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2020.04.07
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前回のコロナ対策記事から二週間、不本意ながら、またこの記事を更新しなくてはならない情勢となってしまいました。。。(~_~;)
この二週間、有名人の感染、死亡のニュースや、首都圏ロックダウンの噂(チェーンメールも含む)などで、東京はもちろん、日本全国、ますます不安感が強まっています。
本日はついに政府から緊急事態宣言が出て、さらに緊迫感が高まっています。
ますます人の流れは鈍化するでしょう。
今にもオーバーシュート(感染爆発)、医療崩壊と、欧米のような状況になるのではないか、と強く懸念する声がある一方で、なぜか日本は感染者数の増え方が少ない、
要因は何なんだ、BCGか?衛生観念の高さか??とか、いやいや、たまたまだろう、まだこれからなだけだろう、という議論もあったりします。
また一方で、中国では終息した、韓国、台湾、シンガポールでは抑え込んだ、欧米ではピークアウトの兆しが見えている、なんていう報道もあったりで、
ちょっと今後の展開が微妙な時期でもあります。
だからこそ、強制封鎖や外出や営業の罰則化が出来ない以上、人流の更なる鈍化が、政治的経済的には現状における最適解なんでしょう。
(一部の医療者、特に感染症の専門家からの反発は必至ですけどね)
ともかく、今般の新型コロナウイルス(COVID-19)の感染により亡くなられた方々、ご遺族に謹んで哀悼の意を捧げますと共に、現在も闘病中の患者さん、
ご対応にあたっていらっしゃる全ての皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
一般人としては、防護服を着て無菌室に籠っている、ということは出来ないし、仕事を完全に止めたら生活していけないし、補償制度がまだ不透明、不安定であり、
しかも終わりが全く見えない状況である以上、各企業、各個人が、引き続き、出来る範囲で、冷静に、最大限の感染対策をするしかないのでしょう。
こういう、不安で混乱状態の時、悲観論で不安を煽るのも違うし、楽観論で対策意識を下げるのも違う。
自分の考えと違う人を貶めるのも違う。
インターネットの存在、SNSの存在で、1億総コメンテーター化していますが、緊急時というのは、その方の本質が露見しますね。
・・・結果、人の振り見て我が振り直せばいいこと。
清明院の患者さんも、大半の方は非常に冷静ですが、一部、不安を募らせておられる患者さんもいらっしゃいます。
そういう患者さんのほとんどは、家から出ないようにされているようですし、それが可能ならば、それがいいと思いますが、せっかく家に籠っていても、
テレビやネットのネガティブ情報でストレス、不安を溜め込む
+
運動不足
+
DVDやYoutube見過ぎで寝不足
+
コンビニ食やUber Eatsばっかりとって偏食、食事時間不規則
では、結果的に他の病気にかかったり、持病の悪化に繋がって本末転倒になりかねないので、気を付けたいですね。
こういう時は感染対策を十分にしたうえで、お笑いDVDでも見て、大いに笑いましょう。
出来る範囲で、運動もしましょう。
なお、現時点で、清明院としてとっている対策を以下に示します。
(今後、感染拡大の動向に応じて、さらに強化、変更する可能性があります。)
1.スタッフ全員、マスク着用
(報道でよく言われているように、ウイルスに対するマスクの効果の程については熟知しておりますが、念のため、ということです。)
2.1日3回(朝昼晩)、窓を全開にして院内を換気。トイレは常に換気。診療中も換気扇は常時稼働。
(清明院はビルの6階フロアに1部屋のみであり、隣接した障害物は無く、風通しは最強です。(苦笑))
3.来院時、院の玄関にて全患者さんに手指消毒していただく
(付き添いの方も含めて)
4.咳が出ている患者さんには、マスクを着用していただく
(出ていなくても、なるべく着用していただく)
5.院内のものをなるべく触らないようにご配慮いただく
6.往診事業部は、上着を患者さん宅の玄関前で脱ぎ、患者さん宅に着て入らない。
(それでも念のためにと、往診を一時中断している患者さんも多いです。)
7.患者さんが出た後、治療室に次亜塩素酸水をスプレーで噴霧して、空間除菌。
(これも、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの違いや、それぞれの効果のほどは熟知した上で、念のためにと、行っております。)
8.次亜塩素酸ナトリウム溶液、エタノールにて、トイレ、患者さんの動線、手に触れるものをこまめに拭いて消毒
(もちろんながら、次亜塩素酸ナトリウムの取り扱いに関しては、重々注意しております。素手で触ったら皮膚溶けますし、空間に噴霧なんてしたら、逆に喉や目の粘膜を傷めます。)
9.受付に、万が一の飛沫感染対策の衝立を設置
(↑↑今後、もうちょっとスタイリッシュにする予定ですが。。。(苦笑))
10.気温も上がってきたので、診療中も共用スペースは窓を開けて換気
11.スタッフ間の距離を2mほど空ける(ソーシャルディスタンス)
12.キャッシュレス決済を導入
(↑↑まあこれは、ウイルス対策ってほどでもないんですが、現金を触るのが不安、という患者さんは多いです。)
今のところ、ここまでです。
(前回から、7.8.9.10.11.12.が今回の追加変更点です)
・・・ま、今後も感染拡大の動向に応じて、柔軟に最適化、でいきます。
東洋医学では、こういう感染力の強い、体質素因に関係なく、罹患すると同じような病理変化を起こすウイルスや細菌のことを「疫癘(えきれい)の邪気」と言います。
有史以来、東洋医学でも、これとの闘いは、あらゆる書物に記されています。
韓国ドラマ 『チャングム』 『ホジュン』 でも、疫病の恐ろしさが描かれていましたね。
(↑↑Amazonプライムにリンク貼っときました。見てない人は今こそ見ましょう!!!ついでに『馬医』も!!)
かつて日本が統治する前の台湾が「風土病の島」と恐れられていたことも有名です。
中国漢代の『傷寒論』、明代の『温病学』を見れば分かるように、「疫癘」はある意味、伝統医学が発展する呼び水でもあります。
今回の新型コロナウイルスも、中国では、鍼灸漢方と、気功や太極拳などの運動法と、西洋医学を組み合わせて、非常に高い効果を得た、という報告もあります。
(今回の騒動が結果的に中国伝統医学の発展に繋がるかはまだ分かりませんし、この情報の信憑性自体を疑う声もありますが)
いずれにせよ、東洋医学による「治る力」の最大化は重要、有用でしょう。
また、こういう時こそ、言うまでもなく平生からの「養生力」が大事であり、手洗いうがいや手指消毒などに加えて、
時間と量と内容の適切な飲食
+
十分な睡眠
+
精神的ストレスを遠ざけること
+
適度な運動
これらが何より重要です☆
「治る力」を高めるには、心身の安定と、柔軟性の確保が大事なのであり、そのための方法論は人によって微妙に違いますから、特定の食品やサプリや飲料水を摂ったから大丈夫、ということはないです。
(これは特定の漢方薬を飲んだら、とか、特定のツボに鍼灸をしたら・・・という発想も同様です。)
・・・ま、こないだも書きましたが、現状で確定している情報をもとに、冷静に、出来ることを、ですね。
終息しない疫病はありません。
(以下参考サイト)
【一般の方向け】
厚生労働省 「新型コロナウイルスに関するQ&A」(随時更新)
新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター(各都道府県)
【専門家の方向け】
市中病院で経験した、 人工呼吸器装着が必要であった重症 COVID-19 肺炎の感染対策、治療について(症例報告)
自衛隊中央病院 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」から搬送された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)104症例のまとめ
COVID-19 感染症に対する漢方治療の考え方 改訂第二版(金沢大学 小川恵子先生)
【緊急寄稿】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する漢方の役割(渡辺賢治ほか)
新型コロナウイルス肺炎診療ガイドライン第7版(中華人民共和国国家衛生健康委員会弁公庁)日本語訳版
新型コロナウイルス感染症の舌診について(医道の日本社 随時更新)
中国鍼灸学会「COVID-19のための鍼灸介入ガイドライン(第2版)」日本語訳版
広東省「肺炎1号方」に関して(広東省薬品監督管理局:中国語サイト)
2019.12.22
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今週は山ほどカゼの患者さんを診た。
ついでに自分もじゃっかんカゼ気味となった。(苦笑)
カゼと言っても、東洋医学的には、ホントにバリエーションが多彩。
簡単なものは気分がいいが、通り一遍の治療で上手くいかないものもある。
表の中心、裏の中心、それらのウエイトまで考えないと、あとがカッコ悪い。
その場でノド痛が取れた!とか、治療後、寒気が取れて、大量に発汗して解熱した!となると、その時は患者さんも自分も気分がいいが、
その後ぶり返したり、咳が長引いたり、下痢や食欲不振、体重節痛が続いたり・・・。
あるいは、一回下がった熱やのど痛がまた出てきたり。。。
そんなことやってたら、西洋薬も当然入ってきます。
東洋医学的に綺麗に、短期間で完璧に治そうと思ったら、ホント奥が深いです、カゼは。
『傷寒論』が、いかにスゴイ本か。
まだまだですが、勉強させていただいています。<m(__)m>
2019.10.19
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10.17の木曜日は、順天堂東医研に行ってきました!!
(「順天堂大学医学部 東洋医学研究会」と表記すると長ったらしいので、今後はこうします。(*‘∀‘))
今回は吉祥寺中医クリニックの長瀬眞彦先生の講義「漢方エキス剤の効かせ方~人生すべからくマッチング〜」でした。
先生の講義は非常に分かり易いです。
いつもながら、高度な症例を交えつつ、学生の興味を引き付けつつ、有名な漢方や生薬に関して、上手に説明しておられました。
今回も漢方を煎じながらの講義でしたが、今回煎じて試飲した薬は「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」です。
この薬は超有名な「小柴胡湯」の変法であり、あの『傷寒論』に、「少陽病」の薬として登場する薬です。
「少陽病」を含む記事 参照
かの折衷派の代表格である和田東郭をして
「半夏瀉心湯の代わりになる薬は後世方にはない。」
とまで言わしめている名方です。
和田東郭という人物 参照
数十年前に蓮風先生も注目されて、この方剤が目当てとする「心下痞(しんかひ:みぞおちの痞え)」という所見を如何にとるか、北辰会方式としてのやり方を教えて下さいました。
(それを初めて関東で発表した時の講義で、モデルになって鍼してもらったのでよく覚えています。)
今回の講義で先生が強調しておられたのは「マッチング」、つまり、その漢方が適応となる「レスポンダー」を如何に見つけるか、という部分です。
これをするには、やはり基礎的な東洋医学理論や、脈診や舌診などの基礎的な診察法を身に付けることが重要で不可欠だ、ということです。
ここを上手に、効率的に説いていくのが僕の仕事かな、と思いますね。(^^)
他にも
「エキス剤と煎じ薬、どっちが効くの??」
とか、
「そもそもどう違うの??」
という話や、半夏瀉心湯も煎じとエキス剤では全然違う味で、なかなか興味深かったです。
2019.07.09
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最近、色んなところでの講義準備をやっている。
診療の合間に、PCをカタカタカタカタ。。。
・・・で、久々に『黄帝内経』『難経』『傷寒論』『金匱要略』を精読し直すと、面白い。。。
時間を忘れる。。。
噛むほどに味が出る、読むときの臨床能力によって、違って読める、スゲエ本だ、この辺は。
さすが東洋医学のバイブルたち。
20代の時はサッパリ意味が分からなかった記載も、今になったら、少し分かる。
20代の時に引いた線とか、マーカーとかメモとかが懐かしい。(笑)
当時の記憶が蘇ってくる。
そういう良さもある。
これからも宜しくお願いします。
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2019.06.18
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6.16の日曜は、大阪、上本町で行われた(一社)北辰会定例会に参加してきました!!
午前中は愛媛、大洲の東洋医学院院長、水本淳先生のシリーズ講義「傷寒雑病論 23」。
なんと23回目にもなるこの講義。。。
もう数十年、傷寒論一筋に研究してこられた水本先生の圧倒的な知識量と、引き込まれる話術は、いつ聴いても素晴らしいです。
今回、水本先生が今回光を当てたのは「大黄」という生薬と、「至陽」という経穴です。
大黄と言えば、一回ぐらい傷寒論を読んだことがあったり、多少、漢方薬の知識がある人からしたら、
「下剤に良く配合されてる、瘀血を取る生薬」
という認識があるんじゃないかと思います。
(僕もその程度(笑))
さらに、北辰会方式をある程度やっている人からしたら、「至陽」という経穴は、蓮風先生の臨床経験から、『傷寒論』でいう「瀉心湯類」の証に応用され、
臨床で非常に高い効果を得ている人も多いと思います。
(僕もそんなん(笑))
この重要な二つを結ぶ考え方を、いくつかの古典、症例から提示してくださいました。
やはり大先輩の話は、非常に参考になります。
至陽は臨床で僕もよく使いますが、今後はまた新たな目線で診てみたいと思います。
午後は新風先生による代表講演「腹部の経穴への刺鍼について」+刺鍼実技。
いつもながらですが、この日は特に、非常に洗練された美しい刺鍼、という感じの、新風先生の刺鍼。
非常に浅く打っていますが、目的の明確な、大きく動く鍼だと思います。
最後は実技訓練。
大先輩に鍼をして、評価していただきました。
もう何十年も、うまい先生の鍼を受け続けてきた先輩に、僕が鍼をして、その評価をフィードバックしてもらうことは、非常にありがたいことです。
・・・いやー、今回の研修は、なんかいつも以上に、イイ刺激になったなあ。。。
今日も朝からメチャメチャ忙しいけど、せっせと臨床、やっております!!
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2019.05.17
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昨夜は、順天堂大学医学部、東洋医学研究会にて喋ってきました!!
4月の発足後、記念すべき一発目です☆
今回のテーマは、臓腑経絡学「肺」でした。
かつてこのブログでも、「肺の臓」に関しては、10年近く前に書きました。
『黄帝内経』『難経』『傷寒論』等の東洋医学のバイブルを見れば一目瞭然で分かるように、経絡学無き臓腑学はなく、臓腑学無き経絡学もないです。
臓腑と経絡は一心同体、幹と枝葉の関係。
臓腑経絡学は、東洋医学の基本中の基本。
その延長線上に、経穴学も補瀉もある。
補瀉 参照
西洋医学で言えば、解剖生理学にあたる部分です。
臓腑経絡学なくして、東洋医学的な病理学も治療学もあり得ません。
東洋医学では、一切の病を臓腑経絡学でもって分析し、理解します。
東西両医学の哲学の違いなど、これまでの復習を入れつつ、手太陰肺経の取穴や刺鍼までやっていたら、19時に始まった講義は、あっという間に23時に。。。(笑)
今回は東邦医大の学生さんも二名見えていました。
順天堂の東洋医学研究会はこうやって、他大学の仲間たちとも、どんどん繋がっていって、医大生がみんなでワイワイ東洋医学を学ぶことの出来る場になれば、と思います。
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2019.04.10
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最近のお話し
参照
ここまで述べてきた、「桂枝湯」「麻黄湯」、”桂麻の剤”から派生する方剤は非常に多い。
また、『傷寒論』以降に著された様々な方剤の書も、結局は『傷寒論』の処方を基本として、いわば「後出しじゃんけん」的に色々なことを言っているものは多い。
(・・・言い方が悪いか。(苦笑) ”伝統医学の継承と発展”だね。)
なので、『傷寒論』は数千年先まで影響を与える、怪物のような本なのだ。
かつて、とある先生から紹介されて、知る人ぞ知る漢方の大家(故人)の先生にお会いした時、その先生は
「もう60年も毎日『傷寒論』を読み続けているが、それでも分からないところがある。。。」
と仰っていた。(苦笑)
そのぐらい、深遠な世界を表現した本なのだ。
まあ大体、『易経』にせよ『内経』にせよ『論語』にせよ、古代中国の古典というのは、それだからこそ魅力があるんだろう。
・・・話が逸れたが、麻黄湯の加減方として、東洋学術出版社『中国傷寒論解説 続篇』には、「小青龍湯」「大青竜湯」「葛根湯」の3方剤が紹介されている。
このうち、「小青龍湯」と「葛根湯」についてはすでに語ったので、「大青竜湯」だけ語らないのも、なんか気持ち悪い。。。(^^;)
・・ということで、今日は「大青竜湯」のお話。
よく、柴胡剤でも「小柴胡湯」「大柴胡湯」、承気湯類でも「小承気湯」「大承気湯」とあるように、方剤名の前に「大」「小」とついている場合がありますが、
当たり前ながら、これは効果の強弱を示すものではありません。(苦笑)
似ているところがあり、兄弟のようでありながらも、似て非なる方剤を、このように呼び分けています。
大青竜湯も、出典はもちろん『傷寒論』であり、
太陽中風.脉浮緊.發熱惡寒.身疼痛.不汗出而煩躁者.大青龍湯主之.若脉微弱.汗出惡風者.不可服之.服之則厥逆.筋惕肉瞤.此爲逆也.
傷寒脉浮緩.身不疼.但重.乍有輕時.無少陰證者.大青龍湯發之.
とあり、『金匱要略』では
病溢飮者.當發其汗.大青龍湯主之.小青龍湯亦主之.
とあります。
まあ簡単に言うと、大青竜湯の場合は、
「表面が冷えて、結果的に浅いところに熱が籠ってしまったもの」
に使います。
大青竜湯の中に入っている「石膏」という生薬は、浅い部分に籠った熱を取るための非常に重要な生薬です。
ですので、麻黄湯からの加減方をまとめると、
麻黄湯の場合は表面を温めて汗をかかす、
小青竜湯の場合は表面の冷え+水邪の突き上げ、
葛根湯の場合は表面の冷え+うなじのこわばり、
大青竜湯で表面の冷え+それによって籠った浅い部分の熱、
というバリエーションがあることが分かります。
鍼の場合も、カゼひきさんを治療する場合はこのように、
「どういう体質の人に」
「どういう邪気が襲って」
「結果的に表面で何が起きていて」
「深い部分では何が起きているのか」
を考えながら治療していきます。
なので、漢方薬の考え方と、一緒であり、ある意味応用的です。
ですので、鍼灸師にとっても、『傷寒論』理解は非常に大事なのです。
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2019.04.09
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最近のお話し
参照
前回書いたように、葛根湯は、桂枝加葛根湯に麻黄を加えたもの。
で、桂枝加葛根湯は、桂枝湯に葛根を加えたもの。
今日は
「そんじゃ桂枝湯は?」
というお話。
・・・これこそ、まさに漢方薬の王様みたいな薬です。
出典はもちろん漢代、『傷寒論』でありまして、『傷寒論』のド頭に出てくるのが桂枝湯です。
また、北辰会会員の必携の書である『袖珍中医四部経典(※)』にも収録されている、清代の名医、呉鞠通の著書『温病条弁』も、ド頭に出てくる方剤はこの「桂枝湯」なのであります。
((※)・・・『黄帝内経素問』『黄帝内経霊枢』『傷寒論』『金匱要略』『温病条弁』がすべて簡体字で収録されている、何とポケットサイズの書。)
数千年の風雪に耐えてきた名方ですね☆
『傷寒論』中の桂枝湯掲載の条文を全てここに拾おうと思うと、あまりにも長くなるのでやめますが、これ自体にもとにかく非常に多くの使い方があり、
バリエーションも非常に多くある、漢方薬の王様です。
『金匱要略』にも、栝楼桂枝湯、白虎加桂枝湯、枳実薤白桂枝湯、鳥頭桂枝湯、柴胡桂枝湯と、様々なバリエーションや使い方が紹介されています。
・・・まあー、それだけ奥が深い薬なので、あまり簡単に語るのは語弊があるのですが、最もポピュラーな使い方は、カゼの初期に使う場合です。
しかし、麻黄湯とは違って、桂枝湯の場合は汗があります。
外から邪気が入ったことによって、体の表面における気血の流れのバランスが崩れて、本来出てはいけない汗が、ダラダラと出てしまっている状態です。
そこで、気血を調和させて、気の流れをよくし、結果的に邪気を散らし、汗を自然に止める薬、という理解が、最もポピュラーでしょう。
また、以前書いたように、桂枝湯は、服用した後に熱くて薄いおかゆ(熱稀粥)をすすれ、と書いてあることも有名ですね。
映画『レッドクリフ』で、感染症にかかった兵士に桂枝を煎じて飲ませているシーンがありましたが、三国志の時代から使われる、超有名な方剤です。
(映画の中でも孔明が言っていたけど、ああいう重篤な感染症が桂枝湯で治るというワケではないよ。)
この桂枝湯の様々なバリエーションについても、いつか気が向いたら書きましょうかね。
〇
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2019.04.08
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最近のお話し
参照
ここまで書いてくると、「葛根湯」を語っておかないとなんか気分が悪い。。。
・・・ということで、以前
という記事で触れた、葛根湯について書いておきます。
まあこれも、もはや誰でも知ってる、漢方界のスーパースターですね。
しかしあまりにも、考えなしに服用されているケースが多すぎる。。。(苦笑)
患者さんでも、
「カゼっぽかったんで自己判断で葛根湯飲みました。」
と仰る方は、非常に多い。
この葛根湯も、出典はあの『傷寒論』であり、前回語った小青竜湯と同じく、「麻黄湯」の加減方とみることも出来ますし、超有名な「桂枝湯」のバリエーションと考えることも出来ます。
(東洋学術出版社『中国傷寒論解説 続篇 基礎と方剤』では、麻黄湯類に分類されています。)
桂枝湯の状態に加えて、「うなじのこわばり」があるものに対して、桂枝加葛根湯という薬を用い、それに麻黄を加えたものが「葛根湯」であります。
桂枝加葛根湯と葛根湯の違いは「汗の有無」です。
やはり麻黄剤というのは「皮膚表面を温めて、汗をかかせて治す」のがポイントです。
『傷寒論』の中には
太陽病.項背強几几.無汗惡風.葛根湯主之.
太陽與陽明合病者.必自下利.葛根湯主之.
太陽與陽明合病.必自下利.不嘔者.屬葛根湯證.
とあり、これを見ると、風寒邪が少し深く入って、下痢するものにも使える、となっています。
また『金匱要略』の中には、
太陽病.無汗而小便反少.氣上衝胸.口噤不得語.欲作剛痓.葛根湯主之.
と出てきます。
これは皮膚表面に冷えがあって汗が出ず、なのに小便も出ず、という状況になると、気が突き上げて喋りにくくなったり頚がこわばったりするものに葛根湯が使えるという話です。
葛根湯を使う、という時、
「汗が出ているか」
「皮膚表面に冷えがあるかどうか」
「大小便はどうか」
最低でもここに注目する必要があります。
カゼには無数の種類があり、どういうカゼなのかを考えて治療しないと、必ずこじれます。
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2019.04.07
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最近のお話し
参照
昨日、小青竜湯に関して書いたので、今日は小青龍湯の元となる、超有名な漢方薬である麻黄湯についても、ついでなんで書いておきます。
麻黄湯というのも、『傷寒論』に出て来る方剤であります。
構成生薬は麻黄・杏仁・桂枝・甘草の4種であり、もちろん主薬は麻黄であります。
麻黄は桂枝と並んで、生薬の王様級に有名ですね。
この二つが入っている方剤を「桂麻の剤」と呼んで、実に様々なバリエーションがあります。
これの出典である『傷寒論』中には、
太陽病.頭痛發熱.身疼腰痛.骨節疼痛.惡風無汗而喘者.麻黄湯主之.
太陽與陽明合病.喘而胸滿者.不可下.宜麻黄湯.
太陽病.十日以去.脉浮細而嗜臥者.外已解也.設胸滿脇痛者.與小柴胡湯.脉但浮者.與麻黄湯.
太陽病.脉浮緊.無汗發熱.身疼痛.八九日不解.表證仍在.此當發其汗.服藥已微除.其人發煩目瞑.劇者必衄.衄乃解.所以然者.陽氣重故也.麻黄湯主之.
脉浮者.病在表.可發汗.宜麻黄湯.
脉浮而數者.可發汗.宜麻黄湯.
傷寒脉浮緊.不發汗.因致衄者.麻黄湯主之.
脉但浮.無餘證者.與麻黄湯.若不尿.腹滿加噦者.不治.麻黄湯.
陽明病.脉浮.無汗而喘者.發汗則愈.宜麻黄湯.
脉浮而緊.浮則爲風.緊則爲寒.風則傷衞.寒則傷榮.榮衞倶病.骨節煩疼.可發其汗.宜麻黄湯.
太陽病.脉浮緊.無汗發熱.身疼痛.八九日不解.表證仍在.當復發汗.服湯已.微除.其人發煩目瞑.劇者必衄.衄乃解.所以然者.陽氣重故也.屬麻黄湯證.
太陽病.頭痛發熱.身疼腰痛.骨節疼痛.惡風無汗而喘者.屬麻黄湯證.
陽明中風.脉弦浮大而短氣.腹都滿.脇下及心痛.久按之氣不通.鼻乾不得汗.嗜臥.一身及目悉黄.小便難.有潮熱.時時噦.耳前後腫.刺之小差.外不解.過十日.脉續浮者.與小柴胡湯.脉但浮.無餘證者.與麻黄湯.不溺.腹滿加噦者.不治.
太陽病.十日以去.脉浮而細.嗜臥者.外已解也.設胸滿脇痛者.與小柴胡湯.脉但浮者.與麻黄湯.
・・・と、至るところの条文に出てきます。(苦笑)
(なげえ~~ 読むのつれえ~~ (~_~;))
・・・まあ要するに、非常に汎用性の高い方剤であり、病が浅いところにあるものだけでなく、少し深いところに入っている場合でも、咳が出ていて、
汗が出ていないような場合などには非常に使える方剤であることなどが分かります。
体表を温め、一気に発汗させて治せるパターンのものをバシッと治す薬、と言えると思います。
ですので、すでに発汗しているようなタイプの人や、体質的、病理的に熱傾向の人、また、必要な水分(津液)や血液が不足しているような人が迂闊に使うのは危ない、となります。
因みに、ここでは詳しく述べませんが、『金匱要略』には、射干麻黄湯、厚朴麻黄湯、甘草麻黄湯という、麻黄湯のバリエーションも紹介されています。
因みにこの麻黄という生薬には、エフェドリンというアルカロイド(天然由来の有機化合物)が含まれています。
(単離に成功し、”エフェドリン”と命名したのは明治時代の日本人だとか。)
エフェドリンは、覚せい剤で有名なメタンフェタミンと分子構造がそっくりで、スポーツ選手などが競技前に服用したらドーピングで失格になっちゃうそうです。(^^;)
それだけでも、よく効きそうな感じがしますね。(笑)
しかし、単離できたからと言って、麻黄湯はエフェドリンが効くんだ、と考えるのではなく、麻黄・杏仁・桂枝・甘草の生薬4味からなる「麻黄湯」となっていて初めて、
『傷寒論』に書いてあるような効果が期待でき、様々なバリエーションが設定できるのだと思います。
そこを勘違いしない方がいいと「僕は」思っています。
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