東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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とある湿疹の患者さん

2013.09.08

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8月から見えている、とある湿疹の患者さん。

(さらに…)

不思議な現象が起こる(間質性肺炎と鍼)

2013.09.06

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今通院されている間質性肺炎の患者さん。

画像診断では、肺に黒い陰影があり、呼吸困難、咳といった症状が出ている。

初診時、

「病院では、多少は仕方ないって言われたんですけど、こういうのって、治るんでしょうか。。。」

と、不安顔。


「経験上、鍼灸治療をやってみる価値はあると思います。」

と冷静に返した僕。


患者さん、恐る恐る、

「じゃあ、ちょっとだけ試してみようかしら。。。」

と仰り、治療スタート。(笑)

初診の治療直後、呼吸が劇的に楽になる。

2診目、3診目と、徐々に徐々に咳が出なくなり、現在は呼吸苦を忘れていることもあるほど。

肺に黒い影があるのに、どうしてこんなに短期間で呼吸の状態が変化するのか。

鍼灸臨床の毎日には、よくこういう不思議なことが起こる。

いずれにせよ、病院、西洋医学にはできなかった仕事ができた、と思っている。

わずか一本の鍼で。

鍼はホントにスゴイ。

今度、病院の検査の結果が楽しみな症例。

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「鍼じゃヘルニアは治らねえよ!」

2013.08.16

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今回の夏休み中は、楽しいこともたくさんあった半面、何度か鍼灸に対する批判的な意見も聞いたので、ちょっと書いとこうかな、と思います。(笑)

まず一発目は、僕の友人の話。

この友人は旧友であり、長いこと連絡を取っていなかったのだが、今回の帰省で、久々に会った。

この春に、仕事の肉体的負荷から、坐骨神経痛を発症したとのこと。

あとで整形外科にてMRI検査の結果、腰のヘルニアだと分かったのだが、発症当時、本人はヘルニアだとは思わず、足の痺れがあることから、近所の鍼灸院を受診。

すると、なぜかそこの鍼の先生が、

「これは絶対にヘルニアじゃない、大丈夫、治る。」

と断言したので、その言葉を信じて3か月ほど、足の痺れている部分に鍼して灸して、さらにマッサージする治療に、「ほぼ毎日」治療に通った。

毎回の効果の判定や理学検査等の評価はほぼなく、治療院に行くとひたすら寝かされて鍼灸マッサージを患部にされるのみ、という感じだったそうだ。

そして、症状、全然よくならず。。。

不安がる友人に、その先生は経過中も、

「大丈夫、徐々に良くなるから。」

の一点張りで、具体的な説明はなし。

変わらない症状に、いよいよ不安に感じたので、「自主的に」総合病院を受診。

MRI検査の結果、「典型的なヘルニア」と診断。

・・・で、そのことを鍼灸院の先生に伝えると、悪びれる様子は全くなく、

「あー、よかったねえ、痺れの原因がはっきりして。じゃあ次回からはヘルニアの治療に切り替えるから。」

と、言われたそうだ。。。(絶句)

で、今度は腰回りに、同じように鍼、灸、マッサージ。

それでも全然症状が変わらないので、とうとう愛想をつかして、通院を自主的に辞めたんだそうだ。

・・・で、その友人曰く、

「鍼じゃヘルニアは治らねえよ!」

 

「鍼が嫌いになった。」


とのこと。

・・・悲しいことだが、この友人がそう思うのも無理はない。

僕としては、なぜ最初の段階で、その先生が、彼がヘルニアじゃないことを断言したのかが、不思議でしょうがない。

超能力者なんだろうか。

そもそも、西洋医学的な診断名をどうこう言う権利(診断権)は、我々にはない。

まして、髄核の形態的異常である腰部のヘルニアの有無を確定するには、画像診断(それもレントゲンではなく、個人病院にはまずない、MRIという機械での診断)は必須。

・・・これ、訴えられてもおかしくない事例だ。

実にため息の出る話だった。

因みに、僕(清明院)のこれまで経験した症例では、首でも腰でも、ヘルニアと診断名のついている痛み、神経痛が完全治癒(症状消失)した例や、

 

完治ではないけど、症状がかなり緩解、軽減した例、あるいは、治療したものの症状が不変であり、紹介状を書いて専門病院を紹介し、手術に至り、

 

結局よくなった例など、すべて経験があるが、おおよそ、ヘルニアと聞いたら、鍼灸治療が有効である可能性が高い、という印象をもっている。

だから、どうしても手術したくない患者さんにとっては、鍼灸治療をやる価値は非常に高いと思って、積極的にお勧めしている。

 

(ただし、一定期間やって、効果が薄かったら、別の治療なり、西洋医学的な治療をお勧めすることにしている。)

患者さんは、ある鍼の先生のところに行って治らないと、鍼そのものの評価を、その印象で十把一絡げに断じてしまう。

 

で、それを方々で吹張するだろう。

仕方のない話であるが、悔しい、悲しい話だ。

その友人も、こうなる前に、僕に一言相談してほしかった。。。

もちろんその友人には、その後きっちり鍼をし、これまで感じたことのなかったような直後効果を実感してもらいましたが、果たしてどうでしょうかね。。。

鍼灸への不信は、回復したんでしょうか。

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モンスター

2013.07.21

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毎日患者さんを診ていると、思わず天を仰ぐような事態に遭遇することがある。

(さらに…)

数値は一面的

2013.07.19

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こないだ、患者さんと交わした会話。

今年の5月から見えている、とある難病の患者さん。

「こないだ、定期検診に行ったら、持病の数値が悪化していました。。。」

とのこと。

しかし、症状自体は、鍼治療開始後、大幅に改善している。


「検査数値の取り扱いについては、担当の先生の御意見をよく聞いた方がいいけど、痛みが改善しているという事実は、素直に良いこととして受け止めた方がいいと思います。」

とお伝えし、励ました。


その患者さんも、これまでの経験(病院の医師の心無い言葉や、西洋医学的な治療での苦い思い出)から、そのことをよく分かっていらっしゃるようで、

「ホント、検査数値って何なんですかねえ。。。」

とおっしゃった。


検査数値と、自覚的な体の状態が一致しない、ということは、臨床現場ではたまに見かける。

僕は、西洋医学の、検査数値を計測し、それに基づいて診断したり、予後を考えるやり方について、別に、異論はない。

「あ、そう、君らの常識から言ったらそうなるわな。」

というぐらいのもんだ。

我々は、あくまでも東洋医学的に望聞問切、四診を使って判断する。


・・・で、我々なりに治療した結果、症状が取れて、ADL、QOLが上がったと、患者さん本人、周囲のご家族等が納得していれば、それでいんじゃないか?

それでも数値が悪化しているのは不安だから、どんな副作用があろうとも、”数値を正常化するための”西洋医学的な治療を行うかどうか、

というのは、患者さんや、ご家族の判断次第。

我々は側面からアドバイスすることしかできない。

現代医学の粋を集めた検査数値と言えども、生命の、ある部分を表現しているものに過ぎず、あまりにも絶対視し過ぎるのはどうかと思う。

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微動だにしない。

2013.06.24

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清明院には、いわゆる精神疾患の患者さんが多く見えております。

近年増加傾向であり、社会問題にもなっておりますが、こういった精神疾患は、当然ながら東洋医学でも、なかなか簡単なものではありません。


治療者側も、患者さん側も、大変根気がいるものが多いです。


まずは話をよーく伺い、そして体の歪みをよーく窺い、上手に上手に、丁寧に丁寧に、少しづつ、慎重に、バランスを整えていきます。


そうすると、少しづつ少しづつ、精神も整ってきます。


しかし、治療経過中、何らかの原因、例えば誰かから何かショックなことを言われたとか、急激にカゼをひいたりして、

大きく体調を崩したりしたのがきっかけで、患者さんからしてみたら、これまでの治療が台無しになったと思えるような、

心身の不調を感じることがあります。


こういう時、患者さんは激しく動揺するでしょう。


診療所内で泣き叫ばれたり、責めたてられることもあります。


そういう時、術者はどうするか。


・・・微動だにしません。


この場面、極めて大事です。

 

(と思っています。)

ここでキッチリと、今回、その患者さんのカラダに起こったことを丁寧に説明し、これまでの経過も丁寧に説明し、粛々と、冷静に、治療します。

 


ここで、昂ぶる患者さんの感情に引きずられると、絶対にうまくいきません。


経験上。

圧倒的な不安定に、治療者として対峙するならば、必要以上に安定していなくてはいけない。


ここでは、知識と経験が必要不可欠。

 

理屈だけじゃ実践できない。

 

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夜中に往診!!

2013.05.14

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最近、とある、古い往診の患者さんの容態が、思わしくない。

(さらに…)

花粉症考(くしゃみ篇)

2013.03.27

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今日、患者さんが面白いことをおっしゃった。

その患者さんは、整形外科的な問題や、婦人科疾患や皮膚科疾患はあるものの、現在のメインの症状は花粉症

清明院で治療し、諸々の症状は楽になってきているが、今日、清明院で治療している最中にくしゃみが出てきた。

連発連発。

しかも今日で2回目。(苦笑)


そこで、冷静に体表観察すると、治療に間違いはないものの、患者さんはやや不安顔で、

「なんで治療していると、くしゃみが出てくるんですか・・・??」

と。

 

 

たまに、治療中、あるいは治療後に、思いがけない症状が出たりして、患者さんが不安になる場合がある。

 

 

そういう時は、体が調う方向に向かう過程で、体のどこかに気の停滞が一時的に起こっているもので、一過性のものであり、いずれ解消されるので心配ない、

 

という風に解釈することが多い。

 

そこで、この現象(治療中に出てきたくしゃみ)を考えてみる。

くしゃみは東洋医学では「噴嚔(ふんてい)」と呼び、基本的にはカゼの症状の一種として考えるか、「肺の臓」の弱りとして考えるか、

の2パターンであります。

 

(『症状による中医診断と治療 上巻』P518)

 


ちなみに肺は、東洋医学では「嬌臓(きょうぞう)」と言われ、嬌臓の嬌は”ひ弱、弱々しい、なまめかしい”という意味であり、

まあ、か細く、繊細な女性のような臓器である、と考えられています。

だから弱りやすい、また、外界の変化の影響を受けやすい、という訳です。

これについても、またそのうち、詳しく書きましょう。

「肺の臓」に対する深い理解は、あらゆる病を治療する上で、超重要だと思います。

また、今日の例を考える上では、これが重要なんですが、古典の中に、くしゃみは、胃腸に問題がある場合や、

ある種のカゼや、冷えを中心とする慢性病が回復する兆候であったりと、意外と、

”くしゃみは、体が回復する時に現れる兆候”

という解釈があることです。

 

(『黄帝内経霊枢』口問萹(28))

ところで、くしゃみが出る前の、あの「鼻がムズムズ」する症状も、東洋医学では「鼻痒(びよう)」と呼んで、治療法を考えています。

 


・・・話が長くなるので、次回に続く。(笑)

 

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皮膚病考

2013.03.15

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清明院は、皮膚病の患者さんが多くみえる。

アトピー性皮膚炎はもちろん、尋常性疣贅やら、掌蹠膿疱症などといった、難しい疾患もあります。

東洋医学では、主に

「皮膚に籠った熱」

であったり、

「血が足らなかったり、巡らないために起こっている症状」

などと考え、対処しますので、西洋医学的な診断名は、参考にはしますが、それによって、東洋医学的な診断にはさほど影響しません。

あくまでも

「気を動かし、陰陽、五臓六腑のバランスを調整し、”治る力”を賦活化して、体質改善した結果、皮膚の炎症が治まる。」

という変化を狙うのみです。

皮膚病の患者さんは、この時期(季節の変わり目)、悪化する場合があります。

あまりにも皮膚の炎症が強くて、夜、睡眠中に無意識に掻き壊してしまって、出血して、その部分が痛い、とか、

あまりにも痒くて仕事にならない、という場合は、皮膚科に軟膏をもらって、症状を抑えることも選択肢の一つですし、

こちらから勧める場合もあります。

・・・で、たとえ症状のみ、無理に抑え込んだとしても、皮膚が落ち着いてる間に、根本原因である臓腑の弱りなりを調整する、

といった方法をとった方がいい場合もあります。

慢性の皮膚病をお持ちの患者さんにとって、”痒み”そのものが”ストレス”であり”不安要素”になってしまうし、”眠れない原因”になってしまって、

 

そのストレスや不安が、臓腑の機能を失調させ、鍼が効きにくくなる、という悪循環があるからです。


そんな感じで、慢性で難治性の皮膚疾患には、西洋医学の力も借りつつ、時間をかけて根気良く、やっとります。

東洋医学と、西洋医学は、もっと表立って、協力関係をとるべきだ。

患者さんのためにも、お互いのためにも。

 

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鼻血の色々

2013.03.08

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sick_hanadi

 

 

漫画『ドラゴンボール』に、”亀仙人”というキャラが出てきます。

 

彼は、セクシーなお姉さんをみると、Hな想像をして、興奮して、鼻血が数十センチも噴き出します。

この鼻血は、東洋医学的に考えた場合、病気でしょうか。

 


生理現象でしょうか。

 

今日はそんなお話です。(笑)

 


鼻血は、東洋医学では「鼻衄(びじく)」、「鼻出血(びしゅっけつ)」と呼んでいます。

 


これは実は、病的なものと、生理的なものがあります。

 


「生理的なもの」とはどういうものかというと、カゼが治る時に出る鼻血です。

 

ある種のカゼを引いて、治る時には、汗が出て治ります。

 

カゼが治る時、バアーッと発汗して、熱が下がり、楽になった経験は、多くの人があるでしょう。

 

しかし、治る方向には向かっているけど、何らかの原因で汗が出せない場合に、汗の代わりに鼻血が出て、カゼが治るというケースがあります。

 


これが、生理的な鼻血です。

 

これを、東洋医学では「紅(あか)い汗」と書いて「紅汗(こうかん)」と言います。

 


それ以外の場合は、基本的には鼻血は病理現象なのでありますが、一概に全ての鼻血が悪とは言えません。

 

鼻の粘膜よりももっと深い部分、つまり体内、とりわけ脳内で出血するよりは、鼻からの出血で体外に出てくれた方がマシ、という側面があるからです。

 

鼻血と脳出血とを同列に語るナ、と怒られそうですけれども、東洋医学的な考え方では、実際そうなんだから仕方ない。

 


冒頭の亀仙人の例なんかは、興奮して気血が上焦に突き上げた結果、体外に向かって余分な血が吹き出し、しかもそのあとにフラフラになったり、

 

倒れたりしないワケですから、まあそれほど心配ない鼻血であるワケです。

 


急に鼻血が出ると、患者さんは驚きます。

 

同じように、尿に血が混じる、便に血が混じる、月経血がやたらに多い、こういうことがあると、患者さんはビックリして、不安になります。

 

当然です。

 

しかし、これらの現象は、生体の自浄作用によって、出やすい場所から、滞った血を出血させることで、生体の動的平衡を保ってくれている場合があるのです。

 


だから、「出血=悪」という発想で、出血したら即止めろ、無理にでも止めろ、という発想は、危険な場合があるのです。

 

場合によっては、出血を無理に止めた結果、東洋医学的には病が「悪化」「深化」してしまう場合もあるのです。

 


また一方で、なかなか止まらない出血というのは、東洋医学的に言っても、西洋医学的に言っても、非常に難治な、命に関わるような病気のサインの場合もあります。

 

患者さんがおっしゃる、「出血」という症状に出会ったら、よくよく注意して、問診しなければなりません。

 

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