東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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〒151-0053東京都渋谷区代々木2-15-12クランツ南新宿601
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尿と熱

2013.01.27

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清明院では、初診の際に、尿の状況について、詳しくうかがう。

尿の色、臭い、泡立ち具合、残尿感、夜間尿の有無、回数などなど、出来るだけ詳しくうかがう。

尿というのは、その時の、その人の体の状態を示すバロメーターの、最たるものの一つ。

東洋医学以外では、チベットの伝統医学なんかでも、診断に使うそうだ。

診かたや考え方は違うが、西洋医学でも、尿の状態は極めて重要視する。

体に不調が起こっている時、この尿が何らかの異常を起こしていることが多い。

東洋医学では特に、「寒熱」「邪気の種類」などをよく示す。

全身の状態が冷えに傾いたら、小便の色は透明に近づき、薄くなる。

長時間寒いところにいて、体が冷えて来ると、尿意を感じ、小便を出すと、色の薄い尿が出て、少し体が温まるのを経験したことがある人はいるだろう。

外的環境に対応するため、体内の水を排出して、少しでも体を温める方向に傾けようとするのだ。

また、尿が出ることにより、これとは逆に、体に籠った余分な熱が排泄される場合がある。

アトピーや糖尿病など、キツイ熱がこもった、ある種の病の時、小便の出がよくなると、症状が好転することがある。

小便自体は水(水分)なのに、コレが出ることによって「熱」が排出される。

「汗」もそう。

詰まっている治療が、現状打破できるチャンス。


排尿の状況の意味ついて、よくよく考えるべきだ。

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消化管は体の外

2012.12.07

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清明院には、消化管に病気をお持ちの患者さんが多く見えます。

胃炎、腸炎、食道炎、ひどいものでは食道がん、胃癌、大腸癌、クローン病、安倍元総理で有名になった潰瘍性大腸炎など、実に様々な病気の方が見えております。

消化管と言えば、口から肛門までの長い道のりであり、食道、胃、小腸、大腸という、長い長い道のりです。

消化管の内側の粘膜は、いつも外界の刺激と接しているワケではありませんが、外界から取り込んだ飲食物は、消火液とごちゃごちゃに混ざっているとはいえ、

ある意味、そのままの形で粘膜に触れます。

そしてそこから、栄養分を吸収し、代謝し、血肉にする訳ですネ。

外界のものと触れる、という意味では、消化管粘膜は「体の外」であり、「皮膚」と似ています。

消化管の異常は皮膚との関連が深く、その逆もしかりです。

アトピーの方の胃腸が整ってくると、皮膚の症状がよくなる、便秘の人がよくなってくると、皮膚がキレイになってくる、これは日常よく見かける現象です。

まあ、「中から美容鍼灸」です。(笑)

鍼灸治療は、鍼や灸での「皮膚」を介した刺激で、身体の各部に影響を与え、全身を調整する治療、とも言えます。

漢方薬での治療は、「消化管粘膜」を介した刺激で、全身各所に影響を与え、調整する治療、とも言えます。

皮膚も、消化管も、深浅でいうと「浅」なんです。

東洋思想には「表を以て裏をうかがう」という大切な考え方があります。

表(浅)から、裏(深)を動かす。

裏を無理に触ろうとしないことの追求の究極が、もっとも裏を動かすのでしょう。


一番手前は、一番奥。

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冷えにも色々種類がある

2012.11.29

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「冷えは万病のもと」ということを言う人がいる。

別にこれには反対しない。

一面、当たっている部分もあるだろう。

ただ、

 

「それってどういう冷え?」

 

と聞きたい。

こういう、単純な見出しに反応し、妙に熱狂的に同調しやすいのは、世の常。

「冷えは万病のもと」と言ってしまうと、さも、温めることこそが全ての治療の根幹であり、もっと言えば、特定の手段で温めることにより、

 

万病が予防できる、という荒唐無稽な論理に繋がる。

(恐れがある。)

だから、温める性質のある食物をたくさん摂ろうとか、あの手この手で温めまくって、とか、そういう短絡的な発想の健康法が後を絶たない。

以前、現代の難病である”アトピー性皮膚炎”の患者さんに対して、あれを飲めば治る、これを食べれば治る、というような、


”アトピービジネス”

 

と揶揄されるような問題が起こったことがあります。

 

(今でも少なからずあるか。)

こういった、困っている人の弱みに付け込んで、興味を引くこと自体が目標になったような、誤ったシンプル化は、大変危険だと思います。

(手段の目的化なのか、そもそもの目的が患者さんの健康ではなく、お金なのか。。。)

もちろんそれでも、一定の成果を生む可能性もあるでしょうが、被害を生む可能性も高いと思います。

「温める」って、ナニで?どこを??どうやって??どういう人に???

・・・で、それがその人の体にとって、どういう作用をもたらすの??

 

それはどうやって検証、評価するの??

そもそも、そこでいう「冷え」の原因てナニ??

 

疑問が無数に頭に浮かんできます。

 


東洋医学では、自覚的、他覚的にどこかが冷える、ということは、その部位における

1.気の停滞

2.気の不足

です。

・・・で、1.2.ともに、患者さんによって、病気によって、無数に原因がありますし、それに対する適切な東洋医学的な鑑別法もあります。

こういうことを考えずに、ただやみくもに物理的に温めたり、温める食材を摂ってても、かえって弊害を起こす可能性は高いのです。

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「みちよかふぇ」!?

2012.11.28

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先日、北辰会の先生で、日ごろお世話になっている、大阪の橋本実千代先生が、先生の治療院である「実千代鍼灸院」の公式HPにて、

新たな連載コーナーを作ったとうかがいました!

(さらに…)

このブログに初めて訪れた方へ

2012.07.08

はじめまして。

東京都、新宿駅の近くで「清明院(せいめいいん)」という鍼灸院を営んでおります、竹下有(たけしたゆう)と申します。

このブログは、清明院を開業した2009年の10月から「ほぼ毎日」更新し続けているものです。

東洋医学、鍼灸医学のお話を中心に、日々感じる、様々なことを書いております。

現在、日本の国民の医療といえば「西洋医学」の独壇場です。

西洋医学が素晴らしい面はもちろんありますが、患者さんのことを考えた時、この現状は、偏っているように思えます。

一方、多くの日本国民の、東洋医学、鍼灸に対する認識はどうかというと、単なる慰安的行為の延長であったり、せいぜい雑多な健康法の一種として、認知されている程度ではないでしょうか。

そうではないのです。

私は、このことを、声を大にして世に訴えたいと、常々思っています。

東洋医学、鍼灸医学は、中国、韓国、日本を中心に、数千年もの間、病に苦しむ多くの人々に支持され続け、現在でも、現実の病に対して効果を上げ続けているものであります。

 

 

東アジアから、全世界に誇るべき、また守り、発展させるべき、れっきとした伝統医学、伝統医術であると、私は認識し、理解しています。

ですので、上記のような、現代の多くの日本国民の認識があるとすれば、それは間違っていると思います。

日本では、江戸時代の後期に蘭学が伝来する前までは、医療の主役は東洋医学、すなわち鍼灸と漢方薬でした。

蘭学が伝来する以前の医者には、なにも治せていなかったかというと、そんな筈はありません。

明治時代に入り、当時の政府の富国強兵政策のもと、日本は何でもかんでも、近代化という名の西洋化に舵を切りました。

この時に、国民の健康を守る、医師に関する法制度をも変えてしまい、なんと、

「西洋医学”のみ”を修めたものを医師とする。」

と定めてしまいました。

(明治7年(1874年)の政令通達)

これは、事実上の東洋医学廃止政策です。

これにより、それまで代々東洋医学をやっていた医師の家も、ほとんどが西洋医学に看板を掛け替え、以来、日本では西洋医学が主役となりました。

 

 

東洋医学は過去の遺物扱いとなってしまいました。

その、約150年前の日本国家が定めた基軸の延長線上にあるのが、現代日本の医療です。

明治初期の国内事情と、現代の国内事情はまったく違いますから、国民の生活状況も、かかる病気も、西洋医学に対する認識も、当時とはまったく違います。

アトピー性皮膚炎や、喘息、花粉症などのアレルギー疾患、また、三大成人病、あるいはうつ病に代表される精神疾患などなど、西洋医学の医療機関の治療で治らずに、さまよう病人は、むしろ増えている現状があります。

現代日本の医療は、今や明らかな制度疲労を起こしているようにみえます。

時代がどう変遷しようとも、いくら西洋医学が発展しようとも、「病気」「病人」に対する「東洋医学」そのものの価値は、本質的には全く失われません。

だから、基本からしっかりと東洋医学を学び、しっかりと経験を積んだ東洋医学の医者は、当然ながら、太古の昔からやってきたように、多くの病が治せるようになります。

中には、西洋医学が苦手とするような病気さえも、です。

そこにこそ、現代における、我々鍼灸師の、大きな存在意義があるのではないか、と思っております。

ブログ記事は、テーマごとにカテゴリーで分類してありますので、興味のあるものからお読みいただければ幸いです。

読者の方の、このブログとの出会いが、数千年の歴史を持つ、東洋医学の無限の可能性に気付かれるきっかけになることを、願ってやみません。

                              2012.7.8 大安吉日 清明院 院長 竹下有

 

 

 

 

※2020年1月、読者の方から有難いご指摘を頂き、一度更新をお休みし、本ブログの内容を点検し、見直すことといたしました。

 

再開までお時間を頂きますが、何卒宜しくお願い致します。

 

 

院長ブログに関してお知らせ 参照

 

 

 

 

「急則治標」の大事

2012.03.06

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こないだの北辰会の講義でも、少しお話させていただいた、「急則治標(きゅうそくちひょう)」のお話です。


この考え方は臨床上、大変重要です。


これは要するに、

「急(きゅう)なれば則(すなわ)ちその標(ひょう:現象)を治せ!」

といって、

「急性の重い症状があったら、まず根本治療よりも先に、その症状(現象)を治めなさい。」

という、当然といえば当然の教えです。


急性の症状というのは、患者さんにとって辛い事この上ないものです。


喘息の発作時、アトピー等で痒みがひどい時、急性の腹痛、痛風や癌等による激痛・・・。


あまりに激しい症状に、夜も眠れません。


これ(症状)を無視して、根本治療のみやってたら、確かに悪くはないけど、まわりくどすぎる場合があるのです。


そういう場合は、とにもかくにも、その症状を落ち着かせないことには、二の手も打てません。

こういう時の迅速、正確な判断力で、その臨床家の腕が試されるといっていいでしょう。


自分のこだわりや固定観念を捨てる必要がある場合もあります。

もしその症状が自分の技量を超えていて、お手上げだったら、すぐに救急車を呼ぶ、病院に行かせる、のは当然ですが、鍼灸を上手にやれば、劇的に症状を落ち着かせることが出来る場合があります。

むしろ、そういった急性期の時ほど、鍼灸の真価が分かる、とおっしゃる先生もいらっしゃるほどです。

日本で堂々とそれを主張しておられる先生は、僕が知る限り蓮風先生くらいしかいないのが現状ですが・・・。(苦笑)

最近、そういう症例にいくつか出会いました。


運良く、勝つことが出来ましたが、大変、いい汗かかせてもらいました。


夢中にやる中で、

「臨床は待ったナシだ!」

と、いつか先輩からいわれた言葉が、頭に浮かんでいました。

 

ありがたい、と思いました。

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治療が楽しい

2012.01.28


清明院では現在、スタッフを急募しております!!

ぜひ我々とともに、切磋琢磨しましょう!!詳細はこちら。

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本日も、多くの患者さんを診させていただきました。(感謝合掌)

(さらに…)

「疲労」によって籠った熱

2011.09.28

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半年ほど診ているアトピーの患者さん。

皮膚の方は、パッと見、まったくアトピーとは分からないぐらいに改善しています。

随伴症状としてあった、喘息の方も、薬を飲まなくてもいられるほどに改善。

今では、2週間に1回くらいのペースで、健康管理目的で来院されております。

そんな訳で、バリバリと仕事しておられるのはいいのですが、ここ最近、ちょっと気になる所見が・・・。

仕事で、睡眠時間や趣味の時間を削って働いて、へとへとになって来るわけですが、いつも、お腹の「とあるところ」に熱が籠っております。

ここに直接鍼をしますと、脈や舌の状態、本人の疲労感そのものなどが、非常によくなります。

人間には、主に発汗、排便、排尿という、強力な「余分な熱排出機構」が整っております。

それらの細かい仕組みは、これまでに五臓六腑シリーズに書いてきた通りです。

興味のある方は、右のカテゴリ一覧から、ぜひお読みください。(笑)

ハードな仕事で肉体的、精神的に「疲労」した結果、体内の「余分な熱」を排出する機構が徐々に徐々に機能不全に陥り、

結局は気の動きの「弱い部分」や「停滞している部分」に余分な熱が鬱積してくるのです。

これ、マメに取っとかないと、コワいんです。

東洋医学では、癌などの非常に頑固な病気を、このメカニズムで考えます。

何年、何十年もかけて鬱積した余分な熱が、他の「余分なもの(血とか水とか)」と結びついて、非常に頑固な塊になったモノ、

それがおおよそ西洋医学の言う「癌」というものだ、という考え方があります。

(もちろんこれが全てではありませんが。)

この患者さんは、そのことをよく分かって下さっていて、定期的に「疲労によって籠った熱」を取りに来ております。

上記の話は、東洋医学的な考え方で、毎回毎回患者さんの生活状況を聞いて、お腹を診ているから分かることだし、患者さん自身も実感できることなのです。

病院の診療体制への批判としてよく言われるように、電子カルテのPC画面ばかり見て、患者さんの顔すら見ない、検査数値ばかり気にして、

 

実際の患者さんの訴えには耳を貸さない、こういう医療の現実がまだまだまかり通っている日本の世の中で、こういう診方、考え方には非常に

 

「重い価値を置くべき」だと”僕は”思っています。

 

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(社)北辰会関東支部5月定例会

2011.05.23

昨日、5月22日の日曜日は、代々木オリンピックセンターで行われた、(社)北辰会関東支部定例会に参加してきました!!

今回はワタクシ、朝から2時間、講義させていただきました。

内容は、「奇経八脈総論」です。

本当は今年の3月にやる予定だった講義が、例の大震災で流れ、一時はお蔵入りになりかけたものの、ついにこのたび、日の目を見たワケであります!

前日の土曜日は、清明院自体が忙しかった上に、夜は関東支部の役員講師の先生方、役員講師候補の先生方で集まって、前日勉強会・・・。

そのあとちょこっと呑んで寝てからの、朝一講義だったので、朝から妙なハイテンション・・・。(笑)

2時間、ほとんど”テンション高め”に喋り通しでございました。

なんか、会場は節電対策中だからなのか、メチャクチャ暑く、窓を開けても風も入らず、ミストサウナの中で講義している感じで、

それがかえって僕のテンションを高める結果となりました。(笑)

悪条件は、かえって闘争本能を高めます。

好条件なら好条件で、それはそれで普通にテンション高いんです。

つまり、僕の場合、いずれにしてもテンションが高い、ということになります。(笑)

・・・まあ、この講義のテーマである「奇経八脈」というのは、大変内容が深く、まだまだしゃべり足りない感じもあるので、

どれぐらい皆様に伝わったか分かりませんが、まずはアンケートを楽しみにしたいと思います。

(・・・とか言って、まったく反響なかったりしてネ!(爆))

午後は実技指導、「胃の気の脈診(いのきのみゃくしん)」

ここでも、臨床コースをひと班担当させていただきました。

大変真面目な受講生の先生方で、私も指導しやすかったです。

最後は村上佳絵先生による症例レポート「アトピー性皮膚炎」でした。

言わずと知れた難しい病に、色々苦心しながらも、非常に真面目に、一生懸命治療している様子がよく分かる症例で、

最終的にはキッチリ結果も出しておられて、素晴らしかったと思います。

そして終了後はやっぱり酒・・・。

先輩方や後輩に、午前中の講義の感想を聞けて、非常にためになりました。

そんなワケで放電&アルコール充電で、有意義な週末。(笑)

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「肺」って何ですか?(その7)

2010.09.03

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これまでのお話・・・


「肺」って何ですか?(その1)

「肺」って何ですか?(その2)
「肺」って何ですか?(その3)
「肺」って何ですか?(その4)
「肺」って何ですか?(その5)
「肺」って何ですか?(その6)

 

☆「肺」と皮膚


今日はコレです。

コレもまあ、

「え!?なんで??肺と皮膚なんて、なんか関係あんの?」

と思う方もいらっしゃるんじゃないかと思います。

これは、東洋医学をちょっと知っているような人の間では、ポピュラーな話です。

東洋医学では、人体の皮膚表面(皮膚、汗腺、産毛、粘膜等まで含む)のことを「皮毛(ひもう)」と呼び、

”肺は皮毛をつかさどる”

という有名な言葉があります。

 

『黄帝内経素問』痿論(44)です。)

つまり、何らかの原因で「肺の臓」に異常を起こすと、この「皮毛」に異常が起こることを教えてくれています。

 

今日はこのことについて考えてみたいと思います。

 

まずこれには、「皮毛」の意味をサッと理解する必要があります。

 


・・・東洋医学のいう「皮毛」は、

1.外気温や、湿度などの複雑な陰陽変化に常にさらされ、それに対する防衛の最前線であり、

2.汗や分泌物を体外に出すことによって体温調節や解毒に一役買い、

3.粘膜においては、常に様々なばい菌や機械的刺激にさらされながらも、それに侵されないように体を守り(ここでも最前線)、

4.体の全ての器官(内臓、骨、筋肉etc…)を大外から「まるっ」と包みこみ、外界との境界線となる

部分のことです。

現代では、アトピー性皮膚炎など、この「皮毛」に慢性的に異常を起こす患者さんが非常に増加しています。

 

(2018年版日本皮膚科学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 参照)


コレの原因は当然、様々な原因が複合的に絡み合った結果だとは思いますが、東洋医学的に考えると、一つには、

”大気汚染による「肺の臓」の機能の低下”

も、大きく関与しているであろう、と思います。

 


新宿なんかに住んでますと、まったく、中国の古典にあるような「天空の清らかな気」を吸っている感覚がしません。(苦笑)

 

海の匂いのする伊東に生まれ、土の匂いのする群馬で育った僕には、それがよく分かります。

 


そもそも空気の悪いところで生まれ育った人に、皮膚の異常が増えるなんてのは、東洋医学的に考えたら”当たり前”ですね。

 

・・・ところで、最近はあまり言われなくなりましたが、

「皮膚呼吸」

なる言葉がありましたねえ?

 


現在でも、一部のサイトなんかでは、当たり前のようにこの言葉が登場し、それに基づいた施術の効能なんかが説明されています。(苦笑)

 

皮膚でガス交換(酸素と二酸化炭素の交換)を行うのは両生類(カエルさんたち!)とかです。

 


つまり、

「人間は皮膚で呼吸しているからうんぬん・・・。」

と主張することは、

「人間は卵を産むからうんぬん・・・。」

と言っているのと、ある意味同じことです。(苦笑)

 

・・・東洋医学の言う、「肺と皮毛」の関係というのは、こういうことを言っているんじゃありません。

 


コレを正しく理解するためには、「衛気(えき)」というものについて、「サッと」考える必要があります。


・・・これはちょっと長くなりそうなので、次回に続く。(笑)

 

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