東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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糖尿病と東洋医学 3

2017.06.10

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これまでのお話

 

糖尿病と東洋医学

糖尿病と東洋医学 2  参照

 

 

◆消渇の病因病機

 

 

上海科学技術出版社『実用中医内科学』によると、消渇の病因病機は以下の通り。

 

1.飲食不節→邪熱→津液を損耗

 

2.情志の失調→鬱火→津液を損耗

 

3.先天的に五臓が虚弱

 

4.房事過多で腎陰を損耗

 

5.温燥の薬物を過服して、津液を損耗

 

の5つが挙げられています。

 

 

総じて、最終的に「津液が減ってしまうこと」に、この病の本質があると考えられてるようです。

 

 

このうち、5.の、薬物に原因のある消渇については、あまり言われていないが、個人的には多いのではないかと思っています。

 

 

よく最近の健康ブームでは

 

「冷えこそ害悪」

 

として、とにかく温めることが重要だと謳い、結果的に盲目的に温性の食品やサプリメントを過服、久服しているケースが多いように思います。

 

 

東洋医学では、冷えにも細かい分類があり、

 

「気の停滞」

 

 

「邪熱の内攻」

 

によって、見かけ上の冷えが起こることを知らないといけません。

 

 

また、1.の飲食にしても、2.の対人ストレスにしても、4.の性生活にしても、現状の間違った生活に、

 

「何かを足す」

 

のではなく、

 

「間引く」「減らす」

 

ことの方が有効な場合があることを知った方が良いと思います。

 

 

さらに、この病気は症状が出て気付いたときにはもう手遅れ、というケースもあり、消渇病になってから慌てたのでは遅い、ということを、よくよく知っておくべきだと思います。

 

 

 

続く

 

 

 

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ルイボスティーと東洋医学

2017.06.07

20170306_214728.jpg

 

↑↑ダム好きなんだよねー。進撃の巨人的世界観。

 

 

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今日、患者さんに問われました。

 

「ルイボスティー飲んでもいいですか?」

 

と。

 

 

アフリカ原産のマメ科植物、ルイボスの葉を使うルイボスティーは、紅茶の代用品なんだそうで、ネット上にあるいくつかのサイトを見てみると、

 

抗炎症作用があり、不妊、便秘、冷え性、むくみ、ダイエット、美肌などなど、とてもたくさんの効能が謳ってあります。

 

(どれも、健康に敏感なアラサー女子が飛びつきそうなものばかりですな。。。)

 

 

で、ルイボスの葉っぱを乾燥させたものを煎じてお茶にして飲む、という訳だそうです。

 

 

何でもこのお茶はアフリカでは「奇跡のお茶」と呼ばれているんだとか。(゚∀゚)

 

 

・・・こういうのね、たまに聞かれます。

 

 

患者さんに聞かれると、その食品にどういう作用があるかについては、『東方栄養新書』『東方養生新書』『東洋医学で食養生』あたりを中心に、

 

清明院に10冊ほどある食養生の本から探したりするのですが、ルイボスティーについては見つかりませんでした。

 

(まあ”最近話題”っていうくらいで、最近になってから日本のメディアで紹介されたのでしょう。)

 

 

・・・で、うちの蔵書になければ、仕方なくネットの情報から探す訳ですが、僕と同じようなことを考えている人が何人かいました。

 

(因みに、ネットでも無理な場合は最終的にS先生に聞きます。(笑))

 

 

まあたいがい、アフリカなどの暑い国で採れるものというのは、人体の熱を取る作用があるものが多いです。

 

 

結果的に気の巡りが良くなったり、浮腫みがとれることもあるでしょう。

 

 

こう考えると、東洋医学的には実熱型、湿熱型の人には、”過度にならなければ”いいのかもしれません。

 

 

で、反対に陽虚型、虚寒型の人が過度に飲めばよくない、と考えること出来ます。

 

 

ただ、昔から「身土不二」という言葉があるように、上記のように、体に籠った熱が取りたいとか、気血の巡りをよくしたいとか、浮腫みを取りたいとか言うなら、

 

わざわざアフリカ原産のものをとらんでも、毎日ガブガブ飲んでる水分の量減らして、軽い運動して、その辺の八百屋で売ってるキュウリでも食っときゃいんじゃないすかね。(゚∀゚)

 

 

横文字とか、ド派手な広告をありがたがるのは、そろそろヤメにしませんかね。

 

 

 

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「ヨガ教室行ってもいいですか?」

2017.04.10

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最近多い、ヨガ教室に通っている、あるいは通っていいですか?と仰る患者さん。

 

 

ピラティスもしかりですな。

 

 

若い女性に多い。

 

 

ヨガ教室に行ったら〇〇が治ったんです、とか、〇〇が悪化したんです、とか、我々の臨床では非常によくある話です。

 

 

現代人は、毎日長時間、PCの前で座っている仕事が多いです。

 

 

 

そうすると、からだがなまって、気血が欝滞し、色々な症状が出て来ます。

 

 

腰痛、肩こり、頭痛、眼精疲労、冷え性、浮腫み、生理痛、ヒドイものになると精神疾患や腫瘍などなど。。。

 

 

これを解決する健全な方法が「運動」です。

 

 

そこで、美しい芸能人やモデルもやってる、スタイリッシュな「YOGA教室」という選択肢に、若い女性が殺到する、という、実に分かりやすい構図です。

 

 

ところが、何でもそうですが、「体にいいこと」というのは、やり方を間違えると、両刃の剣となります。

 

 

「YOGA」を始めてから何かが悪化した、という人は、僕らの日常の臨床の中で、意外といます。

 

 

・・・ということは、「YOGAやピラティスの”正しい”運用」というのが大事、ということですね。

 

 

では、正しい「YOGA」とは一体何なのか。

 

 

「YOGA」に関しては、私は門外漢ですが、鍼灸医学のプロの端くれとして、ここらで分かる範囲でまとめておき、考えてみたいと思います。

 

 

そして何気ないこの問題から、少々深い部分にも入ってみたいと思います。

 

 

 

 

まず、「YOGA」の意味と歴史から。

 

 

「YOGA」というのは、サンスクリット語で「繋ぐ」とか、「繋がり」、「統治する」という意味だそうです。

 

 

山下博司『ヨーガの思想』講談社選書メチエ によれば、もともとの語源は「ユジュ」(牛や馬と車をつなぐ軛(くびき))が語源で、

 

色々な解釈があるようですが、「絶対者との結合」「自己との結合」というような意味を持っているそうです。

 

 

歴史的には、約5000年以上前の古代インド(インダス文明)に発した伝統的な宗教的行法と言われますが、これも専門的にはなかなか難しい問題を含むようで、

 

正確に確定するのは困難なようです。

 

 

佐保田鶴治『ヨーガの宗教理念』によれば、本来の「YOGA」は古代インドの諸宗教(バラモン教、ヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教など)と密接に結びついており、

 

輪廻転生(生まれ変わり)の世界から、悟りの世界へ解脱することを目的として行われるものだそうです。

 

 

岩波の『仏教辞典 第二版』によれば、仏教でも、ヨガは基本的修行法として尊重されてきたようです。

 

 

現代で世界的に流行している、身体的ポーズ(アーサナ)を強調した、いわゆるフィットネスとしてのヨガは、本来の意味からすると非常に部分的であり、

 

本来の意味とはかけ離れていると思います。

 

(もちろん良い悪いは別として、です。当然ながら、いい面はあります。)

 

 

長くなりそうなんで、続く☆

 

 

 

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証を絞り込む、経過を追う。

2017.02.27

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重症になればなるほど、長患いになればなるほど、

 

「あっちもこっちも悪い患者さん」

 

というのが存在します。

 

 

専門用語で言えば、いくつかの臓腑経絡が、重層的に病的な状態になっており、虚もあり実もあり、冷えもあり熱もあり・・・、というような、錯綜した状況です。

 

 

パッと聞き、そういう症例は「弁証論治派」泣かせかもしれませんが、実はそんなことは全然ないです。

 

 

むしろこういうものをキチッと整理できるのが、弁証論治という方法論の良さじゃないでしょうか。

 

 

この場合に、

 

「まず現時点では何から狙うか」

 

明確にして治療に入るのがいいと思います。

 

(特に初心者~中級者。)

 

 

ここで、患者さんにも、

 

「あなたの場合、色々と治療しないといけないところがあるのですが、まずは〇〇からやりましょう。」

 

という感じで、きちんと説明するといいと思います。

 

 

その方が理解、納得を得やすい。

 

 

そうして、患者さんが「なんじゃかんじゃ」言っていたとしても、冷静に一貫性のある治療を進めていくと、病体が、治療に反応して動きを見せます。

 

 

その動き、変化から、次なる優先順位だったり、より正確な病因病理の像が明確になります。

 

 

そうやって、経過を追いながら、病因病理と証を的確に整理していくこともできると思います。

 

 

 

あてずっぽうとか、場当たりとか、欲張りとかは、やっぱダメですね。

 

 

 

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7月(一社)北辰会スタンダードコース東京会場

2016.07.19

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 7.17の日曜日は、五反田で行われた(一社)北辰会スタンダードコース東京会場に行ってきました!!

 

 

今回も、午前中は実技訓練です。

 

 

今回のテーマは「原穴診・井穴診」。

 

 

『体表観察学』の中でも、重要かつ、意外と出来てない人の多い診察法だと思います。

 

 

今回は臨床クラスの先生方の指導を一班、担当させていただきました。

 

 

開業されている先生方もおり、皆さんタッチが御上手で、非常にやりやすかったですね。

 

 

細かいニュアンスに関しても、実に話が早い。

 

 

途中から藤本新風先生も参加して下さり、非常に盛り上がったと思います。

 

 

午後は先日本部で発表した坂井祐太先生の症例

 

「手足の冷え、月経異常」

 

を使って、藤本新風先生による非常にキメの細かいカルテ解説を行っていただきました。

 

 

本部に比べて、関東支部の方は相対的に初心者、初学者が多いです。

 

 

ですので、北辰会がなぜ問診でこういったことを聴くのか、問診と体表観察で得られた情報を、どのように位置付けているのか、

 

自分の知識の足りていない部分はどこなのか、よく理解出来たんじゃないかと思います。

 

 

そして終わった後は酒。。。

 

 

今回は随分遅くまで飲んでましたが、自汗は一瞬にして過ぎ去りましたね。

 

 

とても良い週末。

 

 

 

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「三陰三陽」という考え方 5

2015.11.20

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これまでのお話

「三陰三陽」という考え方 1

「三陰三陽」という考え方 2

「三陰三陽」という考え方 3

「三陰三陽」という考え方 4  参照

 

 

では続きいきます!

 

 

ここまで、手足の三陰三陽経と、五臓六腑との関わり(仮説も含めて)を説明してきました。

 

今日はまた別の角度から考えてみたいと思います。

 

手足の経絡にはそれぞれ、「三陰三陽」の名前が付いています。

 

どういうことかというと、以下の通り。

手の大腸経、足の胃経・・・陽明経(ようめいけい)

手の三焦経、足の胆経・・・少陽経(しょうようけい)

手の小腸経、足の膀胱経・・・太陽経(たいようけい)

手の肺経、足の脾経・・・太陰経(たいいんけい)

手の心包経、足の肝経・・・厥陰経(けついんけい)

手の心経、足の腎経・・・少陰経(しょういんけい)

とまあこのように、手の経絡と足の経絡を一つづつまとめて一対にし、それぞれに名前が付けられています。

 

この、”陽明”だの”少陽”だのという名前は、もちろん『黄帝内経』にて定義されたのですが、どういう意味かと言うと、一つには

「その経絡の陽気や陰気の多寡」

を示すんだそうです。

 

少陽経と太陽経といったら、何となく太陽経の方が陽気が多そう、というのは、字からしてすぐ分かりますね。

 

少陰経と太陰経もしかりですね。

 

では、陽明経というのはいったい何なんでしょう。

 

これは、太陽経よりもさらに陽気が多く、いよいよ明るい、という意味なんだそうです。

 

では、厥陰経というのはいったい何なんでしょう。

 

これは、太陰、少陰と陰気が少なくなってきて、いよいよ尽きるように少ない、という意味なんだそうです。

 

(厥には”厥(つ)きる”という意味があるそうです。)

 

でもまあ、本当に尽きてしまっては死んでしまいますから、あくまでも生きている人間の中における、相対的な陰気の少なさを示すのが、この呼び名なんだそうです。

 

そして、この6つの呼び名を「六経(りっけい)」と呼びまして、これが後代の有名な『傷寒論』「六経弁証」という考え方に繋がっていきます。

 

『傷寒論』というのは、「傷寒」というぐらいですから、超簡単に言えば”寒邪(冷えの邪気)”にやられ、色々な症状を呈しながら、

最終的には死んでしまうところまでの病気の流れ(各ステージ)について、病の起承転結を詳細に詳細に説明した本です。

『傷寒論(しょうかんろん)』という本 参照

 


ですから当然、経絡それぞれの陽気や陰気の多寡に応じて、寒邪に侵襲された場合に出てくる症状や所見が、それぞれの経(位置)によって違うのです。

 

続く

 

 

 

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患者さんの声(30代男性 多発性円形脱毛症)

2015.10.11

清明院では現在、スタッフを急募しております!!

ぜひ我々とともに、切磋琢磨しましょう!!詳細はこちら!

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「患者さんの声」をいただきましたので紹介します。

(さらに…)

「尺膚診」について 6

2015.09.14

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これまでのお話

 


「尺膚診(しゃくふしん)」について 
「尺膚診」について 2                     
「尺膚診」について 3          
「尺膚診」について 4

「尺膚診」について 5       参照

 

では続きいきます!

 

 

◆『黄帝内経霊枢』論疾診尺篇(74)における尺膚診の記載

 


黄帝内経には、それ以外にもまだ尺膚診に関する記載があります。

 

霊枢の中の”論疾診尺篇(ろんしつしんしゃくへん)”というところにも、尺膚診の記載があります。

 


まあここが一番、尺膚診について集中的に述べている篇、と言っていいでしょう。

 


まさにタイトル通り、疾病と尺(前腕部分の皮膚の状態)との関わりを論じた篇です。

 


黄帝内経の中の、尺膚診についての記載は、ここにしか書かれてないと思ってない人もいるぐらいです。(笑)

 


ここに、

 

黄帝が岐伯(医師)に問いました。

「色を望診したり、脈診せずに、尺膚診だけで診断し、外から内を知るにはどうすればいいの?」

岐伯が答えて、

「その尺の緩急小大滑渋と肉の堅脆を細かく見極めれば、診断できますよ。」

 

と、いきなり冒頭に出てきて、そこからさらに、

 

尺の膚が滑で、光沢があるのは風です。

尺の肉が弱は、解㑊の病です。

 

尺の膚が滑で油のようにつややかなものは風なり。

 

 尺の膚が渋は、血虚の風痺病です。

 

 尺の膚が粗く、魚の干物の鱗のようなものは溢飮(水の停滞)の病です。

 

 尺の膚の熱が甚しく、脈が盛大で落ち着きがないのは温病です。

尺の膚が寒、其の脈が小なものは下痢で気虚です。

 

 尺の膚が燃えるような熱で、先に発熱して後に冷えるのは往来寒熱です。

 

 尺の膚が先に冷えていて、しばらくして熱感を感じるのも往来寒熱です。

 

肘の所のみ熱があるのは腰より上に熱がある。

 

手の所のみ熱があるのは腰より下に熱がある。

 

肘の前(内側)のみ熱があるのは胸の前に熱がある。

 

 肘の後(外側)のみ熱があるのは肩背に熱がある。

 

 前腕の内側のみ熱があるのは腰腹に熱がある。

 

 肘頭より下の三から四寸に熱があるのは、腸中に虫がある。

 

 掌中に熱があるのは腹中に熱がある。

掌中に冷えがあるのは腹中に冷えがある。

 

 母子球に青い毛細血管が有るのは胃中に冷えがある。

 

 尺が燃えるように熱く、人迎(頚動脈の拍動)が大は、多量の出血。

 

 尺が堅で大、脈が甚しく小さいものは、気虚であり、これに煩悶が加われば死ぬ場合がある。

 

と続きます。

(なげえー(@_@))

 

・・・まあ要は、前腕の皮膚を見るだけで、これだけ色々なことが分かるわけです。

 


古代人の大いなる知恵だと思います。

 

なお、この篇で括目するべきは、前腕の皮膚の異常(特に寒熱)と、体幹部の異常を対応させて診ているところです。

 

前腕で全身を診る、という時に、深さ(深浅)だけでなく、高さ(高低)も意識している、というのがポイントであります。

 

深さも陰陽、高さも陰陽であります。

 



続く

 

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「四逆散」というお薬 11

2015.06.18

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これまでのお話

 


「四逆散」というお薬
「四逆散」というお薬 2  
「四逆散」というお薬 3
「四逆散」というお薬 4
「四逆散」というお薬 5
「四逆散」というお薬 6
「四逆散」というお薬 7
「四逆散」というお薬 8 
「四逆散」というお薬 9    
「四逆散」というお薬 10
      参照

 

 

ではそろそろまとめましょう!!

 

いやー、ちょっと書いていったら、楽しくなってきちゃって、長くなっちゃいました。

 


だけどまだ、四逆散の構成生薬一つ一つの解説もやってないし、近い処方との比較論もやってないので、書こうと思えば、四逆散というテーマで、

まだまだ全然書けますが、キリがないのでいったん終わります。

 


最初は1、2話でサラッと終わろうと思ったんですが、書いているうちに、つい”ZONE”に入っちゃいましたね。(笑)

 

・・・しかし、みんなスゴイでしょ、歴代医家の先生方。

 


四逆散という、たった一つの方剤でも、こんなに色んな見方、考え方、見解があるんですよ。

 


そしてこれは、鍼灸で考えた場合、経穴なんかでもそうなんです。

 


いちいち、非常に奥が深い。(苦笑)

 


じゃあ、みんな言う事がテンデンバラバラで、東洋医学には定説はなく、勉強、実践のしようがないかと言うと、それは違います。

 


一定の基本のもとに、みんな色々な個人的な意見を述べているのです。

 


 

まあともかく、こういう、気合いの入った先輩たちの本を読むと、ワクワクしますし、ありがたい気持ちになったり、非常に良いフィーリングを得ることが出来ますね。

 

また、このブログをチョイチョイ読んで下さっており、漢方薬の記事に関してアドバイスを下さる、大阪の廣田漢方堂廣田雲洲先生が、

ブログで、中国の文献に書いてある見解なんかも補足してくれていますので、専門家の方はぜひご覧ください。

四逆散についての考察  参照

 


・・・まあ、先生の考察をまとめると、四逆散というお薬は、四肢が冷える症状がメインなんですが、陽気が無くなって起こる冷えではなくて、

気が停滞して、その結果として起こった冷えなんだ、ということです。

 


で、その考えをもとに、実際に四逆散を患者さんに使ってみての、生薬の加減の仕方とか、臨床上の印象なんかは、漢方家の専売特許部分ですから、

餅は餅屋で、そちらにお任せするとして、鍼灸家として、参考にすべきと思うのは、簡単に言えばまずは

「冷えは陽気の虚ばかりではない。」

という、大枠としての教訓と、より細かい話としては、

「四逆散」というお薬 5 の奥田先生の見解や、

「四逆散」というお薬 7 で出てきた荒木先生の見解や、

「四逆散」というお薬 10 で出てきた内藤先生の教訓なんかが、非常に参考になりますねえ、個人的には。

 

この、大枠としての教訓も結構重要で、

「冷えが陽気の虚である。」

という、間違った決めつけが、現代でも、様々な不調を全て”冷え”のせいにして、あたかも、生姜紅茶などの温性の食品や飲料を積極的に摂れば、

何でも治るかのような誇大広告を打つ悪徳業者と、それに騙されて、実際にヒドイ目に会う患者さんに、繋がっている面があるのです。

温まらない足が意味するもの 参照

 


・・・まああと、上記の3先生のご見解を加味して四逆散証を考えますと、鍼灸で考えた場合、使用する経穴や、その経穴に対するアプローチ法に大きく関わってきます。

 

それ以外の、大塚先生や矢数先生や藤平先生の言うような、腹診の問題は、我々鍼灸家は常々意識しておりますのでね。

 


・・・で、こういうことをコツコツと踏まえていくと、何気なく右の後渓に一本鍼して、

「これは四逆散の効果を狙っています。」

と仰る、蓮風先生の実技披露の見え方が、変わってくるのです。

 

普段自分が何気なく打っている一本の鍼の意味、意識の置き方が、変わってくるのです。

 

であるからして、こういう勉強を重ねる価値があるのです。

 

おわり

 

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「四逆散」というお薬 6

2015.06.13

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これまでのお話

 


「四逆散」というお薬

「四逆散」というお薬 2  
「四逆散」というお薬 3

「四逆散」というお薬 4
「四逆散」というお薬 5    参照

 

 

さて今日も、四逆散に関する、別の先生のご意見。

 


今日は矢数道明(やかずどうめい 1905-2002)先生です。

この先生も、大塚敬節先生奥田謙蔵先生と並んで、1905-2002の、実に96年間を生きた、近代を代表する漢方家の一人です。

 

亡くなる前年の、95歳まで外来診療を続けておられたことは有名です。

(スゲエ!!(;゚Д゚))

 

この先生の診療所(温知堂)は清明院のすぐ近く、新宿にあり、現在もご遺族によって引き継がれております。

 

この先生の師匠である森道伯先生(1867-1931)も、後世派の一派である一貫堂医学の創設者として、たいへん有名です。

 

この森先生も素晴らしい先生なので、そのうち紹介したいと思います。

(みんな本当にスゴイので、紹介し始めたらキリがないですな。。。(苦笑))

 


 

まあともかく、矢数先生はその著書『漢方処方解説』の中で、

「四逆散は大柴胡湯と小柴胡湯の中間のものに用いる。」

と述べ、

「大柴胡湯よりも虚証で、熱状が少なく、肋骨下の緊張がやや弱く、小柴胡湯よりは少し実証で、お腹は肋骨下の緊張、腹直筋の緊張が中心で、

 

腹直筋の緊張は臍の周囲まで及び、手足のキンキンに冷えてる者や、癇の昂ぶる神経過敏症の者に用いる。」

と述べ、臓腑では

「肝の臓の実と、脾胃がやや虚。」

と述べ、たいへん応用範囲が広い薬であることを教えています。

 


まあ、矢数先生の解説の書き方としては、四逆散大柴胡湯の変方だと述べた、和田東郭先生浅田宗伯先生の見解を尊重しつつ、近代の湯本求真先生や龍野一雄先生の論を引いて、

 

大柴胡湯四逆散の使い分け方、とりわけ、腹診における見分け方に重きを置いた、解説の仕方をしております。

 


この観点も、また重要です。

 


大塚先生の見解に、少し補足を加えた、という感じですね。

「四逆散」というお薬 7  に続く

 

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