東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 10

2015.02.01

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これまでのお話

精神の中枢は「脳」か「心の臓」か
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 2 
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 3  
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 4 
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 5  
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 6 
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 7  
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 8
 
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 9
     参照

 


では続きいきます!

 

ややあっちこっちに話がそれた感じがありますが、ここらで、このシリーズもいったん終わりましょう。

 


◆脳の鍼灸治療はどうやる??

 


ここまで、西洋医学、東洋医学における「脳」と「心の臓」のお話をツラツラとしてきました。

 

では実際に、東洋医学では脳の病気をどのようにとらえ、治療しているのでしょう。

 

1998年に出版された、

『中医脳病学』中国医薬科技出版 

という本があります。

 

ここには、中医学における脳に対する考え方が総論で述べられ、脳病の各種の症状、治療法が各論で述べられています。

 


因みに治療法では、主に漢方薬が記載され、鍼灸での治療はほとんど書かれていませんが、ここはまあ、処方名を鍼灸での治療に読み替えて、そこから鍼灸での治療を考えることが出来ます。

 

因みに脳の異常として代表的な「脳卒中」については、以前少しだけ書きました。


脳卒中と鍼灸 その7 参照

 

まあ東洋医学では、脳の異常で起こった様々な症状に対しても、ほかの病と同じように、その病の表裏寒熱虚実の傾き、五臓六腑のアンバランスの程度、

 

気血津液の状況、正気と邪気の状況、邪気の種類などに注意を払って、総合的に陰陽バランスを調整していく、というのが常套手段です。

 

別に脳の病気だからと言って、なにか魔法の杖や、特別な方法論がある訳ではありません。

 

ただ、その患者さんに起こっている現象が「脳の異常」によるものなのかどうかの判断と、そのメカニズムに対する理解は重要だと思います。

 

それを明確にした上で、治療を進め、治療の可否を厳密に判断せねばなりません。

 

 

 

それをするのに、道教の考え方は参考になる面があります。

 

 

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熱を取った後に陰を補う(素問刺熱論の”骶”について)

2014.11.17

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『黄帝内経素問』刺熱論(32)に面白いことが書いてある。

「熱病気穴、三椎下間、主胸中熱、四椎下間、主鬲中熱、五椎下間、主肝熱、六椎下間、主脾熱、七椎下間、主腎熱。栄在骶也。」


と。

この考え方にヒントを得た方法を応用して、北辰会では、あらゆる病に非常に高い臨床効果を上げております。

この文章は、背中の真ん中にある5つの経穴が、それぞれ色々な部位の”邪熱”を取ることに適している、という文章なんですが、僕的には、最後の

栄在骶也。

が気になります。


これには諸説あるようですが、

1.もっと深い所の熱を取るのには尾骶骨だぜ!(高士宗)

2.上で熱を取ったんだから、下をフォローするべきで、それは尾骶骨で出来るぜ!(張景岳)

なんだそうです。

「張景岳(ちょうけいがく)」という人物 参照

(高士宗もそのうち紹介します。)


両者の解釈は、補瀉という意味で逆です。

・・・さあ、高先生の説が正しいのか、張先生の説が正しいのか。

僕的には、文脈からしても、張先生に一票かな。

(高先生の説ももちろん一理あり、全否定する気はないですが。)

張先生の説の方が、臨床で応用効くし。

個人的にはこの刺熱論(32)、もっと言えばその前後の篇も合わせて、通評虚実論(28)~評熱病論(33)の説を、拡大解釈、臨床応用することが、

色々な重症の慢性疾患や難病の治療を考える上で、重要なんじゃないかと思っております。

 


(今のところ)

 

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腎の大事

2014.07.26

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五臓みんな大事。

 

東洋医学ではこれ(五臓)があらゆる生命活動の中心、主催者グループ、という立てつけになっている。

 


だから大事。

 

でも五臓それぞれ、その大事さが違う。

 

それは当然、受け持っている仕事が違うから。

 


 

腎の大事さはどうか。

 


ひとつには、腎は、背部の太陽膀胱経を支えている、ということ。

 


その太陽膀胱経上には、「五臓六腑の背部兪穴」という、超重要な経穴が並ぶ。

 


太陽膀胱経は、背部の広範囲(ほぼすべて)の気血の巡行に大きく関わる。

 


また、東洋医学の考え方では背骨に、五臓六腑はぶら下がっている。

 


背骨の周辺の気の流れも、太陽膀胱経が支配。

 


背部という、非常に臓腑と近い場所に、左右差や、寒熱虚実など、あらゆる異常を表現できるのは、太陽膀胱経の脈気あってこそだ。

 

で、それを支えているのが腎。

 

五臓六腑は、全て先天の精のバックボーンの下、仕事している。

 

 

先天腎の精気を前提として、後天脾胃を中心とした胃の気の働きによって生じた水(生理的津液)が、腎膀胱の排出再利用メカを通して、

 

結果的に五藏六府を正常に潤しているかどうかが、背部兪穴に現れる。

 

 


だから大事。

 

これが腎の重要性の、見逃せない、しかも見逃しがちな、ひとつ。

 

 

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直後効果がある病とない病

2014.07.13

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学生さんからチョコチョコ出る質問。

「先生はそれだけ長い時間問診して、体表観察して、証と病因病理を立てて、結果的に初診で全然効果がなかったときって、どうしているんですか?」

とか、

「こないだモデル患者さんを治療したら、全然患部の痛みに変化がなかったんですが、治療に失敗したんでしょうか。」

とか。

これらの質問は、治療後に患者さんが実感できる治療効果が出ないといけない、それが無かったらイコール鍼が効いていない、という前提に基づいた質問ですね。

確かに、初診時の直後効果は、患者さんに希望を持ってもらう上で重要です。

しかし、初診時に患者さんが希望を持つ要素というのは、患部の状態、症状の変化、それだけではない。

清明院には、癌の患者さん、糖尿病の患者さん、リウマチの患者さん、アトピーの患者さんなどなど、多くの重傷、難病、奇病の患者さんが、

”その病気そのものを東洋医学的に診立てて、鍼灸で治してほしい”

と訴えて、治療に見えます。

こういったすべての病気に対して、直後で明確な変化を出すのは困難です。

直後効果、直後効果と拘る前に、まずはその病気がどういう病気なのか、自分なりに診断する習慣をつけることが先です。

その場で痛みや症状が取れてないと嘘だ、という考え方に基づくと、そのうちとんでもない失敗をします。

かつての僕のように。(苦笑)

例えば、治療直後は良かったけど、翌日劇的に悪化したとか言われたりね。

 

(それも、悪化の原因がよく分からないとかね)

その場で症状を変化させるということは、患者さんに希望を感じてもらう上では重要ですので、

「そういう病気の場合は」

そうしてあげた方がいいのですが、当然ながら世の中、そういう病気ばかりではないのです。

 

 

例えば癌の患者さんの治療直後に、

 

「どう?癌、小さくなった??」

 

とか、あり得ないでしょ??


その病の陰陽の傾き(表裏寒熱虚実)はどうか、五臓六腑で言うとどれが中心に病んでいるか、邪気の種類はどうか、

正気と邪気のバランスは、などなど、ということが明らかにできて、初めて東洋医学的な治療が成立します。

そういう事を考えずに、どこかに鍼すると、どこかの筋肉がゆるむとか、どこかに鍼すると、どこかの痛みが取れるとか、

そういう反応で無邪気に遊んでいるうちは、その程度の

”治療らしきこと(というか鍼に対する人体の反応遊び)”

しかできません。


残念ながら。

それを治療だなんて、思ってたらヤバいです。

 

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腎着(じんちゃく)?

2014.01.22

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今日、学校の講義で、学生さんから問われて、一瞬ど忘れしていたこの「腎着」という病態。

 

 

ネット上のいくつかの中医学サイト等に解説がありました。

 

 

まあ簡単にまとめると、「腎着」とは、張仲景の『金匱要略』内の「五臓風寒積聚病脈証并治」に出てくる病名で、寒湿邪が腰部に停滞して起こる一連の症状(腰部の冷え、重い痛み、寝返りしにくい、雨天や曇天で悪化など)を言い、

 

治療は苓姜朮甘湯(別名:腎著湯)で行う、とあります。

 

◆参考サイト

http://www.sm-sun.com/family/yougokaisetu/sa/jinntyaku.htm


・・・まあ簡単に言えば、寒邪と湿邪が腰部(腎の臓)を抑え込んだパターンね。

 

虚実については微妙なんでしょうが、邪気を散らすのを優先、と。

 

一考の余地ありですね。

 

・・・調べ直し、勉強になりました。

 

 

臨床上、割かし良くある病態ではないかと思います。

 

学生さん、どうもありがとう。

 

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病院での漢方薬の使われ方(抑肝散) その4

2014.01.19

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これまでのお話

 


病院での漢方薬の使われ方
 
病院での漢方薬の使われ方 その2
 
病院での漢方薬の使われ方 その3
    参照


 

ここまで、僕が病院で見た、とあるワンシーンから、現代の精神科において非常によく使われる「抑肝散」という漢方薬に触れつつ、

病院での漢方薬、東洋医学の使われ方をお話してきました。

 

それによって発生するであろう過ちについても指摘しました。

 

漢方薬を使うなら、その患者さん一人一人に合わせて弁証し、表裏寒熱虚実、五藏六府の不調などを明確にした上で、徹頭徹尾、東洋医学の考え方に基づいて処方しなくては、

 

せっかくの漢方薬も、真価を発揮できないと「僕は」思います。

 

この辺の話は、以前、蓮風先生のブログにも出てきています。

蓮風先生のブログ「小柴胡湯が犯人か?」 参照

 

・・・ただ、僕が非常に信頼していた、とある漢方の先生(故人)が、亡くなる寸前に、僕がそういう話をした時、

「イヤー竹下君、そうは言っても、病院で当たり前に漢方薬が処方されるとかさー、一部保険がきくようになったとかさー、テレビで漢方薬のCMがやっているとかさー、

それだけでも本当にスゴイことなんだよ。。。」

と仰っておりました。

 

この一言は、非常に印象的でした。

 

その先生は数年前に80数歳で亡くなっていますから、その先生の若い頃、今から約50年ほど前は、東洋医学、漢方医学に対する世間の目は、

もっともっと全然厳しかったのでしょう。

 

医療として認められてすらおらず、単なる迷信だったり、時代遅れの歴史の遺物のような扱いを受けていたんだろうと思います。

 

 

その先生も若い時分に漢方で生きていくと言ったら、周りから大反対されたそうです。

 

 

それから比べると、現状はまだいい方なのかなあ、とも思ったりもします。

 

まあ、いずれにせよ、そうは言っても現状は不満だらけなんですが(苦笑)、歴史的に考えると、どうやら上り調子であるようなので、

もっともっと現場から盛り上げていこうかな、と思っています。

 

てか、それしかないね。

 

 

・・・ん~、ま、いったん完結。

 

 

 

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病院での漢方薬の使われ方(抑肝散) その2

2014.01.17

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前回のお話

 


病院での漢方薬の使われ方
 参照

 

今日は抑肝散の話の続きいきます。

『保嬰撮要』の条文によると、抑肝散はもともと、

「抑肝散は小児が肝の経絡の虚熱のため痙攣を起こし、あるいは発熱して歯を食いしばり、あるいはひきつけを起こして発熱悪寒し、

るいは脾の臓に悪影響を及ぼして粘液(痰涎)を嘔吐し、腹部膨満して食欲不振となり、よく眠れないという症状を治す。

処方は軟柴胡(なんさいこ)と甘草(かんぞう)が各五分、川芎(せんきゅう)が八分、当帰(とうき)と妙った白朮(びゃくじゅつ)と茯苓(ぶくりょう)と釣藤鈎(ちょうとうこう)が各一銭で、

上を水で煎じて、小児と母親の双方に服用させる。

また、これを蜂蜜で煉り、丸薬にしたものを抑青丸という。」

となっております。

(赤字部分が非常にポイントだと思います。)

 

母親にも服用させる、というのが面白いですね。

 

 

因みに『保嬰撮要』の中に抑肝散の記載は4カ所出てきます。

 

江戸時代、日本では盛んに抑肝散の加味方が創製され、和田東郭(わだとうかく 1742-1803)『蕉窓方意解』の中で抑肝散加芍薬(よくかんさんかしゃくやく)として、

喘息や打撲に応用し、本間棗軒(ほんまそうけん 1804-1872)『内科秘録』の中で抑肝散加羚羊角(よくかんさんかれいようかく)として癲癎に応用し、

 

浅田宗伯(あさだそうはく 1815-1894)は、『勿誤薬室方函口訣』の中で和田東郭の抑肝散加芍薬に黄連や羚羊角を加え、脳卒中後遺症などに応用しており、

 

現代でもよく使われる超有名な加味方である抑肝散加半夏陳皮(よくかんさんかはんげちんぴ)は、抑肝散に、湿痰を取る二陳湯を加え、

 

そこからさらに生姜を除いた処方で、抑肝散の効果+湿痰を取り除く作用を加えており、非常に重用されるのですが、

 

文献的には浅井南溟の『腹診録』に記載があるものの、なんと誰の作かはハッキリとは不明なんだそうです。。。

 

(ちなみに上記リンクから分かるように、浅井南溟の『腹診録』ではなく『浅井腹診法』ではないかと思うのですが。。。)

 


しかし、日本で作られた処方であることは間違いなく、そういうものを”本朝経験方”と言います。

 

 

ちなみに昭和漢方の巨人の一人である矢数道明先生は抑肝散加陳皮半夏を北山友松子(?-1701)の創方ではないかと推測しておられるそうです。

 

 

↑↑上記内容は

 

中田敬吾ほか「抑肝散加味方の研究」

真柳誠 抑肝散・抑肝散加陳皮半夏① 古典的解説  を参考に纏めさせていただきました。

 

・・・まあこんな感じで、抑肝散てのは、中国明代に発表されて以来、特に日本で、臨床家の間でずいぶんゴチャゴチャとこねくり回された処方なんですが(笑)、

 

要は肝陰、肝血をフォローすることで肝陽、肝気が暴れないようにするのが基本的な目的であり、現代医学的に、”認知症なら抑肝散”、という短絡的な使い方はおかしい、

 

というのが私の意見です。

 

当たり前ながら、東洋医学的には、認知症にも虚実寒熱、臓腑、病邪の別あり、だからです。

 

 

ここで、変に誤解されて突っかかられたら嫌なので付言しておきますが、僕は、

 

「ある西洋医学的な病名に対して、ある漢方処方や、ある経穴への刺鍼施灸が、やらない場合よりも優位な効果を示す、というデータを得た、であるからして、現代医学の現場において漢方鍼灸は有用性が高いのだ。」

 

という研究、論理、主張をすること自体については、おおむね賛成なんです。

 

 

しかし、そういう研究結果があるからといって、何も考えずに、現場において、西洋医学的な病名のみから漢方処方、鍼灸配穴を考えるという、

 

患者さん、東洋医学を扱う上でまったく短絡的で浅薄な態度には大反対だ、という立場なのです。

 

 

つまり臨床家としては、抑肝散とその加味方を通じて、肝陰、肝血をフォローしながら肝陽、肝気を抑制する、というやり方は、認知症その他をやるうえで、

 

臨床上非常に価値の高い方法論である、ということを学べばいいのです。

 

 

もうチョイ続く

 

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病態説明と安心感と治療効果

2013.12.13

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東洋医学は「気」を動かす医学。

正しく動かすためには、正常な気の動きが

「どう崩れているのか」

「どの程度崩れているのか」

が分からないと(東洋医学的に分析できないと)、治療できない。

こういう論理的分析は非常に大事だが、それはこっちの問題。

たとえこれが出来てても、患者さんが納得していないと、実際は思うように動かない。

患者さんは、みんながみんな東洋医学のことを信じてくれている訳ではない。

一見、信じてくれてそうな人ほど、実は怪しかったりする。(苦笑)

とんでもない曲解や、誤解をしていたりする。

こういうものを丁寧に説明し、”ご安心”、”ご納得”いただいた上で、治療すると、気の動きがいいので、治療上有利。

何も媚びてる訳じゃない。

治療するのに有利だから、丁寧に丁寧に説明するのだ。

治療を進めていく上で、不安感が大きいと、動くものも動かないし、結果的に寒熱虚実を見誤ることにもなる。

なぜか。

・・・心主神明論。

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臨床センス(脈状診)

2013.10.30

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今日も学校で喋ってきました!!

 

今日は、脈診、特に「脈状診」と言われるものについて、喋り、解説し、実際にやってもらいました。

 


脈診をする上では、細かい話はともかく、まずは”浮沈・遅数・虚実”という6パターンにキッチリ分けれることが重要です。

 


これを「六祖脈(または六綱脈)」と言います。

 


これも分けられないのに、細かいところばっかり診てても仕方ないです。

 

・・・で、実際にやってもらうと、ことごとく僕と一致する人、ことごとく僕と異なる人、部分的に僕と一致する人など、色々出てきました。

 


これが「センス」ってやつです。

 


思い出してみていただきたいですが、初めて自転車に乗った時、初めてボールを投げたとき、生まれて初めてやったのに、なんとなく簡単にできちゃった人、いると思います。

 


逆に、何回も何回も練習して、ようやっと補助輪ナシで乗れる人になった人、ようやっと真っ直ぐ投げられるようになった人、いると思います。

 

脈診も同じです。

 

そういうもんです。

 


技術なんで。

 


・・・問題は、じゃあ、センスがない人はどうしたらいいか。

 


努力すりゃあいいんです。

 

 

練習すりゃあいいんです。

 

簡単なもんです。

 

センスある人に負けないように、何回も何回も反復練習して、分かる感覚の幅を広げていきゃあいいだけです。

 

東洋医学というのは、「医学」というだけあって、たとえセンスのない人だって、練習すれば、勉強すれば、

誰だってそれなりのこと(治療)は出来るようになるようなセッティングに、ちゃーんとなっています。

 

要はそれを信じて頑張れるかどうか、ですな。

 

あきらめたらそこで試合終了ですよ・・・?

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脳卒中と鍼灸 その2

2013.05.31

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前回のお話・・・

脳卒中と鍼灸 その1


では続きいきます!


脳卒中について、東洋医学では主に、「肝の臓」「胆の腑」の病の一種、ととらえます。

カテゴリ 肝・胆 参照

ここからして、もうすでに全然違いますよね。


「へ?脳の病気じゃないの??」って話です。


東洋医学でも「脳」というものの存在は当然認識しているんですが、しかしそれよりも、生命活動を営む上で、より根本的な仕組みである、

「五臓六腑」
の方に、常に着眼し、注目し、治療対象とします。

また、脳卒中を起こした時の諸症状が、まさに肝と胆に関わる症状だからなんですね。


東洋医学では、脳卒中のことを主に「中風(ちゅうふう)」と呼びます。

今でも、ご高齢の方と話すと、脳卒中のことを「中風」とか、「卒中風(そっちゅうふう)」とか仰る方がおります。

昔はまだ漢方用語の方が主流だったんですね。


まあともかく、東洋医学では、脳卒中に関して、2500年前の東洋医学のバイブル、『黄帝内経(こうていだいけい)』の中で、すでに「偏枯(へんこ)」と呼んで認識しております。

 

『霊枢』熱病(23)刺節真邪(75)九宮八風(77)、『素問』生気通天論(3)陰陽別論(7)通評虚実論(28)風論(42)大奇論(48)参照)

 


そして、長~い長~い歴史の中で、その原因や、症状のバリエーションについて、エライ先生達が色々と検討を加えてくれております。

 


この、歴代医家の認識について、いちいち触れていくと難しくなるし、長くなるんで、

「まとめると、要はこういうこと」

という話を、次回いきます。

 

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