東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「月経異常」を考える

2015.02.18

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今日は学校で、「月経異常」について喋ってきました!!

清明院でも非常に多い、「月経」に関する相談。

月経の異常を抱えていれば、当然不妊症や不育症といった、妊娠に関するトラブルとも繋がってきます。


月経異常に関しては、有名なものは

月経困難症(いわゆる生理痛)と月経前緊張症(PMS)

というやつです。


患者さんの多くは、10代の頃に、これらの症状を自覚すると、当然のように薬局に行って、痛み止めを買い求め、飲むようになります。

それで何とかなってしまうと、そのまま、10年、20年経ってしまうケースが、よくあります。

この風潮に関する指摘は、以前書きました。

「痛み止め」服用の是非
「ピル」服用の是非     参照

また、”痛み”というものがいかなるものかについても、以前書きました。

カテゴリ 「痛みについて」 参照

女性にとって、正常な月経、妊娠、出産というのは、その方の人生設計、幸福に大きく関わります。

ぜひとも、早い段階で(遅かったとしても)東洋医学に巡り合い、根本治療をすることで、素晴らしい人生を全うしてもらいたいと思います。

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「鍼一本でいきます。」

2014.11.16

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清明院で不妊治療の末、無事妊娠し、無事出産された、とある患者さん。

(さらに…)

清明婦人科

2014.05.13

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ちょっと前から最近にかけて、立て続けに不妊治療の患者さん達が妊娠され、現在、清明院は妊婦さんが多いです。

(さらに…)

出べその病理

2013.10.27

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たまに目にする「出べそ」

小児でも、大人でも、程度の問題はありますが、たまにおりますね。

これは、へその緒が取れた後、おへその奥の組織がキッチリと閉まっていないと、小腸や、胃の周囲の脂肪組織が、いきんだりした拍子に、

 

おへそ奥の部分からズルッと飛び出てくる病気です。

小児の場合は、多くは手で簡単に戻せますし、生後すぐに出た場合は、グッと圧迫しておけば、ほとんどは自然治癒するそうですが、

2歳になっても戻らない場合や、痛みがあったりする場合は、手術することもあるそうです。

しかし、基本的には自然治癒を待つことが多いようです。

成人の場合は、妊娠出産を繰り返した女性に多く、これは手術になることが多いようです。

東洋医学では、臍ヘルニアに関して、主に小児科の病として扱い、弁病名は「小児臍突(しょうにさいとつ)」と言います。


・・・続きは次回。(笑)

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「月経異常」について喋ってきました!!

2013.07.24

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今日は東洋鍼灸専門学校にて「月経異常」について喋ってきました!!

東洋医学的、西洋医学的に、この「月経」というもの、女性生理というものに関して、メカニズムから始まって、その具体的な症状と、

一つ一つの治療法までやろうと思ったら、僕が持たされた期間である、半年全部使えちゃうぐらいの内容です。(苦笑)

それをたった1コマで、ということですから、当然ながら、内容はきわめてざっくりとした、ダイジェスト的なものになります。

そんなわけで今回は主に教科書でも紹介されている「月経周期の異常」について、喋ってきました。

清明院の患者さんたちを診ていても、実に多いんですよねー、女性生理に関する異常を訴える患者さん。

生理不順、生理痛、不正出血、不妊症、不育症、妊娠中の様々なトラブルなどなど、枚挙にいとまがないです。

それを主訴としてみえる場合も多いし、他に症状があっても、随伴して月経の異常を抱えている場合がほとんどです。

また、治療に通うほどではないけど、何らかの異常を感じている人まで入れたら、若い女性の大多数なんじゃないでしょうか。

これは非常に、由々しき問題だと思います。

一方で、往診の、70代、80代の患者さんに聞くと、生理に関して悩んだことなんてない、周りにもそういう女性はいなかった、と仰る方がほとんどだったりします。。。

これは、社会における女性のあり方、生活様式の変化、生理用品や食生活の変化などが、複雑に関係していそうですね。

まあそんなわけで、なかなか背景の難しい症状ではあるんですが、月経にまつわる症状全般に、鍼灸治療がよく効くことは間違いないです。

そんなワケで、私の授業では、一生使える、大事なことばっかり喋っております。

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頻尿のメカニズム

2013.03.06

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「頻尿」という症状がある。

妊娠中や膀胱炎の時など、比較的女性に多い症状ではないだろうか。

東洋医学では、「小便頻数(しょうべんひんさく)」と呼んで、病的な症状として対処する。

ちなみに、小便が薄くて透明で量が多いのは「小便清長(しょうべんせいちょう)」

夜間のみに小便の回数が増加するのは「夜間多尿(やかんたにょう)」と呼んで、

「小便頻数」とはまた違った概念として、区別している。

これは、「膀胱の腑」「腎の臓」「脾の臓」「肺の臓」「肝の臓」の異常や、「湿熱」といった病理産物によって成ることが多く、よく診る症状であるが、発症プロセスは比較的煩雑である。

正気の弱りが直接的、あるいは間接的に関与しているものは、治りが悪いという印象がある。

尿のもとは飲食物に含まれる水分の中の余剰のもの。

これが、「小腸の腑」から、「脾の臓」「腎の臓」の力を借りて浸み出し、「膀胱の腑」に溜まっていく。

この濁水は、一定程度たまると、「肺の臓」「心の臓」の働きによって、あの独特の切迫感、つまり「尿意」として感知、認識され、

「肺の臓」の気を引き下ろす力、「肝の臓」の発散する力を借りて、体外に排出される。

上記のメカニズムにおいて、「小便頻数」になるということは、

”大して膀胱の腑に溜まってないのに”

あるいは、

”何らかの原因で、すぐに濁水が膀胱の腑に溜まってしまって”

あるいは、

”膀胱の腑そのものの動き(要は伸び縮み)が悪くて”

小便が近くなる状態である。

これを考えて治療すると、大体よくなる。

ちなみに、呑み会でビールを飲み過ぎて、小便が近くなるのは、むしろ正常で、生理的である。

 

呑み会で、かえってトイレが遠くなるものはあまり良くない。

よく分からん健康法とかなんとかいって、意識して1日数リットル多飲していて、小便が近くなるのは問題。

術者が騙されてはいけないし、患者さん自身にも、「自分の場合の病理」を、よく理解してもらう必要がある。

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「胆」って何ですか?(その9)

2013.02.11

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これまでのお話・・・

「肝」って何ですか?(その13)
「胆(たん)」って何ですか??(その1) 
「胆」って何ですか?(その2)        
「胆」って何ですか?(その3)

「胆」って何ですか?(その4)
「胆」って何ですか?(その5)
「胆」って何ですか?(その6)
「胆」って何ですか?(その7)
「胆」って何ですか?(その8)

 

では、続きいきます!!

 

◆『淮南子(えなんじ)』における胆の腑

この『淮南子』という書物がいかなるものか、という話は、こないだスタッフブログに副院長が簡単に書いてくれました。

スタッフブログ 『淮南子(えなんじ)』という書物 参照

 

その『淮南子』”精神訓”というところに、

「妊娠して10か月経って、人間が生まれて形になる時、胆は口に関わり、相方の肝は耳に関わるよ~ん♪

他に、肺は目、腎は鼻、脾は舌に関わるんだよ~ん♪」

とあります。

 

(抜粋意訳 by竹下)

 


・・・これは、実は一般的な東洋医学の学説とは異なる論なんですが、そういえば口も、開閉しますよねえ?


したがって僕的にはこれを読んだとき、”ナルホドナー♪”と思いました。


ここで、”イヤイヤ、目だって開閉するじゃねーか!”と即座に突っ込んだ人は優秀です。(笑)

 

 

空間物体を、視覚を通じて認識するための器官である「目」「口」とは、全然違います。

 

「口」というのは、飲食物の入り口、つまり、胃、小腸、大腸の入り口です。

 

 

東洋医学の一般常識からすれば「脾の臓」がもっとも深くかかわる器官です。

 


前回述べたように、胆の腑は、胆汁で、消化を助けます。

 

また、胃の腑と協力して、気を下げる働きを持つ、とも言われます。

 

当然、開閉する部分なんだから、胆は目にも関わるんでしょうが、「より」口に関わる、という意味なんだと思います。

 

東洋医学に関する、あまり一般的でない言説や分類が書いてある文献て、実は調べるとけっこうあるんですが、そういうものを理解するには、

 

こういう風に原理を把握した、柔軟な考え方がないと難しいと思います。

 


大事なのは、全て相対論なんだ、ということです。

 

どんな本に書いてあることだって、結局はそれの作者が、

「まー色々ある中で、どっちかというとこう、と、僕は思うけど?」

という話しなんです。

 

着眼点や切り口が違えば、形式論理学的な前提は変わったりします。

 

だから読むときは、書いた人の意図を汲んであげないと。

 


・・・まあそう言ってしまうと、何でもアリなようですが、現実は何でもアリではない、オモシロキビシイ世界なんです。

 


また、『淮南子』の同じ部分には、

「人に色々な感情があるように、お空にも色んな気象状況があるよね~?で、胆っていうのは、お空で起こる現象で言うと、

雲みたいなもんだぜ~!しかも相方の肝は風みたいなもんで、他に脾は雷、腎は雨、肺は氣みたいなもんさ~、

で、それらみんなを心が仕切っているのさ~!!」

とも書いてあります。

 

(抜粋意訳by竹下)

 


この部分こそ、僕が「胆汁」というものは、「小腸の腑」に出てきて消化を助ける以外に、有形と無形の中間である霧(水蒸気)のように全身各所に行き渡り、

全身各所の「枢」を調整している、という働きもあるんじゃないかなー、と妄想したきっかけです。(笑)

 


雲は水蒸気、気体と液体の中間の、中途半端な状態です。

 


まさに臓のようで腑のような、胆を表わすのにピッタリです。

 

しかもそれが、風(肝)の力を借りて、自由自在に大空(この場合の全身)を流れ、太陽の強い日差しを程よくさえぎったり、分厚くなれば雨を降らせて、湿度を調整する。

 

(因みに脾が雷というのも面白いですね)

 

 


この記載が妙にシックリきたんですねー。

 

 

次回に続く。

 

 

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地震がコワい症候群

2012.12.09

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こないだ、久々に大きな余震がありました。

(さらに…)

「血(けつ)」の病変-血閉-

2012.11.07

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昨日、「血痺(けっぴ)」について書きました。

「血(けつ)」の病変-血痺- 参照

 


ついでなんで、今日は「血閉(けっぺい、けつへい)」について書いておこうと思います。

 


ところで漢方薬というものは、いくつかの生薬から構成されていますが、その一つ一つの生薬にもちろん東洋医学的な「薬効」があり、

この分野は、古くから研究されまくっております。

 

一つ一つの生薬の薬効を考えて、それを患者さん一人一人に合わせて、相乗効果や相殺効果を考えながら、上手に組み合わせることで、

患者さん一人一人の病気の状態に合わせた漢方薬を作り、速やかに、理想的な効果を得よう、というのが漢方薬の医学です。

 

 

生薬の中には、相乗効果を示すものもあれば、相殺効果が出てしまうものもあります。

スタッフブログ 十八反と十九畏 参照

 


その、生薬一つ一つの薬効を示した有名な古典の一つに、『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』という書物があります。

 

ここに、「血閉」という言葉が出てきます。

 

詳しくは難しくなるのであえて書きませんが、桃仁、大黄、䗪蟲のところです。

䗪蟲についてはスタッフブログ 黒いアイツ・・・ 参照

 


桃仁、大黄についても、興味がある方は調べてみて下さい。

 


中医学では、「血閉」という言い方はあまり出て来ず、「閉血(へいけつ)」という言い方で、いわゆる「月経の停止した状態」を指します。

 

これは、更年期を迎え、生理的に月経が停止した状態というよりも、若いのに、何らかの病因で、病的に月経が停止してしまった状態を主に指します。

 


神農本草経の言う「血閉」というのも、おそらくは同じ意味でしょう。

 


下腹部において、「血」が滞り、病的に月経が来なくなってしまった状態を指し、昨日紹介した「血痺」から、この状態に進んでしまうこともあるようです。

 

これはたいへんな問題です。

 

妊娠、出産という、女性生理がうまく働かないことになりますし、それだけでなく、女性生理と関わる多くの臓腑経絡の異常に繋がります。

 

この場合は、滞った血、すなわち「瘀血」をガンガン下していく治療が必要になります。

 


まあ実は他にも、血の病変は山ほどあって、中医学には滞血・留血・蓄血・宿血・乾血・老血・死血・敗血・悪血・賊血とか、実に様々な名称が出てきます。

 


そのそれぞれにおいて、治療法は微妙に異なってきますが、基本中の基本はまず、

「血が滞ったのか、足りないのか、あるいはその両方か。」

です。

 

ここをまず、キチッと見極めないといけません。

 

・・・という話でした。(笑)

 

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「血」って何ですか?(その9)

2012.06.18

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これまでのお話・・・

「血(けつ)」って何ですか?
「血」って何ですか?(その2)
「血」って何ですか?(その3)
「血」って何ですか?(その4)
「血」って何ですか?(その5)
「血」って何ですか?(その6)
「血」って何ですか?(その7)
「血」って何ですか?(その8)

 

 

続きいきます!

 


◆「血」が出てっちゃったら問題アリ!


これまでで、東洋医学の言う「血(けつ)」というものが、

 

どういうもので、

どうやって作られて、

どういう臓腑に深く関わるのか、


という基本的な内容と、

 

ではそれがどうなった場合に問題があるのか、

 

ということで、部分的、全身的に「血」が足りなくなる「血虚」と、部分的、全身的に「血」が滞る「瘀血」というものについて、具体例を示しながらみてきました。

 


今日は、「血」の病変で、もう一つ重要な「出血」について解説しようと思います。

 


コレ、意外と多いんですよ、最近。

 

女性の不正性器出血や、血便、切れ痔、鼻血、歯茎からの出血などなど、患者さんに詳しく話を聞くと、意外と出血病変というのは多いのです。

 


これ以外にも、我々開業鍼灸師の現場ではなかなか診ることは少ないですが、吐血や喀血、血尿なども、同種の扱いをします。

 

東洋医学においても、正常で生理的な「血」というものは、全身の「血脈」の中を巡行し、全身を栄養するものですから、「血脈」から勝手に出ちゃってはいけません。

 

出てっちゃったら、それは病気と考えます。

 

ちなみに、女性の生理における出血は、もうすでに不必要になった「血」ですので※、あの場合は逆に「一定量出ないと異常」です。

(※「受精→妊娠」というイベントがなかった場合、その準備のために子宮に集まっていた「血」は不要なものとなるため、ある種の「瘀血」という扱いになります。)

 

女性特有の生理、病理についても、そのうち気が向いたら書こうかな、と思っております。

 

「血」が血脈の外に出てしまう病理のメカニズムは、色々あります。

 


単純にケガして出血する以外にも、「虚熱(きょねつ)」「実熱(じつねつ)」といって、体に余分な「熱」が籠り過ぎた場合、

 

その熱が血脈を内側から損傷させ、出血する、というメカニズムが一つ。

 

この場合、出血の量や勢いで「虚熱」「実熱」か見分けますが、この2者がどう違うかについては、難しいのでここでは割愛します。

 

 

まあ要するに、人間の体というのは冷えてもダメ、余分な熱が籠ってもダメなのです。

 

体内に生じる生理的な「熱」も、逃げ場がなくなったり、過剰に産生されたりすれば、「余分な熱」として問題になります。

 


それが血脈に籠れば、出血する可能性がある、ということです。

 


また、血脈内の血を推し進める「気」の働きが弱った場合にも、ダラダラと弱々しく出血してしまうことがあります。

 


これも、どの臓腑の弱りが「気」の働きをダウンさせているかを考えて治療します。

 


あるいは前回までに述べた「瘀血」があるために、「血」の停滞が部分的にきつく、そこから出血してしまうこともあります。

 

これは、血脈上に引っかかって進めない部分が生じて、横からあふれたようなもんですが、本体は瘀血ですので、瘀血を除くように治療します。

 

つづく

 

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