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これまでのお話・・・
さて、マニアックな話、ドンドンいきましょう。
ドンドン読者を置いていきます。
そしてみんな離れていって、終いには一人になりそうです。(爆)
・・・ともかくここまで、一貫堂医学における「三大体質・五大処方」について書いてきました。
よく勘違いされがちなこととして、
「一貫堂って、全ての患者を3つの体質に分類するんでしょ?それも全部実熱でしょ??そんなん、無理あるっしょ~~!!(;’∀’)」
というミスリード。
普通に考えて、そこだけ切り取って、名医・森道伯を語れる訳ないですね。(・ω・)ノ
矢数道斎(格)先生のまとめた『漢方一貫堂医学』には、森道伯先生のほぼ晩年の3年間のカルテに使った方剤が集積して一覧表にしてありますが、
当然ながら「それ以前の」数十年がある訳です。(笑)
まあ、色々な症例やエピソードがあると思うんですが、有名なのは「スペインかぜVS森道伯」のエピソードでしょう。
まず「スペインかぜ」を簡単に説明しますと、1918年~1919年(大正7年~8年)にかけて起こった、アメリカ発の強毒性インフルエンザのパンデミック(世界的大流行)です。
アメリカ発なのにスペインかぜと呼ぶのは、情報源がスペインだったから、だそうです。
ちょうどこの時は第一次世界大戦(1914~1918)の末期であり、このスペインかぜが大戦を早期に集結させた要因の一つである、という見方もあるぐらいの大事件であったようです。
そのくらい被害は大きく、全世界で5億人が感染、死者は5千万人~1億人、とも言われています。
日本にも被害が広がり、現在タレント論客として活躍している竹田恒泰さんの曾祖父君にあたる竹田宮恒久王をはじめ、多くの日本人が感染しました。
この時、森道伯先生はスペインかぜを3つに分類し、
胃腸型・・・香蘇散+茯苓・白朮・半夏
肺炎型・・・小青竜湯+杏仁・石膏
脳症型・・・升麻葛根湯+白朮・川芎・細辛
で治療し、たいへん効果を挙げたそうです。
これらも、現在でもよく使われる、割かしなんてことない処方なんですが、この処方からしても、決して実熱のみを重視していたなんて思えません。
スペインかぜの弁証論治を、非常にシンプルな形に落とし込んだように見えます。
因みに各方剤の出典は、
香蘇散は北宋の国定処方集である『和剤局方』、
小青竜湯は後漢の張仲景(150?-219)による『傷寒論』、
升麻葛根湯は『閻氏小児方論』という本が出典で、有名な葛根湯の変方かと思いきや、やや似て非なる配合の薬です。(笑)
僕のPCに入れてある『東洋医学辞書』では
葛根湯は葛根5.0・麻黄・大棗各4.0・桂枝・芍薬・生姜各3.0・甘草2.0
升麻葛根湯は葛根5.0・芍薬3.0・升麻・乾生姜各2.0・甘草1.5
と出てきますが、『中医臨床のための方剤学』では
葛根湯は葛根12g・麻黄、生姜9g・桂枝、炙甘草、白芍、大棗6g
升麻葛根湯は赤芍6g・升麻、葛根、炙甘草3g
と、ずいぶん違います。
こういうの(同じ方剤名でも時代や文献で構成生薬が違う)も、方剤学のややこしいところですね。(苦笑)
まあともかく、
香蘇散は風寒表証+気滞の薬で、現代ではストレスからくる肩凝りだの胃もたれだのといった、肝鬱や肝胃気滞によく使われる薬です。
小青竜湯は風寒表証+脇下の水飲の薬で、現代では「くしゃみ三回小青竜」な~んていう、実に胡散臭い謳い文句があって、花粉症によく使われる薬なんですが、
何も考えずに長期服用すれば徐々に内熱が籠っていき、別の病を形成します。(~_~;)
西洋薬と比べて、副作用がなくて眠くならないから助かるわ、な~んつって、冬から春に長期服用している患者さん、ホントに多いです。
升麻葛根湯は、小児の麻疹(はしか)の薬として有名で、肺胃の熱毒を叩く薬です。
これらを強毒性のインフルエンザに巧みに応用した訳ですね。
・・・まあいずれにせよ、よく後世派と言われる一貫堂ですが、古方派の使うような方剤も臨機応変に臨床応用していたことが分かります。
(そういえば後世派、古方派についても書いてなかったですね。いい機会なんでこれが終わったら書きましょう。)
次回、感染症に対する東洋医学の考え方を書きます。
続く
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2018.09.14
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これまでのお話・・・
さて、ここまでで、森道伯先生を創始者とする「一貫堂医学」が提唱する「三大体質・五大処方」なるものの基本を説明してきました。
一応断っておきますが、私は鍼灸家であって漢方家ではないので、漢方薬の処方解説はあくまでも理論面しか出来ませんし、鍼灸臨床に置き換えて説明することしかできません。
これまでに出てきた漢方薬それぞれ、実際の実践面、臨床面でどうか、というのは、漢方家の先生方にお任せ致します。<m(__)m>
僕のすべての言説は、あくまでも市井の一鍼灸臨床家の視点からのものであります。
・・・しかしまあ、いつものことなんですが、こうやって東洋医学の真面目な内容を書いていると、アクセス数が減りますなあ~~。(~_~;)
(苦笑・・・みんな、勉強嫌いなのね。)
・・・でもいいです、めげずに書きます!!<(`^´)>
書きたいから書く、言いたいこと言う!!(゚∀゚)
五大処方のうち、前回述べた「解毒証体質」に使われる3つの方剤(柴胡清肝散、荊芥連翹湯、竜胆瀉肝湯)は全て、「温清飲」という薬をベースにしています。
この温清飲は、現代では「アトピー性皮膚炎」の患者さんに使用されていることが多いようです。
・・・ところが、最初から単純に効いていなかったり、ある程度までは効いていても、途中で効かなくなったり、あるいは途中から悪化していったり、
と仰って、清明院にみえる患者さんがチラホラいます。
これについて、どういうことか考えてみましょう。
まず温清飲の中身は、当帰・地黄・芍薬・川芎各3.0g、黄連・黄芩・梔子・黄柏各1.5g、だそうです。
上記の当帰~川芎の部分が四物湯の内容、黄連~黄柏の部分が黄連解毒湯の内容です。
配合の分量の比率を単純に見れば、「四物湯>黄連解毒湯」と読めます。
四物湯とは、補血剤(血を補う薬)の代表格で、主に肝の臓の血(肝血)を補う薬だそうです。
黄連解毒湯は清熱剤(熱を冷ます薬)の代表格で、上焦~下焦まで、三焦に瀰漫した邪熱(実熱)を取り去る薬だそうです。
ということは、温清飲は「肝血虚>邪熱」の虚実挟雑証の場合に使える薬、と考えていいのでしょう。
(・・・まあ、そう一概に言えない面もあるかもしれないが)
だとすると、経過中に「肝血虚<邪熱」のように、主従が入れ替わった時、あるいは「血虚」や「邪熱」が解決して、どちらか一方のみの問題になった時、
あるいは「陰虚」や「気虚」「陽虚」「湿熱」「湿痰」などの、肝血虚や邪熱とは別の病理が主になった時には、サッと方剤をチェンジ(変方)しないと、
効かない、あるいは悪化する、という流れになるのは自明です。
(または、そもそも最初からこういう診立て自体が出来ておらず、病名や症状のみからテキトーに処方したのであれば、最初からいきなり悪化することもありえます。)
まあ、臨床上よく見かけるのは、四物湯の成分が中焦を余計に重たくしたり、黄連解毒湯の成分が脾気や腎気を奪ったり、裏の水滞がきつくなって、
肌膚に津液が行き渡らなくなり、そのせいで見かけ上は余計に皮膚が乾燥して悪化したり、というようなケースが多いように思います。
(熱が取れるはずが、余計に皮膚が乾燥して「なんで??」ってやつね。)
病気、それも慢性で難治性の病気となれば、こういう、その時々での変化流転は当たり前なので、鍼灸でも、このような失敗をしないために、初診時にキッチリと問診を取っておき、
治療に来た現時点での「証」のみでなく、現症に至った「病因病理」をキチンと意識しておくことが大事なのです。
とりわけ、皮膚科疾患の場合、中医学でよくいう「皮損弁証」というような、皮膚の状態(乾燥、熱感、発赤、腫脹等々の有無)を意識した診察ももちろん大事ですが、
かといって皮膚の状態「のみ」から診たてただけの、場当たり的な処方、処置は実に危険です。
要は皮膚が「何で」そんな状態になったのか、というメカニズムを考え、時々刻々と変化する患者さんの状態に合わせて、臨機応変に処方、処置を変えていかないと、
とてもついていけません。
アトピーや喘息なんかの場合、そうやって常に先手先手が打てなかったら、普通に負けます。。。(苦笑)
患者さんから、ヤブ医者!ヘタクソ!アホ!ボケ!カス!!です。。。(苦笑)
また、この辺の詳しい話は、山口の村田先生のブログが非常に参考になります。
(膨大な内容ですが、単語で検索ができるので、漢方薬名や病名で色々検索してみて下さい。あっという間に朝になりますよ。(笑))
ドラッグストアで簡単に漢方薬が手に入る昨今、ネットで得た情報から、素人考えでサプリメント感覚で服用して大失敗をしていたり、知ったかぶりの西洋医学のドクターから、
いい加減な処方を繰り返されて、かえって悪化している患者さんを診ると、実に残念な気持ちになります。
東洋医学(鍼灸漢方)は医学ですので、それ専門に何年も、何十年も学び、経験を積んだ先生にしか、本当の意味では使いこなせません。
まずは、せめてそこんところをよくよく理解しましょう。
続く
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2018.08.22
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前回のお話
「肺胃不和」という証 2 参照
◆「肺胃不和」は証ではなく病理?
FBの方で、専門家の先生方から質問がチラホラ出ているこのシリーズ。。。(笑)
おもしろいから、もうチョイ引っ張りましょう。(゚∀゚)
ただ、ちょっと今日の話は専門的になっちゃうので、患者さんや一般の方はつまんないかもしれません。。。
そもそも、「肺胃不和」という熟語は、『中医病因病機学』という本の中に、「肺胃の”病理”を示す言葉」として出てきます。
そこだけ見ると、「肺胃不和」という言葉は、「証」ではなくって「病理」じゃないか!と思う人もいるかもしれません。
・・・そこで、『中医弁証学』という本に目をやると、肺と胃が同時に病む病証としては「肺胃陰虚」という証のみが紹介されています。
つまり、『中医病因病理学』と『中医弁証学』では、細かく言うと「肺胃陰虚」という病証が形成される病理過程のことを「肺胃不和」と呼んでいる、
という理解になるのでしょうが、僕は個人的に、治療時点では必ずしも陰虚だけではない気がしています。
どういうことかと言うと、治療時点では「肺胃気滞」「肺胃気逆」あるいは「肺胃熱結」「肺胃気分熱盛」とでも呼びたくなるような病証が、
臨床的にはあるんじゃないか、と思っています。
このように、TCMの成書については、もちろん参考にはするけれども、「TCMの成書が100ゼロで正しい」とするような、教条主義的な取り扱い方はしない、
というのが北辰会のスタンスです。
「実践から理論へ」ですね。
(ただもちろん、今回の話は私の私見であり、北辰会の公式見解とかではないと断っておきます。)
前回書いたように、肺の臓と胃の腑の力の源の中心は「陰液(津液)」です。
十二臓腑というのはこのように、それぞれの特徴に従って、活動の源泉とする精微物質に若干の違いがあります。
例えば肝の臓や心の臓であれば、その活力の源は「津液」よりもどっちかと言うと「血」、腎の臓であれば「精」、ということになるわけです。
このように、TCMの言う、人体を構成する「気・血・津・液・精」それぞれの精微物質が、もちろん全体としては混然一体となりつつも、
各臓腑に適度にバランスよく割り振られて、十二臓腑の生理活性や動的平衡が保たれているのです。
その中で、何らかの原因で「陰液が不足する」という病証があるならば、ある時点では気の停滞や邪熱がメインになる病証だってある筈でしょう。
個人的には、TCMの考え方は、現場ではそうやって融通無碍、臨機応変に運用しないと、単なる言葉遊びや暗記大会や牽強付会になってしまって、
結果的に成果があがらず、行き詰まってしまうように思っています。
続く
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2018.08.17
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清明院には、毎日アトピー性皮膚炎の患者さんが見えます。
思えば、今から18年前、僕が初めて(一社)北辰会の勉強会に参加したのは、東京衛生学園で行われた、藤本蓮風先生による、アトピー性皮膚炎の公開臨床でした。
(思えばこの時、問診も蓮風先生が公開でとったんだよね。あれが最後じゃないかな。今にして思うと貴重だね。(^^))
清明院のアトピーの患者さんは、まあ程度は千差万別ですが、どちらかと言うと重いものが多いと思います。
それも、いわゆる「生まれつき」のような、病気というよりは「体質そのもの」といったような患者さんが多いと思います。
そういう場合、「一獲千金の劇的効果」みたいなものを狙うのではなく、今の症状が10だとすれば、まずは5を目指して、治療はもちろん、生活上の間違いを見つけては、
場合によってはステロイドなんかの力も借りながら、徐々に徐々に根気良く、生活上の間違いや症状を是正していくことが非常に重要だと思っています。
こないだ、患者さんから聞かれました。
「某メーカーの化学繊維の肌着を着たら悪化した気がする。。。」
と。
さっそくネットで調べると、そのメーカーの肌着を着たところ、悪化したという人と、逆に改善したという人がいます。(苦笑)
基本的に皮膚病の患者さんに化学繊維の肌着は良くない、というのは昔からよく聞きますが、かえって楽になるケースもあるんですね。
最近の肌着は、皮膚にピタッとくっつき、汗をかくとすぐに乾燥するような構造になっているものも多いですね。
単純にポリエステルだから、ポリウレタンだから、とも言い切れず、この化学線維の、特殊な繊維構造まで考えないといけなそうです。
発汗がすぐに乾くことで、必要な津液も飛んでしまい、かえって皮毛における陰虚や血虚が悪化し、乾燥して局所的な内風(風燥)が悪化する人もいると思うし、
発汗が急速に乾くことで、燥湿化痰の効果が生まれ、湿痰や湿困脾土や湿熱邪による皮毛レベルの気の停滞が緩和され、良化する人もいるし、
そもそも肌着の素材の時点で合わず、皮毛レベルの気の停滞がきつくなり、悪化する人もいるでしょう。
アトピーアトピーと一口に言っても、結局はそのアトピーの病因病理~体質素因までがしっかりと東洋医学的に明瞭に斬れているか、というところに帰結すると思いますね。
現代の、安価で機能的な肌着というのも、一考の余地ありだと思います。
ただ、これは多種多様な製品があり、ちょっとバリエーションが多すぎるので、まずは試してもらってみて、主訴がどうなるかで、帰納法的に考察した方がいいように思います。
臨床は千変万化、臨機応変性の大事だね。
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2018.03.19
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清明院の治療は、お身体をよーく診て、一本鍼して、数分置鍼、で、抜鍼後、一定時間寝ててもらう、というやり方が主です。
(北辰会方式です。)
この、置鍼している間の時間、抜鍼後に寝ている時間、患者さんはなるべく脱力し、リラックスした状態でいることが非常に重要です。
そのためには、治療室の温度、湿度、音(音楽)、照明の暗さ、匂い、雰囲気、ベッドの硬さ、患者さん自身の姿勢などの管理は非常に大事です。
とりわけ、枕の硬さと高さ、素材は重要です。
これが、その患者さんに合っていないと、ある種の患者さんとしては、寝ている間の首肩の違和感が非常に強く、置鍼されて動けないという緊張感も相まって、
イライラや不快感が募り、全く逆効果、なんてことにもなりかねません。
逆に、枕の高さや硬さ、素材感などがバッチリだと、非常にリラックスし、「気が流れやすい状態」を作ることが出来ます。
(鍼の効果を非常に高めてくれます。)
ここで、どんな枕の高さが適正か、という説には様々あるようで、整形外科的には仰向けであれば15度程度前傾した角度がいいとか、またある考え方では下顎と前額が床面と並行になるようにするのがいいとか、
全てもっともらしい理由とともに説明されています。
僕もその昔、非常に高度な手技療法を行う整骨院で働いていたことがありまして、そこの先生方は、この問題に非常にこだわっておられました。
素材は、そば殻やもみ殻などの天然素材がいいとおっしゃっていましたね。
ダメな素材も仰っていましたが、実際に流通しているため、あえて伏せます。(苦笑)
また、高さと硬さはある程度患者さん個人個人の好みに合わせて臨機応変にしつつ、気道や椎間孔を狭めないように配慮した角度であるべきだ、と教わりました。
個人的にはこの「患者さんの好みに合わせて」という部分が非常に重要だと思います。
これが患者さんによって全然違うのです。
患者さんがもともと持っている身体の歪みに、ある程度合わせないといけません。
清明院も、今は既成品の枕とバスタオルとで調整していますが、この問題、もっと拘ろうかな。。。
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2017.03.26
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これまでのお話
「伝統」とは何か。 3 参照
では続きいきます。
◆「伝統」と「易の三義」
前回、易の三義を説明しました。
「変易」「不易」「簡易」ですね。
そもそもこの易が持つ意味は三つあるよ、という考え方は、漢代の緯書である『易緯乾鑿度(えきいけんさくど)』に「 易一名含三義」と書かれてあるようです。
僕ら伝統医学をやっているものは、単に古典研究をやっているのではなく、あくまでも現実の臨床医学、医療をやっているわけですから、
古典に書いてあることを、ただそのまま忠実にやることだとか、古典の文章を暗記したり、文献研究することに重きを置くのではなく、
現実に目の前で病んでいる患者さんのために、あくまでも古典の世界観、人体観を参考に、実際にどれだけのこと(治療)が出来るか、
を徹底的に追求するべきだと思っています。
この立場を北辰会では「臨床古典学」と言っています。
たとえ『黄帝内経』に書いてあることであっても、現代の現実の病人に対して利用価値が無ければサクッと捨てる、また、古典に書いてあることでも、
現代風にアレンジした方が良い部分があればためらいなくアレンジして運用する(変易)、そういうスタンスです。
ただ、数千年もの間、この医学に通底する「本質」「根本哲学」は変えずに(不易)、医学を志す人であれば誰でも理解できるようにシンプルに(簡易)、
論理的に運用することです。
まさに「簡易」シンプルに、「変易」臨機応変に、「不易」本質は変えずに、です。
因みに、伝統としての鍼灸医学の本質は、いつも言っているように「気一元」「太極陰陽」の世界観に基づいて、
鍼灸で気を動かし、人体の陰陽のバランスを調整する、安定させること、ですね。
この意味からすると、鍼灸を一種の物理療法と考え、鍼灸による神経への物理的刺激によって、特定の反応を期待する療法である、
という考え方は、そもそもの世界観自体が違うので「伝統」や「伝承」ではない、ということになります。
(もちろん、だからといって否定はしませんが。)
・・・まあ、現段階ではこれが僕の考える「伝統」であり、「伝統医学」の現代での理想的な在り方かな。
易については、いつかまた折を見て語りましょう。
一先ず終わり。
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2016.10.10
清明院では現在、院内診療、訪問診療ともに多忙のため、求人募集しております。
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今日、清明院を開業して、7年が経ちました。
僕のような者が、ここまでやってこれたのも、患者さん、スタッフ、先輩や後輩や同業の仲間たちその他、皆々様のお蔭としか、
言いようがありません。
感謝、感謝。<m(__)m>
〇
それなりに、色々ありました。
これからも、色々あるでしょう。
竹下個人として、清明院としての、在り方、やり方。
今後も、常に最高を目指し、ある部分は頑固に、ある部分は臨機応変に、やっていこうと思います。
破壊と創造。
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2016.10.02
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巷に溢れかえる、「極論本」。
また、「極論」と言っていい言説。
これについては、以前にも書きました。
ブログやSNSなどで、「極論」をぶつ人も少なくない。
癌に治療は不要、とか、リウマチは冷え、とか、枚挙にいとまがない。
一般人が、どうにか工夫して衆目を集めようと思ったら、「極論」に走りたくなるのも分からないではない。
そうしないと本が売れない。
読んでもらえない。
読んでもらえない本は、「紙くず」に過ぎない。
また、大して衆目が集められないのであれば、一生懸命情報発信している意味も薄くなる。
情報発信者としては、一人でも多くの人に賛同、批判してほしい。
それが飯のタネになるわけで。(冷笑)
芸能人がよくやる、「炎上商法」、「炎上マーケティング」なんかも同様。
情報化、大量消費社会の負の産物かもしれませんね。
〇
自分が、治りにくい病気にかかってしまった時、体も心も弱ります。
「患者さん」というのは、体も心も弱った人。
それを、どういう目で見つめるか。
これで決まってくるわけです。
〇
患者さんからすれば、自分の病気に「魔法の杖」を提供してくれる「極論」は、福音に聞こえるわけだ。
でも、残念なことに、そういう治りにくい病気ほど、「魔法の杖」は存在しない。
存在しないから、治りにくい病気なのだ。
それをよく理解し、東洋医学、鍼灸医学が持つ「臨機応変性」「場合分け力」にかけてみると、いいことが起こることが多い。
そのように思います。
それにしても、難病患者さんが増えてきた。
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2016.09.05
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これまでのお話
東洋医学は宗教か。 13 参照
さて、どんどんいきましょう。
◆「宗教」と「哲学」ってどう違う??
ここまで、少し話が逸れながらも、「宗教」について、「哲学」について、東西両医学の認識論、根本哲学の違いについてと、
カタイ話をしてきました。(笑)
・・・で、今日もカタイ話をします。(*‘∀‘)
(出来るだけ、カタイ話を柔らかく、難しい話を簡単に、いきます☆)
「宗教」と「哲学」の違いは何か。
これについても、様々なご意見があります。
「そもそも比較するべきものじゃない!」
とぶった切る人が居たり、
「哲学は考えるモノ、宗教は信じるモノ。」
と分ける人が居たり、
「両方とも最終的には同じものである。」
と、くくってしまう人が居たり、
「宗教の目的は救済、哲学の目的は真理の探究」
と、それぞれの目的によって分けてみたり、
「宗教は金儲けの道具、哲学はヒマ人の暇つぶし。」
と、シニカルに捉えたりと(笑)、実に捉え方が様々で、キリがありません。
(苦笑・・・まあそもそも、宗教は教えで、哲学は学問ですしね。比較しようがないかもしれません。)
僕としては、宗教も哲学も、自然や人間について考えるモノ、という意味では同じだと思うけど、宗教の方は信じる要素が強く、哲学の方は考える要素が強い、
と思って、色分けして認識しています。
(考え方によっては、グレーゾーン的部分が存在することを認めています。)
で、最終的には、自分から見て、直観的、理論的に、よりエレガントだと思う宗教を信仰してみたりだとか、自分がよりエレガントだと思う哲学を選択して、
それを基準に、色々と思索しながら生きれば、生きやすいのでは?というワケです。
自分の価値観に沿い、納得度を満たすものを、その時その時で臨機応変に選択すれば、苦しくない。
宗教も哲学も、要は人間を生きやすくするための知恵だと思うワケですよ。
医学医療だってそうだよね。
かなり結論めいてきました。
ただ、こういうのを勉強すること自体が苦痛な人にとっては、本末転倒になりうるわけです。(笑)
だから勉強なんかせずに、日々何もせずにダラダラと飯食って寝て、一生を終わる。
でもそれも、その人の哲学っちゃ哲学。
・・・昔、私が小学生くらいの頃、ホームレスを見たら笑うな!見下すな!!あれがあの人たちの哲学なんだ!と言った人がいて、妙に印象に残っています。
(なんか、書いてたら思い出した)
ともかく、ここで注意すべきは、学んでいく過程で、ある宗教を絶対化、絶対視して排他的になってみたり、同じようにある哲学を絶対化、絶対視して排他的になってみたり、
ある宗教家や哲学者の言を自分なりに検証せずに盲信して、思考停止になってしまったりすることだろうと思います。
ここいらへんが、戦争や差別、争いや不幸の原因の一つじゃないかな、と思いますね。
(もともと、人を幸せに、生きやすくするはずが、本末転倒だわね。)
ま、要は人様に迷惑をかけるワケです。
なので、あくまでも、どんな宗教をとるのか、どんな哲学をとるのか、それは自分自身が求めて、それに基づいて色々な情報と経験を得て、
それを自分なりに忖度して、「相対的に他よりも」いいと思って、それを自分が選んでいるに過ぎない、というのを忘れないことでしょうね。
言えば、人間智は限界を有する、ということをあらかじめ認めること。
まあ、戦争や差別は極端なケースであっても、あらゆる秩序、社会制度や法律も、根底はこういうもの(ある思想哲学、宗教的価値観)のパワーバランスで成り立っています。
だからある意味、争いも絶えない訳ですね。
為政者側や、統治する側から見て、何がよりエレガントか、っていう、比較優位の話で、色々決まっていくわけです。
医療制度しかり。
続く
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2016.08.23
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これまでのお話
東洋医学は宗教か。 4 参照
さて、どんどんいきましょう。
◆「気」や「経絡」を実感することで、信じて運用することが出来るようになる。
最初は、「気」とか「経絡」なんてものは、古代中国の観念の産物であり、実に古臭く、全く信用するに値しない、
と思っていた私ですが、鍼灸臨床をやっていくうちに、その存在の確かさに気付いていきます。
なぜそうなったのかと言えば、臨床現場で、現場の肌感覚として、それらの存在を”実感出来た”からです。
この「気」だの「経絡」だのというのは、学校で机の上で、字面で教わっていても、なかなか捕まえられません。
面白いけど、面白いだけです。(苦笑)
”目に見えない”、”数値化も出来ない”以上、実際にその考え方で患者さんを只管やっていくことで、その存在が感覚的に、
実感、感得出来てくるものなんだと思います。
僕らが医学理論の基本に置く「臓腑経絡」なんていうものは、そもそも、必死になって患者さんを治そうとする立場の古代中国の医師たちが、
無数の思考実験と人体実験の末に、ようやく辿りついて考え出された概念、想念なのです。
真摯にやっていれば、それが徐々に分かってくる筈です。
鍼灸臨床をやる以上、患者さんの実に様々な症状、変化に、柔軟に対応しなければなりません。
整形外科的な症状はもちろん、内科、婦人科、小児科、皮膚科、精神科、泌尿器科、循環器科、アレルギーなどなど。
1日何十人も見るとなればなおさらです。
治療に鍼灸を使いつつ、その千変万化の臨床現場における、臨機応変性を担保できるものとして、東洋医学理論がどうしても必要でした。
(僕の場合は)
そして、東洋医学理論に立脚しつつ、拙いながらも鍼灸臨床を粘り強くやっていくことで、徐々に「気」や「経絡」の存在を実感することが出来てきました。
ですので、僕からすると、普通に一生懸命鍼灸鍼灸で臨床をやっていったら、普通に東洋医学的な臨床になるのではないかなあ、
という思いがあります。
・・・でも、そうなっていない現状がある。
現代日本で鍼灸治療といったら、大半は整形外科の電気治療やマッサージの補助としての、物理療法の一環としての鍼灸治療です。
あまり言いたくはないが、残念ながら、大概の鍼灸師さんは、そういう努力(自分が鍼灸した後に患者さんの体に起こる全現象の理論的検証)をしていないんじゃないでしょうか。
たとえ患者さんが悪化したり、思いがけない反応が起こったとしても
「ドーゼオーバー」
とか、
「気候の問題」
とか、
「鍼灸とは関係ない」
とかいう、よく考えると、あまり意味の分からない言葉で、お茶を濁して、済ませてしまっているんじゃないでしょうか。
また、鍼灸学校の中にも、東洋医学の臨床をしっかりと見せれて、しかもしっかりと教えられる先生は、そうそういないのが実状ではないでしょうか。
清明院の患者さんが聞いたら、意外に思われるかもしれませんが、徹頭徹尾、東洋医学的な診断治療を実践している鍼灸院なんてのは、
鍼灸院の総数から見たら、かなり少ないのが実態なのです。
(パーセンテージは、1%以下とかなんじゃないでしょうか。。。知らんけど。)
多くの鍼灸院や鍼灸整骨院、病院では、問題の起こっている筋肉や神経を、単に刺激することを意識して、ある種の整形外科的な「物理療法」「刺激療法」の一環としての鍼灸が行われていますし、
東洋医学っぽい雰囲気でやっているような鍼灸院でも、どこかの誰かが唱えたメソッドを、ルーチンワークの様に、受け売り的にただこなしているようなケースがほとんどです。
(僕が見てきた範囲では)
そこに、「東洋医学の医者」としての創意工夫や苦悩はあまりみられません。
そうなると、かなり少数派のマイノリティー鍼灸院が、一般人や、多くの鍼灸師にはよく分からない、謎の理論を駆使して、あらゆる疾患に対して、
あっと驚くような治療効果を上げている、という状況になり、そうなると、業界内からも、西洋医学しか知らないマジョリティーからも、
気味悪がられるようになり、
「あいつらは宗教だー」
と、ステレオタイプ的に言われてしまう、という状況が醸成されてしまっている面があると思います。
これは、医療業界全体の社会制度の問題や、鍼灸学校教育の問題など、明治以降の日本社会における、非常に色々な問題が複合的に重なって、
現在の、こういう状況が醸成されているのだと思います。
だから、根は深いです。
・・・でもまあ、僕ら臨床家は
「そんなの関係ねえ!」
とか思って、日々やってますけどね☆
次回、では「宗教」とは本来何なのか、人が必死になって、真面目にやっている仕事に対して、
「あいつらは宗教だー」
とか、簡単に悪意を込めて言えてしまう人の、恐らく思っている”宗教”とはいかなるものなのか、というところを考えてみたいと思います。
続く
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