東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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悪心嘔吐と鍼灸

2013.01.15

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これ、去年の年末あたりから、相当診ました。

悪心嘔吐、お腹の張り、食欲不振などの、胃腸の症状を伴うカゼ・・・。

年末あたりから、ノロウイルスなんてのも流行っていますし、病にも”流行り廃り”がありますねえ。

”流行り廃り”があれば、”永久不変”もまたあるワケです。

東洋医学が2500年以上前に説いた病治しの法則性は、その”永久不変”の部分をこそ、説いているのです。

・・・さて、こういった症状、本当に鍼で治るのでしょうか。

僕は「治る」と思っています。

僕が鍼をしたことによって、結果的に患者さんの”治る力”が賦活化され、結果的にウイルス感染による悪心嘔吐や、それに伴うカゼの諸症状が治った、

 

と、清明院の患者さんは思っておりますし、僕もそう思っています。

特に、ノロウイルスについては、去年の年末に、蓮風先生ブログ『鍼狂人の独り言』でも、触れられていましたね。

『鍼狂人の独り言』 ノロウイルス を含む記事 参照

カゼのウイルスがあるから、ノロウイルスがあるから必ず発症するワケではない、カゼひいたり、吐き下ししたりするのは、

 

そのウイルスにさらされた「人間側に」そもそも何らかの原因、問題があったからです。


そこを考えた上で、しかも今現在の状況を東洋医学的に分析し、治療するのが我々の仕事です。

結果的に、治る場合が多い、という印象を持っています。

また、重要なのは、今現在のこの症状、病気が自分の手に余るものかどうか、それを判断する技術も、東洋医学にはあります。

だからどうか、受けてみてもらいたい。

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患者さんの声(20代女性 逆流性食道炎 眼瞼痙攣 頭痛 冷え症)

2012.12.30

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「患者さんの声」をいただきましたので、紹介します。

(さらに…)

葛根湯医者

2012.12.20

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「葛根湯医者」という言葉がある。

 

これは古典落語で、

頭が痛ければ葛根湯
 
お腹が痛ければ葛根湯
 
何でもかんでも葛根湯

という、ヤブ医者のことを皮肉った内容で、有名な話です。

 

wikipedia「泳ぎの医者」 参照

 

バカの一つ覚えのように、どんな症状にも、同じ処方しかしない医者がいるとしたら、それはヤブ医者かもしれません。

 

(あるいは、希代の名人かもしれません。)

 

また、蓮風先生の御尊父である藤本和風先生の言葉ですが、医者になって、ヤブをやる様な人は、そもそも医療をやめた方がよっぽど人助けだ、という話もあります。

 


 

たまに患者さんで、

「カゼっぽかったから、薬局で買って葛根湯を飲みました。」

という人がいます。

 

僕はそのたびに、マジメに

「漢方薬というのも、処方を間違えると悪化する場合があるから、素人判断で軽々に飲むのはアブナイですよ。もしカゼっぽくて、

しかも治療に来られない状況であれば、症状を言ってくれればアドバイス出来ますから、遠慮なくお電話下さい。」

と、提案させていただくことがあります。

東洋医学では、いわゆる「カゼのひき始め」に対する漢方薬の処方パターンは無数にあります。

 


それは、

「どういう人が」

「どういうカゼを」

ひいたかによって、全部治療パターンが変わってくるからです。

 


ピタッと処方が合えば、面白いように劇的に治ります。

 


鍼でもそうです。

 

しかし、誤った処方をすれば、カゼなのに、1週間経っても、2週間経っても治らない、なんてこともあります。

 

またそもそも、葛根湯の守備範囲だって、「カゼのひき始め」だけなんかじゃ、全然ありません。

 


「東洋医学」・・・。

 

ホントに、軽んじて欲しくないよナア、と思います。

 

 

 

 

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寒さをはじき飛ばす

2012.11.25

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この時期になると、カゼを引いている人をよく診る。

平素から鍼をして調整している人は、カゼを引かないか、引いても軽く済む、という。

鍼の究極の目的は「治未病(いまだ病まざるを治すこと)」だ。

病気になる前に治す、病気になる前の体の状態を、いい状態に改善させておく、それによって、病気になったとしても軽く済むし、

治療もしやすい、これが真の目標です。

1日も何人もカゼの患者さんを診ていると、

「先生はカゼ引かないんですか??」

と、ご心配をいただくことがある。

で、僕はどうかというと、ほとんどひきません。

たまーに、数年に一回、不覚にもきっついのを引くことがありますが。(苦笑)

そういう時は高熱を出して2、3日寝込むような場合もあります。

でも、病院に行くことはほぼありません。

ここぞとばかりに、いいモデルなんですから、徹底的に鍼灸、場合によっては漢方です。

それでどうしようもなくなった時に、仕方なく病院に行くことはあります。

もしカゼひいた時に、真っ先に病院に走るような鍼灸師に、自分のカゼを診てもらいたくないですよね?(笑)

そういう気合い、自分自身のやっている医学に対する揺るぎない誇り、こういうものが、寒さを吹き飛ばすのです。

逆に言えば、ヘナヘナしてると、病魔に入り込まれます。

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「刺絡(しらく)」という方法論(その2)

2012.07.12

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前回のお話・・・


「刺絡(しらく)」という方法論

 


では、続きいきます。

 

前回書きませんでしたが、「刺絡鍼法」に関しては、「日本刺絡学会」という学術団体があり、この学会では盛んに、刺絡に関する教育、研究が行われております。

詳しくお知りになりたい方は、日本刺絡学会ホームページを参照して下さい。

・・・で、この「刺絡」という治療法に関する、僕なりの考え方。

まずこないだも言ったように、「瀉血」「刺絡」では、その概念も手法も違います。

ここの理解は大事なことだし、たまに鍼灸師でも混同している人がいるので(苦笑)、繰り返します。

「瀉血」は、文字通り血を流し出すという意味で、輸血の逆で、血液を抜く(排出させる)のが目的です。

充血、うっ血している場所から直接だったり、場合によっては血液検査のように、静脈から直接血液を抜く場合もあります。

それに対して「刺絡」は、あくまでも”「血絡」と言われる経穴(反応点)に血液循環の改善を目的として刺鍼することが目的であり、

 

結果的にそこに鬱滞した静脈血が微量に出血する場合が多いので、もし出血した場合はキチッと絞って止血し、

 

刺鍼部位はキレイに消毒しましょ、というだけのことです。

要は、

カタくなってたり、熱を持ってたり、そういう悪い反応のある経穴に鍼をした。
  ↓
そしたら出血してしまったので、止血するまでしぼり、きれいにふき取り、消毒した。

というだけの話です。

普通のことです。

しかも、出血するといっても、ほんの数滴です。

なんら、問題の無い話です。

ちなみに、西洋医学東洋医学では、そもそも「血液」というものに対する概念、認識すら違う、ということも忘れてはいけません。

「血」って何ですか?(その10) 参照

この「刺絡」が、使うシーンによっては、絶大な効果を示します。

僕も実は以前は、「毎日」「ほぼ全患者さんに」やっていた時代があります。(苦笑)


「刺絡鍼法」が果たしてどれだけ有効なのか、どういう場合に使ったらいいのか、自分なりに理解したかったのでね。

まあ、結果的に、現在では、多くの先輩方が言うように、打撲捻挫などのケガの時とか、ある種のカゼの初期なんかに、発熱してノドが腫れているような時とか、

 

あるいは逆にかなり重篤な、内臓の炎症性の疾患の時などに、応用しております。

ですので、基本的には、それほど多用はしませんが、たまに使うと、ビックリするような効果を示します。

魅力としては、その「即効性」「劇的な変化」でしょうかネ。

まあ、「どういう場合に」「どういう条件下でなら」刺絡を使った方が有効である、という学問(言わば刺絡診断学とも言えるもの)は、

実はまだそこまで確立されておらず、各々の臨床家が、古典理論に則って、とか、自身の経験則によって判断している、というのが現状です。

まず法整備をしたならば、今度は、かつて蓮風先生も指摘なさったように、「刺絡診断学」を確立しないといけない、という訳なのです。

ホントこの業界って、実は業界として、やること山積みなんです。

でも臨床家としては、臨床だけやってればいいんだけどもね。

・・・この辺が、なかなか話が進まない部分なんです。(苦笑)


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先週あたりから

2012.05.04

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ここ何日かは雨ですが、先週あたりから、暖房の必要のない日が増えて来ました。

(さらに…)

『傷寒論(しょうかんろん)』という本

2012.04.10

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東洋医学をやる者なら、知らない者はいないし、通らない者はいないであろう、古典中の古典に、『傷寒論』という書物があります。

僕もまだまだ全然ですが、こないだも、とある勉強会に参加し、これを長いこと読んでおります。

何度も何度も読んで、解釈し、発見を得ながら、忘れては覚え、一生かけて読むような本だと思っています。

参考 wikipedia(傷寒論)

この書が著された年代は後漢末期の時代、書いた人物は張仲景という人物です。

張仲景については、以前このブログで紹介しました。

過去記事 「張仲景(ちょうちゅうけい)」という人物 参照

この本は、やれ伝染病の治療を論じた本だとか、やれ腸チフスの治療を論じた本だとか、色々な言われ方があるのですが、東洋医学的にいうと、

「寒邪(かんじゃ)に傷(やぶ)られてから、最終的に生命に関わるレベルまでの間に起こる、一連の病理変化の、詳細な様子とその治療法」

が書かれた本です。

「寒邪」については過去記事 「寒燥」について 参照

”傷(やぶ)られる”という表現は東洋医学独特の言い回しですが、要するに”侵入、侵襲される”というような意味です。

寒邪(冷えの邪気)に侵入、浸蝕されて、徐々に正気が弱って、最終的には死んでしまう、その一連の流れを、詳細に詳細に、説いた本です。

 

ここに書かれた多彩な病理変化の描写と解釈から、東洋医学固有の人体観、生命観が十二分に透けて見え、この本を、決して西洋医学のいう伝染病や腸チフスなどの、

 

特定の疾病「のみ」の治療方法を述べた本としたり、単なるカゼのステージ分類の本、と落とし込むのはもったいないと、個人的には思っています。

そしてこの本における各病態に対する処置は、湯液(いわゆる漢方薬)によるものが中心です。

鍼とお灸も出て来ますが、どちらかといえば完全に脇役です。

学生の頃、とある先生から、

「『傷寒論』は漢方薬の本だから、鍼灸師が読んでもあんまり役に立たないよ。」

と、聞いたことがあります。

 

 


その当時は僕も、へー、そんなもんかなあ・・・、と思って聞いていましたが、今ではその先生の考えは間違いだと思っています。

先ほども言うように、『傷寒論』が漢方薬の本、なんていう、浅すぎる解釈はイカンと思います。

『傷寒論』が、漢方薬を扱う先生方にとっての基本であることは確かですが、我々鍼灸師だって、『傷寒論』の内容をもし知らなかったら、

恐くて外感病の治療なんてできません。

なぜなら、『傷寒論』の内容を知らないと、患者さんの症候も、ある治療をした後の変化も、それが何を意味するか、考えようがないからです。

『傷寒論』には、人が病んでから死に至るまでの各レベルにおける詳細な様子が書かれているため、拡大解釈をすれば、どんな病にも応用が出来るし、

各レベルでの治療法を考えることが出来、予後の予測をすることが出来るのです。

だからこの本は鍼灸師にとっても、必須の書なんです。

『傷寒論』については、まだまだ書きたいことが山ほどありますので、折に触れて、あまり専門的で難しくならないように紹介していこうと思っています。

 

 

 

 


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「表裏同治」とは(その6)

2012.02.05

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これまでのお話・・・。

「表裏同治(ひょうりどうち)」とは
「表裏同治」とは(その2)
「表裏同治」とは(その3)
「表裏同治」とは(その4)
「表裏同治」とは(その5)

 

前回登場した、「合病(ごうびょう)」、「併病(へいびょう)」という言葉・・・。

 

これは要は、最初からずーっと話してきているように、「表」も「裏」も同時に病んでいる場合のような、病が浅いところと深いところ、

2つ以上の場所にまたがって存在している状態のことを言います。

 


・・・で、

 

「合病」の場合は2つ以上の場所が”いっぺんに”やられた場合

 

のことで、

 

「併病」の場合は浅い場所の病が治らないまま、深い部分も同時に病んできた場合

 

のことを言います。

(燎原『漢方用語大辞典』より)

 


つまり「合病」の場合は同時で、「併病」の場合は時系列的に前後関係がある、という訳です。

(なんだか細かいね・・・。でも、我々にとってはこれが重要なんです。)

 

この話は、『傷寒雑病論(しょうかんざつびょうろん)』という東洋医学の聖典の一つの中に出て来ます。

(奥田謙蔵先生の『傷寒論梗概』に、綺麗にまとめて下さっています。)

 


コレ以上いくと、専門家しか分からない話になっていってしまい、このブログの趣旨と離れていってしまいますので、難しい話はこの辺にしますが、

 

要は言いたいこととしては、最近大騒ぎになっている一般的なカゼや、インフルエンザについても、東洋医学では太古の昔っから、実に様々な学説をもって対応し、

 

優れた臨床効果をあげている事実がある、そしてそれは、現代日本の我々が運用しても非常に利用価値の高いものであり、もっと多くの人に知ってもらっていい事実である、ということです。

 

その考え方の一端を紹介した訳です。

 


別に、タミフルやリレンザを否定しているワケではなく、他の選択肢もあるんだよ、ということです。

 

これについては、言い出したらまだまだありますので、あまり専門的でマニアックにならないように、折に触れて少しづつ紹介していこうと思っています。

 


・・・このシリーズ、ひとまず終了。

 

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「表裏同治」とは(その2)

2012.01.27

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前回のお話・・・

「表裏同治(ひょうりどうち)」とは

 

前回、東洋医学では、いわゆる「カゼ」とか、最近話題の「インフルエンザ」など、細菌やウイルスによる急性の病のことを、多くは「外感病」と呼び、体の外から邪気が入って、正気を侵害している病、という風に考えます、とか、

外から入るワケですから、浅い部分からだんだんとカラダの奥深くに入っていき、最終的には五臓六腑が障害されて、命にも関わる、という風に段階的に分けて考えています、とか、

その「深さ別」の呼び名として、

表証・・・皮膚表面のような、浅い位置に病がある状態
 ↓
半表半裏証・・・浅い位置と深い位置の中間の、中途半端な位置に病がある状態
 ↓
裏症・・・五臓六腑に関わる、深い位置に病がある状態

・・・というのがある、なんてお話をしました。

 

このように言うと、非常にシンプルに聞こえますが、実は表証にも裏症にも半表半裏証にも、それぞれに非常に様々な、複雑で細かいパターン分類がありまして、

 

しかも治療する上では、その状態になるに至った”流れ”まで考えて、それにキチッと合わせた鍼灸なり漢方薬で治療しないと、

病は治らないばかりか、悪化していくことすらある、と考えます。

 

 

漢方の聖典と言われる『傷寒論』には、この薬を出して、こうなったら悪化、こうなったら成功、こうなったら効果がちょっと弱いからこれを追加しなさい、

 

という話が延々と書かれており、それ(リアルな臨床的見解が豊富)がこの本のバイブルたる所以です。

まあ誰が言ったか、「引きはじめに葛根湯」などという言葉があって、それを鵜呑みにした患者さんから、

「カゼひいたと思って葛根湯飲んだけど、全然治らなかったです。漢方薬って、私の体に合ってないんでしょうか。」

とか、マジ顔で聞かれることがあります。(苦笑)

 

漢方薬が合ってないんじゃなくて、診断が合っていないんです。

 

・・・また、その逆もあります。

「カゼの引きはじめに葛根湯、と思って飲んだら、スゴク効いて、楽になりました。病院の薬と違って副作用もないし、やっぱり漢方薬って効きますね!」

というパターンです。

 


これは、まず効いたのは”たまたま”だし、漢方薬に副作用がないという考え方は危険です。

 

ちなみに副作用についてはこちら

 

キチッとした専門家による診断に基づいて処方されたものならともかく、自分で症状のみから診断して服薬するのは、場合によっては大変危険だと思います。

 


まして体質改善とか言いながら、同一の漢方薬の、年単位での長期服用とか・・・。

 


あまりにも東洋医学が正しく理解されていない現状に驚くこともありますが、それを嘆いてても仕方ない。

 

一生かけて正しい東洋医学を説き、やるのみです。

 

 


・・・なんか話が逸れたから、また次回。(笑)

 

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「表裏同治(ひょうりどうち)」とは

2012.01.26

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「表裏同治(ひょうりどうち)」・・・。

何やら難しそうなこの言葉。

最近多い、カゼひきさんに対してよく使う考え方です。

会社や学校によっては、インフルエンザが流行っているところもあるそうで、患者さん達としては皆さん戦々恐々としていますなあ・・・。


これ、過度にビビることないですよ!!

鍼と養生で、しっかり体調管理してたら、まずカゼなんて引きません!

もしひいてしまっても、すぐにちゃんと鍼すればほとんどは軽く、短く済みます!!



ところで東洋医学に、”インフルエンザ”という考え方、概念はありません。

「ウイルス」や「細菌」という概念は、診断に顕微鏡を使うようになってからの話です。

・・・つまり、つい「最近」です。

 

(言いたかっただけ。)

 



 

しかし、インフルエンザにかかった時に発する、高熱や節々の痛み、寒気や咳、ノドの痛みなどなどに対する、東洋医学的な考え方というのは、山のようにあります。

 


東洋医学ではこういった、「外から邪気が入った」病のことを「外感病(がいかんびょう)」といいます。

 


それの動きと治療方法を示した、バイブル的な書物が、中国漢代の『傷寒論(しょうかんろん)』であったり、中国明清代の『温病学(うんびょうがく)』という分野です。

 

外から邪気が入って、体表の浅い部分に邪気が存在し、カラダの正気(せいき)とバトルをやってる状態を「表証(ひょうしょう)」とか、

「表(ひょう)の病」とか、「太陽病(たいようびょう)」とか、「表熱証(ひょうねつしょう)」とか、「衛分証(えぶんしょう)」などという言い方をします。

まあ要は、「外感病」という病気を”浅い状態””深い状態”に分けて考え、対処している、ということです。

 

”深い状態”のことを「裏証(りしょう)」とか、「裏(り)の病」などなど、これまた色々な呼び名で定義づけています。

 

そして”浅い病”と”深い病”の中間の、中途半端な状態を

 

「半表半裏証(はんぴょうはんりしょう)」

 

とか、

 

「半表半裏(はんぴょうはんり)の病」

 

とか呼んで、定義づけております。

 

 

基本的に、外感病は浅かったら(表の病なら)程度は軽いです。

 

症状がどんなにひどくても、命に関わることはまずないです。

 

深かったら(裏の病なら)病は重いです。

 

場合によっては命に関わります。

 

・・・長くなったので、次回に続く。

 

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