東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「養生」の大事

2010.12.07

最近、随分と寒くなってきました。

・・・というよりも昼と夜の寒暖差、湿度の差が激しいですねえ。

以前も、養生や、急激な気候変動について書きました。

「養生」と「鍼灸」
急激な温度差と湿度差 参照


まあ、いずれにせよ本格的な真冬はもうすぐそこです。

こういう時の過ごし方を誤ると、普段から精神的、肉体的に疲れている人は特に、大概カゼをひきます。

そして、そこにさらに誤った養生法を重ねることによって、さらにこじれていきます。

早い段階で正しい治療と正しい養生をしてしまえば、カゼなんてものはどうってことありません!

コワいコワいと思って、カゼの人を避けてたってこの時期避けきれませんし、始まりませんから(笑)、

まずは正確な自分の体質を知って、正しい養生法はどんなものかを知るところからスタートするべきでしょう。

西洋医学では、インフルエンザや、肺炎が恐いということもあって、ワクチン接種や、ひいてしまったら解熱剤、抗生剤なんかを使って対応しています。

東洋医学では当然ながら、昔から今日に至るまで、鍼灸と漢方で対応します。


でも双方とも、その前に、まずは「養生」が大事です。

いざひいてしまって、治療しなければならない状況になったとしても、まずは「正しい養生」ありきです。

手洗いうがいはもちろんのこと、普段からのぼせ易い人は足腰をしっかりと防寒しておく必要があるし、

暴飲暴食から胃腸を弱らせている人は飲食を減らし気味にし、胃腸に負担をかけないことがポイントになるでしょう。

また、ハードワーカーで睡眠不足、過労気味の人はしっかりとした睡眠時間の確保、

運動不足で体がなまっていたり、精神的ストレスでイライラしている人は散歩等の軽い運動や、

そういう時間が取れないのであれば、せめて少しぬるめのお湯にゆっくりつかって少し汗を出してあげてから布団に入るとか、

必ずその人の弱点をうまくフォローできるような養生法が効果的です。

よく巷で目にする、

「〇〇さえ食べていればカゼ知らず!」

とかそういう、

”これさえやってればオールオーケー”方式は絶対に間違いです。


これだけ個体差があって、なおかつその個体が置かれている環境も千差万別な訳で、特定の何かをしとけばオールオーケーなんて、どう考えてもありえません。

 

(特定の感染症に対するワクチンなんかの場合は除く)

そうではなく、

「自分自身の正しい体質と、それを取り巻く今現在の環境、状況」

に対する正確な理解と、

「それに合わせた的確な養生法」

があってこそ、病を未然に防げる、あるいはかかってしまったとしても最小限に食い止めることが可能になるのではないしょうか。


患者さんの話を聞いていると、間違った養生法をしていることが非常に多く見受けられます。

上記に書いたような養生法はあくまでも一例であり、その患者さんに合わせた、もっともっと細かい養生指導も、やろうと思えば可能であります。

きちんとした養生、それをするためのきちんとした自分の体質把握、これが健康の第一歩じゃないかな、と思います。

そのために清明院では、初診時の詳細な問診を大事にしているのです。

治らん治らんと、自分の生活の見直しを棚に上げて、あれ飲んでみたりこれ食べてみたり、ウロウロしてても、思うように治らんのは当たり前です。

東洋医学も西洋医学も確かに優れた医学であり、あらゆる病に効果的ではありますが、

 

その効果を最大限生かすためにも、

 

「その人に合った正しい養生の実践」

 

というのは一大事なのであります。

 


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「治未病」という考え方を疑う

2010.09.24

東洋医学には、

「未病(みびょう)を治(ち)す」

という言葉(考え方)があります。


・・・この意味は、

「実際に病気として症状が出る前に治してしまう。」

という意味です。

 


個人的にはこれは、まさに”東洋医学の真骨頂”とでも言うべき部分じゃないかな、と思っています。

(今では、です。)

 


東洋医学では、自然界はすべて「気」というもので出来ている、と考えます。

「気」ってなんですか? 参照

 


・・・ということは当然、人間の体も「気」から出来ていて、なおかつ体を「経絡の気(脈気、経気)」が正常によどみなく循環することによって、健康が保たれる、と考えています。

「経絡(けいらく)」って何ですか? 参照

 


そしてそのためには、ココロの問題も含めた”陰陽バランスの調和”が極めて重要だ、という考え方を持っています。

「陰陽(いんよう)」って何ですか? 参照

 


この考え方からすれば、例え患者さんに自覚症状がなくても、あらかじめ巧みにバランスをとっておけば、今後起こりうる、あらゆる病を未然に防げる、予防できる、という考え方が成り立ちます。

 


・・・しかし実は、僕は昔、東洋医学のこの考え方(未病を治す)が非常に気に食わなかったんです。

 


なぜなら、ある一人の患者さんについて、その人がどんな乱れた生活してようが、鍼さえやってりゃ100%何の病気にもならない、なんてことはありえない訳で、


たとえば5年なら5年、10年なら10年鍼治療を続けて、非常に健やかな毎日を送っている患者さんがいたとして、ではその患者さんがもし鍼を「やってなかったら」どうなってたか、

 

を検証することが不可能である以上、本当に未病が治せてるかどうかなんて、分からんじゃないか!希望的観測でもって、いい加減なこと言うな!!

 


・・・と思って、批判していたんです。

 


しかし、これは浅はかでした。

 


いかにも自分が言ってることは論理的で正しい、と偏狭な”自分ビュー”だけから見た、狭い狭い世界の中で、アホな勘違いをしていたと、今では反省しています。

 


なぜならば、今となっては、毎日現実に患者さんをやっていて、ホントにその通りだなあ、と”実感”しているからです。

 


つまり、この考え方を疑ってかかっていた頃の僕は、未病を治したことがなかったんですね。

 


実際の東洋医学の臨床を本気でやったことある人間なら、

 

「気」や「陰陽」や「経絡」の存在や「未病を治す」という考え方の真実性

 

というのは、当たり前に”実感”出来ると思います。

 


また、日々、患者さんの発言を聞いていても、

「鍼をするようになってから、毎年冬になるとカゼをひいてたのがひかなくなった!」

とか、

「お酒を飲んでも以前みたいに二日酔いしなくなった!」

とか、明らかに体質そのものが変化していることがうかがい知れる発言を聞くことなんかは、日常茶飯事です。

 


このようにして我々は、その「実践」の中から、「理論」の真偽を確認することが出来るんです。

 

 

というよりも、そもそも東洋医学、中国伝統医学というのは、研究室での実験ではなく、そういった絶え間ない”臨床実践”、”臨床事実”の中からのみ、生まれたものなんです。

 

 

だから信頼するに値するし、しかもそれが数千年も続いているから、なおさら信憑性が高い、と考えられるわけです。

 

そしてまた、そういう絶え間ない臨床実践の日々の中から生まれた新たな「理論(仮説)」が、より高度な「実践」を指導するんです。

 


だからどんどん上達するんです。

 


真剣にやればやるほど。

 

 

・・・少し話がそれたけど、要するに、患者さんに対して言いたいのは、「早め早めの治療」が大事だよ、ということです。(笑)

 


来るのが遅くなればなっただけ、治しにくくなります!

 

 


何か症状を抱えているなら、来院はお早めに!

 

 


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「肺」って何ですか?(その12)

2010.09.20

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これまでのお話・・・


「肺」って何ですか?(その1)

「肺」って何ですか?(その2)
「肺」って何ですか?(その3)
「肺」って何ですか?(その4)
「肺」って何ですか?(その5)
「肺」って何ですか?(その6)
「肺」って何ですか?(その7)
「肺」って何ですか?(その8)
「肺」って何ですか?(その9)
「肺」って何ですか?(その10)
「肺」って何ですか?(その11)

 

☆「肺」を病むとどうなるか


・・・これまで長々と、肺について語ってまいりましたが、ここらでそろそろ完結しようかな、と思います。

まー、いつも言うように、東洋医学の言う「五臓六腑」というのは、西洋医学の言う「内臓」というモノとは全然違うのだ、ということがお分かりいただけているかと思います。

今日は、では実際に「肺の臓」を病むと、どういう現象(症状)が出てくるか、について考えて、「肺」シリーズを一旦完結しようと思います。

一般的には、「肺」の病気と言えば、”肺炎”、”肺癌”、”肺結核”などなど、”肺〇〇”という病名が多く、そしてその症状は主に呼吸器の異常(呼吸困難、咳、痰など)ですよね?

 


東洋医学の言う、「肺の臓」は、これまで述べてきたように、人間のあらゆる機能に関わりますので、当然症状も、呼吸器の症状のみにとどまりません。

(もちろん呼吸器の症状も出るけどネ。)

 

具体的には、たとえば

 

カゼに伴う諸症状(寒気、ノド痛、肩こりetc..)、喘息、尿の色が変わる、胸が苦しい、

 

などなど、呼吸の症状がメインでありながらも、実に様々な症状が出てきます。

 

また東洋医学では、

「呼吸器の症状がある」=「肺の臓が中心の病」

とは考えません。

「呼吸器の症状がある」=「肺の臓が異常を起こしている」=「その異常を起こさしめた中心はどこか」

という風に、もう一枚深く考えます。

 


その上で、その病理の中心が「肺」であれば、治療の対象はそのまま「肺」になりますが、「肺」以外の臓腑の異常が中心であった場合、

 

そこを治療していくことが出来るのが、東洋医学の賢いところだと思います。

 

病の中心は何か、

そしてそれはどこか、

こういうところを明らかにして治療するから、あっちもこっちも触る必要はなく、極めて少数の鍼での治療が可能になるのです。

 

 


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クーラーで冷えると・・・

2010.06.26

今日は朝一から猛烈に忙しかったです!(感謝)

 

狭い清明院の中を、1日中かけずり回っておりました(笑)

 

さて、今日の患者さん達を診ていて気がついたのですが、やはりこの時期、

「クーラーをつけっぱなしにして寝ちゃってから調子が悪いです。」

という訴えの多いこと多いこと!

 

・・・これ、単純になぜでしょうか?

 

 

なんで、クーラーつけっぱなしにして寝ると調子悪くなるんでしょうか?

 

 

そりゃ冷えるからに決まってんじゃん!・・・という声が聞こえてきそうですが、じゃあ患者さんの訴えが人によってバラバラなのはどうしてでしょう?

 

必ずしもカゼみたいな症状が出る人ばかりじゃなくて、神経痛が出る人、頭痛が出る人、痒みが出る人、怒りっぽくなる人などなど、

 

「クーラーによる冷え」

 

の後から出てくる症状は、メチャメチャ多岐にわたります。

 

・・・今日は、これがどうしてか、考えてみたいと思います。

 

本日は6月26日、この時期は24節気で言うと「夏至(げし)」に入って5日目であります。

 

この「夏至」とは、1年で一番日が長く、とても暑い時期、ということになっています。

 

 

ただ日本ではこの時期は梅雨であり、あまりこのことが実感されることは少ないようですが、いずれにしても自然界の”陽”の気が非常に高まる時期であります。

 

我々人間も動物ですので、自然界が陽に傾けば、人体も陽に傾きながらバランスを取るのが自然な、本来の姿です。

 

ですから、この時期は体の中には陽気が盛んになって、活動的で元気になってきます。

 

 

そしてたくさん汗もかきます。

 

 

陽気が盛んになる、ということは、ある意味「生理的に」「生理的な」熱を持つ、と言ってもいいと思います。

 

 

だから、たくさん汗を出して、その熱が体に籠らないように発散しようとしている訳です。

 

 

これを、クーラーで体の表面を冷やし、玄府(げんぷ=汗腺)の動きを鈍らせ、皮毛を閉じ、生理的な発汗を無理に止めてしまうと、マズイことが起こります。

 

 

要は、体に「余分な熱」が籠るのです。

 

 

具体的な症状としては、咽が異常に渇いたり、食欲が極端に亢進したり、便秘したりします。

 

 

そして、口渇や食欲など、その欲求にまかせてどんどん暴飲暴食してしまうと、もっとひどくなって、しまいには便秘したりします。

 

 

あるいは徐々に徐々に食欲が落ちてきて、ヤル気がない、元気がない、本来活動的になるべき陽気の盛んな時期なのに、いわゆる「夏バテ」状態になります。

 

 

また、局所的に冷やされた部位の血行が極端に悪くなり、そこに痛みやしびれが出たりします。

 

・・・ここまで書いたところで、支部役員前日勉強会のお時間になってしまいましたので(笑)、続きは次回に・・・。

 

参考 Wikipedia 二十四節気

 

 

 

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ちょっとした養生法

2010.03.31

いや~しかし最近(この3~4日)、異常な寒さですね!

清明院の患者さんでも、

「ここ何年か出ていなかった腰痛が久しぶりに出た!温めると楽。」

・・・とか、

「5年ぶりにカゼひいた!鼻水が止まらない・・。」

とかおっしゃった方がおられました。

以前にも書いたけど、一体、

「暑さ寒さも彼岸まで」

という言葉はどこへ行っちゃったんでしょうか・・・。

まあとかくこういう、時知らずな寒さや暑さがあった時は、体調を崩すことが多いです。

しかしこういう時ほど、「養生(ようじょう)」がモノを言う時もありません。

では、具体的に何をすればよいかというと、それは患者さんによって違うので何とも言えません・・・。(笑)

まあしかし、そう言ってしまっては元も子もないんでネ、参考までに多少の注意点は書いてみましょう。

くれぐれも注意していただきたいのは、ここで紹介する養生法はあくまで参考です。

本来、養生法というのは、患者さん一人一人に合わせて個別に指導されるべきものです。

ですので、実際にお体を調べれば、もっと的確で効果的な養生法を指導してあげられる、ということを前提に、お読みください。

まずこの時期、「春」と言う時期は、こないだも書いたけど、ある意味、1年のうちで最ものぼせ易い時期になります。

(やや語弊がある気もするけど、極端に言うとネ。)

つまり体の「上下のアンバランス」が起こりやすい時期、とも言えます。

またこの時期は、年度末~年度初めの時期ですから、お仕事をされている方なんかは、何かと飲み会の増える時期でもあります。

(歓送迎会ネ。)

・・・ということは、

暴飲暴食+上下のアンバランス

というパターンから、何らかの病になる可能性が高い、ということなんです。

 

(実際に多いパターンです)

今回のブログの冒頭に紹介した腰痛、カゼも、「暴飲暴食」「上下のアンバランス」を起こしていたものに、ここ何日かの「冷え」が重なって起こったものでありました。

・・・ということは、事前に

「上下のアンバランスを整え」、

「飲食を控えめに」

していれば、外界がいかに寒くなろうが、高確率で病気知らず、未然に予防することが出来ます。

ここで、「飲食を控えめ」は簡単(分かりやすい)ですが、「上下のバランスをとる」には一体どうしたらいいんでしょう。

これ、一番いいのは「足を使った軽い運動」です。

散歩とかね。

ただ、これを言うとたまに患者さんに、

「ええ~、そんな時間ないよ~!」

とか、

「無目的にただ歩くのって、超苦手なんですけど・・・。」

って言われちゃいます。

(苦笑・・・都会人のサガなんでしょうかネ?)

そんな時は、せめてもの方法として、「青竹踏み」で足の裏を刺激することをお勧めしています。

これなら簡単に出来るし、時間もお金もかかりません。

しかもこれ、大概の患者さんは、やらせてみると右と左で痛み方が違います。

なのでそういう方にはその「左右差」が整うまで踏んでもらいます。

その左右差が整うまで踏むと、面白いことに、それだけで”のぼせ”がかなり引きます。

それが色んな症状の予防になるんですね。

東洋医学に基づいた、ちょっと工夫した養生法です。

だまされたと思って、やってみて下さい。

意外と効果てきめんな筈ですよ~。

(笑・・・ホントにだまされたりして♪)

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自分で自分を治療・・・。

2010.03.11

おとといは雪が降り、半端じゃない寒さとなりました。

昨日も雪こそ降らなかったものの、かなりの寒さとなりました。

そして今日はカッと晴れて暖かい・・・。

そんな不安定な天候の中、僕は不覚にも昨日の朝、

「マズい・・・。カゼっぽい・・・。」

と思って目を覚ましました。体が全体的に重だるい、背中と頭が痛い、寒気、鼻水・・・。しかし、こういう時こそ普段の勉強がモノを言います。

即座に脈、舌、症状を確認し、鍼を一本。スーッと楽になります。しかしまだ完璧ではありません。

2時間ほど経ってから、再び所見を確認。さらに鍼を一本。今度は直後効果はそんなにありませんでしたが、脈は大きく変化。

その後忙しくて自分を治療できずに夜になるが、何とか普通に治療をこなせる。

夜、自宅にてさらにもう一本鍼。強烈に眠くなる。そのまま寝て、夜中に汗びっしょりで目を覚ます。

服を着替えて、所見を確認し、もう一本鍼。また眠気。そのまま寝る。

今朝、スッキリと無症状にて目を覚ます。

あー、東洋医学、やってて良かったと実感。いつもは忙しくて自分に鍼が出来ないような時は、漢方薬に頼ることもあるんですが、比較的症状が軽かったこともあって、あえて今回は鍼にこだわってやってみました。

そんな遊び心も、またイイ。(笑)

「湿熱」について

2010.01.20

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前回は、「寒燥」についてのお話をしました。

 

 


今回はその逆の「湿熱(しつねつ)」について書いてみようと思います。

 

 


最近の気候は、前回述べたように、まさに「寒燥」という感じであります。

 

 


それとまったく逆なので、時期外れのように感じますが、日々、患者さんを診ていますと、今の「寒燥」の時期であっても、この「湿熱」という邪気が問題になることがあります。

 

 


・・・コレ、なぜでしょうか?

 

 


これは、現代の食生活と、発達した空調機器に、問題の中心があるのではないかと愚考しています。

 

 


◆「湿」について

 

 

「湿邪(しつじゃ)」というのは、外界では湿度の高さ、人体内では水分の停滞が過剰に存在することで、人体に病的な異常を起こす「邪気」の一つであり、

 

性質の上から「陰邪」に分類されます。

 


つまり、「湿邪」というのは、平た~く言うと、

「余分なお水」

を意味しますので、単純に水分(お酒も含む)の摂り過ぎ、あるいは食べすぎで胃腸が弱った場合にも、水分がうまく捌けなくなって、結果として体内に「湿邪」が生じます。

 

 


体外の「余分なお水」は、というと梅雨時期や夏場のムシムシ、ジメジメした時期に湿度が高くなる、
まさにあれのことです。

 

(もちろんそれが人体に悪影響を及ぼした時に、”湿邪”という邪気として認識する訳ですね)

 

 


◆「熱」について

 


それに対して「熱邪(ねつじゃ)」というのは性質的には「陽邪」に分類され、からだの内外に存在する”余分な熱”のことを言います。

 


ここで勘違いしてほしくないのは、現代人は「熱」と聞けばすぐ体温の「発熱」を想像しますが、
東洋医学の言う「熱」というのはそれだけではなく、

 

ある種の咽喉の渇きや便秘、過食傾向、またカゼや感染症の原因などになるもの(邪気)として「熱邪」というものを位置づけています。

 

 


こういう、東洋医学と西洋医学の概念の混同が、東洋医学が正確に理解されにくい原因の一つだったりします。

 

前もこんなようなこと言ったかもしんないけど、カゼひいて熱がある人をみた時に、「すごい熱だね~」ではなく、

「体温がHOTだね~。」

とか、

「HEATだね~。」

とか言ってくれれば、混同されにくいのにな~・・と思います。(笑)

 

 


体外の「熱邪」は、というと、夏場の暑い時期や、冬場でも過剰な暖房などで不快なほど熱すぎる状況の時に、人体に悪影響を及ぼした時に「熱邪」と考えます。

(分かりやすく言うとね。)

 


この2つ、「湿邪」と「熱邪」が合体したものを、東洋医学では「湿熱の邪気」と呼び、「寒燥」と同じように、陰邪と陽邪ががうまいことバランスをとっている、
邪気の中でも「手強い奴」な訳です。

 

 


現代は、外が寒くて乾燥していれば、家の中は暖房と加湿器を使って快適を得ようとします。

 

 

しかしやりすぎれば、秋冬なのに「ムシ熱い室内」になってしまいかねません。

 

 


そうなれば「寒燥」ではなく、季節外れの「湿熱」の病になりやすくなります。

 

 


また冬場は、寒いからと、あまり外に出歩くことも少ない人が多く、運動不足になりやすく、忘年会や新年会などで、暴飲暴食、過食傾向になりやすいです。

 


こうなると胃腸は弱り、水分が捌き切れず、体内に余分なお水である「湿邪」が増えます。

 

 


さらに、汗もかきにくい時期ですので、体内の余分な「熱邪」を汗によってうまく排出(発散)することも出来ず、結果、体内に「湿熱の邪気」が生じてしまう場合があります。

 

 


こうして現代では、冬場なのに「湿熱」の病が問題になることがある訳です。

 

 


「湿熱」については、大変面白い部分でもありますので、もっと細かく書こうかなとも思うのですが、
時期的に梅雨時期とかの方が実感しやすいかな、

 

と思うので、その頃になったら、また詳しく述べてみようかなー、と思っています。

 

 

 


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緊急情報!

2009.11.28

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今日は清明院から緊急のお知らせです。

 

先日、政府の行政刷新会議の事業仕分け作業で、医療用漢方製剤を健康保険から外すという案が、なぜかほとんど何の議論もないまま出されました。

 

私の所属する(社)日本東洋医学会および、(社)北辰会では、これに対して断固反対の意向を表明し、署名活動を開始しました。

 

以下、(社)日本東洋医学会からの呼びかけ文を載せておきます。↓

 

(以下本文)

 

この議論は長年、自民党政権時代に政府ならびに財務省が再三提案しては消えた案件ですが、今回の仕分け作業の中で、他の課題と一緒くたになって提出されました。

 

過去には平成5年、6年に(社)日本東洋医学会が署名活動を行い、それぞれ、2週間で24万名、3ヶ月で148万名の皆様から署名を頂戴しております。

 

しかしながら今回は平成5年、6年にあった保険給付はずしと異なり、診療報酬の問題等大きな問題の中で埋もれたまま、仕分け作業班の意見が通ってしまう可能性もあります。

 

仕分け作業が終わるのが11月下旬、審議に持ち込まれる12月上旬には政刷新会議仕分け結果の審議が行われ、そこで決定されると他の案件とともに、漢方の保険給付がはずされる危険性が大です。
 

 

漢方は現在、医療の現場で医師の7割以上が用いて、がん患者さん、更年期障害などの女性疾患、花粉症などのアレルギー疾患、腰痛、膝関節症などの疼痛管理などに、医療の現場で医師が使うことによって、大きな効果を挙げており、医療として欠かせない薬です。

 

また、全国の医学部・医科大学でも医学教育の中に漢方教育が取り入れられ、日本東洋医学会で専門医教育も行われ、専門家育成も進んでいます。

 

今回の行政刷新会議の判断は国民不在のものであり、断固として阻止すべきと考えます。

 

 

            平成21年11月20日
            社団法人日本東洋医学会会長 寺澤捷年
            日本臨床漢方医会理事長 石川友章
            NPO健康医療開発機構理事長 武藤徹一郎
            医療志民の会共同事務局長 木戸寛孝

 

 

本趣旨にご賛同いただけます皆様からのご署名をお願い致します。
メールアドレスをご記入の上、連絡の可否の欄を可にしていただいた方には、漢方関連のニュースをお知らせ致します。

 

(以上)

 

・・・とあります。

 

僕個人としても、鍼灸と漢方は同じ「東洋医学」という一家の家族みたいなものと考えているので、署名しようと思います。

 

患者さんにもご賛同いただける方には是非協力していただきたいと思います。m(__)m(以下に電子署名サイトURL↓)

http://kampo.umin.jp/contents02.html

 

医療費削減しないといけないのは分かるし、他の案件も山積みで忙しいのも分かるけど、自分たちが一生懸命仕事でやってることを、

 

こう勝手に話進められちゃったら、そりゃカドたっちゃいますよ、誰だって。

 

数字とか合理性もいいけど、「医療」っていうのは「患者さん」という弱者のためのものなんだから、現実の患者さんの声をまずはよく聞かないとねぇ。

 

・・・ただ、この件で僕が思うのは、漢方薬も鍼灸も、キチッとした東洋医学的な診断に基づいて処方するから、医療として初めて成立する(効果が期待できる)んであって、

訳も分からずに「カゼに葛根湯」とか、「くしゃみ3回小青竜湯」みたいな使い方をしているDrがいるから、こういう案が出てしまう面がある、

 

ということも考えなくてはいけないと思います。(鍼灸の場合もしかり)

 

僕レベルでも、患者さんから、

 

「病院で漢方薬もらったけど全然効かなかった」

 

という残念な言葉を耳にすることは実際しばしばあります。

 

 

詳しく聞くと、専門でない僕から見ても、どう見てもメチャメチャな処方がされていることも珍しくありません。

 

いくら漢方、鍼灸が広まってよかった、といっても、「効かない」「意味ない」という評判が広まっていいはずありません。

 

こういう現実を踏まえた時、今やらなくてはいけないのは、東洋医学の現場の医療の、教育制度、資格制度も含めた、現実的な構造そのものの改革じゃないのかな、と僕は思います。

 

例えば、漢方薬を処方できるのは認定専門医のみにするとかね。(薬局もしかり)

 

 

コンビニや薬局の店頭で売っていいのは、濃度をかなり抑えた「漢方サプリ」的なもののみにするとかね。

 

(まあエキス剤ってそういうことなのかもしれないが、そうであればそれに保険が使えるのはおかしい、ともなる。)

 

 

漢方薬はあくまでも「薬」であり、サプリメントや栄養ドリンクとは目的からして違います。

 

 

「薬」の目的は病気の治療であり、日々の健康維持や、疲労回復、栄養補助は補足的な意味であって、薬の本質ではないのです。

 

お隣の韓国や中国では、もうとっくに東洋医学と西洋医学の二本立て医療が実現しているというのに…。

 

ちなみに余談ですが、今や欧米では東洋医学振興の動きが高まっていますし、韓国では若い女性が結婚したい職業のNO1は韓医師(鍼灸、漢方を扱う医師)なんだそうです。(苦笑)

 

・・・なんか遅れてないですか??

 

 

日本の医療って。

 

 

どうして?やっぱまたお金と利権の話?と思う方も多いんじゃないでしょうか。(苦笑)

 

 

基本的には明治の初期の制度をそのまま踏襲していますし、我々鍼灸マッサージ師に関する法律(あはき師法)は、戦後間もない昭和22年から基本的には変わっていません。。。

 

(社)北辰会代表理事、藤本蓮風先生の言葉ですが、

「医療とは、正しく患者に働きかける意志と行動である。」

という、いい言葉があります。

 

(アルテミシア『臓腑経絡学』「総合と総体」参照)

 

 

日本の医療も、客観的に見てそう思える医療であってほしいんですがね・・・。

 

 

・・・皆さんは、いかが思われますでしょうか?

 

 

 

 

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