東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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はるばる・・・(その10)土田丈先生

2010.05.13

今日は午後からなかなか忙しく、バタバタしてるうちにあっという間に今に至りました・・・。

そして今日の診療終了後は、(社)北辰会関東支部の講師であり、僕の鍼灸学校時代の同級生でもあり、来月関東支部の定例会で症例発表をなさる、土田丈先生が清明院にお見えになりました。

土田先生は現在荻窪にある鍼灸接骨院で、人気の先生として働いておられます。

(しまった~、写真撮り忘れた・・・。)

ちょっとモノをとりに来ただけなんだけど、結局なんだかんだ喋ってるうちに、そのまま飲みに行ってしまいました・・・。

という訳で肝の話はちょっと置いといて・・、(笑)今日はもう健やかに寝ようと思います!!

(というか、お酒を抜きます・・・。無理して明日の診療に響かすわけにはいきませんのでね・・・。)

 

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GW中のブログについて

2010.05.02

皆様、GWはいかがお過ごしでしょうか。

僕は昨日の診療終了後、残った仕事をせっせと片付け、清明院を「感謝の念を持って」キチッと掃除し、これから群馬に帰ります。(笑・・・品行方正でしょ?)

ところで昨日、患者さんから

「GW中もブログは更新するんですか??」

と聞かれました。

・・・今年の年末年始もそうでしたが、こういう大型連休の時は”気が向いたら”更新します。(笑)

大型連休の時は、僕は大体いつも、愛すべき田舎である「群馬県前橋市」に帰ります。

そして至高のうどんである「水沢うどん」を買って帰ってきます。

(あれを食べたことない人は人生の半分以上損しています。と言っても過言ではないほどの、最強のうどんです。(笑))

他にも焼きまんじゅう、嬬恋(つまごい)の野菜、下仁田(しもにた)ねぎ、下仁田の刺身こんにゃくなど、何しろ群馬はウマいものが多い!!

そして温泉とスキー場が多い!!それ以外は何もない!!!(笑)

・・・まああと、群馬にいる間はプライスレスな悪友たちがいますので、「飲酒」と「睡眠」の果てしなき繰り返しによって、あっという間に時間が過ぎ去ります。(苦笑)

5日からは通常の診療再開いたしますので、皆様のGW中のお話を、楽しみにしております。

では!

(更新する気、ないんかい!)

 

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「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について

2010.01.24

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これまで、「寒」「燥」「湿」「熱」「風」「火」の6つについて書いてきました。

 


この6つは、東洋医学では「六淫(ろくいん、りくいん)の邪気」と言って、人間の健康を阻害する「邪気」の中の代表選手、と位置付けられています。

 


では「邪気」はこれ以外にはないのか、というと、当然あります。

 


それらを全て書いて、そのパターン(組み合わせ)についてまで解説すると、東洋医学の教科書みたいな内容になっちゃうので、それは避けます。(笑)

 


・・・でもまあ、ここまで来たんで、簡単ではありますが、患者さんに少しでも東洋医学を理解してもらいたいので、
あまり専門的にならないように、

 

有名な「痰(たん)」と「瘀血(おけつ)」について書いてみたいと思います。

 

 


◆「痰」について

 


まずは「痰」ですが、これは簡単に言うと体内の「余分なお水が停滞したもの」です。

 


ですので、以前書いた「湿」の仲間です。

 


ただ、ネバネバしていて、なかなか動きにくい、「余分なお水」ですので、「湿」よりも凝滞性、粘滞性が強く、動きにくい頑固な邪気、と言えると思います。

 


なぜ、ネバネバと動きにくくなるかと言うと、体に余分なお水を排出する力がなくて、それが長いこと体にとどまったり、余分なお水に「熱」が加わって、

 

カレーのように少し煮詰まったような状況になると、体内の余分なお水はますますネバついてきます。

 


また、「痰」と聞くと、どうしてものどに絡むあの「痰(喀痰)」を想像しがちですが、東洋医学の言う「痰」は全身どこにでも溜まることがある、と考えます。

 

そしてこれは、症状で言うと、なかなか治りにくい「重ダルさ」や「神経痛」の原因となり、治療にも時間がかかることが多いです。

 


原因は主に暴飲暴食(特にお酒や脂っこい物、甘いもの)です。(苦笑)

 


気を付けたいですね。。。

 

 


◆「瘀血」について

 


次に「瘀血(おけつ)」ですが、これはちょっと東洋医学に興味のある人なら聞いたことはあると思います。

 


よく、ある種の生理痛や、体の痛みを起こすもとになります。

 


瘀血の「瘀」の字はもともと「とどこおる」という意味があります。

 


つまり、「瘀血」には「滞った血」という意味があります。

 


ま、いわゆる血行不良ですね。

 


それも、一時的な血行不良ではなく、慢性的で頑固な、体のある部分の凝り固まったような血行不良を指して「瘀血」と呼ぶことが多いです。

 


これは、かなり慢性的で頑固な「痛み」の原因になり易く、これもまた治療に時間がかかることが多いです。

 


原因は様々ありますが、冷えやストレス、繰り返す怪我から来るものなどが多いです。

 


実際の患者さんを診ていますと、これら「痰」や「瘀血」、その他の邪気が複雑に絡み合って症状を出しているものが多く、これらの割合やそれぞれの程度、

 

またその「邪気」が生じた成り行きをキチッと明らかにした上で治療しないと、なかなかうまくいかないのが実際です。

 


まあこのように、「五臓六腑」だとか「邪気」だとか、東洋医学の言う、色々な要素の強弱のコントラストを明らかにして治療し、こちらの予想通りの変化を患者さんが見せた時、

「あ~、この医学はホント芸術的だな~。」

となります。

 

 

これを何度も経験しちゃうと、もうやめられませんネ。(笑)

 

 


それにしても、最初に考えた人も、それを発展させた人も、ほんとスゴイ!

 

 

 

やってて、いつも感心します。

 

 

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「湿熱」について

2010.01.20

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前回は、「寒燥」についてのお話をしました。

 

 


今回はその逆の「湿熱(しつねつ)」について書いてみようと思います。

 

 


最近の気候は、前回述べたように、まさに「寒燥」という感じであります。

 

 


それとまったく逆なので、時期外れのように感じますが、日々、患者さんを診ていますと、今の「寒燥」の時期であっても、この「湿熱」という邪気が問題になることがあります。

 

 


・・・コレ、なぜでしょうか?

 

 


これは、現代の食生活と、発達した空調機器に、問題の中心があるのではないかと愚考しています。

 

 


◆「湿」について

 

 

「湿邪(しつじゃ)」というのは、外界では湿度の高さ、人体内では水分の停滞が過剰に存在することで、人体に病的な異常を起こす「邪気」の一つであり、

 

性質の上から「陰邪」に分類されます。

 


つまり、「湿邪」というのは、平た~く言うと、

「余分なお水」

を意味しますので、単純に水分(お酒も含む)の摂り過ぎ、あるいは食べすぎで胃腸が弱った場合にも、水分がうまく捌けなくなって、結果として体内に「湿邪」が生じます。

 

 


体外の「余分なお水」は、というと梅雨時期や夏場のムシムシ、ジメジメした時期に湿度が高くなる、
まさにあれのことです。

 

(もちろんそれが人体に悪影響を及ぼした時に、”湿邪”という邪気として認識する訳ですね)

 

 


◆「熱」について

 


それに対して「熱邪(ねつじゃ)」というのは性質的には「陽邪」に分類され、からだの内外に存在する”余分な熱”のことを言います。

 


ここで勘違いしてほしくないのは、現代人は「熱」と聞けばすぐ体温の「発熱」を想像しますが、
東洋医学の言う「熱」というのはそれだけではなく、

 

ある種の咽喉の渇きや便秘、過食傾向、またカゼや感染症の原因などになるもの(邪気)として「熱邪」というものを位置づけています。

 

 


こういう、東洋医学と西洋医学の概念の混同が、東洋医学が正確に理解されにくい原因の一つだったりします。

 

前もこんなようなこと言ったかもしんないけど、カゼひいて熱がある人をみた時に、「すごい熱だね~」ではなく、

「体温がHOTだね~。」

とか、

「HEATだね~。」

とか言ってくれれば、混同されにくいのにな~・・と思います。(笑)

 

 


体外の「熱邪」は、というと、夏場の暑い時期や、冬場でも過剰な暖房などで不快なほど熱すぎる状況の時に、人体に悪影響を及ぼした時に「熱邪」と考えます。

(分かりやすく言うとね。)

 


この2つ、「湿邪」と「熱邪」が合体したものを、東洋医学では「湿熱の邪気」と呼び、「寒燥」と同じように、陰邪と陽邪ががうまいことバランスをとっている、
邪気の中でも「手強い奴」な訳です。

 

 


現代は、外が寒くて乾燥していれば、家の中は暖房と加湿器を使って快適を得ようとします。

 

 

しかしやりすぎれば、秋冬なのに「ムシ熱い室内」になってしまいかねません。

 

 


そうなれば「寒燥」ではなく、季節外れの「湿熱」の病になりやすくなります。

 

 


また冬場は、寒いからと、あまり外に出歩くことも少ない人が多く、運動不足になりやすく、忘年会や新年会などで、暴飲暴食、過食傾向になりやすいです。

 


こうなると胃腸は弱り、水分が捌き切れず、体内に余分なお水である「湿邪」が増えます。

 

 


さらに、汗もかきにくい時期ですので、体内の余分な「熱邪」を汗によってうまく排出(発散)することも出来ず、結果、体内に「湿熱の邪気」が生じてしまう場合があります。

 

 


こうして現代では、冬場なのに「湿熱」の病が問題になることがある訳です。

 

 


「湿熱」については、大変面白い部分でもありますので、もっと細かく書こうかなとも思うのですが、
時期的に梅雨時期とかの方が実感しやすいかな、

 

と思うので、その頃になったら、また詳しく述べてみようかなー、と思っています。

 

 

 


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謹賀「鍼」年!!

2010.01.04

皆様、明けましておめでとうございますm(__)m

清明院は本日からいよいよ診療開始でございます。本年もよろしくお願いいたします。

年末年始はいかが過ごされましたでしょうか?僕は毎年のように地元である群馬県前橋市に帰省しておりました。

もうね~・・・ホントに寝た!ほとんど寝てました!寝てた記憶と中学時代の友達連中とお酒飲んでた記憶しかないです(笑)

家で寝てると、友達からの電話で起こされ、飲みに行き、酔って帰ってきて、また寝る、という最高に怠惰なローテーションをしていると、あっという間に時間が経ちまして、今日に至ります(笑)

でも正月はこれがやっぱ一番イイですね。なんていうかこう、「こころが充電される」感じというかネ・・・。もともとがナマケモノなんですよ僕は。

そんな訳なんでブログは更新しておりませんでした(苦笑)地元に帰る前は更新しようと思ってたんですが、そんなヒマもないほど寝ていましたし、呑んでいました(笑)

まあでも、なんだかんだでキッチリ充電したし、あとはいつもどうり、鍼持って暴れるのみです!

ブログも今日から再び毎日更新します!!チョイチョイ遊びにいらして下さいね~(*^^)v

今年は清明院一年目、気合い入れていきます!

どうしてムクむの?(その2)

2009.12.20

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(その1)では、現代人は水分を飲む量が多過ぎてることが多いように思う、というお話をしました。

 


今日はその続きとして、飲むものの種類(質)について考えてみたいと思います。

 


清明院では初診時、(一社)北辰会専用カルテを使用しています。

 


ここには、一日の水分摂取量と、尿の量の比較、また、カフェイン類(コーヒー、紅茶etc..)をどのくらい摂っているか、飲酒量と飲酒頻度はどうか、

 

などなど、詳しく質問事項が並べてあります。

 


「飲み物」というのは、当然それぞれの種類によって、体内に入った時に人体に及ぼす影響は異なります。

 


東洋医学では、単なる「水」でさえも、30種類程度に分類して考えている(ホジュンにも出てきましたね☆)ほど、飲み物が持つ作用というのは、

時には薬にもなり、時には毒にもなる、と考え、大変重要視しています。

 


つまり、飲み物の種類、量、出入りのバランス、体表所見や症状をトータルで考えて、摂取している水分がその人にとって余分な「毒」になる場合、

 

結果的に体内に「余分なお水」が増えてしまって、それが結果的に「ムクミ」となる訳です。

 


ここで、この世の全ての飲み物について解説することなど、到底出来ませんし、そういった専門書もたくさんありますので、ここでは、患者さん向けに、

 

おおよその傾向を述べますので、参考にしていただければ、と思います。

 


1.甘い飲み物(糖分の多いもの。たくさんありますね。)

・・・心身の緊張を緩め、少量、適量であれば胃腸には良い。しかし飲み過ぎればかえって胃腸を弱らせ、便秘、のぼせ、慢性の炎症などのもとになる。

 


2.苦い飲み物(コーヒーが代表選手かな。)

・・・これも心身の緊張を和らげ、適量であれば便秘やのぼせの解消に役立つ。しかし飲み過ぎればかえってのぼせて、全身的には冷える。

 


3.酸っぱい飲み物(果汁100%ジュースとか、ああいうのの甘くないやつね。)

・・・これは体を引き締め、シャキッとさせますが、飲み過ぎれば血行を悪くし、体を冷やします。

 


4.冷たいものがいいのか、温かいものがいいのか

・・・これはその人の体質によってケースバイケースなんですが、基本的には極端に冷たいもの、極端に熱いものは避けて、一気飲みはしないように、チビチビ飲むのが無難でしょう。

 


5.お酒は?

・・・お酒は「百薬の長」という言葉があるくらいで、適量であれば、心身の緊張をほぐし、血行を良くする作用があります。

問題は飲み過ぎた場合、胃腸、肝臓、腎臓、その他内臓を弱らせ、慢性炎症、その他様々な症状の原因、引き金になりえます。

まあ、もろ刃の剣ですな。(苦笑)

 


6.カフェイン類は?

・・・これは、ここぞ!という時に使うべきであって、日常的に常用、過飲するのはお勧めできません。常用していると徐々に体の上下のバランスを大いに崩すようです。

(いわゆる冷えのぼせみたいな状態ですね。)


・・・とまあ、超簡単にザックリと示してみました。

 

 

まだまだ挙げていけばキリがないんですが、結局は、量的にも質的にも「偏らない」ことがとても大事だ、ということです。

 


色々な物をバランスよく、しかも全体量として行き過ぎない程度に飲む、というのが理想なんです。

 


ちなみに、これは何も東洋医学独特の考え方でなく、現代の最先端の栄養学でも、ほぼ同じような結論に至っているようです。

 


よく知られた言葉で、「医食同源(いしょくどうげん)」という言葉があります。

 

(因みに「医食同源」という言葉自体は東洋医学にはないようですが。参考サイト

 


上記のような飲食物の特性を知っていれば、体調が悪い時、何かを控えて、何かを多めに摂るだけで、特別に鍼灸、漢方で治療なんてしなくても、

 

自分で十分に対応できちゃいます。

 


まさに「未病を治す」ことが出来る訳です。

 


普段の自分自身の食生活の傾向を知っておくことは大変重要ですので、この機会によく見直してみるといいと思います。

 


調子の悪い人はたいがい「偏り」があるはずです。

 

 

まさに東洋医学のいう「陰陽」のアンバランスなんですね。

 

 

 

◆参考文献

 

『東方栄養新書』メディカルユーコン

『中国伝統医学による食材効能大事典』東洋学術出版社

 

 

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どうしてムクむの?

2009.12.13

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先日、患者さんからこのタイトルのようなご質問をいただきました。

 


僕はこの質問にはいつも、


「ムクミっていうのは体にある余分なお水です。原因は

1.水分の飲み過ぎか、

2.余分な水分を排出する機能の低下か、

3.あるいはその両方か、

です。で、あなたの場合はですね、・・・」


という感じで、説明させて頂いております。

 

 

多くの患者さんを観察していますと、圧倒的に1.「水分取り過ぎパターン」が多いように思います。

 


現代は、「飲み物」があまりにも簡単に手に入ります。

 


家の冷蔵庫の中には飲み物があるし、もしなくても水道水が飲めるし、最悪でも、家から歩いて3分以内の位置には自動販売機があるし、

 

職場や学校にも、自動販売機が置いてあるところが珍しくありません。

 


その上、テレビの健康番組なんかで、

「毎日2リットルは飲んで脳梗塞を予防しまショー!」

なんてやってるもんだから、みんなこぞって飲みます。

 

 

一生懸命飲みます。

 

 

良かれと思って。

 


・・・結果、ダブダブの、立派にムクんだ姿になっていることが多いです。(笑)

 

 


このムクミ(停滞した水分)というものは、東洋医学的にはなかなかタチが悪くて、体を冷やし、体を重ダルくし、疲れやすくします。

 

 


ついでに集中力も奪われ、眠くてしょうがないとか、仕事に行く気が起きないとか、現代人によくある様々な症状を引き起こします。

 

 

これらは、東洋医学的に考えたらすべて当たり前のことです。

 

 


腰痛にしても肩こりにしても、マッサージに行っても全然楽にならないとか、症状を慢性化させている原因の多くがこの「余分なお水」だったりすることが多く見受けられます。

 

 


確かに、

 

「人体の60%は水分で出来ている!」

 

というのはその通りでしょうし、そう言われてしまうと、いかにも飲まないとヤバいように聞こえます。

 

 


しかし、それはあくまでも「使える」水分の話で、「使いもんにならん」水分がいくらあったって邪魔なだけです。(笑)

 

東洋医学ではこういう、体の中にある邪魔な水のことを、

 


「水湿の邪(すいしつのじゃ)」

 

あるいは

 

「湿邪(しつじゃ)」「水邪(すいじゃ)」「水毒(すいどく)」

 


などと呼んで、治療する場合には、これをいかに体から追い出すかを考えます。

 


「邪魔なお水」の出口(逃げ道)はどこかと言えば、大きく分けて3つあります。

 

すなわち汗、小便、大便です。

 

(他に呼気とか、その他の分泌物なんかもあるけどね)

 

 

東洋医学では、よく、この3つの出口からうまいこと邪魔なお水を排出させるように、治療していきます。

 


なので治療していくうちに、


「おしっこの量が増えました!」


とか、


「便が前よりも柔らかくなってスッキリ出るようになってきました!」


とか、


「以前よりも全身にじわっと汗をかくようになりました!」


という言葉が患者さんから出てくると、僕としては


「しめしめ・・・(二ヤリ)」


となる訳です。(笑)

 


ちなみに、上記のやり方は、東洋医学には無数にあり、とてもここで説明しきれるような内容ではないので、省きますが、はるか昔のお医者さん達も、

 

これにはずいぶん苦労した様子が、古典の中にも多数出てきます。

 


「ムクみ」という症状を気にされてる方は、まず自分が一日にどれだけ飲んでいるか、それに見合った量が排出出来ているか、について考えてみるといいと思います。

 


お酒もお茶もみそ汁もラーメンのスープもぜーんぶ含めて、です。

 


現代は飲食物があまりにも簡単に手に入るし、仕事など、他の事で頭がいっぱいのため、どれだけ飲んでるか、食べてるかなんて、意識にすらのぼらないことが多いんです。

 


多くの人はそれ(飲食の総量)を7、8割に減らすだけで、10日もすればムクみの改善を実感できると思います。

 

(体重も減るでしょうね)

 


あと当然、飲んでる「量」以外に飲んでるモノの「質」の問題がありますが、これについてはまた今度・・・。

 

 


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「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」って何ですか?

2009.12.09

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今日は、よく言われる「五臓六腑」とは何か、について書いてみたいと思います。

 

 


よく、うまい酒を飲んだ時に

「五臓六腑に染み渡るわ~!」

なんて表現がありますが、これは実はもともと、東洋医学の言葉なんです。

 


このブログの中で、何度も

「人間の陰陽のバランスを調えて病気を治すのが東洋医学です。」

と書いてきました。

 

 

もちろんこれはこれで、すごく大事な、根本的な考え方なんだけど、

「じゃあそうするためには、実際にどうしたらいいの?」

という疑問が当然浮かびます。

 

 


・・・コレに答えるためには、あくまでも
「気」「陰陽」という考え方(根本哲学)に則った、「人間の体のしくみ」をしっかりと理解する必要があります。

 

 


そこで考え出された(想定された)のが、「五臓六腑」という、人間の内臓に対する考え方です。

 

 


コレの内訳は・・・

・五臓:(肝・心・脾・肺・腎(かん・しん・ひ・はい・じん))

・六腑:(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦(たん・しょうちょう・い・だいちょう・ぼうこう・さんしょう))

となります。

 

 


これらの一つ一つに対する解説はいくらでも専門書がありますし、難しくなるので今日は解説しませんが、いずれ簡単に解説出来たら、と思っています。

 

 


この分類に基づいた人間の内臓を図にすると・・・

内景図2

↑こんな感じになっちゃいます(笑)

 

張景岳『類経図翼』より)

 

 


・・・一見、

「は?何コレ?全然実際の人間の内臓と違いますけど・・・?」

と思いますよね?

 

 


・・・江戸時代、日本に蘭学(オランダの学問)が入ってきた時、日本の多くの医者は、西洋の写実的な解剖図(現在でもよく病院の待合室なんかに貼ってあるやつ)を見て驚嘆し、

「我々は間違った理解をしていた、なんてバカだったんだ!」

とか言って変に反省し、今日までの自分たちの医学は間違っていた!と考えてしまったのです。

 

 

そして、それまでの東洋医学独特の五臓六腑の学説の用語を、そのまま西洋医学の解剖学用語に訳語として乗せていきました。

 

 

いわばその延長線上にあるのが、現代の解剖学です。

 

 


しかし、その理解は、果たして良かったでしょうか。

 

 

 

この図は「ある意味においては」間違っておらず、もっと深い意味、意義があるのではないでしょうか。

 

 


・・・大体、中国だって日本だって、ちょっと分かる人にとっては、この図が実際に人体を解剖したものと違うことなんて、百も承知だったはずです。

 



江戸期から、舶来品を無批判に受け入れ、新しモン好きで付和雷同な日本人なんでしょうか。。。(苦笑)

 

まあともかくこの図は、「今まさに、実際に生きて動いている」病人や健常者を、医師が五感をフル活用して徹底的に観察し、数百年、数千年かけて徹底的に臨床レベルで実験しまくった末に考え出された、


「人間の生理機能」

と、

「体の表面に現れる様々な異常」

から類推した、

「“人体の構造と機能”を説明するための解剖図」

と言えます。

 

消毒も麻酔もない時代に、現代ほど外科手術が日常的に行われていたはずはなく、なるべく人体に負担をかけない方法で「生理機能」を調整して病気を治す、

 

というのが、医者の共通テーマだったはずです。

 

 


そこから編み出されてきたこの図が、江戸期に「実際の見た目と違う=まったく間違っている」と評価されてしまったのは、残念でなりません。

 

これはこれで正しい図なんです!

(写実的でないだけで、“機能”を説明した図である、という意味では)

 

 


ですから本当は、もともと「上の図における内臓の名前」だったはずが、西洋医学の解剖図の翻訳に使われちゃってるんで、結果的に混乱のもとになって、

 

なんか木に竹を接ぐ様なワケ分からんことになっちゃってるのが、日本の東洋医学教育の、一つの問題点だと思います。

(まったく問題にされないけど。)

 

 


患者さんが「胃が痛い」じゃなくて「stomachが痛い」と言えば、変に混同されることもないんだが。。。

 

 


・・・この辺の話題も、話し出すとキリがないんでこのぐらいにしときますが、要は「五臓六腑」とは、

 

・もともと東洋医学独特の、機能面におけるトータルなバランスに調和に着眼した内臓学の言葉で、

 

・東洋医学がこれを考える上で相手にしたのは“形態“じゃなくて、外から人間の五感でうかがうことの出来る“機能”ですよ、

 

ということです。

 

 


西洋医学もいいけど、東洋医学もいい!

 

 

 

とりわけ、東洋人には東洋医学がいい!!

 

 


やっぱりなんだかんだ言って、そもそもの体質や感覚に合ってる!

 

 

 

「伝統」というものをバカにするモンじゃない!

 

 


・・・そのように「強く」思っています。

 

 

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