東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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本日は「お会議」へ。

2019.08.03

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本日も大忙し、ありがとうございます。<m(__)m>

 

 

土用に入ってから、カゼはもちろんだけど、妙に耳モノが多い。。。

 

 

そして本日の診療終了後は「お会議」へ。

 

 

日本伝統鍼灸学会の学術部会議であります。

 

 

今年の4月から、毎月一回、土曜の夜に行っています。

 

 

今年の11.23~24に行われる、第47回学術大会の準備その他です。

 

 

まあ、僕は今年度から入ったばっかりですし、先輩方のやり取りを静かに聞いているだけなんですが、勉強になります。

 

 

というワケで、週末夜にもうひと勉強、行ってきます!!<m(__)m>

 

 

 

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クーラー病

2019.06.09

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蒸し暑い日が続き、増えてきました、クーラー病

 

 

こないだ、近所のファミレスに行ったら、クーラーがキツイキツイ。。。

 

 

こないだ、近所の百貨店に行ったら、またしてもキツイキツイ。。。

 

 

あんな所にいたら、人一倍元気な私でも病気になるわ!!( ゚Д゚)

 

 

清明院の患者さんは何かしら重い病気を持っている人ばかり。

 

 

あれじゃあ、全員病気になるわ!!

 

 

外は蒸し暑く、汗をジトジトかいて、皮膚表面が「ふやけ」る。

 

 

衛気の流れは悪くなる。

 

 

そこに持ってきて、クーラーで一気に冷やされる。

 

 

カゼだけでなく、一気に内臓病が悪化したり、関節の痛みが急激に起こったりする人もいます。

 

 

クーラーは人体に悪影響なだけでなく、地球環境にも悪い。

 

 

東京のコンクリートジャングルでは、確かにナシではいられないけど、最小限にしてくれないもんかねえ。。。

 

 

 

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また一瞬にして・・・

2019.04.12

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今日も朝から難しい病気に立ち向かう。

 

 

同時進行で役所関係の仕事を片付けていたら、あっという間にこの時間。。。

 

 

今日みえた患者さんが飲んでおられた、「チャーガ茶」について書こうと思ったが、一瞬にして時間が経ってしまった。。。

 

 

二十四節気では「清明」、来週17日からは春の土用、それも書きたいんだが。。。

 

 

今日はなんか、喘息、逆子、アトピー性皮膚炎、脱毛症、癌、骨折の術後、橋本病、うつ病、慢性膵炎、パニック障害、嗄声、カゼなどなど、

 

バラエティーに富んでましたね。

 

 

書きたいことは山ほどあるんですがねえ。。。

 

 

いかんせん時間が。。。

 

 

やはり診療と勉強以外に、院長的事務業務が入ってくると、想定外の時間を食われる。。。(~_~;)

 

 

でもまあ、こういう時は無理しないに限りますね☆

 

 

まずは寝ます。(-_-)zzz

 

 

 

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「大青竜湯」という薬

2019.04.10

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最近のお話し

 

「牛車腎気丸」という薬

「治打撲一方」という薬

「小青龍湯」という薬

「麻黄湯」という薬

「葛根湯」という薬

「桂枝湯」という薬

 

参照

 

 

ここまで述べてきた、「桂枝湯」「麻黄湯」”桂麻の剤”から派生する方剤は非常に多い。

 

 

また、『傷寒論』以降に著された様々な方剤の書も、結局は『傷寒論』の処方を基本として、いわば「後出しじゃんけん」的に色々なことを言っているものは多い。

 

(・・・言い方が悪いか。(苦笑) ”伝統医学の継承と発展”だね。)

 

 

なので、『傷寒論』は数千年先まで影響を与える、怪物のような本なのだ。

 

 

かつて、とある先生から紹介されて、知る人ぞ知る漢方の大家(故人)の先生にお会いした時、その先生は

 

「もう60年も毎日『傷寒論』を読み続けているが、それでも分からないところがある。。。」

 

と仰っていた。(苦笑)

 

 

そのぐらい、深遠な世界を表現した本なのだ。

 

 

まあ大体、『易経』にせよ『内経』にせよ『論語』にせよ、古代中国の古典というのは、それだからこそ魅力があるんだろう。

 

 

・・・話が逸れたが、麻黄湯の加減方として、東洋学術出版社『中国傷寒論解説 続篇』には、「小青龍湯」「大青竜湯」「葛根湯」の3方剤が紹介されている。

 

 

このうち、「小青龍湯」「葛根湯」についてはすでに語ったので、「大青竜湯」だけ語らないのも、なんか気持ち悪い。。。(^^;)

 

 

・・ということで、今日は「大青竜湯」のお話。

 

 

よく、柴胡剤でも「小柴胡湯」「大柴胡湯」、承気湯類でも「小承気湯」「大承気湯」とあるように、方剤名の前に「大」「小」とついている場合がありますが、

 

当たり前ながら、これは効果の強弱を示すものではありません。(苦笑)

 

 

似ているところがあり、兄弟のようでありながらも、似て非なる方剤を、このように呼び分けています。

 

 

大青竜湯も、出典はもちろん『傷寒論』であり、

 

太陽中風.脉浮緊.發熱惡寒.身疼痛.不汗出而煩躁者.大青龍湯主之.若脉微弱.汗出惡風者.不可服之.服之則厥逆.筋惕肉瞤.此爲逆也.

 

傷寒脉浮緩.身不疼.但重.乍有輕時.無少陰證者.大青龍湯發之.

 

とあり、『金匱要略』では

 

病溢飮者.當發其汗.大青龍湯主之.小青龍湯亦主之.

 

とあります。

 

 

まあ簡単に言うと、大青竜湯の場合は、

 

「表面が冷えて、結果的に浅いところに熱が籠ってしまったもの」

 

に使います。

 

 

大青竜湯の中に入っている「石膏」という生薬は、浅い部分に籠った熱を取るための非常に重要な生薬です。

 

 

ですので、麻黄湯からの加減方をまとめると、

 

麻黄湯の場合は表面を温めて汗をかかす、

 

小青竜湯の場合は表面の冷え+水邪の突き上げ、

 

葛根湯の場合は表面の冷え+うなじのこわばり、

 

大青竜湯で表面の冷え+それによって籠った浅い部分の熱、

 

というバリエーションがあることが分かります。

 

 

鍼の場合も、カゼひきさんを治療する場合はこのように、

 

「どういう体質の人に」

 

「どういう邪気が襲って」

 

「結果的に表面で何が起きていて」

 

「深い部分では何が起きているのか」

 

を考えながら治療していきます。

 

 

なので、漢方薬の考え方と、一緒であり、ある意味応用的です。

 

 

ですので、鍼灸師にとっても、『傷寒論』理解は非常に大事なのです。

 

 

 

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「桂枝湯」という薬

2019.04.09

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最近のお話し

 

「牛車腎気丸」という薬

「治打撲一方」という薬

「小青龍湯」という薬

「麻黄湯」という薬

「葛根湯」という薬

 

参照

 

 

前回書いたように、葛根湯は、桂枝加葛根湯麻黄を加えたもの。

 

 

で、桂枝加葛根湯は、桂枝湯葛根を加えたもの。

 

 

今日は

 

「そんじゃ桂枝湯は?」

 

というお話。

 

 

・・・これこそ、まさに漢方薬の王様みたいな薬です。

 

 

出典はもちろん漢代、『傷寒論』でありまして、『傷寒論』のド頭に出てくるのが桂枝湯です。

 

 

また、北辰会会員の必携の書である『袖珍中医四部経典(※)』にも収録されている、清代の名医、呉鞠通の著書『温病条弁』も、ド頭に出てくる方剤はこの「桂枝湯」なのであります。

 

((※)・・・『黄帝内経素問』『黄帝内経霊枢』『傷寒論』『金匱要略』『温病条弁』がすべて簡体字で収録されている、何とポケットサイズの書。)

 

 

数千年の風雪に耐えてきた名方ですね☆

 

 

『傷寒論』中の桂枝湯掲載の条文を全てここに拾おうと思うと、あまりにも長くなるのでやめますが、これ自体にもとにかく非常に多くの使い方があり、

 

バリエーションも非常に多くある、漢方薬の王様です。

 

 

『金匱要略』にも、栝楼桂枝湯、白虎加桂枝湯、枳実薤白桂枝湯、鳥頭桂枝湯、柴胡桂枝湯と、様々なバリエーションや使い方が紹介されています。

 

 

・・・まあー、それだけ奥が深い薬なので、あまり簡単に語るのは語弊があるのですが、最もポピュラーな使い方は、カゼの初期に使う場合です。

 

 

しかし、麻黄湯とは違って、桂枝湯の場合は汗があります。

 

 

外から邪気が入ったことによって、体の表面における気血の流れのバランスが崩れて、本来出てはいけない汗が、ダラダラと出てしまっている状態です。

 

 

そこで、気血を調和させて、気の流れをよくし、結果的に邪気を散らし、汗を自然に止める薬、という理解が、最もポピュラーでしょう。

 

 

また、以前書いたように、桂枝湯は、服用した後に熱くて薄いおかゆ(熱稀粥)をすすれ、と書いてあることも有名ですね。

 

『傷寒論』の時間指示と電話 参照

 

 

映画『レッドクリフ』で、感染症にかかった兵士に桂枝を煎じて飲ませているシーンがありましたが、三国志の時代から使われる、超有名な方剤です。

 

(映画の中でも孔明が言っていたけど、ああいう重篤な感染症が桂枝湯で治るというワケではないよ。)

 

 

この桂枝湯の様々なバリエーションについても、いつか気が向いたら書きましょうかね。

 

 

 

 

 

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「葛根湯」という薬

2019.04.08

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最近のお話し

 

「牛車腎気丸」という薬

「治打撲一方」という薬

 

参照

 

 

ここまで書いてくると、「葛根湯」を語っておかないとなんか気分が悪い。。。

 

 

・・・ということで、以前 

 

葛根湯医者

 

という記事で触れた、葛根湯について書いておきます。

 

 

まあこれも、もはや誰でも知ってる、漢方界のスーパースターですね。

 

 

しかしあまりにも、考えなしに服用されているケースが多すぎる。。。(苦笑)

 

 

患者さんでも、

 

「カゼっぽかったんで自己判断で葛根湯飲みました。」

 

と仰る方は、非常に多い。

 

 

この葛根湯も、出典はあの『傷寒論』であり、前回語った小青竜湯と同じく、「麻黄湯」の加減方とみることも出来ますし、超有名な「桂枝湯」のバリエーションと考えることも出来ます。

 

東洋学術出版社『中国傷寒論解説 続篇 基礎と方剤』では、麻黄湯類に分類されています。)

 

 

桂枝湯の状態に加えて、「うなじのこわばり」があるものに対して、桂枝加葛根湯という薬を用い、それに麻黄を加えたものが「葛根湯」であります。

 

 

桂枝加葛根湯葛根湯の違いは「汗の有無」です。

 

 

やはり麻黄剤というのは「皮膚表面を温めて、汗をかかせて治す」のがポイントです。

 

 

『傷寒論』の中には

 

 

太陽病.項背強几几.無汗惡風.葛根湯主之.

 

太陽與陽明合病者.必自下利.葛根湯主之.

 

太陽與陽明合病.必自下利.不嘔者.屬葛根湯證.

 

 

とあり、これを見ると、風寒邪が少し深く入って、下痢するものにも使える、となっています。

 

 

また『金匱要略』の中には、

 

 

太陽病.無汗而小便反少.氣上衝胸.口噤不得語.欲作剛痓.葛根湯主之.

 

 

と出てきます。

 

 

これは皮膚表面に冷えがあって汗が出ず、なのに小便も出ず、という状況になると、気が突き上げて喋りにくくなったり頚がこわばったりするものに葛根湯が使えるという話です。

 

 

葛根湯を使う、という時、

 

「汗が出ているか」

 

「皮膚表面に冷えがあるかどうか」

 

「大小便はどうか」

 

最低でもここに注目する必要があります。

 

 

 

カゼには無数の種類があり、どういうカゼなのかを考えて治療しないと、必ずこじれます。

 

 

 

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「小青龍湯」という薬

2019.04.06

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ここんとこ、

 

「牛車腎気丸」という薬

「治打撲一方」という薬

 

というお話を書きましたので、ついでなんで、最近花粉症でよく使われている「小青龍湯」についても触れておきましょう。

 

 

まあ湯液の話を、私のような実践で使っていない、ズブの素人がするのも実に僭越なんですが、あまりにもこれを処方されていて、しかも効果を感じていないと仰る患者さんを診ることが多いので、

 

僕自身の備忘録的な意味と、彷徨う患者さんのために、この薬に関する基礎的な内容を書いておこうと思います。

 

 

この薬の出典は後漢の時代、あの張仲景が書いた『傷寒論』であります。

 

「張仲景(ちょうちゅうけい)」という人物

墓マイラー 27(番外編) 張仲景先生

『傷寒論(しょうかんろん)』という本         参照

 

 

小青龍湯は、有名な麻黄湯という漢方薬の加減方と言われます。

 

(麻黄湯も傷寒論に出てくる薬です。)

 

 

麻黄湯も最近、

 

「インフルエンザに効く!」

 

とか、

 

「キムタクが常備してる!」

 

とかいわれて、非常に有名です。

 

 

これについても、後で簡単にまとめておきましょう。

 

 

この麻黄湯は、よくカゼのひき始めに使われます。

 

 

小青龍湯は、もともとはカゼのひき始めの状態が改善せずに、なおかつ「水邪」が存在する時に使う薬、と、『傷寒論』に定義されています。

 

 

『傷寒論』内の条文では

 

傷寒表不解.心下有水氣.乾嘔發熱而欬.或渇.或利.或噎.或小便不利.少腹滿.或喘者.小青龍湯主之.

 

傷寒心下有水氣.欬而微喘.發熱不渇.服湯已.渇者.此寒去欲解也.小青龍湯主之.

 

傷寒表不解.心下有水氣.乾嘔發熱而欬.或渇.或利.或噎.或小便不利.少腹滿.或喘者.宜小青龍湯.

 

とあり、また『金匱要略』には

 

病溢飮者.當發其汗.大青龍湯主之.小青龍湯亦主之.

 

欬逆倚息不得臥.小青龍湯主之.

 

婦人吐涎沫.醫反下之.心下即痞.當先治其吐涎沫.小青龍湯主之.

 

とも書いてあります。

 

 

漢方薬の専門家でもない僕が、あまり難しい解説をしてもしょうがないし、そもそも出来ないので、要はこれらを簡単に言うと、表面に寒邪があって、

 

なおかつ心下(みぞおち)に水邪がつっかえてる場合に使う方剤であって、これとは違ったメカニズムで症状の出ている花粉症には効かない、

 

あるいは害になりかねない、ということになりますね。

 

 

また、たまたま合っていたとしても、この薬を服用して、表邪の存在、心下の水気の存在が除去、改善された後になっても、この薬を継続して服用していたら、

 

今度はまた違った病変に結び付く可能性もあります。 

 

 

漢方薬はサプリメントなどではなく薬なのであり、素人考えでドラッグストアで買ってきてメチャクチャな使い方をしたりするのは、厳に気を付けたいですね。

 

 

 

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あー、もっといいやり方があったなー

2019.03.29

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お陰様で、99%と言っていいくらい、症状が大幅に改善している。

 

 

しかしこれは、当然と言えば当然。

 

 

治療前の症状の強さを10だとして、0が全くなしだとして、いくつくらいまで改善しているかまで、正確に予言出来ているようでないといけないと思っている。

 

 

しかし、ごくたまに、予想に反して

 

「症状、変わりません。。。」

 

という時がある。

 

(患者さんが養生指導を守らなかった場合は除く)

 

 

こういう時は、すぐに来てもらって、もう一回丁寧に丁寧に、見落としの無いように診させていただくことにしているが、ここで

 

「あっ!くっそー。。これかー。。」

 

となることがある。

 

 

あるいは、その患者さんの一発目の治療が終わって帰った後に、電話をもらう前の時点ですでに

 

「あっ!もっといい方法あったわ!!」

 

となることもある。

 

 

・・・「余分な力み」や、「変なはからい」が、的確な判断を邪魔しやがる。

 

 

 

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小建中湯について 2

2019.03.05

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ここまでのお話し

 

四君子湯と六君子湯

平胃散について 

安中散について

大建中湯について

小建中湯について     参照

 

 

前回、小建中湯の話がエラク中途半端に終わったので、続きを書きます。(^^;)

 

 

小建中湯は、実は以前このブログにもチョコッとだけ登場しています。

 

「麦飯」ってどうでしょう?? 7

「紅汗」について考えてみましょう。15   参照

 

 

小建中湯は、桂枝湯のアレンジ版であることは前回お話ししました。

 

 

しかし、ここら辺を細かく話していくと、『傷寒論』の太陽病の講義みたいになってしまうので、ここではしません。(^^;)

 

(興味ある人は、無数に出ている『傷寒論〇〇』という本を5冊くらい買って勉強しましょう。)

 

 

小建中湯は、今日では東洋学術出版『中医臨床のための方剤学』「脾虚肝乗」という言い方をするように、脾の臓が弱ってしまって、肝の臓とのバランスが崩れたものによく使われます。

 

 

もちろん、この薬のもともとの出典は『傷寒論』ですから、寒邪に傷られた傷寒病の、ある段階においても使いますし、これをやって治らなかった場合に小柴胡湯を使う、という流れもあります。

 

「小柴胡湯」を含む記事   参照

 

 

また、『傷寒論』の中の小建中湯適応の脈診所見に「陽脈濇、陰脈弦」という、解釈次第では色々拡大出来るような脈状の表現も出てきます。(*‘∀‘)

 

 

あるいは『金匱要略』の中にも、この薬は”虚労病”、”黄疸病”、”婦人病”のところに出てきます。

 

 

さらに『金匱要略』では、目的に応じて、小建中湯黄耆(おうぎ)を加えて「黄蓍建中湯」という薬を提示していたり、少し時代が下って中国唐代、

 

孫思邈(そんしばく 581?-682)『千金翼方』では小建中湯当帰(とうき)を加えた「当帰建中湯」があったり、日本の江戸期、あの華岡青洲(1760-1835)の

 

『瘍科方筌(ようかほうせん)』では、この「黄蓍建中湯」「当帰建中湯」を組み合わせて、さらに膠飴を使わずに「帰耆建中湯(きぎけんちゅうとう)」という方剤を創方し、

 

癌が潰れて膿が止まらず、日々憔悴していくほどの重篤な病人に使用していたようです。

 

孫思邈という人物

遠方からの患者さんが増える

墓マイラー 44 華岡青洲先生

華岡青洲という人物        参照

 

 

・・・まあしかしこの、

 

「肝と脾のバランスが崩れている」

 

ことが、カゼから花粉症からアトピー、リウマチ、癌まで、あらゆる現代病の根本原因になっていることは、臨床上、実に多いと思います。

 

「脾」って何ですか?(その9)

「肝」って何ですか?(その13)    参照

 

 

ここんとこをシンプルに調整してくれる薬だからこそ、約2000年の風雪に耐えて来れたんでしょうね。

 

 

 

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インフル狂騒曲

2019.01.18

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世の中、インフル狂騒曲ですな。

 

 

テレビでもインフルインフル・・・。

 

 

ラジオでもインフルインフル・・・。

 

 

ネットでもインフルインフル・・・。

 

 

そしてお決まりの「予防接種って、意味あるんですか?」っていう、毎年恒例の質問も乱れ飛ぶ。(苦笑)

 

予防接種の是非

インフルエンザワクチンの時期   参照

 

 

僕は今年の正月、狭い個室居酒屋で、おそらくインフルに罹患済みであったろう友人二人(飲んでいる時はじゃっかんカゼ気味で、二人とも翌日高熱で寝込んだ)と、

 

近い距離で長時間飲んでいましたが、まったく罹患しませんでした。(゚∀゚)

 

 

患者さんでも、

 

「インフルエンザなので、2、3日寝て、動けるようになったら治療に行きます。」

 

というキャンセルの電話をくれる人もいれば、

 

「インフルエンザなんですけど、診てもらえますか?」

 

という人もいます。(笑)

 

 

東洋医学で、鍼灸でやってくれと言われれば、僕はやります。

 

 

インフルエンザでも、あまりにも毒性が強いようなものであれば東洋医学的には「疫癘の邪気」という扱いになるんでしょうけども、毎年巷で流行する、

 

タミフルリレンザイナビルゾフルーザラピアクタが効いて、2、3日で回復するようなものであれば、通常の感冒と同じように、『傷寒論』『温病学』の考え方で対応し、

 

うまくいったケースはこれまでにも数多く経験しています。

 

「疫癘」を含む記事 参照

 

 

基本的な六経弁証、衛気営血弁証、三焦弁証が大事ですね。

 

 

ただ、通常の風寒風熱と比較すると、やはり邪気の勢いが強いのは強いようで、数脈が緩まない、あるいは緩んでもすぐに戻るものは要注意だと思います。

 

 

「感染症に鍼灸は効かない!」と、頭ごなしに言われますが、本来は西洋医学とも積極的に協力できるところだと思うんですがね。。。

 

 

まあもちろん、こういうものを扱えるだけの学術がないのに触ったら、危険でしかないのは言うまでもないですが。

 

 

『傷寒論』『温病学』を読んでおり、六経弁証、衛気営血弁証、三焦弁証について理解し、これを鍼灸で臨床応用出来る鍼灸師が、日本にどれくらいいるかを考えたら、

 

仕方ないことかもしれませんね。

 

 

 

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