東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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(社)北辰会5月本部基礎コース

2011.05.16

昨日、5月15日の日曜日は、大阪、上本町で行われた、(社)北辰会本部基礎コースに参加してきました!!

これで2週連続、しかも藤本漢祥院での研修も合わせると、3回にわたる関西移動です・・・。

これはなかなかのもんです。

しかし、出来る時にやっとかなかったら、あとで後悔します。

だからやってます。

「鉄は熱いうちに叩け」

 

です。

今回は諸事情により午前中は出られなかったんですが、午前中は油谷真空先生による講義、

「背候診・原穴診(はいこうしん・げんけつしん)」

でした!

コレらについてもそのうちこのブログにて紹介したいのですが、我々の治療に欠かすことのできない、大切な診察法であります。

午後は堀内齊毉龍(ほりうちさいりゅう)先生による講義、

「気の思想・陰陽について」

でした。

「気」が何であるか、「陰陽」とはどのような考え方であるか、という根本問題を、正しく理解する、ということは、この医学を理解していく上でのスタートラインです。

「気」ってなんですか?
「陰陽(いんよう)」って何ですか? 参照

この根本哲学に対する理解があやふやだったり、ハナから信じていなかったり、ということだと、なかなかこの医学がよく分かりません。

・・・で、結局いつまでたっても理解できず、しまいには盲目的に、この医学の実践者や患者さんを批判してみたりする、実はこの業界内にも、

 

そういう輩が後を絶たないのが現状です。(苦笑)

これは大変、嘆かわしい話です。

東洋医学に対する頭ごなしな批判については、まさに「現代科学」というものが生んだ、「負の産物」のような気がします。

現代科学はスゴイ、それに立脚した西洋医学ももちろんスゴイ、しかし、それは「相対的に」「ある側面において」スゴイのであって、

決して絶対的で唯一の価値観、尺度なんかではなく、「気」や「陰陽」という哲学に立脚し、数千年もの間、実効をあげてきた東洋医学も当然スゴイのだ、

そこに全体としての「優劣」を設定しようとすること自体がナンセンスなのだ、という理解の仕方が、「ごく普通」かつ「妥当」だと思います。

・・・まあ、あんまり言うと話が長くなりそうなんで、今日はこの辺で。(笑)

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(社)北辰会5月本部臨床コース

2011.05.09

昨日、5月8日の日曜日は、大阪、上本町にて行われた、(社)北辰会本部臨床コースに参加してきました!!

午前中は実技練習、

「背候診(はいこうしん)」

でした。

これについても、そのうち紹介しようと思っていますが、これの意味は読んで字のごとく、

「背中をうかがう診察法」

です。

清明院の患者さんや、北辰会の先生におかかりの患者さんなら分かると思いますが、僕たちはいつも、患者さんの背中を触って、どのツボが硬くなっているか、

 

冷えているか、熱を持っているかなどなど、あらゆる情報をキャッチして、東洋医学的な診断の材料にしています。

僕は上級班に参加させていただきましたが、久々に大八木敏弘先生という、大ベテランの先生に教えていただき、非常に参考になりました。

やっぱりベテランの先生の手はスゴイです。

数十年かかって出来てきた手です。

フッとさわられた瞬間の説得力が違います。

そして午後は、蓮風先生の代表講演特別編、

「この際だから分からないこと、聞きたいことを何でも質問しなさい。」

でした。

(笑・・・これが講義タイトルです。)

僕も、ここぞとばかりにいくつか質問させていただきました。

フロアからも盛んに質問が出て、しまいには実技披露まで飛び出して、非常に盛り上がりました。

・・・以前から思っていますが、蓮風先生は、「予定調和」というのを、あまり好まないんじゃないだろうか、と思います。

(間違っているかもしれませんが。)

これは以前、テレビでX JAPANYOSHIKIも言っていました。

おそらく「瞬間の美学」みたいなものが表現しにくくなる、ということだと思います。

・・・というかまあ、あまりテーマやしゃべる内容を限定して、カチッとした中でやると、窮屈なようです。(苦笑)

これまでも、昨日のようにテーマをあまり限定せずに、バンバン聴講者とディスカッションしながら、その場の雰囲気が盛り上がっていって、

「場」そのものがとてもいい雰囲気になると、スゴイ発言がバンバン飛び出すことが多いように思います。

蓮風先生は講義に対しても、アーティストなんだと思いますね。

そのあとは関東支部の学術副部長、川田浩之先生による症例発表、

「運動失調(うんどうしっちょう)」

でした。

今日は話が長くなったので、細かくは述べませんが(苦笑)、難しい症状に対して、北辰会方式ならではの治し方をされた、素晴らしい症例だったと思います。

そして終わった後は飲み会・・・。

そしてギリギリ最終の新幹線に間に合って東京へ・・・。

そして今朝からガンガン臨床・・・。

これ、僕的にはいいペース。

 

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(社)北辰会関東支部6月定例会

2010.06.28

昨日、6月27日の日曜日は、代々木オリンピックセンターにて行われた、(社)北辰会関東支部定例勉強会に行ってきました!

今回の内容は午前中は基礎コースは後藤りゅう先生による「北辰会カルテ解説」、臨床コースはベテランである金子行雄先生による疾患各論シリーズ「風邪(かぜ)について」

僕は午後に自分が講義するクラスでもあったので、基礎コースで後藤先生の講義を拝聴していました。

とても初学者に配慮した、いい講義でしたねー。

午後は基礎、臨床コースともに実技講座:テーマ「背候診」の後、土田丈先生による症例レポート「幼少の頃からの便秘」でした。

僕は基礎コースの実技指導と、初めに30分ほどの概論講義を担当させていただきました。

今回の参加者の先生方も皆さん非常にヤル気があり、僕もいい刺激をいただきました。

北辰会関東支部の定例会も、最近にわかに参加者数が増えてきていて、若い先生、女性の先生の参加も増えてきて、非常に活気のある会になってきたナー、

 

という印象があります。

いかに東洋医学、北辰会が提唱している鍼灸医学に対する注目度がうなぎのぼりに上がってきているかが、壇上からよく分かります。

 

喜ばしいことです。

最後の症例レポートでは、土田先生の発表、細かな情報をしっかりととっていて、初診者の方には情報過多だったかも知れませんが、それをスッキリとまとめる論理力、

 

それが弁証論治の長所の一つであります。

最後のまとめの時の、本部、副学術部長である堀内斉毉龍(さいりゅう)先生のスッキリとしたまとめは圧巻でしたネ。

堀内先生は現在、弁証論治のために必要な論理的思考についてまとめ上げ、『弁証論治論理学入門』という著書を編纂中です。

東洋医学というと、主観的で客観性がないとか、感覚的で数値化できないとか、科学的でないとか、色々なことを言う人がいますが、本来の東洋医学というのは大変科学的でロジカルな世界なんです。

まだまだ北辰会からは書籍が出ます。

 

次から次に出ます。

 

どれも大変、東洋医学の歴史的に、意義深い本だと思います。

そして終了後はいつものように飲み会・・・。

 

今回は本部から島内薫先生もお見えになって、なかなか盛り上がりました。(笑)

まあとにかく、ガンバろっと。

 

 

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「体表観察」は曖昧か。

2010.04.04

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清明院では、初診の患者さんへの「問診」が終わると、必ず「体表観察」という流れを経て、「治療」を行います。

 


この「体表観察」つまり「東洋医学的な身体診察」という過程なくしては、鍼灸をどこにやったらよいかがはっきりしません。

 


それぐらい重要というか、もう必要不可欠な過程になります。

 


この「体表観察」には、

「脈診(みゃくしん)」

「腹診(ふくしん)」

「背候診(はいこうしん)」

「原穴診(げんけつしん)」

「舌診(ぜっしん)」

 

などなど、様々な診断法があり、それらを縦横無尽に駆使しながら、その患者さんの病態を「東洋医学的に」把握します。

 

 


それによって得た情報と、問診によって得た情報とを合わせて、理論的に総合判断し、一番効果的だと思われる経穴に、適切な刺激の鍼灸をする訳です。

 

 


しかしまあここで、意地悪な意見として、

1.「じゃあ、問診で患者さんがウソついた場合は問診の情報ってあてになりませんよね?しかもそれが本当かどうかの確認なんて出来なくないですか?」

とか、

2.「体表観察で得た情報っていうのも、結局は治療する人の主観に委ねられるものだから、そんなものあいまいですよね?あいまいなものを診断材料にするんですか?」

という意見がありえるでしょう。

 

これは、1.の問診に関しては、ある程度当たっています。

 

 


確かに患者さんが本当のことを喋ってくれないと、こちらが惑わされることがあります。

 

 

だから僕の場合、問診で得た情報というのは、実際に「体表観察」をしてみるまでは、

「ウソやおおげさや勘違いの可能性もある情報」

として、冷静に持っておきます。

 

 


・・・まあ、自分の体のことを事細かに他人に話す、なんていう行為は、めったにすることじゃないし、あまり知られたくない、話したくないこともあるのが普通でしょう。

 

 


ですので、問診で聞いただけで、これは100%真実の情報だ、という保証なんてのは、どこまでいってもないのです。

 

 


コレ、当たり前ですよね・・・??

 

 


次に2.「体表観察情報」は治療者の主観的な情報だからあてにならない、あいまいだ、というのは少し間違っています。

 

 

まあ、人間の感覚(五感)を頼りにした診察法である以上、血液検査や画像診断のようなもの(数値化、映像化)とはそもそも違うよね、というのはその通りです。

 

 


東洋医学では、術者の主観的な情報を、大いにあてにします。

 

 


・・・というか、それがないと東洋医学は成立しません。

 

 

 

だから治療者の「技術」に、治療効果が大きく左右される面があるんです。

 

 

それがダメだ、というのなら、話が東洋医学のそもそもの否定になってきます。(苦笑)

 

 


「技術」「知識≒経験」が上がれば上がるほど、積み上げられるほど「感覚=五感=主観」は、ブレなくなってきます。

 

 


僕自身も実際にやっていて、そう感じますし、先輩たちもみなさんそうおっしゃいます。

 

 


だから、たとえ感覚的であっても、自分自身の中にキチッとしたブレない物差しを持つことが出来れば、臨床上、全然あいまいじゃないんです。

 

 


むしろ融通性がある分、機械での検査よりも、時に正確だと、僕は思います。


(この意味、分かりますかね・・・?)

 

 


清明院には、言語障害や認知症、あるいは乳幼児の患者さんなど、初診の段階からそもそも「問診」が出来ず、「体表観察」のみで治療するしかなかった患者さんが、何人かおられます。

 

 


しかし皆さん、鍼灸治療によって良好な経過を得ています。

 

 


これが、「体表観察術」が全くのあいまいな代物ではなく、臨床上あてになる、使い物になる、再現性や普遍性がある、ということの証左ではないでしょうか?

 

 


「体表観察」における主観、というのは、東洋医学の基礎理論や、先人達の貴重で膨大な経験から得られた、普遍性、再現性を持った、確かな理論に基づいた「主観」なのです。

 

 


あいまいと斬って捨てるのはもったいないです。

 

 

メチャメチャあてになります。

 

 


あいまいで、あてにならないものによって診断する医学が、数千年もの間、患者さんの支持を得られるはずありません。

 

 


この医学には、「体表観察術」”不可欠”なんです!

 

 

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