東洋医学 伝統鍼灸 清明院

お電話

03-6300-0763

10:00~21:00(完全予約制)

休診日:日曜(土曜、祝日の診療は18時迄)
〒151-0053東京都渋谷区代々木2-15-12クランツ南新宿601
初診・再診の御予約、予約の変更、
その他お問い合わせはこちら

Search Results for: 夢分流

鍼灸医学史研究発表会に行ってきました!!

2018.01.09

dsc_1715106663321.jpg

 

 

**********************************************************************************************
      にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ 

 

「エキテン」清明院サイト

 

  ↑↑↑        ↑↑↑
こちらを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

1.7の日曜日は、北里大学で行われた、

 

「第五回 鍼灸医学史研究発表会」

 

に参加してきました!!

 

 

鍼灸医学史研究は、近年、素晴らしい学者肌の先生方が何人か業界に出てきて下さり、ジャンジャン研究が進んでいるところだと思います。

 

 

今後、不明瞭だったことが徐々に分かっていくことでしょう。

 

 

僕はちょっと自分でやるのは苦手な分野だけに、非常に興味深く聴けました。

 

 

これを、「マニアの世界」と冷笑的に言ってしまえば、それはそうかもしれないが、誰かのプロパガンダを鵜呑みにするのではなく、きちんとした歴史観(史実)に基づいて、

 

今現在自分がやっていることや言っていること、自分の主張を顧みることは非常に重要なことと思います。

 

 

今回、一人目の演者は加畑聡子先生

 

 

若くて綺麗な、新進気鋭の女性学者さんです。

 

 

山崎宗運という江戸期の鍼医の取穴法の研究を通じて、

 

「江戸時代なりのエビデンスの取り方に興味がある。」

 

と仰ったのが印象的でした。

 

 

江戸期の医者も、それ以前の古典の内容を、当時なりの方法で批判的に吟味していたんですね。

 

 

二人目は精神科医の蒲生裕司先生『断易と五行』に関する発表。

 

 

精神科医で断易を行うとは・・・。

 

 

タダモノではない先生ですね。(笑)

 

 

僕は周易のことなら、用語レベルくらいなら少しくらいは分かりますが、断易の、しかも占術の理論となると、全くのド素人です。(苦笑)

 

 

でも今回、興味が湧きました。

 

 

「貪生忘剋」という、鍼灸臨床にも応用の効きそうな言葉を得ました。

 

(思わぬ収穫でしたね)

 

 

三人目は左合昌美先生による「霊枢の人迎脈口診」のお話。

 

 

左合先生のご著書には、お世話になっております。

 

 

まあこの脈診法は、僕自身が臨床でやっているわけではないのですが、

 

「人迎脈口診は脈状診である。」

 

という結論が興味深かったですね。

 

 

聴いた話をすべて消化しきれてはいませんが、あの考えが、『難経』独取寸口脈診にも連なっていくのでしょう。

 

 

四人目は長野仁先生による、日本最古の鍼灸の流儀書である『鍼聞書(はりききがき)』の話を北里大学の創始者、北里柴三郎と絡めたお話。

 

 

長野仁先生は、もはや日本の伝統鍼灸界で知らない人はいない、江戸期の鍼灸の文献研究のトップランナーです。

 

 

最近では「東の大浦、西の長野」とかいう言い方もあるらしい。。。(゚∀゚)

 

 

まあホントに、素晴らしい知識量、研究量です。

 

 

しかも長野先生も大浦先生も、日々実際に鍼灸で患者さんを治療しながら、研究もやっておられるのがまた素晴らしい。

 

 

今回、長野先生は九州にある北里柴三郎記念館に赴き、柴三郎が師事した橋本家の墓参をしたという、貴重な話を聞かせていただくことが出来ました。

 

 

橋本家の墓の惨状には、目を覆いたくなりましたね。

 

 

あれが先哲への扱いなのかと。。。

 

 

今度研究グループで掃苔に行かれるようです。

 

 

最後は内経医学会会長の宮川浩也先生による『沢庵禅師』のお話。

 

 

沢庵禅師は、夢分流を世に広めたと言われる、御薗意斎とも交流があったことは知られています。

 

御薗意斎という人物

「沢庵和尚(たくあんおしょう)」という人物   参照

 

 

そして、禅僧らしく「無心」というキーワードを強調しているようです。

 

 

宮川先生も、沢庵の墓参の話をしておりましたね。

 

 

なんだか、みんな墓マイラーになってきた。。。

 

 

いいことだ。(゚∀゚)

 

(それが結論☆)

 

 

・・・要するに、歴史をきちんと踏まえて、今できる最大限をやろう。

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

「エキテン」清明院サイト

 

 

清明院オフィシャルサイト

 

 

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

 

 

 

刺さない打鍼か、刺す打鍼か。

2017.11.01

20170523_011753.JPG

 

 

**********************************************************************************************
      にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ 

 

「エキテン」清明院サイト

 

  ↑↑↑        ↑↑↑
こちらを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

今日、学校で「夢分流腹診」に関して講義してきました。

 

 

北辰会方式では、腹診に関して、実際の臨床では古典に基づく色々な考え方を重層的に運用していますが、中心となるのが「夢分流」の考え方です。

 

 

これまで、このブログでも、「夢分流」「打鍼」については何度も何度も触れています。

 

「夢分流」を含む記事

「打鍼」を含む記事 参照

 

 

北辰会では、今から50年ほど前から、もともとの古典に書いてあった通りの打鍼の道具を作り、実際に試してみたけど、先の尖った鍼を、鉛の入った、

 

打面の重たい木槌で叩く手法は、相当上手にやらないと、患者さんに痛がられることが多く、使いにくい、これでは一般的に普及させにくい、

 

ということで、先端の丸い、太い短めの鍼を腹壁に当てて、一本の木から削り出した木槌でコンコンと叩く、というやり方を採用するようになりました。

 

 

現在では、他流派の先生なんかでは、もともとの古典に書いてある通りの先の尖った鍼で、

 

「刺す打鍼術」

 

を使っておられる先生もいらっしゃるようですが、これはこれで良いです。

 

 

むしろ

 

「それでなくてはいけない場合」

 

というのはどういう場合なのか、というところが興味深いです。

 

 

こないだの金沢の日本伝統鍼灸学会でも、清明院元副院長の松木先生がこの辺の話を発表していましたね。

 

日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(1日目編)

日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(2日目編)   参照

 

 

・・・まあ、「腹診」「打鍼術」というのは世界の中でも日本独特の技術であり、共有財産でありますから、みんなで一生懸命研究して実践して、

 

それで患者さんが助かりゃ何より。(゚∀゚)

 

 

ザッツオール。(゚∀゚)

 

 

流派とか多様性とか、解釈の分かれるところとか、大いにあっていい。

 

 

どんどん議論でもコラボでもすりゃあいい。

 

 

あとは全員、口ばっかでやってねえで、毎日患者さんやって、症例を出しゃあいい。

 

 

 

・・・で、内外の批判を仰いだらいい。

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

「エキテン」清明院サイト

 

 

清明院オフィシャルサイト

 

 

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

 

 

 

出張講師 第2弾☆

2017.08.01

20170417_220713.JPG

 

 

**********************************************************************************************
      にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ 

 

「エキテン」清明院サイト

 

  ↑↑↑        ↑↑↑
こちらを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

昨日、7.31の月曜日は、以前伺ってきた、とある鍼灸院さんのところへ、再び出張講師で行ってきました!!

 

前回の様子は 出張講師☆ 参照

 

 

今回は、前回「腹診」をやったので、それの延長として「打鍼」をやりました。

 

 

世界の中でも、日本独特の鍼術である打鍼術。

 

 

江戸時代に広まりましたが、明治維新以降は、ほとんど途絶えていました。

 

 

それを昭和になってから、再び現代風にアレンジして復興させ、日本の鍼灸界に広めたのが、北辰会、藤本蓮風先生でしょう。

 

 

北辰会の打鍼術というのは、もともとの夢分流の打鍼術を改良したものです。

 

 

その辺を強調して、休日返上で、一生懸命喋って、実技指導してきました。(*‘∀‘)

 

 

どの程度伝わったかは分かりませんが、打鍼を使って、一人でも多くの患者さんが救われることを願うばかりです。

 

 

因みに各団体からの出張講師、特別講演の依頼は、北辰会事務局まで。

 

北辰会HP お問い合わせ 参照

 

 

日程や依頼内容や条件等々が合えば、北辰会の講師が講演に出ていく場合があります。

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

「エキテン」清明院サイト

 

 

清明院オフィシャルサイト

 

 

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

 

 

 

「伝統」とは何か。 2

2017.03.20

img_20170219_133145_066.jpg

 

 

**********************************************************************************************
      にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ
  ↑↑↑        ↑↑↑
この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

前回のお話

 

参照

 

 

◆「伝統」辞書的には

 

 

「伝統」を簡易な辞書でひくと

 

前の時代から受け継いだ風俗、制度、思想など。また、受け継ぐこと。

 

『三省堂 国語辞典 第四版』

 

と、出て来ます。

 

 

また、桑原武夫著『伝統と近代化』(『岩波講座 現代思想11』所収・1957・岩波書店)によれば、

 

文字どおりの意味では、歴史的に伝承された物質文化、思考や行為の様式、人やできごとなどについてのイメージ、

 

さまざまな象徴群などを意味する。

 

とあり、

 

広義に解すれば、過去から伝えられた文化遺産である。

 

とあります。

 

 

・・・で、これをどうとらえるかが、人によって違う、と、書いてあります。

 

 

伝統を重んじる立場の人と、軽んじる立場の人。

 

 

むしろ伝統の方が、社会秩序を守る上で重要であり、新しい文化や価値観を、伝統的な社会をかき乱す因子、ととらえるか、

 

あるいはその逆に、伝統なんてものは新しいもの、より良いものを構築する際に阻害因子となるものだ、ととらえるか。

 

 

桑原氏は、

 

進歩や発展が望ましいとされる時代においては、伝統は過去の無知の産物、進歩の障害物とみなされる傾向が強い。

 

といいます。

 

 

まさにこのような考えに基づいて、今から150年前、明治維新の時代に、日本の東洋医学は排斥されたんですね。

 

 

ただ、桑原氏はそう書きつつも、

 

伝統の担い手に、伝統をよりよきものに精練したいという願いがあれば、外発的な衝撃を契機として、古い遺産の中からより真なるもの、

 

より良きものが抽出され、新しい状況に適応するように再構成、再解釈された形で伝統はしばしば強調された。

 

とも書いています。

 

 

これは蓮風先生もよく仰るところで、夢分流の打鍼術を現代風にアレンジした経緯の説明の時に、よくこの話をなさいますね。

 

 

「現代中医学」「ディスポ鍼」「市販の温灸」というものだって、ある意味そうだと、僕なんかは思いますしね。

 

 

そして桑原氏は、

 

この意味で、伝統はかならずしも停滞的ではなく、創造の要素でもある。

 

と説き、

 

社会成員の共属の感情を継続させるためにも、成員の共感を呼び起こす伝統は、ある程度保持される必要がある。

 

と結んでいます。

 

 

まあ、新しい何かを発展的に構築していくにしても、伝統は無視、排斥するべきではない、という考えに、僕も一票です。

 

 

また、いつまでも伝統に固執して、発展や異文化を嫌うのは、極端すぎてどうかと思っています。

 

 

後はその背反する二つの考え方のバランスの問題でしょう。

 

 

 

続く

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

清明院オフィシャルサイト

 

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

 

 

 

小野太朗先生の言葉 1

2017.03.04

20170219_184927.jpg

 

 

**********************************************************************************************
      にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ
  ↑↑↑        ↑↑↑
この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

最近、鍼灸医学の研究会である東方会『鍼灸医学』(谷口書店)を読み直しています。

 

 

中でも、前会長であった小野太朗先生(故人)が生前書かれた論考を、重点的に読んでいます。

 

 

タイトルは『鍼灸と哲学』

 

(ド直球のタイトルですね。( ゚Д゚)人柄がしのばれます。)

 

 

去年、年末に東京衛生学園「総合と総体」を講義させていただき、先日の順雪会では蓮風先生の講義を聴き、

 

久々に「哲学」づいております。(笑)

 

総合と総体 目次

2017(一社)北辰会一泊研修会「順雪会」に参加してきました!! 参照

 

 

実は、北辰会と東方会には古いご縁がありまして、北辰会の藤本蓮風先生と、東方会の小野太朗先生は同い年なのです。

 

 

お二人とも20代からの知り合いで、お二人ともお父様が有名な鍼灸師という、似た境遇で、若い時はバチバチやってたそうです。(*‘∀‘)

 

 

去年、そんな話をチラチラと蓮風先生から聞きましたが、印象的だったのは、

 

「太朗君とは、”今、自分たちがどうこう”じゃなくて、50年後、100年後の鍼灸界のために何ができるのかを考えて、

 

20代の頃、しょっちゅう話をしとった。」

 

という発言。

 

 

これはけっこうシビレました。

 

 

そういうノリ、今の鍼灸界の20代にあるでしょうか。(苦笑)

 

 

自分自身の私利私欲、功名心、虚栄心が溢れ返っていないだろうか。

 

(・・・と、偉そうに言えるほどの人間ではないけどネ、俺も。(^^;))

 

 

まあともかく、私が現在非常勤講師をやらせていただいている、東洋鍼灸専門学校の創立者である柳谷素霊先生のお弟子さんであり、

 

江戸時代に夢分流打鍼術を世に広めた御薗意斎の孫である本郷正豊『鍼灸重宝記』を戦後に現代語訳された、小野文恵先生の長男さんである、

 

小野太朗先生に興味が湧きました。

 

(太朗先生の妹さんである博子先生とも、チョイチョイ学校で顔を合わせますしね。)

 

柳谷素霊という人物

墓マイラー 15

御薗意斎という人物

「打鍼」復興の歴史

墓マイラー 21 御園家代々の墓

補瀉 40        参照

 

 

そんなワケで、前置きが長くなっちゃったんで、これから何回かに分けて、小野太朗先生の若かりし頃の論考を、

 

僕自身のイマイマの考えも絡めて、紹介したいと思います。

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

 

清明院オフィシャルサイト

 

 

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

 

 

 

「打鍼」復興の歴史

2016.07.22

**********************************************************************************************
      にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ
  ↑↑↑        ↑↑↑
この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

来週、東洋鍼灸専門学校にて、「北辰会方式打鍼術~実技編~」を講義します。

 

 

実はこれはなかなか画期的な話でして、これまで、鍼灸学校で「打鍼」のことが紹介程度に講義されたことはあっても、

 

平常授業の中で、打鍼を日本で一番、臨床で応用しているといっていい、「北辰会方式の打鍼術」が、

 

”鍼灸学校の授業の中で”

 

”実際の打鍼の道具を手に取って”

 

北辰会の講師によってハッキリとした形で講義されるのは、有史以来初めてなんじゃないかと思います。

 

(笑・・・大げさか。)

 

 

まあ、気合い入れていこうと思います。

 

 

こういう機会を下さった東鍼校の校長先生、学科長に感謝します。

 

 

 

 

ところで「打鍼」というのは、もともとは先の尖った太い鍼を、木槌でコンコンと叩いて皮下に打ち込み、治療する方法と言われてきました。

 

(いたそーですねー)

 

 

古文献に書いてあるように、先の鋭く尖った鍼を使って、実際に木槌でその鍼の頭を叩いて、皮膚に打ち込む先生もいらっしゃるようですが、

 

これは痛みなく行うのが非常に難しく、北辰会ではそれを現代人の繊細な感覚に合うようにアレンジし、太くて先の丸い鍼を使って、

 

その鍼を腹部のツボに当てて、その上から木槌で叩打し、独特の圧加減と振動と音の響きで刺激する、非常にソフトな治療法として、

 

さらにそれを現代中医学の弁証論治の考え方ともクロスオーバーさせて、「北辰会方式打鍼術」として昇華しております。

 

(因みに、最近の長野仁先生大浦慈観先生たちの研究によれば、江戸期から”刺さない打鍼術”は存在していたようです。)

 

 

ですので、現代の鍼灸臨床の現場ではむしろ普通の人よりも過敏な、小児や女性などによく用います。

 

 

 

 

ところでところで、江戸時代に打鍼を世に広めたのは、先日ご一族の墓所に墓参してきました、江戸初期の京都の鍼医、御薗意斎先生です。

 

墓マイラー 21 御園家代々の墓

御薗意斎という人物  参照

 

 

御園意斎先生以前にも、打鍼術自体はあったそうですが、御薗意斎先生の師匠とも言われる、臨済禅の僧医である夢分斎という先生が、

 

打鍼をするにあたっての診察、治療部位を腹部に限局し、さらに禅の考え方と組み合わせて理論的に展開し、

 

「夢分流打鍼術」

 

として一つの流儀としてまとめ、それを当時のカリスマドクターであった御薗意斎先生に伝え、世に広まり、さらにその後、奥田意伯という人物が、

 

夢分斎先生の伝書として刊行したのが

 

『針道秘訣集』

 

という有名な本であると言われています。

 

 

その後、打鍼術は全国色々なところで行われていたようですが、現代でも続く、鍼管を使って刺入する管鍼術に押されたのか、江戸後期から大正時代あたりまでは、

 

衰退していた時期もありましたが、昭和の初期になって、私が今教鞭を取っている、東洋鍼灸専門学校を作った柳谷素霊先生によって紹介され、

 

その弟子筋である橋本素岳先生、小野文恵先生、福岡の馬場伯光先生たちが、臨床で応用していたあたりから、復興が始まったようです。

 

墓マイラー 15

柳谷素霊という人物  参照

 

 

・・・で、1970年代(昭和40年代)に至って、打鍼術の伝書である『針道秘訣集』を解説した本である『弁釈針道秘訣集』を刊行し、

 

自分たちなりにアレンジし、再び大きく世に広めたのが、北辰会代表、藤本蓮風先生です。

 

 

・・・で、僕はその影響を受けて、普段の臨床に北辰会方式の、”刺さない”打鍼を使っているわけなんですね。

 

 

これは江戸時代初期から現代までの数百年、連綿と続く一筋の流れなのです。

 

 

打鍼をやるならば、こういうことをキチッと踏まえないと。

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

清明院オフィシャルサイト

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

 

 

 

補瀉 40

2016.04.07

_20201108_211418

 

 

 

**********************************************************************************************
       にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ
   ↑↑↑        ↑↑↑
この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容

補瀉 33    『針道秘訣集』における補瀉

補瀉 34    『杉山真伝流』における補瀉 1

補瀉 35  『杉山真伝流』における補瀉 2

補瀉 36     永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉

補瀉 37   『杉山流三部書』における補瀉 

補瀉 38     岩田利斉『鍼灸要法』における補瀉

補瀉 39    岡本一抱『鍼灸抜萃大成』における補瀉         参照

 

 

 

では続きいきます!!

 

 

 

◆本郷正豊『鍼灸重宝記』における補瀉 

 

 

さて今日は、本郷正豊先生『鍼灸重宝記』(1718)を見てみたいと思います。

 

 

この先生は、江戸中期の鍼灸医です。

 

 

実は『鍼灸重宝記』は以前、このブログにもチラッと登場したことがあります。

 

「沢庵和尚(たくあんおしょう)」という人物 参照

 

 

この本は、現代の「経絡治療」と呼ばれる流派の先生方の大元中の大元と言っていい、明治時代の鍼灸医で、脈診の大家と言われた八木下勝之助先生が、

 

他の本を一切読まずに、『鍼灸重宝記』のみを読んで、90歳を超えるまで治療されていたことで有名です。

 

 

そしてこの本は、北辰会の藤本蓮風先生とも縁のある、東方会の小野文恵先生が、大東亜戦争をまたいで現代語訳され、出版したことでも有名です。

 

 

そしてその本の推薦文は、私が今教えに行っている、東洋鍼灸専門学校柳谷素霊先生が書いています。

 

 

小野先生は、柳谷先生の有力なお弟子さんの一人だったんですね。

 

 

なので、なんかこの本を読むと、脈々と続く大きな歴史の流れを感じるんです。

 

 

ここにも、補瀉に関する記載があります。

 

 

そしてそれは何と、前回紹介した岡本一抱『鍼灸抜萃大成』の内容と全く一緒です。

 

(笑・・・例の呪文唱えるやつね。)

 

 

そして実はこの記載は、沢庵和尚『針記』の記載そのままなんだそうです。

 

(この辺は長野仁先生が非常に精緻に研究しておられますので、専門家の先生方は長野先生の論文等を参考にしてください。)

 

 

因みに『鍼灸重宝記』には、お灸でやる補瀉についても記載があり、瀉法の場合は火を扇ぐか吹き消せといい、補法の場合は、自然に消えるようにしなさいと説きます。

 

 

これもなかなか面白い記載。

 

 

瀉強補弱、強弱の補瀉と言ってもいいでしょう。

 

 

また、この本には「腹部打鍼術」についても書かれており、夢分流の流れを汲んでいることが分かります。

 

 

まあともかく、江戸期の超有名医家であり、現代の鍼灸家にも強い影響を与え続ける岡本一抱、本郷正豊の両者が、

 

禅僧である沢庵和尚の影響を受けていたなんて、興味深いですね。

 

 

我々が使う打鍼術の創始者、夢分斎も禅僧であるし、「禅宗」というものを考えることは、日本独特の鍼灸を考える上で、一つのキーワードなのかもしれませんね。

 

 

禅宗の旗印と言えば、何と言ってもこれです。

 

「不立文字、教外別伝、直指人心、見性成仏」

 

 

・・うーん。。。

 

 

ただ、こう言ってしまうとねー。。。

 

 「禅宗(ぜんしゅう)」って何ですか?

「禅宗」って何ですか?(その2)

「禅宗」を含む記事 参照

 

 

 

続く

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

清明院オフィシャルサイト

 

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

 

 

 

 

補瀉 36

2016.04.03

_20201108_211106

 

 

 

**********************************************************************************************
       にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ
   ↑↑↑        ↑↑↑
この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

 

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容

補瀉 33    『針道秘訣集』における補瀉

補瀉 34    『杉山真伝流』における補瀉 1

補瀉 35  『杉山真伝流』における補瀉 2        参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉

 

 

御園夢分斎と同じ時代にいたのではないかと言われる有名な医家に、永田徳本がいます。

 

 

この人物も、以前紹介しました。

 

永田徳本という人物 参照

 

”永田徳本”を含む記事 参照

 

 

実はこの人物は、多賀法印という人物に師事したと言われているのですが、実は夢分流の創始者と言われる夢分斎も、同じ多賀法印に師事していたのではないかという研究がありましたが、

 

最近の研究で、それが間違っていたことが分かっているようです。

 

 

こうやって、歴史研究というのは新事実が発覚したりして、発展していくものなのです。

 

 

この辺の、江戸期の日本古流派の登場人物の関係性については、非常に熱心に調べていらっしゃる先生方がたくさんおられますので、そのうちもっともっと色々なことが明らかになって、

 

それがまとまった教科書でも出してくださると、我々としては頭をスッキリと整理するのに非常に役立ちますので、応援したいです。

 

 

・・・まあともかく、永田徳本『鍼灸極秘伝』の中では特定の経穴に対する鍼の刺し方を述べ、『徳本多賀流針穴秘伝』の中では、

 

補瀉の重要性を述べ、「先補後瀉」の原則や、補瀉するにあたって、痛くなく打つことの重要性などを述べています。

 

 

ここでは深入りしませんが、この「刺針時の痛み」をどう考えるかというのも、一つのテーマかと思いますね。

 

 

まあ、永田徳本自体は、補瀉に関して、さほど目新しいことは言っていません。 (‘Д’)

 

 

 

続く

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

清明院オフィシャルサイト

 

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

 

 

 

 

補瀉 35

2016.04.02

_20201108_211036

 

 

 

**********************************************************************************************
       にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ
   ↑↑↑        ↑↑↑
この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

 

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容

補瀉 33    『針道秘訣集』における補瀉

補瀉 34    『杉山真伝流』における補瀉 1        参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆『杉山真伝流』における補瀉 2

 

 

前回に引き続き、『杉山真伝流』における補瀉です。

 

 

今日は、杉山流の刺鍼手技の基本となる「十八術」を紹介します。

 

 

十八種類それぞれについて細かく、分かりやすく解説してあるのは、前回も紹介した『杉山真伝流 臨床指南』に詳しく記載されていますので、

 

専門家の先生方はそちらを見ていただくとして、ここに提示された十八種類の手技は、実に様々な刺し方で、気を集めたり散らしたりできるように、

 

工夫がなされています。

 

 

杉山流はこの十八種類の手技を縦横無尽に組み合わせて、無数のパターンを作り出している、とも言えます。

 

 

そしてこの十八術の筆頭に紹介されているのが、有名な”雀啄術”です。

 

 

これは、中国では”提挿の補瀉”と言われるものと類似した手技と言っていいでしょう。

 

 

刺した鍼を、雀が啄むように出し入れする手技です。

 

 

この際の、鍼を入れるスピード、抜くスピード、どの程度大きく鍼を動かすか、こういう微妙な動きによって気の去来を操作します。

 

 

ただこの際に前提となるのは、今果たして鍼の先に正気が集まったのか、邪気が散っていっているのか、噛み分ける能力です。

 

 

これなしで、見よう見まねで鍼のいじり方だけマネしても、効果は薄いでしょう。

 

 

杉山流では、それまでの中国、日本で行われていた補瀉についてももちろん勉強しつつ、新たに”管鍼法”を編み出し、

 

手技についてはさらに工夫して、あらゆる気の操作方法を提示した、というのが功績の大きな一つだと思います。

 

 

夢分流、杉山流、両流とも、『黄帝内経』『難経』、それ以降の医書を、おそらく十二分に研究したうえで、補瀉について

 

「補は瀉なり、瀉は補なり。」

 

とブッタ切った夢分流と、補瀉を複雑に技術で細分化分類化したこの杉山流は、双方ともに、いい意味で個性が光っています。

 

 

 

続く

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

清明院オフィシャルサイト

 

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

 

 

 

 

補瀉 33

2016.03.25

_20201108_210811

 

 

 

**********************************************************************************************
       にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ
   ↑↑↑        ↑↑↑
この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

 

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容          参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

いよいよ日本における補瀉の変遷、いきましょう!

 

 

◆『針道秘訣集』における補瀉

 

 

曲直瀬道三(1507-1594)の少し後の時代、御薗意斎(1557-1616)の門人である奥田意伯(17世紀)という人物が、『針道秘訣集』(1685)という本を出版しました。

 

 

これは我々北辰会とも、非常に関係の深い本です。

 

 

我々が主に使い、今では全国的に他の流派の先生方も多く使うようになった”夢分流打針術”のことが書かれた本です。

 

 

弱冠30代前半の時に蓮風先生が書いた、この『針道秘訣集』の解説書である『弁釈針道秘訣集』は、その後の鍼灸界に非常に大きな影響を与えた、

 

不朽の名著と言っていいでしょう。

 

 

現代日本で、腹部打鍼術を行う鍼灸臨床家で、これを読んでいない人はいないでしょう。

 

 

 

この本に、「補瀉の大事」という項があります。

 

 

ここには、

 

「『素問』『難経』『針灸聚英』等の本に、補瀉迎随の事が色々書かれてるけど、うちの流派では”補は瀉なり、瀉は補なり”と考えてるんですよ~~。」

 

と、書いてあります。

 

 

この本を書いたのは奥田意伯ですが、彼は、この本は夢分流の創始者である夢分斎の伝書として、発刊しています。

 

 

夢分斎という人は、京都の大徳寺の禅僧で、僧医です。

 

 

ですのでここの文章は、サスガ禅僧、って感じの言い方ですね。(笑)

 

 

これについて、蓮風先生は、最近でも2010.7.24のブログで、

 

「・・・腹部体表の状況を手掌で感知し邪気と正気をかみ分け、刻々と変化する腹壁に対応して鍼を施すのだ。

 

真に感性そのものの対応だ。これも「補瀉」の一つのありようなのである。」

 

と、述べておられます。

 

第43回 鍼の「補瀉」法にみる中国と日本 ―試みの論― 参照

 

 

まあ要は、正気と邪気を噛み分けて、自在に鍼を施し、結果的に臓腑経絡の虚実を調えて、全身の陰陽のバランスを整えて、生体の”治る力”を最大化する、

 

これが達成できれば、必ずしも形式的な手技にこだわる必要はなく、感性そのもので対応してもOK、ということです。

 

 

ただここで、個人的に危険だと思うのは、こういう考え方を盾に、全く意味不明な、破綻した論理に基づいて治療したり、

 

”意念”だの”愛”だの、そればかり主張して、全然医学理論を勉強しない輩が現れる可能性があることです。

 

 

夢分斎が、どれほどの勉強の上にこれを主張しているか。

 

 

蓮風先生が、どれほどの勉強の上にこれを主張しているか。

 

 

まずそれをきちんと踏まえるべきだと、僕は思います。

 

 

 

続く

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

清明院オフィシャルサイト

 

 

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

 

 

 

 

 RSSリーダーで購読する

ブログ内検索
おすすめ記事一覧
カテゴリー
最近の投稿