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Search Results for: 寒熱

12月(一社)北辰会スタンダードコースに参加してきました!!

2018.12.06

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昨日は恒例の秘密会合、「妖怪大集合」の飲み会で、バタバタしててブログ更新を忘れました!!<m(__)m>

 

(・・・ま、たまにはそういうこともある☆)

 

 

12.2の日曜日は、大阪で行われた(一社)北辰会スタンダードコースに参加してきました!!

 

 

本部では年内最後の定例会です。

 

 

午前中は実技練習。

 

 

皆さん実に真剣に取り組んでいました。

 

 

支部も負けていられませんね。(^^)

 

 

午後は大阪の古田地天堂鍼灸院院長、古田久明先生「正邪弁証」

 

 

「正邪弁証」は、中医学にはない、WHOにもない、世界で唯一、(一社)北辰会が独自に提唱する弁証法です。

 

 

「八綱弁証」、つまり病の”表裏寒熱虚実”の中の”虚実”について、極めて厳密に弁証する北辰会ならではの弁証法ですし、「証」よりもむしろ「病因病理」に、

 

弁証論治の本質を置く北辰会ならではの、非常に重要な考え方です。

 

 

古田先生の優しいキャラと、見やすいスライドで、大変理解し易かったんじゃないかと思います。

 

 

最後は奈良の風胤堂院長、油谷真空先生による「小児科学概論」

 

 

実は北辰会で「小児科」に特化した講義が行われるのは10年以上ぶりくらいらしいです。

 

 

油谷先生は4児の父、油谷先生の鍼灸院である風胤堂には、キッズルームまであります。(^^)

 

 

大変分かりやすい、基礎的な内容で、来年は臨床編も講義して下さるそうで、非常に楽しみです。

 

 

そして終了後は忘年会。

 

 

相変わらず本部の忘年会は出し物のキレが素晴らしかったですね。(笑)

 

 

・・・さーて、2018年も残すは12.16、東京衛生学園の大イベントです。

 

12.16 東京衛生学園特別講演会!!   参照

 

 

すでに席はパンパンらしいけど、強引に入れれば入れるんじゃないかと思うので(笑)、まだ申し込んでない人はダメもとでお問い合わせを!!

 

 

やる方としてはすし詰めの会場でやりたい☆

 

 

 

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ヨモギ茶と麦茶の違い

2018.08.18

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こないだ、更年期障害様ののぼせとめまいで、数年前から定期的に通院されている患者さんが仰った。

 

 

この2,3年は、長いこと安定していたが、今年の夏前くらいから、軽いものの、少しメマイが出ているのが気になっていた。

 

 

やや怪訝に感じながら治療をしていたんですが、ある日、

 

「ヨモギ茶をやめて、麦茶に変えたら、ずいぶん調子いいみたい。」

 

と仰った。

 

 

この瞬間、

 

「あーなるほど!!チェックしとけば良かったーー!!!」

 

と、僕は思ったんですが、さあこれ、鍼灸師の皆さん、意味、分かりますか?

 

 

この患者さんに何が起こったか、即座に予測できますか??

 

 

ヨモギの生薬名は「艾葉(がいよう)」です。

 

 

性味は「苦・辛・温」、帰経は「肝・脾・腎」、効能は「散寒除湿・止痛・温経止血・袪湿止痒」、禁忌は「陰虚血熱」です。

 

 

まあ要するに、深い部分を温め、冷えによる痛みを止める効果がある訳です。

 

 

ポイントは「陰虚血熱」のものには禁忌で、冷茶として飲んだとしても、性質的には温める作用が強いことを意味しています。

 

 

「ヨモギ茶」というのは、ヨモギの煎じ液のようなものですね。

 

 

ヨモギの葉っぱを完全に乾燥させたものを、香りがたつまで炒ってから煎じるようです。

 

 

そして「艾葉」は何といっても我々にとって重要な、「お灸」の原料であります。

 

 

お灸は、ヨモギの葉の裏にある線維から製造します。

 

 

我らが東洋医学が、陰の治療が鍼(金属)だとすれば、陽の治療には灸を、そしてその素材として、数ある植物の中から、ヨモギを選んだんですから、

 

温める作用は相当強く、確かである、と考えていいでしょう。

 

 

それに対して、麦茶はどうかと言うと、「大麦」の種子を煎じたものであります。

 

 

大麦については以前書きましたが、生薬名としては「麦芽(ばくが)」と言われ、種子を発芽させた状態で使うようです。

 

「麦飯」ってどうでしょう?? 3  参照

 

 

これは性味は「甘・平」、帰経は「脾・胃」、効能は「健脾開胃・行気消食・舒肝・回乳(母乳の出をよくする)」、注意点は「回乳に働くので、授乳期」とあります。

 

(母乳が出過ぎちゃう可能性がある、ってことかな。)

 

 

・・・まあ要は、脾胃を調え、気の巡りをよくするものと思っていいと思います。

 

 

麦茶が冷やすのか、温めるのかについては、色々な考えがあるようですが、麦茶の製法については発芽した種子ではなく、種子そのものを水洗いして、

 

乾燥させたものを軽く焦げ目がつくまで炒って、それを煮出すようです。

 

 

ですので、寒熱についてはなかなか複雑です。

 

 

以前書いたように、「種子」を食べる、と考えれば陰分が強いかな、と思うが、それを乾燥させてしかも炒ってある、しかもそれを煎じた液体を飲む、

 

という話なので、陽に思いっきり傾けた種子を煎じた液体、と、思えます。

 

 

そいでまた、それをキンキンに冷やして飲むと美味いという。。。

 

(苦笑・・・まあ、”陰的な作用(気味)”のみを抽出した液体、と考えてもいいのかもしれませんね。)

 

 

寒熱に関してはそのように、微妙に調整してあるので、温めるとか冷やすという効能よりも、脾胃を調整する、気の巡りをよくする、ここが麦茶のいいとこでしょう。

 

 

・・・と、このように考えていくと、熱証の人が夏場にヨモギ茶を飲むよりは、麦茶の方がはるかに良さそうだ、となるわけです。

 

 

冒頭の患者さんは、私の診立てでは思いっきり陰虚で熱証(+大いに湿痰)です。

 

 

こういうことがあるので、患者さんが日々良かれと思って飲んだり食べたりしているモノには、注意を払わなくてはなりませんし、こちらから先手先手を打って誘導しないといけません。

 

 

 

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(一社)北辰会スタンダードコース東京会場に参加してきました!!

2018.05.29

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27日の日曜日は、高田馬場で行われた(一社)北辰会スタンダードコースに参加してきました!!

 

 

プールにでも行きたいような晴天の休日の中、朝から狭い教室で喋ってきましたよ~。(苦笑)

 

 

内容は「胃の気の脈診」

 

(まずはキチッと読みましょう。)

 

 

・・・まあ、どれだけ伝わったか分かりませんが、アンケートを待ちたいと思います。

 

 

午後は実技指導。

 

 

今回はけっこう、皆さんのヤル気を感じて嬉しかったですね。

 

 

講義でも言いましたが、基本から応用まで、北辰会方式というのは教材も揃っており、講師も揃っており、非常に勉強が進めやすいんじゃないかと思います。

 

(本気で勉強したい人にとっては。)

 

 

最後は五反田でかねこ鍼灸治療室を開業されている金子太先生の「八綱辨証」講義。

 

 

金子先生は声楽をやっていますので、超いい声です。(笑)

 

 

八綱(陰陽表裏寒熱虚実)というのは、弁証論治を進めていくうえで欠かせない、最も大きな物差しになります。

 

 

八綱を間違わなければ、治療を大きく誤ることはないです。

 

 

また、講義の中で、明代の張景岳が『景岳全書 伝忠録』の中で言う「二綱六変」という考え方を紹介して下さっていましたが、この考え方が個人的には好きですね。(笑)

 

「張景岳(ちょうけいがく)」という人物   参照

 

 

「表裏寒熱虚実」という6つの物差しを使って、「陰陽」の二綱の傾きを明確にする、これが大事です。

 

 

 

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気温湿度の乱高下と衛気

2018.04.20

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最近、気温湿度の乱高下が激しいですね。

 

 

日によって違う、同じ日のうちでも朝晩と日中が違う。

 

 

これについていけず、体調を崩す患者さんも多いです。

 

 

温度が上がれば火邪や暑邪、下がれば寒邪、湿度が上がれば湿邪、乾燥すれば燥邪と、「寒熱湿燥」の邪気に侵襲されやすくなる。

 

 

そして、それら全部に、百病の長である「風邪」が加わることが多い。

 

(もちろん、どの邪気がどういう風に入るかについては、もともとの体質状況によるわけですが。。。)

 

 

急激な外的環境の変化は、気血のムラを生み、そこにある意味内邪としての「風」が生じる。

 

 

だから外的環境変化が激しいからと言って、必ずしも罹患するのが外感病だけとは限りません。

 

 

まあ、基本として、「風寒暑湿燥火」の6つを六淫の邪気と呼んだりするわけですが、これ要は外的環境の変化です。

 

 

東洋医学の理論上、その外的環境の変化にうまく対応するのは人体の正気の中でも「衛気」であります。

 

 

この衛気が部分的に虚ろであったり、停滞していたりして乱れていると、六淫に侵襲されやすくなります。

 

 

ですので、衛気については、その生成メカニズムから、現在どういう状態になっているかを診断する能力、学術がないと、東洋医学的な治療は出来ません。

 

 

衛気に作用しやすい経穴についても、熟知しておく必要があります。

 

 

合谷、申脉、外関・・・。

 

 

あるいは腹部の諸穴。

 

 

肺と衛気、腎と衛気、太陽経と衛気、陽維陽蹻と衛気、三焦と衛気・・・。

 

 

最近、大いに助かっています。

 

 

「衛気」って何ですか? その18

「浮く」の意味 まとめ

「翳す」意味 ⑤

「肺」って何ですか?(その12)

「腎」って何ですか?(その11)

「三焦」って何ですか?(その12)     などなど参照

 

 

 

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「紅汗」について考えてみましょう。16

2018.01.22

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これまでのお話

 

「紅汗」について考えてみましょう。目次   参照

 

 

 

◆『金匱要略』驚悸吐衄下血胸滿瘀血病脉證治第十六.の記載

 

 

ここでは主に吐血、衄血、下血、瘀血などの「血」の病変について細かい説明がされているのですが、

 

 

「・・・尺脉浮.目睛暈黄.未止.暈黄去.目睛慧了.知今止.又曰.從春至夏者太陽.從秋至冬者陽明.衄家不可汗.汗出必額上陷.脉緊急.直視不能眴.不得眠.

 

病人面無血色.無寒熱.脉沈弦者.浮弱手按之絶者下血.煩欬者必吐血.・・・」

 

 

と、出てきます。

 

 

簡単に訳しますと、

 

 

鼻血の患者で、脈が浮いてて、目がぼんやりしてる者はまだ止まらないけど、目がハッキリ見える人は止まる、また、春から夏に鼻血を出す人は太陽経が悪い、

 

秋から冬に出す人は陽明経が悪い。鼻血のよく出る患者は発汗させてはいけない。発汗させると、額の上が陥凹し、脈が堅くなり、眼球は直視し、

 

眠れなくなるなどの重篤な症状が出ることがある。

 

顔の血色の悪い病人で、外邪の侵入がなくて、脈が沈んで弦のものは鼻血が出やすい。脈が浮いていて弱く、按じると無力のものは下血しやすい。

 

もし、咳や心煩などの胸部の症状が現れたものは、吐血するかもしれない。」

 

 

となります。

 

 

まあ、鼻血の患者の簡単なパターンを教えてくれております。

 

(発汗させてはいけないパターンの話は『傷寒論』にも出てきますね。)

 

 

実際には、上記のような断片的な情報のみで判断するのではなく、あくまでも多面的に観察して総合判断します。

 

 

その際の、一定の参考になる記載、と考えていいと思います。

 

 

時期と経絡の問題は以前、「開・合・枢」に関して簡単に述べたことがあります。

 

「三陰三陽」という考え方 8 参照

 

 

 

続く

 

 

 

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「紅汗」について考えてみましょう。14

2017.12.25

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これまでのお話

 

「紅汗」について考えてみましょう。

「紅汗」について考えてみましょう。2

「紅汗」について考えてみましょう。3

「紅汗」について考えてみましょう。4

「紅汗」について考えてみましょう。5

「紅汗」について考えてみましょう。6  参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆『金匱要略』の「血痺虚勞病脉證并治第六.」の条文

 

 

さて今日からは、せっかくなんで『金匱要略』も見ていきましょう。

 

 

もともと後漢の時代に張仲景が書いたと言われる『傷寒雑病論』はその後、急性病の治療を中心に書いた『傷寒論』と、慢性病を中心に書いた『金匱要略』に分かれた、なーんて言われます。

 

(そんなん大嘘!という意見もあるようですが、個人的にどーでもいいです正直。『傷寒論』も『金匱要略』も、臨床的に利用価値の高い本、ただそれだけです。)

 

 

今日はその『金匱要略』の「血痺虚勞病脉證并治」の中にある条文を紹介します。

 

 

そこに、

 

「男子脉虚沈弦.無寒熱.短氣裏急.小便不利.面色白.時目瞑.兼衄.少腹滿.此爲勞使之然.」

 

とあります。

 

 

簡単に訳しますと、

 

「脈が虚で沈弦であり、寒熱はなく、息切れし腹部が引きつり、小便は出にくく、顔面蒼白、時にメマイし、鼻血が出て、下腹部が張る。これは虚労の病だよ。」

 

となります。

 

 

これまでと違って、「寒熱はなく」とあります。

 

 

これまで、『傷寒論』に書かれていた傷寒病においては、熱が籠って鼻血が出ているのか、熱を発散させようとして鼻血が出ているのか、が主な問題でした。

 

 

今回は正気が弱って起こる鼻血です。

 

 

一番最初に書いたように、血が血脈にしっかりと収まっているのが正常な状態な訳ですが、これが上手くできなくなると血が脈外に出てきてしまいます。

 

 

これが出血な訳です。

 

 

主に脾が弱って起こることが多いですが、必ずそうとも限りません。

 

 

この条文では、腹部にもけっこう症状が出ていますね。

 

 

 

続く

 

 

 

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日本伝統鍼灸学会のルーツ

2017.11.10

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最近、他流派の先生方と交流させていただくことが多い。

 

(飲み会で(笑))

 

 

ありがたいことです。

 

 

特に、「伝統鍼灸」系の先生方と交流させていただくことが多いです。

 

(今後は東洋医学に興味のある医師や、西洋医学系の先生方ともガンガン行きたいですね。)

 

 

僕も所属している「日本伝統鍼灸学会」

 

 

この学会がこの名称になったのには、それなりの経緯があります。

 

 

それに関して、日本伝統鍼灸学会のHPに簡単に書いてあります。

 

こちら 参照

 

 

まあ要は、昭和48年(1973年)に、岡部素道先生経絡治療研究会(のちの経絡治療学会)と、福島弘道先生東洋はり医学会が協力して、

 

相互の学術交流と親睦を図る目的で結成されたのが、日本伝統鍼灸学会の前身である日本経絡学会、ということです。

 

(経絡治療学会と東洋はり医学会は、現在でも伝統鍼灸系の大変大きな団体として存在します。)

 

 

日本経絡学会結成の前年(1972年)に、日中国交正常化があり、昨日書いた、北里大学に東洋医学総合研究所の鍼灸治療センターも出来たわけですね。

 

北里大学、東洋医学総合研究所にて研修してきました!! 参照

 

 

1970年代~1980年代というのは、日本国内では、中国がアツかったんでしょうかね。

 

(その背景には、また色々あるようですが、ここにはあえて書きませんので、ぜひ色々調べてみてください。)

 

 

・・・で、それからずいぶん時代が下って、「日本経絡学会」への参加団体もどんどん増えて、20以上の団体(流派)の集合体になっていき、

 

平成8年(1996年)に至って、上記のHPに書いてあるような理由から、「日本伝統鍼灸学会」という名称になった、という流れのようです。

 

 

・・・で、その名称変更から20年以上経った今、「日本の伝統鍼灸」の今後の方向性をどうしていくか、世界情勢も鑑みて、再考する時期じゃないでしょうか。

 

 

参加団体の世代交代も、どの団体を見ても進んでおります。

 

 

そして、次世代の先生方は、なんかみんな普通に仲いい。(笑)

 

 

お互いを尊重し、話を聞こうという空気感があります。

 

 

こないだの金沢で行われた日本伝統鍼灸学会の学術大会での、藤本新風先生の実技は、次の流れの萌芽を感じさせてくれました。

 

 

もちろん、色々な意見があっていい。

 

 

色々な立場があっていい。

 

 

ただ、これだけインターネットが普及し、飛行機での交通網が普及し、これだけ世界が時間的空間的に狭くなっている中にあって、世界のよそ様から見た時や、

 

国内で鍼灸師や医師、薬剤師に伝統鍼灸を教える時には、伝統鍼灸医学の総体としてきっちりと「こうですよ」と示せるものがあった方がいいんじゃないか、

 

とは思いますね。

 

 

日本伝統鍼灸の方法論や理論は現状、玉石混交状態であり、全く統一されておらず、エビデンス的にも極めて不透明、しかも現状の実際の医療現場では、

 

数の上では鍼灸整骨院や整形外科のリハビリ室で行われるような、経絡経穴ではなく、筋や神経を意識した、西洋医学的な局所治療が主であり、

 

世界から見た、日本伝統鍼灸の特異点としては、歴史的事実から腹診法や打鍼術、管鍼法が挙げられるが、それに対する考え方や手法もバラバラ。

 

 

まあただ総じて、患者さんをよーく触って診断しようとする点や、ただ押さえた際の圧痛などのハッキリとした指標だけでなく、寒熱や虚実などの、

 

皮膚表面の微細な変化や、脈の微細な変化を触知して診断しようとする点が日本独特である。

 

 

・・・ってな感じでいいんすかね??

 

 

日本の伝統鍼灸は実際の医療現場では数の上では少数派ですが、とりあえず繊細なんですけどネ、どうすかね?・・・みたいな??

 

 

僕としては共通の理論と用語は、世界情勢に合わせてTCM(中医学)のものを採用しつつ、それぞれの良さ、個性は中医学の用語で説明する、

 

出来ないならできない理由を明確にする、ということでいいと思うんですがね。

 

 

もちろん、日本の資格制度や医療現場等々に、中国人が我が物顔で入り込んできて、日本独自の鍼灸の考え方を認めず、日本の鍼灸師がやりにくくなるみたいな、

 

そんな状況は大反対ですよ。

 

 

ただねえ、WHO、ISO含め、世界基準を度外視することはしない方がいいでしょうよ。

 

 

反対派の人は、ヤダヤダ言ってるばっかりじゃなくて、他にもっといい方法があるなら伺いたいくらいなんですがねえ。。。

 

 

日本伝統鍼灸学会も、結成から40年以上たってますんで、50周年あたりを目処に、その辺、考えた方が良くないすかねえ。。。

 

 

 

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頭から汗が出る人 4

2016.06.28

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これまでのお話

 

頭から汗が出る人

頭から汗が出る人 2

頭から汗が出る人 3   参照

 

 

4.『傷寒論』辨太陽病脉證并治下第七.の、柴胡桂枝乾薑湯方のところに、

 

「傷寒五六日.已發汗而復下之.胸脇滿微結.小便不利.渇而不嘔.但頭汗出.往來寒熱.心煩者.此爲未解也.柴胡桂枝乾薑湯主之.」

 

と、出てきます。

 

 

これは、カゼ引いてちょっと時間が経って、まだ完全に治りきってない時に、頭に汗が出る場合を述べています。

 

 

ちょっとこじれたやつです。

 

 

これは比較的よく診ますね。

 

 

5.また、同じところに、

 

「傷寒五六日.頭汗出.微惡寒.手足冷.心下滿.口不欲食.大便鞕.脉細者.此爲陽微結.必有表.復有裏也.

 

脉沈亦在裏也.汗出爲陽微.假令純陰結.不得復有外證.悉入在裏.此爲半在裏半在外也.脉雖沈緊.

 

不得爲少陰病.所以然者.陰不得有汗.今頭汗出.故知非少陰也.可與小柴胡湯.設不了了者.得屎而解.」

 

とも出てきます。

 

 

これは、カゼがこじれて、中途半端な状態になってしまった時に、頭から汗が出る場合があることを述べています。

 

 

そんな時は小柴胡湯がいいと。

 

 

小柴胡湯については、

 

「小柴胡湯」を含む記事 参照

 

 

まあここでは、深くもなく浅くもないような、中途半端な位置に熱がこもってしまった場合に、「頭汗」という現象が起こることを教えてくれています。

 

 

 

続く

 

 

 

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補瀉 26

2016.03.12

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これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉          参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

 

 

金代に 竇漢卿が『針経指南』を書いて以降、中国で鍼の補瀉と言えば、ますます色々な”手技”が主張されるようになったきらいがあります。

 

(刺鍼してから、鍼を捻ってみたり、弾いてみたりはもちろん、そのタイミングや回数についてまで、実に細かく、どんどん複雑化していきました。)

 

 

元代~明代に至ると、その動きはますます加速して、明代末の『鍼灸大成』(1601)に至って、ほぼほぼ集大成されたようです。

 

(まさに鍼灸”大成”ネ。この辺の時代は、明代前期の『鍼灸大全』(1439)とか、『鍼灸聚英』(1529)とか、総集編的な本がたくさんあります。)

 

 

この『鍼灸大成』については、以前”八脈交会八穴”を調べていた時にザーッと読みました。

 

なぜ八脈交会八穴なのか 参照

 

 

そう言えば当時(10年近く前かな?)、蓮風先生から、

 

”お前もそろそろ『鍼灸大成』を読め。何が足りないのかが分かる。”

 

と言われたことがありました。

 

 

また、1972年の田中角栄日中国交正常化以降、早い時期に中国に留学し、当時はまだけっこう生きていた著名な老中医たちに、鍼を教わった先生が、

 

歴代の膨大な文献のうち、何から読んだらいいかと尋ねると、多くの老中医が口を揃えて『鍼灸大成』と言っていたそうです。

 

 

こういうエピソードからも、いかに重要な本であるかが分かると思います。

 

 

その『鍼灸大成』に、有名な「金鍼賦(きんしんふ)」という文があります。

 

”賦(ふ)”というのは”歌賦(かふ)”のことで、重要なことを書いた歌みたいな文章のことです。)

 

 

ここに、呼吸の補瀉とか、男女で打ち方を変えたり、鍼を捻る方向で寒熱を分けたり、提挿(ていそう)といって、鍼を引き上げるか押し進めるかで補瀉を分けたり、

 

あるいはこれらの組み合わせをやったりと、非常に複雑な鍼の手技が書かれています。

 

(苦笑・・・ややこしいですねー)

 

 

 

長くなったので続く

 

 

 

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「尺膚診」について 6

2015.09.14

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これまでのお話

 


「尺膚診(しゃくふしん)」について 
「尺膚診」について 2                     
「尺膚診」について 3          
「尺膚診」について 4

「尺膚診」について 5       参照

 

では続きいきます!

 

 

◆『黄帝内経霊枢』論疾診尺篇(74)における尺膚診の記載

 


黄帝内経には、それ以外にもまだ尺膚診に関する記載があります。

 

霊枢の中の”論疾診尺篇(ろんしつしんしゃくへん)”というところにも、尺膚診の記載があります。

 


まあここが一番、尺膚診について集中的に述べている篇、と言っていいでしょう。

 


まさにタイトル通り、疾病と尺(前腕部分の皮膚の状態)との関わりを論じた篇です。

 


黄帝内経の中の、尺膚診についての記載は、ここにしか書かれてないと思ってない人もいるぐらいです。(笑)

 


ここに、

 

黄帝が岐伯(医師)に問いました。

「色を望診したり、脈診せずに、尺膚診だけで診断し、外から内を知るにはどうすればいいの?」

岐伯が答えて、

「その尺の緩急小大滑渋と肉の堅脆を細かく見極めれば、診断できますよ。」

 

と、いきなり冒頭に出てきて、そこからさらに、

 

尺の膚が滑で、光沢があるのは風です。

尺の肉が弱は、解㑊の病です。

 

尺の膚が滑で油のようにつややかなものは風なり。

 

 尺の膚が渋は、血虚の風痺病です。

 

 尺の膚が粗く、魚の干物の鱗のようなものは溢飮(水の停滞)の病です。

 

 尺の膚の熱が甚しく、脈が盛大で落ち着きがないのは温病です。

尺の膚が寒、其の脈が小なものは下痢で気虚です。

 

 尺の膚が燃えるような熱で、先に発熱して後に冷えるのは往来寒熱です。

 

 尺の膚が先に冷えていて、しばらくして熱感を感じるのも往来寒熱です。

 

肘の所のみ熱があるのは腰より上に熱がある。

 

手の所のみ熱があるのは腰より下に熱がある。

 

肘の前(内側)のみ熱があるのは胸の前に熱がある。

 

 肘の後(外側)のみ熱があるのは肩背に熱がある。

 

 前腕の内側のみ熱があるのは腰腹に熱がある。

 

 肘頭より下の三から四寸に熱があるのは、腸中に虫がある。

 

 掌中に熱があるのは腹中に熱がある。

掌中に冷えがあるのは腹中に冷えがある。

 

 母子球に青い毛細血管が有るのは胃中に冷えがある。

 

 尺が燃えるように熱く、人迎(頚動脈の拍動)が大は、多量の出血。

 

 尺が堅で大、脈が甚しく小さいものは、気虚であり、これに煩悶が加われば死ぬ場合がある。

 

と続きます。

(なげえー(@_@))

 

・・・まあ要は、前腕の皮膚を見るだけで、これだけ色々なことが分かるわけです。

 


古代人の大いなる知恵だと思います。

 

なお、この篇で括目するべきは、前腕の皮膚の異常(特に寒熱)と、体幹部の異常を対応させて診ているところです。

 

前腕で全身を診る、という時に、深さ(深浅)だけでなく、高さ(高低)も意識している、というのがポイントであります。

 

深さも陰陽、高さも陰陽であります。

 



続く

 

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