて、

4.一症例一症例、自分でキチッと東洋医学的に考えて、結果を出す訓練をする

この1.~4.をコツコツコツコツ、5年から10年ぐらい継続できた人間が、立派に

「東洋医学的な鍼灸治療を行う鍼灸院の院長」

になれるのでしょう。

 

ただ、このパターンは現実路線。

 


僕がやってきた、非常に堅実で確実な、現実路線です。

 

これをやったにも拘らず、鍼で治せない、飯が食えない、という人は、よっぽどセンスがない(向いてない)か、他に(例えば人格的に、とか)何か大きな問題があるのでしょう。

 


しかし、これ以外のパターンも、いくつかあります。

 

その話を次回、いきましょう。

 

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東洋医学をやっている鍼灸院の求人がほとんどないメカニズム

2015.02.12

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清明院、相変わらず忙しいので、猫の手も借りたいです。。。

 

・・・という訳で最近、時期的なものもあってか、求人の面接を連日のようにやっております。

 


そこでよく耳にするのが、

「学校で東洋医学を教わって、あるいは受けて、あるいは本を読んで、すごく興味を持った。やってみたいと思った。

でも、実際に求人票を見てみると、東洋医学をやっている鍼灸院からの求人はほぼ皆無。あっても時給が安すぎる、

場所が遠すぎる。」

というご意見。(笑)

 

これは、私が学生であった15年前と、まったく変わりませんね。

 


自分は東洋医学が早く実践したくて、教わりたくてウズウズしているのに、それを教えてくれて、やらせてくれる職場なんて、ほとんどないのが現状でした。

 

これはー、今後も変わらんでしょうな。

 

 

これ、嘆かわしいようだけど、今では僕は「当たり前」だと思っています。

 

 


教わりたければ自分でお金を払って勉強会に行けばいいし、実践したければ自分の親、兄弟、親戚、友人、恋人などなど、片っ端から患者にしてしまえばいいのです。


(もちろん、”患者”ではなく”献体”ですから、お金なんかとらずに。)

 

少なくとも僕は鍼灸学校の1年生の時から「毎日」それをやってきました。

 


このブログにも、何度も書いているけど、ただ漫然と通って、鍼灸学校を出ただけでは、東洋医学の素人に「すら」なれません。

 


じゃあ、そこら辺の中国人や台湾人や韓国人の無資格の人たちがやっているような、当たり障りのない、医学的な裏付けのない、慰安的なマッサージぐらいならできるかというと、それすら出来ません。

 


ただ単純に触って硬いところとか冷えてるところを


「押す」「揉む」「さする」

ということすらが、です。

 

驚くべきことに。

 


3年間という膨大な時間と、約500万円という、莫大な学費を払って、です。

 

新卒者のほとんどは、「国家資格」とかいう、患者の前ではさして役にも立たない、紙っぺら一枚持っただけの、白衣を着た”ただの人”だと思います。

 

とても”お金の取れる”マッサージなんて出来ないし、ましてや、そこらの整骨院でやっているような、一般的な肩凝り腰痛膝痛に対する、

 

局所的な「筋緊張緩和のための」鍼灸すら、「まったく」と言っていいほどできません。

 


開業前の職場で、人事を任されていた時から考えて、この15年以上、多くの鍼灸学校の新卒の子の面接をしたり、雇用してきた経験から、「実感として」そう思いますね、悪いけど。

 

 


東洋医学を真摯にやっている鍼灸院の先生というのは、鍼灸という道具がいかなるものか、よく分かっています。


(少なくとも僕の知己は。)

 

ですので、そんな素人以下の人間に、自分のところの大事な大事な患者さんに、軽々に鍼なんて打たせられるわけがありませんし、時間に余裕があれば教えるのは構わないけど、

 

それを目的に出勤されても、逆にこっちがお金をもらいたいぐらいです。(笑)

 

そんなワケで、東洋医学的な鍼灸治療を懇切丁寧に教えてくれて、やらせてくれて、しかも普通に給料がもらえるような、夢みたいな現場なんてのは、存在しないんです。

 

「当たり前」ながら。

 


長くなったんで続く

 

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仏教医学のターミナル・ケア その2

2013.11.04

DSC_0452

 

 


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前回のお話。

 


仏教医学のターミナル・ケア
 参照

 


では、続きいきます。

 

前回、『看病用心鈔』という本を紹介しました。

 


この本が著された時代は、鎌倉新興仏教が続々と誕生していた時代、つまり、日本史の教科書でお馴染み、

 

法然が浄土宗、栄西が臨済宗、親鸞が浄土真宗、道元が曹洞宗、日蓮が日蓮宗、一遍が時宗

 

を、それぞれ開いた時代でした。

 

(中学時代、覚えるの苦痛だった~~)

 

その時代に、浄土宗の第3祖である良忠という人物が書いたのが『看病用心鈔』です。

 

そこには、これから臨終を迎える人に対して、どのような環境を整えるのがよいか、どのように看病していったらよいかが、具体的に書かれております。

 

興味深いものをいくつか挙げてみると、

1.3人、末期では5人程度の”看病人”で看病しなさい。

2.看病人以外、特に妻子や身内は絶対に近づけないこと。

3.祈祷の禁止

4.遺書を書かせない

5.食べたいものは何かなどと聞いてはいけない

6.病人が見た夢の内容を必ず申告させる

7.ひたすら念仏を唱えさせる

8.病人を正しく導く
(心から回復を願って看病していることを理解させる、善悪の判断を正確にできるようにする、世の中や誰かを恨んだり、怒ったりしないこと)

などなど、とあります。

 


要するに、臨終を前にして、病人の心を乱さないように乱さないように、細心の注意を払え、ということです。

 


また、念仏で心が安定するかどうかは、現代人には分かりにくい感覚だと思いますが、この時代では非常に意味があったのだと思います。

 


庶民にとって、”簡単で単純な行”という意味で。

 

 

2.はちょっと意外ですよね。

 

最後の時に妻子が近くにいると、心が乱れるんでしょうかね。。。

 

・・・ん~、人によるような。(笑)

 

3.5.8.あたりは、非常に納得できます。

 


こういうことやりだすと、病人の心はかき乱され、かえって病状は悪化するというケースが、現実によくあると思います。

 


いつの時代も、「最後、どう死ぬか。」というのは、人間一人一人の大きなテーマだったはずです。

 

鎌倉時代は戦乱が各地で起こって、人心が不安な時代だったことでしょう。

 

だから多くの新興仏教を生んだ、とも考えられます。

 

そういう中で、病にかかり、それが不治であると分かった時、どうしたら安寧に極楽に逝けるか、そういう強い要望から生まれたのがこの本です。

参考にする価値があると思います。

 

 

◆参考文献

 

出帆新社『やさしい仏教医学』杉田暉道

 

 

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一石三鳥も四鳥も狙う

2013.10.18

清明院では現在、スタッフを急募しております!!

ぜひ我々とともに、切磋琢磨しましょう!!詳細はこちら。

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清明院の治療は、ほぼ100%一本鍼です。

(さらに…)

戦争映画

2013.08.21

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最近、立て続けに3本、話題の映画を観ました。

(さらに…)

「鍼灸師って儲かってますよねー」

2013.08.18

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最近言われた一言。

みんなよくもまあ、こうやって人の職業に関して、勝手な印象をズケズケというものだ、と思う。(苦笑)


この人は、初めて会った人だった。


職業は何かと問われたので、

「鍼灸師です。」

と答えると、

「あー、じゃあ俺の妹と一緒だ!」

とか言われて、僕から”いやいや、知らねーよ”という間もなく(苦笑)、

「鍼灸師って、儲かってますよねー。」

とのこと。。。

・・・で、僕がすかさず、

「・・・それは、鍼灸師というか、妹さんが、でしょ?」

と問い返すと、

「あ・・・、ええ、まあ。」

と、気まずそうにしていました。(爆)



僕も今でこそ、やっとやっとですが、ご飯が食べられるようになりましたが、田舎から出てきて、病院でバイトしていた頃なんて、今の時代にこんな厳しい現実があり得るのか、

 

と思うくらい、ひもじい生活をしていました。


バイト帰りにパン屋さんでパンの耳をもらい、それを古ーい油で揚げて、砂糖をふって食う生活をしていました。(笑)


体重も今より10kg以上少なかったし、栄養失調だったのか、しょっちゅうフラフラしていました。

でも眼だけはギラギラ、まさに苦学生です。

そういう、鍼灸師人生の、下~の下~の方にいた時の努力とかが、

「鍼灸師って儲かってますよねー。」

という一言で、まるで無かったことにされたような気になります。

鍼灸師に限らず、何の職業でも、それなりになるには、それなりの努力が必要ですし、鍼灸師の中にだって、大金持ちもいれば貧乏人もいます。

そういうことを考えて喋ろうよ、と思いますね。

まああと、それでも職業別でお金のことを言えというなら、鍼灸師という職業は、税務署から見たら、非常に低収入の部類の職種なんじゃないでしょうか。。。

そういうのって、何かを調べれば出るのかもしれないけれど、あまりにも興味がないので、正直どーでもいいです。

お金はないよりはあった方がいいというのは、その人がその人の人生の中で色々好きなことをやるという目的達成のための手段の一つだからなわけであって、

ここでも手段と目的を混同してしまうと、とんでもなくつまらない人生になりかねないと思います。

僕の夢も日常も、鍼による病治し、最高の鍼灸の追求ですから、お金の問題なんかは二の次であって、そんなことよりも、今日、どんだけイケてる鍼が打てたか、が大事なんです。

ふっ。


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入学式!!

2013.04.07

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毎年この時期は、入学式シーズンです。

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