東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Search Results for: 小便

尿と熱

2013.01.27

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清明院では、初診の際に、尿の状況について、詳しくうかがう。

尿の色、臭い、泡立ち具合、残尿感、夜間尿の有無、回数などなど、出来るだけ詳しくうかがう。

尿というのは、その時の、その人の体の状態を示すバロメーターの、最たるものの一つ。

東洋医学以外では、チベットの伝統医学なんかでも、診断に使うそうだ。

診かたや考え方は違うが、西洋医学でも、尿の状態は極めて重要視する。

体に不調が起こっている時、この尿が何らかの異常を起こしていることが多い。

東洋医学では特に、「寒熱」「邪気の種類」などをよく示す。

全身の状態が冷えに傾いたら、小便の色は透明に近づき、薄くなる。

長時間寒いところにいて、体が冷えて来ると、尿意を感じ、小便を出すと、色の薄い尿が出て、少し体が温まるのを経験したことがある人はいるだろう。

外的環境に対応するため、体内の水を排出して、少しでも体を温める方向に傾けようとするのだ。

また、尿が出ることにより、これとは逆に、体に籠った余分な熱が排泄される場合がある。

アトピーや糖尿病など、キツイ熱がこもった、ある種の病の時、小便の出がよくなると、症状が好転することがある。

小便自体は水(水分)なのに、コレが出ることによって「熱」が排出される。

「汗」もそう。

詰まっている治療が、現状打破できるチャンス。


排尿の状況の意味ついて、よくよく考えるべきだ。

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感動的瞬間

2011.11.10


清明院では現在、スタッフを急募しております!!

ぜひ我々とともに、切磋琢磨しましょう!!詳細はこちら。

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こないだから、清明院に通院している、とある患者さん。

(さらに…)

「問診」実技訓練!?

2011.09.16

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来週の日曜日、(一社)北辰会関東支部の定例勉強会があります。

 

ここでワタクシ、臨床コースにて、朝10時から午後の3時前まで、「問診、カルテ取り実技」を講義させていただきます。

(な、長い・・・。)

 

(一社)北辰会では、専用の共通カルテを使用して、患者さんが今回お悩みの症状以外にも、飲食の状況、大小便の状況、睡眠の状況、

家族環境、職場環境などなど、あらゆる角度からその患者さんの病を分析します。

 

当然ながら、「問診」というのは「雑談」とは全く違います。

 


初めて顔を合わせる患者さんとの、大事な大事なコミュニケーションの場であると同時に、東洋医学的な診断をする上で、有益な情報を多く得ることが出来る、

 

治療において欠かせない場なのです。

 

そして、「問診」によって得た貴重な情報を、スッキリと分かりやすくまとめて、「カルテ」に記載しておく必要があります。

 

これをすることによって、もし万が一治療経過がはかばかしくない場合や、初診時とは異なる症状が出てきたりした場合、「再分析」することが可能となるのです。

カテゴリ 「再分析」の重要性 参照

 


「最初にキッチリと情報を取る」

「それをキチッと東洋医学的に、論理的に分析しておく」

これが出来ているから、経過中にグラグラ迷ったり、患者さんの様々な訴えに慌てたりしないで済むのです。

 

臨床をやればやるほど、コレのありがたみはよく分かります。

 

臨床をやってない人ほど、ここんとこを軽んじてる人が多いようにも思います。

 

僕は上級班を担当させていただくようなので、臨床コースの上級班ですから、テンション高めに、ガンガンいこうと思います。

(笑・・・ただ、朝起きれれば、の話ですが。)

 

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「三焦」って何ですか?(その10)

2011.08.17

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これまでのお話・・・

 


「心包」って何ですか?(その6)

「三焦」って何ですか?
「三焦」って何ですか?(その2)
「三焦」って何ですか?(その3)
「三焦」って何ですか?(その4)
「三焦」って何ですか?(その5)
「三焦」って何ですか?(その6)
「三焦」って何ですか?(その7)
「三焦」って何ですか?(その8)
「三焦」って何ですか?(その9)

 

シャンシャンいきます!!!

 

今日の話は、患者さんや一般の方にはちょっと難しいかもしれません・・・。

 


でも、とっても大事な部分なんで、頑張ってなるべく簡単に書いてみようと思います。

 


・・・前回、「三焦の腑」「心包の臓」も、”名前はあるけどカタチがない”から、同じグループなんだよ、だから”表裏関係”といって、関わりが深いと考えるんだよ、というお話をさせていただきました。

 


でもこれだけでは、実際に働きの上でどのように関わるのか、イマイチよく分かりませんよね?

 


そこで今日は、「三焦の腑」の、機能面での、他との関わりを考えてみたいと思います。

 

☆「三焦」と他の臓腑の関わり具合

 



以前、東洋医学の中心的な考え方の一つである、「五行(ごぎょう)」という考え方について、簡単に述べさせていただきました。

「五行」って何ですか?(その8) 参照

 


その時にご説明させていただいたように、「五行」というのは自然界のあらゆるものを、特徴の上から5パターンのシンボルに分類する考え方なんですが、

東洋医学では人体の「五臓六腑」というものも、それぞれこの「五行」というカテゴリーに分けております。

 


・・・すなわち、

木・・・肝、胆

火・・・心、小腸

火・・・心包、三焦

土・・・脾、胃

金・・・肺、大腸

水・・・腎、膀胱

という風に、です。

 

ここで、「火」に属するものだけ、他と違って4つあることに気が付きます。

 

五行の中でも、「火」というのは「陽の性質」が最もよく表現(シンボライズ)されたものです。

 

ですので、五臓六腑ある中でも、他と比べて「相対的に」非常にパワフルに、動的に、活発に働いている、これらの臓腑が分類されるのです。

 


あまり専門用語を使いたくないので、簡単に説明しますが、心、小腸、心包、三焦、どれも「火」に分類されるんだけれども、

実は心と小腸はメインの「火」、心包と三焦は脇役(サブ)の「火」、という分け方なのです。

 


まず、心と心包に関しては、この二つがある意味でニコイチとして協調しながら「血(けつ)」を全身に送り出す、極めて動的な性質を持った臓ですから、

 

陽のシンボルである「火」に分類されるのは当然です。

 


・・・で、心と心包を比較すれば、心包は君主(王様)である心の補助(ガードマン、側近)ですから、サブの「火」になるのは当然です。

 


小腸に関しても、脾胃から来た飲食物を大腸にせっせと送りながら、”必要なお水”と”いらないお水”を分ける働きがメインでしたから、

性質的には非常に動的であり、「陽」に属しますので、「火」に分類されております。

 

ちなみに、心の臓、心包の臓、小腸の腑の細かい働きに関しては、過去の記事、


「心」って何ですか?(その7)
「小腸」って何ですか?(その5)
「心包」って何ですか?(その6)

をご参照ください。

 


では、今回のメインテーマである「三焦の腑」はどうかというと、これまで解説してきたように、「脾の臓」や「胃の腑」、「腎の臓」と深く関わりながら、

「気」や「水」の通り道であり、全身を包括し、常に燃えている(焦げていっている)三焦の腑も、当然「陽」的ですので「火」に分類されます。

 


・・・つまり、”形態ありて形なし”という風に解釈されるように、”常に動的に変化している”という意味で、陽的であり「火」に属するのです。

 

そして、心包の臓が心の臓を補助するのと同じように、三焦の腑が小腸の腑の補助をする面もあります。

 

小腸で分けられたお水は、三焦を通って、最終的に汗になったり、小便になったりする訳です。

 

ですからその意味では、サブとしての「火」に分類される、という訳ですね。

 

しかし、三焦はそれ以外にも、色んな臓腑の働きを助けているし、ちょっと特殊な存在なんです。

 

・・・長くなったので、次回に続く。

 

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「ジメジメ」恐るるに足らず

2011.06.18

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ここ最近、梅雨らしい日々が続いております。

毎日毎日、ジメジメジメジメ・・・。

ドンヨリしてて、スッキリしませんねえ・・・。

こういう風に、文句ばっか言ってても仕方ないです。(苦笑)

 


しっかりと、このことの意味、体に与える影響を理解すれば、なんら恐るるに足りません。

このジメジメの正体は当然、「過剰な湿気」です。


つまり「空気中の余分なお水」です。

東洋医学では、体の内外で過剰になって、問題となるものを、「邪気(じゃき)」と呼び、健常な気血の流れを阻害するものとして、回避、排除の対象として位置付けます。


空気中の余分なお水のことは、東洋医学では「外湿(がいしつ)」と言います。


要は「外界の、水湿(すいしつ)の性質を持った邪気(じゃき)」という意味です。

これは、日本であれば梅雨時期のような、雨季に盛んになります。

それに対して、体内の余分なお水を、「内湿(ないしつ)」と言います。

要は「体内の、水湿の種類の邪気」という意味です。

・・・この、「外湿」が盛んな時に体調を崩すのは、もともと「内湿」の盛んな人です。

「内湿」が盛んな人は「外湿」の影響を受けやすい、これを、体の内外の邪気が合わさる、という意味で、「内外合邪(ないがいごうじゃ)」と言います。

(ここまでは、チョー簡単でしょ??)

 


ところが、その「影響の受け方」が、一様ではありません。

 


人によって違います。

 

頭が重くなる人、体全体が重くなる人、浮腫みが出る人、眠くなる人、イライラする人、体が痒くなる人、精神的に落ち込む人などなど、実に様々です。

 

これは、専門家の先生なら、なぜそうなるのか、聞けば教えて下さる筈です。

 

・・・で、これの対処法?

 

要は、体を乾かしゃいいんです。(笑)

 

過度の飲食控えて、入ってくる水湿を減らし、胃腸をいたわり、その上で汗かき、小便出し、大便出し、体内をスッキリサッパリ、サラッとさせることが出来れば、「THE・快適な梅雨」です。

 


・・・そんなことできない?

 

・・・じゃあー、鍼にくるしかないねえ。(笑)

「湿邪」を含む記事

「余分なお水」を含む記事 参照

 


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経穴(ツボ)は治療ボタンにあらず

2011.06.01

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清明院の患者さんの中には、重症や、難病の患者さんもいる。


今日、とある往診の患者さん(高齢の女性)から言われた言葉。

「先生、こないだのツボ、よく効いたわ~。すごく楽だったわ~。またあそこにやって~。」

・・・この患者さんもかなりの重症。

リウマチ、狭心症、副腎不全、腎不全等々、西洋医学的な病名の宝庫のような患者さんだ。


西洋薬も、病院に言われるがままに、雪だるま式に増えていき、もう長いこと、15種類ぐらいの薬を飲み続けている。

それなのに、しょっちゅう心臓発作を起こしては、病院に入退院を繰り返していた。


往診を開始した時は小便がほとんど出ておらず、全身にきつい浮腫みと呼吸困難


慌てて治療して、苦心しながらも、何とか小便が通じ、呼吸困難、胸痛、動悸等の症状がやっとマシになってきた矢先に、この言葉。(苦笑)


患者さんの中には、

「〇〇の病気(症状)には〇〇というツボ!」

という認識で、経穴(ツボ)をとらえている人が少なくない。

 

それはどんな重症の患者さんでも同じだ。

 

・・・でもそれは間違っている。

「経穴(けいけつ)」って何ですか? 参照

 


同じツボでも一人一人、状態が違う。


同じ人の同じツボでも毎日毎日、状態が違う。


当然、同じ病名の人でも、ツボの状態は異なっている。


顔や声や体型や性格が一人一人違うように、同じ人でも時によって違うように、厳密にいえば、まったく同じツボは一つもないのだ。


それに対して、絶妙に合わせた鍼や灸をするから、結果的に正しく「気」が動き、結果として全身の陰陽、五臓六腑の調和がとれ、結果として、

 

ビックリするような効果が得られるのだ。

 


瞬間瞬間に合わせた治療をすることが大事なのだ。

 

ある病気や症状の時に、誰でも、いつでも、同じ経穴に、同じような反応があり、そこに同じような鍼をすれば同じような効果が得られるかというと、

 

それはとんでもない間違いだ。

 


ある症状が出ている時に劇的に効いたツボも、その症状が治まってしまえば、ツボの反応も治まり、同じように鍼をしたとしても、こないだのような効果は得られにくい。

 


僕も昔、こういう場面で、患者さんに言われるがままに、

「こないだやってよく効いたツボ」に、

「こないだやったように」

鍼をして、かえって悪化させた、苦い経験もある。

 

正確な診立てが出来ていない、ツボを正確に観察できていない証拠だ。

 

「こないだ」と「今この瞬間」では、もう同じツボではないのだ。

 


 

だから、冒頭の患者さんにはこう答えた。

「うん、またそのうちネ。(ニッコリ)」

・・・そして、「こないだの」とは違うツボに、「こないだの」ぐらい楽になるであろう、正しい治療をした。

 

P.S


誤解を招かないように付言しておきますが、前回の治療と同じツボを使うことも当然あります。

要は、治療するその瞬間における、最適な経穴の選択というのは、プロとしての判断で「この場合効かせやすいか、そうでないか」で決まるのであります。

要するに「経穴」、ツボは、治療ボタンではないのです。


「人間」、病人は、機械ではないのです。

「生命」、いのちは時々刻々と、個性的に変化流転しているもの、というのが、東洋医学の大前提なのです。

 

 

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「膀胱」って何ですか?(その4)

2011.02.23

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これまでのお話・・・

「腎」って何ですか?(その11)
「膀胱(ぼうこう)」って何ですか?
「膀胱」って何ですか?(その2)
「膀胱」って何ですか?(その3)

 

☆「膀胱の腑」と「腎の臓」と「カゼ」と「寒気」


これまでで、「膀胱の腑」は「腎の臓」と関係が深い、ということをお話ししました。

これは「膀胱の腑」というのは尿を貯めて出す、貯尿、排尿の働きに大きく関わり、その”尿をためる”という働きをフォローしてくれてるのが「腎の臓」なんだ、というお話でした。


この「腎の臓」の働きが弱ると、「膀胱の腑」はおしっこを十分に溜めて、十分に排泄する、という働きがしにくくなります。


そうすると、全身に色々な異常が出てきます。

 

その重要なものの一つに、「カゼをひきやすくなる」というものがあります。

カゼの初期に、ゾクゾク寒気がしたり、妙に体がだるくなったりしますよね?

 


そういう症状のバックボーンに、この「腎」と「膀胱」の不調和があることがよくあります。

以前言うように、「尿」というのは”余分なお水”な訳ですから、コレが正常に排出できていれば、体は温かい状態に保たれます。

どうしてムクむの?
どうしてムクむの?(その2) 参照

 


コレが小便でうまく排出できない、そして代替的に大便や汗でも排出できない、という状況が起こると、”余分なお水”は体に停滞していき、

 

結果的に体を冷やし、重だるくし、冷えの邪気、すなわち東洋医学の言う「寒邪」に侵入されやすくなるのです。

「寒燥」について 参照

 


ちなみにこの、”腎-膀胱”というコンビネーションによる水分排泄機構がうまく働かない時、「下痢」という現象も起こりやすいです。

 


なぜならば、前回説明したように、”小腸―大腸”のつなぎ目(闌門)あたりから腎の力を借りて、余分な水分が浸み込んでくる膀胱ですから、ここで膀胱の方に不要な水分がいかない、

 

となると、大腸の方に余分な水分が流れる、ということになり、結果、大便が水分を多量に含んで、「下痢」という現象が起こるんです。

 

・・・まあこのように、我々は、患者さんに普段当たり前に起こる現象の一つ一つを、

”何が原因か”

”どういうメカニズムか”

東洋医学的によーくよーく考えて、治療にあたっています。

 

コレは一つの学問であり、理論です。

 

魔法なんかじゃございません。

 

 

 

続く

 

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「膀胱」って何ですか?(その3)

2011.02.20

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これまでのお話・・・

「腎」って何ですか?(その11)
「膀胱(ぼうこう)」って何ですか?
「膀胱」って何ですか?(その2)

 

前回、「膀胱の腑」の図をお見せしました。

 


今回もお見せします。

(笑・・・何気にこの図、好き。なんか可愛いらしいんでね・・・。)

膀胱の腑(類経図翼)

・・・今回は、コレの働きについてです。

 


見ての通り、「膀胱の腑」というのはこのような袋状のカタチをしている、と考えられており、ここに、老廃物としての尿(小便)を溜め込んでいます。

 

図を見て分かるように、東洋医学の言う「膀胱の腑」には、尿が出ていく「出口」はあっても、「入口」が見当たりません・・・。

 


西洋医学的な「膀胱=bladder」では、「腎臓=kidney」から「輸尿管(ゆにょうかん)」という管で直接物理的に連結して繋がっており、

 

その管を通って、尿のもとが膀胱に流れ込む、とされます。

 

東洋医学の「膀胱の腑」では、「腎の臓」との間に深い関係は認めるものの、物理的な連結は強調していません。

(というか、どーでもいいわそんなこと、ぐらいのスタンスです。(苦笑)少なくとも明の時代までは。)

 

 

中国でも清代くらいになると、膀胱の腑に上口があって、腎の臓と管で連結していること思わせる図も出てきます。

 

『古今図書集成医部全録』参照)

 


・・・上口がない、となると、尿は一体どこから、この袋に入ってくるんでしょうか。

 

これはなんと、「小腸の腑」「大腸の腑」の間あたりから”しみこむように”入ってくる、と考えられています。

 


東洋医学では小腸と大腸の連結部分のことを「闌門(らんもん)」と言い、その位置はおへその少し上あたりだとしていますが、ちょうどその部分が、

 

膀胱の腑のてっぺんの部分にあたり、そこから不要な水分が浸み込んでくるのだ~、という、ユニークな考え方です。

 


「大腸の腑」「小腸の腑」については、

「小腸」って何ですか?(その5)
「大腸」って何ですか?(その6) 参照

 

僕は学生時代、これを初めて聞いた時、

「ンなあほな!!」

・・・というよりは、

「なんちゅーユニークな発想なんだ!!東洋医学面白ーい!」

と思いました。

(笑・・・ここで、道が分かれるネ。人生の道が。)

 

 

古代中国人なりに、「半透膜」みたいなものを意識していたんだなあ、と感心したのを覚えています。

 

「小腸の腑」「大腸の腑」シリーズで述べたように、口から入って、「胃の腑」に落ちた飲食物は、栄養分や水分を取られながら下へ下へと運ばれます。

 


そしてこの、消化吸収の働きの支えになっている中心人物が「脾の臓」でありました。

カテゴリ 脾・胃 参照

 

そして、とりわけ「水の移動」を助けているのが、ついこないだ書いた「腎の臓」でありました。

 


「大腸の腑」「小腸の腑」という管の中を通過していく、飲食物の中の”水分”は、「腎の臓」の働きによって、必要なお水は全身を潤し、

 

不要なお水は「膀胱の腑」の中に浸み込むように溜まっていき、ある程度たまると、トイレへと行くのです。

 

・・・まあ言わば、ドリップコーヒーみたいなイメージですな。

(笑・・・この表現、やだ??)

 

このように、お腹の中では、色々な臓とか腑が、複雑に関わり合いながら、我々にとって日々の当たり前の、

「食べて、飲んで、出す」

という機能を維持しているのです。

 

 

つづく

 

 

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「腎」って何ですか?(その10)

2011.01.29

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これまでのお話・・・


「腎(じん)」ってなんですか?(その1)

「腎」って何ですか?(その2)
「腎」って何ですか?(その3)
「腎」って何ですか?(その4)
「腎」って何ですか?(その5)
「腎」って何ですか?(その6)
「腎」って何ですか?(その7)
「腎」って何ですか?(その8)
「腎」って何ですか?(その9)

 

久々にいきます!(笑)

 


☆「腎」と「耳」


前回、「人間の生老病死」をつかさどるのが「腎の臓」なのだ~!というお話をさせていただきました。

 


今日は「腎の臓と聴力」の関係について。

・・・高齢になってくると、耳が遠くなる人が多いですよね?

 


お年寄りに何か話しかけて、

「エエ??」

と聞き返されて、大きな声でゆっくりと話しかけたらやっと通じた、という経験、皆さんしたことがあるでしょう。

 

”音”というのは”振動”です。

 


西洋医学では鼓膜の振動を、耳の奥にある微細な組織と神経が電気信号化して脳に伝えた結果、”音”として認識する、という風に説明します。

 


東洋医学では、音波による振動刺激を「肺の魄気」がキャッチし、「心神」に伝えた結果、”音”として認識する、と考えます。

「肺」って何ですか?(その9)
「心」って何ですか?(その1)    参照

 


・・・しかしそう考えると、

”音が正常に聞こえる”

ということと関与するのは「肺の臓」と「心の臓」しか関わらんじゃないか、とも思えます。

 


でも、東洋医学では、聴覚には腎の臓が大きく関与する、と説きます。

 


コレは、

「耳の中の構造」

と、

「音を伝える仕組み」

に理由があると個人的には思っています。

 


耳の穴の中には、解剖学的には「耳小骨(じしょうこつ)」という小さな3つの「骨」があり、その「骨」”振動”を伝える構造になっています。

 


そして、音が正常に伝わるためには水分が必要です。

 


耳の奥の”内耳”といわれるところは、リンパ液で満たされております。

 


「音」というのは、まず外気の振動によって”鼓膜”が振動して、その振動を耳の中の小さな「骨」が、「水」で満たされた耳の奥(内耳)に伝えるのです。

 


この、音を伝える上で欠かせない構造と成分である「骨」と「お水」をつかさどる役目を担っているのが実は「腎の臓」なんです。

 

 

だから、いくら感覚をつかさどり、伝達と認知をつかさどる心の臓(神)や肺の臓(魄)がしっかりしていても、腎の臓がに異常があれば、

 

耳という「音を捉まえる場」自体が成立しないため、聴き取れない、ということになります。

 

 


大便や小便、発汗に関わり、余分なお水と必要なお水を分け、体内のお水をきれいに保つことに、大きな役割を果たす腎の臓・・・。

 

 

正常な骨の成長発育、成人後の骨の形の維持に大きく関わる腎の臓・・・。

 

 

こういう腎の臓ですから、働きが弱ると、「骨」は脆弱になり、「お水」はよどみ、枯れ、音がうまく伝えられなくなる、すなわち、

”耳が遠くなる”

のです。

 

 

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東洋医学と「痛み」(その3)

2010.11.12

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これまでのお話・・・

スピリチュアルペイン(その4)
東洋医学と「痛み」(その1)
東洋医学と「痛み」(その2)

 

・・・前回は、大まかに、東洋医学が考える「痛み」というものに対する認識を示しました。

 


そして、「痛み」はその「原因」によって、”質”と”程度”が決定づけられる、ということを少しお話しいたしました。

 


一口に「痛み」と言っても、実に様々なものがあります。


鋭い痛み、

重い痛み、

ズキンズキンと、血管の拍動に合わせた痛み、

程度は弱いけどダルさを伴う痛みなどなど、

皆さんもこれまでに、あらゆる種類の痛みを感じてきた経験があるんじゃないでしょうか。

 


東洋医学では、生命を維持するために必要な、生理的な「気」のことを

”正気(せいき)”

それを邪魔し、阻害する、病理的な「気」のことを

”邪気(じゃき)”

と呼び分けています。

 


・・・邪気については、色々な種類がありますが、それは以前、簡単にではありますがこのブログにて述べました。

カテゴリ 「邪気」について 参照

 

この、正気が弱って、邪気が勝ち、その結果、「気」の部分的な過不足から、「気」の停滞を起こしたものが「痛み」なのです。

 


我々が普段やっている独特な診察法(脈診など)というのは、何を診ているかと言うと、「どこの」正気が「どのくらい」弱っていて、

「何の」邪気が「どのくらい」正気をいじめていて、そしてそれらの中心は何なのか、ということを明らかにせんがためにやっているんです。

 


それが明らかにならないと、この「痛み」が治療可能なものなのか、どのくらいで治るものなのかハッキリしない、ということです。

 


つまり、もし

「正気の弱り」

が中心なんであれば飲食物や空気を有効利用して、正気が充実するように持っていくし、

「盛んな邪気」

が中心なんであればそれが大小便、汗などでうまく外界に発散、排出されるように持っていきます。

 


この「正気の弱り」「盛んな邪気」のバランスが悪いほど、つまり、偏差に開きがあればある程、治りにくい「痛み」を形成しやすい、ということです。

 


・・・今日の話はちょっと専門的で分かりにくかったかも知れませんが、東洋医学では「痛み」のみならず、「病気」というもの全般を、基本的に上記のような考え方で認識しております。


(なんかカタイ内容が続いてるんで、そろそろ、ちょっとゆる~い話でも挟もうかしら。(苦笑))


次回に続く

 

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