東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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一貫堂医学について 3 (臓毒証体質について) 

2018.09.10

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これまでのお話・・・

 

一貫堂医学について 1

一貫堂医学について 2      参照

 

 

 

・・・さて今日は、森道伯一貫堂医学の言う三大体質の二つ目、「臓毒証体質」について掘り下げます。

 

 

「臓毒証体質」とは、風毒、食毒、梅毒、水毒の四毒に侵された体質、だそうです。

 

 

この四毒を少し詳しく言いますと・・・、

 

 

「風毒」とは、ここではあらゆる病のもととなるようなキツイ邪気のことを言っているようです。

 

 

「食毒」とは、そのまんまですが食べ物の毒、それも急性の中毒ではなく、慢性の毒とも言えるもので、要するに肉食中心の偏った食生活や、

 

暴飲暴食の過剰な栄養だったり、また現代であれば加工食品や添加物などによる 内臓機能の低下なども広く含まれる考え方だと思います。

 

 

「梅毒」というのは性感染症で有名なあの梅毒で、現代では残念ながら増加傾向だそうです。

 

国立感染症研究所「日本の梅毒症例の動向について」

 

 

「水毒」というのは腎機能が低下して不要な水分の排出が滞って、水滞(浮腫みも含む)が起こったもののことを指しているようです。

 

 

この「四毒」が体内に蓄積し、単一に、あるいは複合して、健康を害しているようなものを、「臓毒証体質」と名付け、

 

これらすべてを「防風通聖散加減」で治療していた、というワケです。

 

 

この体質のものは、ガッチリしていて若いうちは丈夫だが、壮年期になると癌や脳卒中、痔疾や腎疾患を起こすと言われます。

 

 

診断は望診、脈診、腹診であり、

 

皮膚は黄白色、脈は実脈や堅い脈が中心で、腹は全体が堅いか、あるいは全体が軟満しているか、

 

だそうです。

 

 

防風通聖散は、以前このブログでも紹介した金元の4大医家の一人である劉完素(1120-1200)の著作である『黄帝素問宣明論方』(1172)に出て来る方剤で、

 

もともと熱のこもりやすい人が風寒邪に罹患し、「表裏ともに実」になったものに使う方剤と言われます。

 

金元の4大医家 劉完素(りゅうかんそ)   参照

 

 

実はこれ、近年になって”やせ薬”みたいに言われて、「ナ〇シトール」だの「コッコ〇ポA」とかいう商品名がついて製品化されています。。。

 

(しかし、痩せたいからといって安易に使用するのは、危険極まりないので絶対にやめましょうね。)

 

 

まあ、こういうものがよく売れるぐらい、安逸過度や暴飲暴食で実熱証、毒素をため込んでいる人が多いというのは、森道伯先生の晩年の、

 

第一次大戦後の、未曽有の好景気であった大正~昭和初期の日本と似ているのかもしれません。

 

 

しかし、私もたまにのぞかせていただき、勉強させていただいている、山口の村田漢方同薬局村田恭介先生は、そのブログの中で、

 

「特殊な状況においてしか使う必要のない、まして現代においては全く必要のない、支離滅裂に近い配合」

 

と断じておられます。(笑)

 

 

 

・・・うーん、この辺、漢方家からしてどうなんでしょうね。

 

 

まあ、防風通聖散の方意を見ると、表は風邪邪実、裏は腸胃の湿熱の実、で、表は疏風して裏は清利湿熱で、表裏双解剤、というわけですから、鍼ではどうやるのが近いでしょうかね。

 

 

外関や合谷やりながら、上廉で下すような感じ?しかも養血や和中の穴処も加える??

 

 

あるいは上腹部の沈んだ実をややキツ目に瀉すか??

 

(これだと難易度は高いね。)

 

 

まあ、確かなのは、防風通聖散も、単に痩せようと思って長期に服用するなんてのは、バカ丸出しだね。(苦笑)

 

 

毎日、メシ減らして走ってりゃ、絶対痩せます。

 

 

漢方薬のそういう使い方を聞いたら、天国で森道伯が泣いているでしょうな。

 

 

 

続く

 

 

 

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「肺胃不和」という証

2018.08.16

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さて連休明け、さっそくガンガンやっております!!

 

 

清明院には、1年中、「咳」を訴えて来院される患者さんが見えます。

 

「咳」を含む記事 参照

 

 

春先はのぼせて咳が出る、夏はクーラーで咳が出る、秋は乾燥で咳が出る、冬は風邪ひいて咳が出る。

 

 

・・・ってな感じ。

 

 

咳と言えば当然、東洋医学的にも最終的には

 

「肺の臓」

 

の病変なのですが、

 

「なぜ、肺の臓の病変が起こっているのか」

 

という「病因」と、そのメカニズム(機序)である「病理(病機)」を明確にしないと、上手に治療できません。

 

「病因病機」を含む記事

「病因病理」を含む記事 参照

 

(まあこういうこと言うと、アタマ固い人からあいつは疾医だ!対症療法ヤローだ!!って言って突っ込まれたらヤなんですが。。。)

 

 

患者は咳を止めてくれって言ってきてんだから、普通に考えて、まずは咳を止めることを全力でやるべきでしょ。

 

(もちろん体質と病因病理を踏まえてね。)

 

 

でもそこで、肺の臓に関する経穴ばっかり触っててもダメ、ということです。

 

 

・・・まあともかく、肺の臓の病変と言っても、色々あります。

 

 

「肝の臓」からくるもの、「腎の臓」からくるもの、「心の臓」からくるものなどなど。。。

 

 

その中で、意外と多いのが「胃の腑」の異常と関係しているものです。

 

 

かつてこのブログで述べたように、東洋医学の言う「胃の腑」というのは、「五藏六府」の中の「六腑」の一つであり、人体の中央(中焦)のど真ん中にあり、

 

「脾の臓」と一体化したような形で、飲食物(水穀の精微)の消化吸収とともに、気血の上下の昇降を調節しているという重要な働きを持ちます。

 

 

久々に言うけど、「肺の臓」はLungじゃないし、「胃の腑」はStomachではないことに大大大大前提として注意を払ってもらいたいです。

 

 

肺の臓と胃の腑は、気の生成に深く関わりますが、気の昇降運動のうちの「降」に大きく関わります。

 

 

その働きのことを、肺では粛降(しゅくこう)、胃では和降(わこう)なんて言われます。

 

 

この二つの臓腑の協調性が悪くなったものを「肺胃不和」なんて言います。

 

(夫婦関係の不和の”不和”です。)

 

 

この、気の昇降出入のうちの「降」に異常をきたした、というのが、「咳」という病変に対する、一つの東洋医学的な考え方です。

 

 

 

続く。

 

 

 

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急に寒くなった

2018.06.17

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今週は、急に寒かったですね。

 

 

週の頭の、台風の後からでしたね。

 

 

二十四節気では「夏至」の前だというのに。。。

 

 

これによって、残念ながら風邪をひいてしまった患者さん、相当診ました。

 

 

でもまあ、

 

「平生から鍼をやっていると、軽く済みます、以前はもっと酷かった。」

 

と、分かっていらっしゃる患者さんは仰いますね。

 

 

これがまあ、鍼灸のいいところでもあります。

 

 

カゼをひかせてしまったこと自体は悔しかったりするけど、ここの理解が得られていれば、まあ安心できます。

 

(日常生活を常に監視して不養生を管理することは出来ませんのでね。。。)

 

 

治未病。

 

 

そして治已病。

 

 

 

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「風門」という経穴

2018.06.11

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こないだ、とあるうつ病の患者さんで、「風門」という経穴の反応が妙に気になった。

 

 

この経穴は、足太陽膀胱経上で、「肺兪」という経穴の一つ上、「大杼」という経穴の一つ下に取ります。

 

 

因みに、肺兪の外側に”魄戸”という経穴があり、大杼の別名は”本神”であり、しかも大杼は”骨会”と呼ばれることが、これまた実に興味深いです。

 

 

風門は「風の門」と書くことから、百病の長である「風邪」がここから入ってくる、とされ、東洋医学的な

 

「外感熱病(風寒邪、風熱邪)」

 

の初期に反応が現れやすい経穴、なんてよく言われます。

 

 

ただまあ、よく考えると、「風の門」ですから、入るばかりではなく、内風(内邪としての風邪)の出口、とも考えられます。

 

 

こないだ、歌手の西城秀樹さんが亡くなりましたが、西城さんは生前、脳梗塞とその後遺症に悩まされていました。

 

 

東洋医学では脳卒中のことを中風、と言いますが、現在増加中の、実に怖い病気ですね。

 

カテゴリ 脳卒中と東洋医学  参照

 

 

この中風の際に関与するのが「風邪」であり、多くは「内風」であります。

 

 

「風門」は、外風の入り口であると同時に、内風の出口なんでしょうね。

 

 

つまり、ここが閉ざされていると、荒れ狂う風邪は、さらに上に向かうしかない。

 

 

すなわち大杼(本神)に向かい、そのさらに上の、元神之府と言われる脳髄海に向かう。

 

 

そう診ると、風門の反応がまた違って見えますし、この経穴がやたら「神」と関わる重要な経穴に囲まれていることにも納得できます。

 

 

因みに因みに、両側の風門の真ん中の督脈上には、経穴らしき反応が出ることがありますが、ここには名前がなく、本によっては「無名穴」とか、「二椎下」と呼ばれます。

 

 

そして「二椎下」の主治は、癲狂(狂状を示す精神病)なのであります。。。

 

 

 

 

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気温湿度の乱高下と衛気

2018.04.20

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最近、気温湿度の乱高下が激しいですね。

 

 

日によって違う、同じ日のうちでも朝晩と日中が違う。

 

 

これについていけず、体調を崩す患者さんも多いです。

 

 

温度が上がれば火邪や暑邪、下がれば寒邪、湿度が上がれば湿邪、乾燥すれば燥邪と、「寒熱湿燥」の邪気に侵襲されやすくなる。

 

 

そして、それら全部に、百病の長である「風邪」が加わることが多い。

 

(もちろん、どの邪気がどういう風に入るかについては、もともとの体質状況によるわけですが。。。)

 

 

急激な外的環境の変化は、気血のムラを生み、そこにある意味内邪としての「風」が生じる。

 

 

だから外的環境変化が激しいからと言って、必ずしも罹患するのが外感病だけとは限りません。

 

 

まあ、基本として、「風寒暑湿燥火」の6つを六淫の邪気と呼んだりするわけですが、これ要は外的環境の変化です。

 

 

東洋医学の理論上、その外的環境の変化にうまく対応するのは人体の正気の中でも「衛気」であります。

 

 

この衛気が部分的に虚ろであったり、停滞していたりして乱れていると、六淫に侵襲されやすくなります。

 

 

ですので、衛気については、その生成メカニズムから、現在どういう状態になっているかを診断する能力、学術がないと、東洋医学的な治療は出来ません。

 

 

衛気に作用しやすい経穴についても、熟知しておく必要があります。

 

 

合谷、申脉、外関・・・。

 

 

あるいは腹部の諸穴。

 

 

肺と衛気、腎と衛気、太陽経と衛気、陽維陽蹻と衛気、三焦と衛気・・・。

 

 

最近、大いに助かっています。

 

 

「衛気」って何ですか? その18

「浮く」の意味 まとめ

「翳す」意味 ⑤

「肺」って何ですか?(その12)

「腎」って何ですか?(その11)

「三焦」って何ですか?(その12)     などなど参照

 

 

 

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(一社)北辰会役員講師研修会に参加してきました!!

2018.03.27

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25日の日曜は大阪で行われた(一社)北辰会役員講師研修会に参加してきました!!

 

(今月二回目の関西です。(苦笑))

 

 

この勉強会は、一般には非公開の役員限定の研修会です。

 

 

この日は朝から試験監督。。。

 

 

北辰会では、講師を目指すためにいくつかのハードルがあります。

 

 

その一つがペーパーテストです。

 

 

実践的な東洋医学、北辰会方式弁証論治の、基本的な知識を問います。

 

 

もちろんペーパーテストの他にも、実技試験や実際の症例カルテの提出、模擬講義など、北辰会方式の習熟度に加えて、優秀な会員の先生の、

 

講師としての資質や才能にも注目しつつ、人材育成しております。

 

 

今回の試験は、一部私も作成させていただきました。

 

 

その後、今後の実技指導の在り方に関して、講師の先生同士で意見交換。

 

 

最後は実技でしたが、朝から風邪気味だったので、ちゃっかり治療してもらっちゃいました☆

 

 

3人の先生に鍼をしてもらい、無数のスゴイ先生方に、脈やら舌やらを診られました。

 

 

色々やっていただき・・・、最後はズバッと学術部長、奥村裕一先生の鍼で、こんなに効いたの久しぶり、と言っていいくらい劇的に回復しました。

 

 

いやー、鍼はスゴイですねー。

 

 

改めて思い知らされました。( ゚Д゚)

 

 

 

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ラッシュが続く。。。

2018.03.26

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先週の四国から、昼も夜も、ずーっとスケジュールがパンパンです。(苦笑)

 

 

まあ、ありがたいことですね。

 

 

しかしこういう時は、体調管理に十二分に注意していないといけません。

 

 

先週末は、珍しく少し風邪気味になってしまいました。。。

 

 

基本的な休息が足りてないと、鍼をしても動きが悪いですねやはり。

 

 

今週はひたすら寝ます。

 

 

仕事してない時間は、全面的に寝ようと思います。

 

 

 

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「紅汗」について考えてみましょう。4

2017.12.03

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◆『宋本傷寒論』「辨太陽病脉證并治中第六.」の続き

 

 

こんな条文もあります。

 

「太陽病中風.以火劫發汗.邪風被火熱.血氣流溢.失其常度.兩陽相熏灼.其身發黄.陽盛則欲.陰虚小便難.陰陽倶虚竭.身體則枯燥.但頭汗出.劑頸而還.腹滿微喘.口乾咽爛.或不大便.久則讝語.甚者至噦.手足躁擾.捻衣摸床.小便利者.其人可治.」

 

少々難しい条文ですが、簡単に訳しますと、

 

「太陽中風証(カゼの初期で、風寒邪のうち、風邪が勝っている病態)に対して、灸や火鍼などの火法をもって無理やり発汗させると、かえって風邪が盛んになり、

 

気血の流れが乱れ、黄疸が出る場合がある。熱邪が盛んになると鼻血が出て、陰液不足になれば排尿困難になる。

 

陰陽どちらも虚弱になったら、皮膚は乾燥して、首から上の頭にのみ汗が出て、腹部が張って、軽い呼吸困難が起こり、口の乾燥と喉の糜爛、

 

便秘などが見られ、これが長引けばうわ言、ひどいものではしゃっくり、手足をせわしなく動かして衣服や布団をつまむ動作を見せたりする。

 

この時にもし尿が通じれば、まだ治療可能である。」

 

・・・という感じです。

 

 

黄疸、頭汗については、以前少し書きました。

 

「胆」って何ですか?(その10)

頭から汗が出る人 まとめ      参照

 

 

この場合は、間違った治療によってかえって風邪や熱邪が盛んになってしまった病態ついて論じてあり、熱邪が盛んになると、熱の逃げ場が無くなって鼻血が出る、

 

というメカニズムです。

 

 

これは良くないやつですね。

 

 

尿が通じれば可能性あり、という記載も面白い。

 

 

東洋医学では基本として、カゼをひいたら、風熱邪風寒邪か考えます。

 

 

で、風寒邪だ!となったら、今度は風邪寒邪、どっちのウエイトがきついか考えます。

 

 

で、寒邪がきつければ(太陽傷寒)温め、発散(発汗)する治療を基本に考えますが、風邪がきつい場合(太陽中風)、ヘタに温める治療をやって無理やり汗をかかせるようなことをやると、

 

上記のようなとんでもないことになったりします。

 

 

厳に気を付けるべきところです。

 

 

 

続く

 

 

 

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「紅汗」について考えてみましょう。3

2017.12.02

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これまでのお話

 

「紅汗」について考えてみましょう。

「紅汗」について考えてみましょう。2       参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆『宋本傷寒論』「辨太陽病脉證并治中第六.」の続き

 

ここに、

 

「衄家.不可發汗.汗出必額上陷.脉急緊.直視不能眴不得眠.」

 

と出てきます。

 

 

 

簡単に訳しますと、

 

「普段からよく鼻血を出す人は発汗法で治療してはダメだよ。もし発汗させ過ぎると、額の上が陥凹し、脈は速く堅くなり、一点を見つめてまばたき出来ず、安眠出来なくなる。」

 

とあります。

 

(因みに「脉急緊」を、筋肉が引きつって固くなる、と訳すこともあります。)

 

 

「発汗させて治療する」というやり方は、『傷寒論』の中で非常に重要な治療方法なんですが、ここには、衄家(じくか:平素からよく鼻血を出す人)以外にも、

 

「発汗させてはいけない人」に関して書かれています。

 

 

例えば

 

咽喉乾燥者、淋家(小便が出にくい者)、瘡家(瘡癰のあるもの)、亡血家(失血のあるもの)、汗家(平素から汗をよくかくもの)など

 

です。

 

 

これらの患者がカゼをひいても、ヘタに発汗させると、思っても見ないような症状が出現することがあります。

 

 

カゼをひく前の体質を正確に把握することの大事ですね。

 

 

 

続く

 

 

 

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『傷寒論』の時間指示と電話

2017.06.23

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清明院では、カゼひきさんをよく診ます。

 

 

最近も、よく診ています。

 

 

年々、カゼひきさんへの治療効果が、少しづつですが、上がっているように感じます。

 

 

嬉しいことですし、ありがたいことです。

 

 

でもこないだは、自分がカゼひきさんになってしまいました。(苦笑)

 

久々に風邪をひく 参照

 

 

カゼの治療が分かってきたかなーと、気を緩めると、スキが出来ると、ヤられる。

 

 

鍼の神は厳しいです。(苦笑)

 

 

・・・ところで、清明院では、治療に来た患者さんが、症状が出ていようといまいと、カゼの初期であると判断し、

 

治療をしたら、翌日や、場合によってはその日のうちに、電話していただくことがあります。

 

 

治療後すぐに電話してもらうケースでは、大体目安は2時間後です。

 

 

以前は、キッチリ治せたかの確認で、どんなカゼでも2時間後に連絡をもらっていましたが、最近では自信がある場合は翌日に、

 

再感していないかの確認電話をしていただくことが多いですね。

 

 

・・・さてここで、何故「二時間後」なのか。

 

 

それは、『傷寒論』の太陽病上篇、桂枝湯のところに書いてあります。

 

「・・・ 温覆令一時許.遍身漐漐.微似有汗者益佳.不可令如水流離.病必不除.若一服汗出病差.停後服.不必盡劑.若不汗.更服依前法.・・・」

 

まあこの条文は要は、薬を服用してから「一時(2時間)」おきに発 汗の有無を確かめ、発汗していなければ投薬を継続する形で、

 

太陽病の場合は4時間で1日分を服用させましょ、という理解に繋がる内容です 。

 

(上記は安井廣迪先生の解説を参考にさせて頂きました)

 

 

・・・で、その後は、やや間隔を開けて3 − 4 時間おきの服用とし、発汗すれば服 用を停止すると。

 

 

他の処方もこのようにして使用すると、効果がよりよいと 。

 

 

これを鍼に置き換えて考えると、二時間後に電話してもらって、発汗に限らず、どのような変化が起こったか確認、ということになるのです。

 

 

それにより、自分の鍼の威力や、効果の及ぼせた範囲、自分の診たての正確さもよく分かります。

 

 

このように、治療と、その後の変化については、古人が非常に詳細に観察して下さっているところなので、現代でも十分に使える知見が沢山あります。

 

 

以前も紹介したように、桂枝湯の後のおかゆ(熱希粥)とかね。

 

「おかゆ」を含む記事 参照

 

 

やったらやりっぱなしはダメ。

 

 

僕ら鍼灸院が、サクッとカゼを治す。

 

 

これ、重要重要。

 

 

超重要。

 

 

『傷寒論』『温病学』、鍼灸学校、鍼灸師の必修科目にするべきです。

 

 

 

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