東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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『素問 異法方宜論(12)』の同病異治

2019.06.27

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東洋医学のバイブル『黄帝内経 素問』の中に、「異法方宜論(12)」という有名な篇がある。

 

 

ここでは「同病異治」の道理を説いている。

 

 

「同病異治」というのは、同じ病でもいろんな治し方があるという意味で、それはどうしてか、という問題を取り上げたのがこの篇だ。

 

 

内容はいたってシンプルであり、

 

 

◆東方の民

 

→海が近くて魚と塩辛いものばっかり食べてるから、熱が籠ったり、血を病みやすく、オデキが出来る人が多い。

 

→砭石(石のメス)で切開や出血させるような治療が適してる!

 

 

◆西方の民

 

→砂漠や丘陵地帯が多く、おいしいお肉や新鮮な乳製品ばっかり食べてて太ってるので、外邪には入られにくいが、内臓を病んでいることが多い。

 

→内服薬が適してる!!

 

 

◆北方の民

 

→寒くて、乳製品中心の遊牧生活をしているため、内臓が冷えて脹満の病が多い。

 

→お灸が適してる!!

 

 

◆南方の民

 

→蒸し暑くて酸味や発酵食品をよく摂っているため筋肉の攣りや痺れが多い。

 

→鍼が適してる!!

 

 

◆中央の民

 

→四方から色々な食べ物が入ってくるので、色々なものを食べているが、苦労しないので、痿軟の病や血行不良(寒熱)の病が多い。

 

→マッサージが適してる!!

 

 

・・・で、名医というのは、これらをよく理解して、治療の大原則を踏まえて、臨機応変に対応できる先生のことです。

 

 

という内容です。

 

 

要は東西南北の民衆の生活様式に着眼し、それに応じた治療をしないとダメよ、って話です。

 

 

現代人、特に都市部で生活している人は、「中央の民」に一番近いですかね。

 

 

街中に無資格も含めたマッサージ屋さんが溢れかえっているところを見ると、納得です。(苦笑)

 

 

まあそういった中で、清明院は「鍼灸砭石担当」として頑張ります!!

 

 

異法方宜論的な、鍼灸砭石の適応症はオデキ、筋緊張、神経痛、神経麻痺、内臓の冷えから来る脹満らしい。。。

 

 

・・・まあ、よく診てます、確かに。(^^)

 

 

 

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「大青竜湯」という薬

2019.04.10

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最近のお話し

 

「牛車腎気丸」という薬

「治打撲一方」という薬

「小青龍湯」という薬

「麻黄湯」という薬

「葛根湯」という薬

「桂枝湯」という薬

 

参照

 

 

ここまで述べてきた、「桂枝湯」「麻黄湯」”桂麻の剤”から派生する方剤は非常に多い。

 

 

また、『傷寒論』以降に著された様々な方剤の書も、結局は『傷寒論』の処方を基本として、いわば「後出しじゃんけん」的に色々なことを言っているものは多い。

 

(・・・言い方が悪いか。(苦笑) ”伝統医学の継承と発展”だね。)

 

 

なので、『傷寒論』は数千年先まで影響を与える、怪物のような本なのだ。

 

 

かつて、とある先生から紹介されて、知る人ぞ知る漢方の大家(故人)の先生にお会いした時、その先生は

 

「もう60年も毎日『傷寒論』を読み続けているが、それでも分からないところがある。。。」

 

と仰っていた。(苦笑)

 

 

そのぐらい、深遠な世界を表現した本なのだ。

 

 

まあ大体、『易経』にせよ『内経』にせよ『論語』にせよ、古代中国の古典というのは、それだからこそ魅力があるんだろう。

 

 

・・・話が逸れたが、麻黄湯の加減方として、東洋学術出版社『中国傷寒論解説 続篇』には、「小青龍湯」「大青竜湯」「葛根湯」の3方剤が紹介されている。

 

 

このうち、「小青龍湯」「葛根湯」についてはすでに語ったので、「大青竜湯」だけ語らないのも、なんか気持ち悪い。。。(^^;)

 

 

・・ということで、今日は「大青竜湯」のお話。

 

 

よく、柴胡剤でも「小柴胡湯」「大柴胡湯」、承気湯類でも「小承気湯」「大承気湯」とあるように、方剤名の前に「大」「小」とついている場合がありますが、

 

当たり前ながら、これは効果の強弱を示すものではありません。(苦笑)

 

 

似ているところがあり、兄弟のようでありながらも、似て非なる方剤を、このように呼び分けています。

 

 

大青竜湯も、出典はもちろん『傷寒論』であり、

 

太陽中風.脉浮緊.發熱惡寒.身疼痛.不汗出而煩躁者.大青龍湯主之.若脉微弱.汗出惡風者.不可服之.服之則厥逆.筋惕肉瞤.此爲逆也.

 

傷寒脉浮緩.身不疼.但重.乍有輕時.無少陰證者.大青龍湯發之.

 

とあり、『金匱要略』では

 

病溢飮者.當發其汗.大青龍湯主之.小青龍湯亦主之.

 

とあります。

 

 

まあ簡単に言うと、大青竜湯の場合は、

 

「表面が冷えて、結果的に浅いところに熱が籠ってしまったもの」

 

に使います。

 

 

大青竜湯の中に入っている「石膏」という生薬は、浅い部分に籠った熱を取るための非常に重要な生薬です。

 

 

ですので、麻黄湯からの加減方をまとめると、

 

麻黄湯の場合は表面を温めて汗をかかす、

 

小青竜湯の場合は表面の冷え+水邪の突き上げ、

 

葛根湯の場合は表面の冷え+うなじのこわばり、

 

大青竜湯で表面の冷え+それによって籠った浅い部分の熱、

 

というバリエーションがあることが分かります。

 

 

鍼の場合も、カゼひきさんを治療する場合はこのように、

 

「どういう体質の人に」

 

「どういう邪気が襲って」

 

「結果的に表面で何が起きていて」

 

「深い部分では何が起きているのか」

 

を考えながら治療していきます。

 

 

なので、漢方薬の考え方と、一緒であり、ある意味応用的です。

 

 

ですので、鍼灸師にとっても、『傷寒論』理解は非常に大事なのです。

 

 

 

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「葛根湯」という薬

2019.04.08

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最近のお話し

 

「牛車腎気丸」という薬

「治打撲一方」という薬

 

参照

 

 

ここまで書いてくると、「葛根湯」を語っておかないとなんか気分が悪い。。。

 

 

・・・ということで、以前 

 

葛根湯医者

 

という記事で触れた、葛根湯について書いておきます。

 

 

まあこれも、もはや誰でも知ってる、漢方界のスーパースターですね。

 

 

しかしあまりにも、考えなしに服用されているケースが多すぎる。。。(苦笑)

 

 

患者さんでも、

 

「カゼっぽかったんで自己判断で葛根湯飲みました。」

 

と仰る方は、非常に多い。

 

 

この葛根湯も、出典はあの『傷寒論』であり、前回語った小青竜湯と同じく、「麻黄湯」の加減方とみることも出来ますし、超有名な「桂枝湯」のバリエーションと考えることも出来ます。

 

東洋学術出版社『中国傷寒論解説 続篇 基礎と方剤』では、麻黄湯類に分類されています。)

 

 

桂枝湯の状態に加えて、「うなじのこわばり」があるものに対して、桂枝加葛根湯という薬を用い、それに麻黄を加えたものが「葛根湯」であります。

 

 

桂枝加葛根湯葛根湯の違いは「汗の有無」です。

 

 

やはり麻黄剤というのは「皮膚表面を温めて、汗をかかせて治す」のがポイントです。

 

 

『傷寒論』の中には

 

 

太陽病.項背強几几.無汗惡風.葛根湯主之.

 

太陽與陽明合病者.必自下利.葛根湯主之.

 

太陽與陽明合病.必自下利.不嘔者.屬葛根湯證.

 

 

とあり、これを見ると、風寒邪が少し深く入って、下痢するものにも使える、となっています。

 

 

また『金匱要略』の中には、

 

 

太陽病.無汗而小便反少.氣上衝胸.口噤不得語.欲作剛痓.葛根湯主之.

 

 

と出てきます。

 

 

これは皮膚表面に冷えがあって汗が出ず、なのに小便も出ず、という状況になると、気が突き上げて喋りにくくなったり頚がこわばったりするものに葛根湯が使えるという話です。

 

 

葛根湯を使う、という時、

 

「汗が出ているか」

 

「皮膚表面に冷えがあるかどうか」

 

「大小便はどうか」

 

最低でもここに注目する必要があります。

 

 

 

カゼには無数の種類があり、どういうカゼなのかを考えて治療しないと、必ずこじれます。

 

 

 

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「治打撲一方」という薬

2019.04.05

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昨日、「牛車腎気丸」という薬という記事を書きました。

 

 

その時に、もう一種類、「治打撲一方」という薬の話にもなりました。

 

 

これはどうか。

 

 

これは実は、以前紹介した江戸期の医家、香川修庵先生(1683-1755)の創方だそうです。

 

香川修庵という人物

墓マイラー 9      参照

 

 

ですが、真柳誠先生の研究によれば、「治打撲一方」という”名前で”文献に登場するのは、あの幕末から明治の漢方医、浅田宗伯先生(1815-1894)の

 

『勿誤薬室方函口訣(ふつごやくしつほうかんくけつ)』だそうで、ということは、この薬の名付け親は浅田宗伯になるそうです。

 

浅田宗伯という人物

墓マイラー 18 浅田宗伯先生    参照

 

 

・・・まあ、個人的にはどっちでもいいんですが。(゚∀゚)

 

 

この薬の中に含まれる川骨(せんこつ)、樸樕(ぼくそく)という、活血化瘀の効果を持つ生薬は、呼び名からして日本独特であり、中国の処方に含まれることはないそうで、

 

そういう意味でもまさに日本製の漢方薬だそうです。

 

(もともとは戦国時代に傷や怪我を治療する秘伝の薬だったのを、香川先生がまとめたんだとか。)

 

(中国では川骨のことは萍蓬(ヘイホウ、コウホネ、カワホネ)というらしいが、『中医臨床のための中薬学』には載っていませんでした。。)

 

 

「治打撲一方」は、昭和になって、一貫堂の山本巌先生が紹介したことで、よく使われるようになった経緯があるそうです。

 

(今ではツムラのエキス剤になっています。)

 

 

これは中医学では血の流れを調える「理血剤」のグループであり、その中でも停滞した瘀血を取る「活血祛瘀剤」のグループで、その名の通り、

 

打撲や捻挫を治療する薬なんですが、応用的に骨折の後遺症などにも使われるようです。

 

 

さらに応用的には、経絡経筋が冷えて、瘀血が停滞した痛みなんかにも使われるそうです。

 

 

・・・ということは、外傷はともかくとして、気滞血瘀や瘀血性の疼痛に応用するには、

 

「経絡経筋に冷えがあり、気が停滞し、血も停滞している」

 

ということが診断できないとマズい、ということになります。

 

 

また、これを適切に運用するには、同じグループの有名な薬であり、現代でもよく使われる

 

「桃核承気湯」「血府逐瘀湯」「桂枝茯苓丸」「大黄䗪蟲丸」「温経湯」「抵当湯」

 

なんかとの使い分けができる能力が要求されるはずです。

 

 

まあ、治打撲一方に限って言えば、熱邪や湿邪の関与する痛みだったり、気虚や陽虚が関与するものに使ったらドボン、ということでしょうか。

 

 

漢方薬というのは、もちろんながら、東洋医学の生命観、疾病観に立脚して考案されたものです。

 

 

ここを無視して使用されているような現実があることは、実に残念に感じます。

 

 

 

 

 

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安中散について

2019.03.02

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ここんとこ、

 

四君子湯と六君子湯

平胃散について

 

という記事を書きました。

 

 

ついでなんで、中焦(脾胃)モノを、もうちょっと書いときましょう。

 

 

単純に脾胃の病と言っても、寒熱虚実、他臓腑との関わり、色々あるんです。

 

 

それをきちんと分析して、きちんとした処置をしていかなかったら、治るもんも治りません。

 

 

今日は「安中散」です。

 

 

こないだ、これを処方されている胃痛、パニック障害の患者さんが見えました。

 

 

マズマズ効いていたようです。

 

 

これも出典は中国宋代、『和剤局方』であります。

 

 

『中医臨床のための方剤学』によると、

 

組成は肉桂(桂枝)4g、延胡索3g、牡蛎3g、小茴香1g、甘草1g、縮砂(砂仁)2g、高良姜1g

 

効能は温中降気、止痛

 

主治は裏寒の疼痛

 

と、あります。

 

 

これは「温裏剤」のグループであり、『金匱要略』に出てくる、有名な「大建中湯」の附方(方意が類似している薬)として紹介されています。

 

『金匱要略(きんきようりゃく)』という書物   参照

 

 

要するに中焦を温めて寒邪を散らし、冷え痛みをとるのが方意な訳ですが、方意が似ているのに、組成はまったく違います。(苦笑)

 

 

ここが漢方の面白いところなんでしょうね。

 

 

・・・まあ、鍼灸もそうですね。

 

 

同じ効果を狙って、全然違う経穴に、全然違う鍼灸をすることは、日常的にあります。

 

 

「大建中湯」の場合は、脾胃+主に肺腎を意識しながら、急いで冷えと上逆を取りにいく方剤であるのに対して、「安中散」脾胃+主に肝を意識して、

 

長期的な冷えに対して、”理気”というアプローチをかけていますね。

 

 

鍼灸でも、大建中湯的な効果を狙うのと、安中散的な効果を狙うのとでは、配穴から手技から違います。

 

 

・・・ところで「大建中湯」は、消化器外科でエラク使われるようです。

 

 

これにも触れときましょうか。

 

(キリがねえなー(;’∀’))

 

 

 

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ノニと巴戟天

2019.02.21

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こないだ、患者さんで、

 

「生理痛にノニジュースが良いと聞いて、飲むようにしたら痛み止めを使わないでもいられるようになった!」

 

という人がいらした。

 

 

この手の話は、臨床をやっているとゴマンと出会うが、バカにしてはならないと思っています。

 

藤本鉄風先生の教えですね。)

 

 

・・・今回も、ほう、と思って、少し調べた。

 

 

清明院から歩いてすぐのところに、巨大なビルが建っている「ノニ」

 

 

こないだ話題になった「青汁王子」じゃないけど、こういった健康食品産業ってのは、スゴイもんだね。(゜o゜)

 

 

新宿にビルが建つなんて、鍼灸院ではとても無理っす☆

 

 

10代の頃から、朝から晩まで勉強して、臨床して、休みの日は勉強会行って、やっとこさっとこ学術を身に付けて、それでもやっとこさっとこメシが食えているくらいなのに、

 

とある健康食品を開発して、上手に宣伝して、通販で全国に売ったら、新宿に巨大なビルが建つ。。。

 

 

これが社会の現実です。(;’∀’)

 

 

・・・まあいいっす、僕は僕で、大都会新宿の片隅で、コツコツとやります。(`・ω・´)ゞ

 

 

さてこの「ノニ」ですが、東南アジアからオーストラリアにかけての太平洋熱帯地域全域に生育する常緑低木または小木だそうです。

 

 

日本では沖縄に「ヤエヤマアオキ」という和名の自生種があるそうで、古くから果実や根や茎が薬用に使われてきた歴史があるそうです。

 

 

まあ、「ノニ」の効果については、色んなサイトで、色んなこと(効果効能)が実に景気よく書かれています。(苦笑)

 

 

・・・でもまあ、こちらのサイト様に書かれているように、科学的根拠は不十分、という、いつものやつではないでしょうか。

 

 

ただ、冒頭にも述べたように、「科学的根拠が不十分」だから大したものではない、と即断するのは違う。

 

 

因みにノニは、morinda属の植物なんだそうだが、同じmorinda属の植物を使う生薬に「巴戟天(はげきてん)」という生薬があります。

 

 

毓麟丸(いくりんがん)、巴戟丸(はげきがん)、金剛丸(こんごうがん)といった、聞きなれない処方に使われるようで、中薬学では「補益薬」のグループで、特に「助陽薬」に分類されます。

 

(まあ、陽気を補うグループです。)

 

 

巴戟天は根っこの部分を使うらしいが、腎陽虚+寒湿邪の女子胞の冷えからくる不妊症や生理痛、生理不順などによく使う生薬だそうで、

 

ノニもこれと似たような効果が期待できるとすれば、生理痛が取れたというのも納得できる。

 

 

しかし、熱帯地域にある植物で、冷えを取るとは。

 

 

清熱にいきそうなイメージを持っていましたが、陰虚熱、湿熱には禁忌だそうです。。。

 

 

意外とこういう、患者さんのいう、健康食品で奇効が得られたという話が、鍼灸治療や、養生研究の役に立つことがある。

 

 

 

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「百会」の不思議

2019.01.27

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こないだ、勉強会で、面白いことがあった。

 

 

まあ最近はすっかり立春前、という感じがハッキリしてきました。

 

 

こんな大都会東京でも、敏感な患者さんの中には、体の変化、風や日差しの変化に気付く人もいるようです。

 

 

この時期、足厥陰肝経の終末であり、「三陽五会」とも「百脈が朝会する処」とも言われる「百会」穴が大活躍します。

 

 

こないだの勉強会で、

 

「足が冷えて頭が逆上せる」

 

という人がいました。

 

 

百会穴に鍼をすると、爽やかにのぼせが下がる感覚があって、足が温もる。

 

 

また、

 

「体が火照って熱い」

 

という人がいました。

 

 

百会に鍼をすると、全身が涼やかに冷えて、気持ちがいいという。

 

 

同じ経穴に同じように鍼をしても、ある時は温まったり、ある時は冷えたり。

 

百会大活躍☆

「百会(ひゃくえ)」という経穴 5     参照

 

 

 

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腹診における逆証所見 2

2018.12.09

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藤本蓮風先生が1993年に発刊したシリーズ著書『鍼灸医学における実践から理論へ パートⅡ』の中に、腹診における逆証所見が語られています。

 

(今から約30年前、1989年の講義をテープ起こししたものを採録している)

 

 

箇条書きでまとめると、ここには、

 

1.胃土(中脘穴、上脘穴、下脘穴、梁門穴を中心とした上腹部の広い部分)を中心に並板状に凸凹が触れるもの。

(鍼してもそれが動かないものは完全に悪い)

 

2.腹部の緊張が沈みきってベラベラのもの(虚虚の腹)

 

3.腹部全体的に邪が遍満している者(実実の腹)

 

4.腹水+冷感のキツイもの

 

5.臍下に割り箸様の索状の硬結があるもの(中心部は虚軟)

 

6.右脾募(不容穴周辺)、両腎(大巨穴、水道穴周辺)、胃土の冷えがなかなか取れないもの

 

・・・以上が、逆証の腹診所見であると示されています。

 

 

1.~5.までは古典にも記載があるのですが、6.は蓮風先生の臨床経験で得た診方だと思います。

 

 

現在でも、蓮風先生は体表上の異常な冷え、取れにくい冷えには非常に注目しておられます。

 

 

死んだら冷たくなる。

 

 

鍼しても温まらないものは怖いのです。

 

 

しかもそれが腹だと、なお恐ろしい。

 

 

しかもここで、「右脾募」を入れているところも、非常に興味深い。

 

 

最近、(一社)北辰会の学術部長である奥村裕一先生が、その研究論文の中で「脾募」つまり「不容穴」の意味を掘り下げて下さいました。

 

「江戸期鍼灸諸流派における膏之原・肓之原ー膈膜・募原・心包・三焦との関わりー」奥村裕一 2016『伝統鍼灸』43巻1号)

 

 

「脾募(特に右)の冷えが取れない」というのは、重い意味があるんだと思います。

 

 

 

続く

 

 

 

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ヨモギ茶と麦茶の違い

2018.08.18

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清明院では現在、院内診療、訪問診療ともに多忙のため、求人募集しております!

 

 

募集内容の詳細はこちら!!

 

 

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こないだ、更年期障害様ののぼせとめまいで、数年前から定期的に通院されている患者さんが仰った。

 

 

この2,3年は、長いこと安定していたが、今年の夏前くらいから、軽いものの、少しメマイが出ているのが気になっていた。

 

 

やや怪訝に感じながら治療をしていたんですが、ある日、

 

「ヨモギ茶をやめて、麦茶に変えたら、ずいぶん調子いいみたい。」

 

と仰った。

 

 

この瞬間、

 

「あーなるほど!!チェックしとけば良かったーー!!!」

 

と、僕は思ったんですが、さあこれ、鍼灸師の皆さん、意味、分かりますか?

 

 

この患者さんに何が起こったか、即座に予測できますか??

 

 

ヨモギの生薬名は「艾葉(がいよう)」です。

 

 

性味は「苦・辛・温」、帰経は「肝・脾・腎」、効能は「散寒除湿・止痛・温経止血・袪湿止痒」、禁忌は「陰虚血熱」です。

 

 

まあ要するに、深い部分を温め、冷えによる痛みを止める効果がある訳です。

 

 

ポイントは「陰虚血熱」のものには禁忌で、冷茶として飲んだとしても、性質的には温める作用が強いことを意味しています。

 

 

「ヨモギ茶」というのは、ヨモギの煎じ液のようなものですね。

 

 

ヨモギの葉っぱを完全に乾燥させたものを、香りがたつまで炒ってから煎じるようです。

 

 

そして「艾葉」は何といっても我々にとって重要な、「お灸」の原料であります。

 

 

お灸は、ヨモギの葉の裏にある線維から製造します。

 

 

我らが東洋医学が、陰の治療が鍼(金属)だとすれば、陽の治療には灸を、そしてその素材として、数ある植物の中から、ヨモギを選んだんですから、

 

温める作用は相当強く、確かである、と考えていいでしょう。

 

 

それに対して、麦茶はどうかと言うと、「大麦」の種子を煎じたものであります。

 

 

大麦については以前書きましたが、生薬名としては「麦芽(ばくが)」と言われ、種子を発芽させた状態で使うようです。

 

「麦飯」ってどうでしょう?? 3  参照

 

 

これは性味は「甘・平」、帰経は「脾・胃」、効能は「健脾開胃・行気消食・舒肝・回乳(母乳の出をよくする)」、注意点は「回乳に働くので、授乳期」とあります。

 

(母乳が出過ぎちゃう可能性がある、ってことかな。)

 

 

・・・まあ要は、脾胃を調え、気の巡りをよくするものと思っていいと思います。

 

 

麦茶が冷やすのか、温めるのかについては、色々な考えがあるようですが、麦茶の製法については発芽した種子ではなく、種子そのものを水洗いして、

 

乾燥させたものを軽く焦げ目がつくまで炒って、それを煮出すようです。

 

 

ですので、寒熱についてはなかなか複雑です。

 

 

以前書いたように、「種子」を食べる、と考えれば陰分が強いかな、と思うが、それを乾燥させてしかも炒ってある、しかもそれを煎じた液体を飲む、

 

という話なので、陽に思いっきり傾けた種子を煎じた液体、と、思えます。

 

 

そいでまた、それをキンキンに冷やして飲むと美味いという。。。

 

(苦笑・・・まあ、”陰的な作用(気味)”のみを抽出した液体、と考えてもいいのかもしれませんね。)

 

 

寒熱に関してはそのように、微妙に調整してあるので、温めるとか冷やすという効能よりも、脾胃を調整する、気の巡りをよくする、ここが麦茶のいいとこでしょう。

 

 

・・・と、このように考えていくと、熱証の人が夏場にヨモギ茶を飲むよりは、麦茶の方がはるかに良さそうだ、となるわけです。

 

 

冒頭の患者さんは、私の診立てでは思いっきり陰虚で熱証(+大いに湿痰)です。

 

 

こういうことがあるので、患者さんが日々良かれと思って飲んだり食べたりしているモノには、注意を払わなくてはなりませんし、こちらから先手先手を打って誘導しないといけません。

 

 

 

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『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 6

2018.07.31

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これまでのお話

 

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 1

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 2 

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 3

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 4

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 5    参照

 

 

◆『黄帝内経素問』脉要精微論(17)のポイント 続き

 

 

さて、『素問』のたいへん重要な篇である「脉要精微論(17)」の最後の部分です。

 

 

推而外之.内而不外.有心腹積也.

推而内之.外而不内.身有熱也.

推而上之.上而不下.腰足清也.

推而下之.下而不上.頭項痛也.

按之至骨.脉氣少者.腰脊痛而身有痺也.

 

 

とあります。

 

 

ここを簡単に訳しますと、

 

 

脈を内から外に向けて押して、内のみで打つものは心腹に積聚あり。

 

脈を外から内に向けて押して、外のみで打つものは身体外熱。

 

脈を下(尺位)から上(寸位)に向けて押して、尺位にのみ打つものは腰下肢の冷え。

 

脈を上(寸位)から下(尺位)に向けて押して、寸位にのみ打つものは頭項痛。

 

脈を骨にまで強く押さえて、弱いものは、腰脊痛で痹病。

 

 

となります。

 

 

ここでは、内外と上下(寸尺)に加えて、浮沈でも脈を比較しています。

 

 

手首の脈診部位を、

 

外から内、内から外、尺から寸、寸から尺、さらには浅い位置から深い位置

 

と、診る(指で押す)方向で噛み分けることで、脈診部位に全身を投影した場合の、病の深さと位置を窺っています。

 

 

面白いですね☆

 

 

このように、東洋医学では、局所には全体が投影されているとの考え方の下、全ての診察を行っていきます。

 

 

・・・で、総合的に判断して、「証」と「病因病理」を構築し、治療にあたります。

 

 

 

【参考文献】

 

『現代語訳 黄帝内経 素問』東洋学術出版社

『現代語訳 奇経八脈考』東洋医学術出版社

『奇経八脈攷 全釈』燎原

『経穴密語集』岡本一抱

『多紀元簡 素問識 上下巻』績文堂

 

 

 

 

 

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