東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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(一社)北辰会10月本部臨床コース

2013.10.08

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6日の日曜日は、大阪上本町で行われた、(一社)北辰会本部臨床コースに参加してきました!!

今回も、午前中は実技。

油谷真空先生のいかつい捻鍼(笑)、原元氣先生の精密な体表観察、弁証に基づく刺鍼、両方受けて、非常に勉強になりました。

他の先生の刺鍼を受ける、あるいは見る、これは非常に勉強になります。

皆さんすごいわ。

この感覚、定期的に必要です。

午後は愛媛の水本淳先生による「不孕(ふよう・・・不妊症のこと)」講義。

テーマを絞り込んだ講義で、回を重ねるごとに分かりやすく、まとまった講義になっていってるのが印象的でした。

不妊症と古典、高度な症例を絡めた講義、サスガでしたねー。。。

最後は森田大地先生による症例レポート「胸のつかえ感」

これも色々なことを考えさせられる症例で、大変勉強になりました。

そして終わった後は酒。

最後にちょっと特別な酒。。。

動く動く。

事態が動く。

次から次に。

生きてる証拠。

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「真寒仮熱」というケース

2013.10.01

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臨床をやっていると、時たま出会う、「真寒仮熱(しんかんかねつ)」という病態。。。

こないだ、北辰会の先生と話している中で、話題に出てきました。


患部を診ると、いかにも熱を持って、赤くて、腫れてて、どう見ても「熱」って感じ。

東洋医学的には、そういうものには「清熱法(せいねつほう)」という、言わば”冷やす”治療をするのがセオリーです。


しかし、そうすると非常に悪化するものがある。


あるいは、治らないものがある。

患部の状態が「熱」を示している、という判断に間違いはない。


しかし、その「熱」を起こさしめた本質は他にあり、それが、場合によってはある臓腑の冷え(陽虚)だったりする。


その場合、その臓腑が特定できれば、その臓腑の陽気をフォローするように治療する。


鍼でもいいけど、例えばお灸や温灸を使って。


そうすると患部の熱、炎症がグングンひいてくる。


そういう症例が、たまにある。


アトピーなどの皮膚炎や、リウマチなどの関節炎、慢性の頭痛とか、色々な病態で、見受けられる。


言うまでもなく、大事なのは消去法ではなく、正確な弁証。

 

主訴が明らかな熱証であっても、それと矛盾する、寒証を示す情報から目を逸らさないよう、厳に、気を付けるべき。

 

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往診で重症患者さんと接すること

2013.09.22

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清明院は、外来もそうですが、往診事業部の患者さんは特に、大変な重症患者さんが多いです。

死に直面することも少なくありません。

また、ニーズは様々です。

リハビリ的な機能訓練、運動療法をしてほしい患者さん。

マッサージをしてほしい患者さん。

鍼灸によって、痛みを改善してほしい患者さん。

などなど、実に多岐にわたります。

これら重症の患者さんを、清明院往診事業部のスタッフたちは、日々、一生懸命診させてもらっております。

そりゃあもちろん、難病や重症に対して、正確無比な東洋医学的弁証と、高度な刺鍼技術によって、それ自体を治癒に導くとか、奇跡的な効果を挙げたりとかは、

 

駆け出しのスタッフのレベルでは、もちろん荷が重い話ですし、それを清明院が要求することもしません。

 

(まあ患者さんからもそこまでは要求されないしね。)

でもだからと言って、自分に最大限何ができるかを考えないのでは話になりません。

分かっていることは少ないし、経験も少ないし、出来ることだってそんなにあるわけじゃない。

でもその中で、何ができるか考え、最大限の医療を行う。

それでも報われず、悔しい思い、みじめな思いをすることもあります。

苦渋、辛酸をなめる。

 

苦心惨憺。

しかしこれが数年後、数十年後、必ずスゴイ財産となって生きてきます。

 

 

僕がそうであるように。

 

 

失敗を、失敗のままで終わらせなかったら、結果的に失敗にならない。

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(般社)北辰会関東支部 宿泊型研修会「順雪会(じゅんせつえ)」

2013.02.12

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9日から11日まで、群馬県の草津温泉で行われた2泊3日の宿泊型研修会「順雪会」に参加してきました!!


「順雪会」の詳細については、こないだ書きました。

今週末は宿泊型研修会「順雪会」!! 参照

年々参加者が増加しており、今年は50人近い参加があったようです。(驚)

都内から片道4時間、関西からは7時間、今回は、高知から10時間かけて参加された先生もいらっしゃいました。(゜o゜)

それだけの価値がある研修会になってきた、ということだろうと思います。

初日の夜から本部の方剤学の専門家である島内薫先生を中心に自主勉強会が始まり、

2日目は朝から蓮風先生による代表講演、

「肝病について~序論~」

午後は藤本彰宣先生による講義と実技、

「弁証論治における打鍼と古代鍼」

その夜はなんと夜中の3時まで自主勉強会。。。(苦笑)

色々な先生による、ヒッジョ~に臨床的な技の見せ合い、語りあいです。

そして最終日も、朝から藤本彰宣先生による講義と実技の続き。。。

古代鍼や打鍼を、弁証論治の中でどう活かすか、という問題をきっちり踏まえて使っているのは、北辰会だけです。

そこが重要なんです。

古代鍼や打鍼をやりました、効きました、で終わったらダメなんです。

なぜ(どういう証だから)使ったのか、それによって起こった変化は、何を意味するのか、に対する理解をキッチリしておくこと、です。

それを踏まえずに形だけ北辰会のまねしても、難しいんじゃないかな、と思います。

あと、念のため断わっておきますが、もちろん自主勉強会や講義は参加自由であり、スキーや温泉に行きたい人は遊びも十分楽しめますし、

疲れた人は早く寝ることも可能です。

北辰会方式でも、ナニ方式でもそうでしょうが、月に一回、勉強会に来て、ただ話を聞いたり、本を読んだりするだけでは、

なかなか分かりません。

出来るようになりません。

自分と近いレベルの人と仲良くなって、ともに切磋琢磨する、そうしながら日々臨床で修行するのが一番の早道と思います。

そういう意味では、宿泊型の研修会に参加し、勉強しながら、遊びながら、お酒でも飲みながら、仲間や頼りになる先輩を見つける、

というのは大変いいことなんじゃないかと思います。

順雪会に来られて、色々教わった内容をもって、多くの患者さんが救われることでしょう。

こういう企画が続くといいなあ、と思います。

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ツボのレベル

2013.01.25

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丁寧に問診し、丁寧に体表観察した結果、ある「証(しょう)」が得られたとする。

「証」とは、東洋医学における、”その時点での”その患者さんの病の本質、あるいは病理状態のこと。

つまり、その「証」というモノにしたがって、論理的に治療をすすめれば、間違うことがない。


それを「弁証論治」と言います。

 

 

これが「整体観」とともに、中医学の基本の柱の一つです。

 

ここまでは、ある程度のレベルの治療者なら、考え方の方向性は一致する。

 

・・・で、あとは、どうやったら一番早く、キレイに治せるか。

 

その「証」に基づく治療を、実現できるか。

 

要は、

「どのツボに」「どういう」

鍼灸をするか。

 


自分の想像力と、手で、出来うる最大限ができるか。

 

最終的には、治療効果の大小はコレで決まる。

 


日々の臨床でも、あるツボで攻めていたが、ある時点から、あまり効かなくなる場合がある。

 


・・・で、思いきって、もっとキツイ作用を持ったツボに変えてみる。

 


すると、劇的に症状が改善することがある。

 

似たような作用であっても、レベルがある、ということ。

 


ツボによって、「何がどう」違うのか、細かく、正確に、常々考えていなくてはいけない。

 

治療スピードが全然違ってくるから。

 

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10月(社)北辰会本部臨床コース

2012.10.15

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昨日、10月14日の日曜日は、大阪で行われた、(社)北辰会本部臨床コースに参加してきました!!

午前中は高木幸二先生による症例解説。

京都の木下慶治先生「上肢痛」の症例を、詳細に解説して下さいました。

臨床上、よく診る症状であるし、その基本的な考え方、弁証の手順、着眼点など、復習として、非常に勉強になりました。

午後は、本来この日は、北辰会が3年前から学術提携関係を結んでいる、中国の医大である広州中医薬大学の教授が何人か見えて、

学術交流会をやる予定でしたが、今般の日中関係悪化に伴い、残念ながら交流会は中止となり、普段通りの定例会となりました。(>_<)

・・・しかし、そこは役者ぞろいの北辰会。

思いがけず、蓮風先生の講義に加えて、奥村裕一学術部長の特別講義が実現し、まさに学術部長、という感じの素晴らしい講義をやっていただけました。

講義は

「黄帝内経素問 痿論の解説」

という内容でした。

森立之(もりたつゆき)という、江戸から明治を生きたスゴイ医者がまとめた『素問攷注(そもんこうちゅう)』という、

世界最高峰と言われる『素問』の解説書を引きながら、素問の中の重要な篇である『痿論(いろん)』という篇を解説して下さったのですが、

その周辺知識の深さ、知識の幅の広さ、恐ろしいレベルでした・・・。

僕も近年、チョイチョイ講義をやらせてもらってますが、なかなか、ああいう講義はやろうと思っても出来ません。

これまでの奥村先生の勉強量の半端じゃなさを感じさせる内容でした。

そしてその奥村先生の講義を挟むかたちで、学術交流会でやる予定だった、藤本蓮風先生による特別講義

「黄帝内経と鍼灸臨床」

がありました。

コレまた素晴らしい内容で、これまで断片的に聞いてきた蓮風先生の黄帝内経に関する考え方をコンパクトにまとめた内容で、

非常に分かりやすかったです。

我々がやっている、この鍼灸治療の根本的で基礎的な内容が、2500年前の古典である『黄帝内経』という書物に書いてあります。

こういった古典に対する北辰会の立場は、単に古いからすごい、というのではなくて、

「現代の現実の臨床にこの考え方を応用した場合、現代の最先端の医学でも治せないような病気が治せる場合がある。」

というところに、古典の大きな価値、現代的意義を見出しております。

そこには真実があり、永久不変の真理が説かれている、と考えているワケです。

そして、蓮風先生の最近の症例である、筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう、amyotrophic lateral sclerosis、通称ALS)

の症例を数例紹介して下さいました。

3例とも、『黄帝内経』に書かれている内容に基づく、北辰会方式で治療し、好成績をあげたものでした。

・・・いや~、素晴らしかった。

そして終了後は、とある先生から紹介を受けて、新たな四国のツワモノと出会うことが出来ました。

全国に、東洋医学のことを正しく理解し、真摯な思いで孤軍奮闘しておられる、年代の近い先生がチラホラおります。

ありがたいことです。

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「リテラシー」という言葉

2012.06.12

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パソコンと携帯が一人1台以上、さらにiphoneやスマホの登場により、インターネットがいつでもどこでも出来るようになってきました。

(さらに…)

「血」って何ですか?(その6)

2012.06.09

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これまでのお話・・・

「血(けつ)」って何ですか?
「血」って何ですか?(その2)
「血」って何ですか?(その3)
「血」って何ですか?(その4)
「血」って何ですか?(その5)

 

 

続きいきます!!!

 

東洋医学の基礎を、一般人用に解説しようと試みる、このシリーズ・・・。

 

忘れそうになるけど、ちゃんと、書きます。(゜レ゜)

 

こうした、コツコツとした努力は、やがては大岩を穿つのです☆

(笑・・・とかいって、まったく穿たなかったりしてネ♪・・・それはそれで面白い。)

 

・・・ま、無駄な努力と言われようが、これをやってる人はあまりいないんで、ボチボチやってま~す。

 

◆血が滞ると問題アリ

 

前々回、前回と、血が不足すると問題が起こるぞ、ということを書きました。

東洋医学では、血が部分的、あるいは全身的に不足した状態を「血虚(けっきょ)」といいますが、不足はないけど、血が滞っている状態のことを「血瘀(けつお)」といいます。

そして、その「血瘀」が慢性化して、ある部分に固着したものを、「瘀血(おけつ)」といいます。

有名な言葉で、この単語だけが独り歩きし、女性誌などで軽々に扱われているのをよく見かけますが、きちんとした東洋医学的な診断(弁証)に基づいて治療しないと治りません。

この「瘀血」というものは、そう簡単な病理産物ではないのです。


この、何やら見慣れない「瘀(お)」という字には、「滞る」という意味があります。


ですから、「血瘀=血が滞る」という意味だし、「瘀血=滞った血」という意味であり、前者は形容詞的な言い方、後者は名詞的な言い方です。



あらゆる慢性疾患や、ガンなどの重症疾患を治療していう上でも、無視することのできないこの「瘀血」・・・。

 


実に様々な原因で滞ります。


1.体が冷えて血の動きが悪くなる場合、

 

2.余分な熱が籠ってしまって、血が煮詰まり、動きが悪くなったケース、

 

3.血を動かす原動力となる「気」がうまく働かない場合、

 

4.単にケガをしたとか、

 

理由は色々あります。


治療する上では、上記のような様々なケースを想定し、

「一体全体、なぜ血が滞ったのか?」

「滞りの中心は上下左右前後内外のどこか?」

を考えて治療します。


ここが的外れだと、いくら一生懸命治療しても「瘀血」は取れてきません。


「瘀血」はしばしば、きっついきっつい、強烈な痛みや痒みの原因になったりします。


色々な思い出があります。

 

続く。

 

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段取り力

2012.06.01

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日々感じ、考えさせられる、この言葉・・・。

(さらに…)

悪阻(つわり)と結婚指輪

2012.05.17

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最近、以前から通院されている不妊症の患者さんが妊娠されたり、妊娠初期で、つわりの治療でお見えになっている患者さんがたくさんおられます。

とある、なかなか治らないつわりの患者さん・・・。


こちらの指示もちゃんと聞いてくれるし、キチッと時間通り、決めた頻度で治療に見えておられますが、治療すると楽にはなるものの、

1、2日経つと症状が戻ってしまいます。


非常に苦しそうであり、何とかしてあげたい。

・・・ちょっと専門的になるけど、つわりの中医学的な基本病理メカニズムは、衝脈気逆が関与して起こる、胃失和降が基本です。

「生理と病理の連続性」というものの感じられる症状の最たるもので、妊娠すれば、奇経八脈の任衝2脈が盛んになるワケだから、

気機が上逆傾向になるのは、生理的現象とも考えられる。


なので、患者さんに説明する際には、つわりは正常な人でもある程度は出ることがあるから、最小限度に抑えましょうネ、

という風にお話しさせていただくことが多い。


ただこの「最小限」が、食事が取れない、嘔吐が続いて全身虚脱、栄養不良状態になる、とまでなってくると、うまくない。

当然、胃気の上逆が心神を擾乱すれば不眠や精神不安定も呈してきます。

もともと、肺の病変を持っている人であれば、喘息様の発作や気逆咳なんかが出てくることもあります。


そこで、八綱弁証、臓腑弁証、空間弁証などを弁別、駆使し、胃気を中心とした気機の降逆から、止嘔に努めるワケだが、なかなか止まらないことがある・・・。


で、なぜだろう、なぜだろうと考えていたところ、手の少陽三焦経の左右差が目に付いた。

肝鬱気逆から手少陽の左右差が生じることはあっても、手少陽の左右差が肝鬱気逆を助長する、という観点が希薄だった。


・・・で、左手薬指、手の少陽三焦経上に光る愛の証、結婚指輪を容赦なく外させた。

そしたらすぐ治った。(爆)

指輪、ピアス、ネックレス、具合悪い時は外しましょうネ。(笑)

正常な気の流れを邪魔することがありまっせ。

 

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