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「レゾンデートル」という、聞きなれない言葉。

これはフランス語で「存在意義」とか「存在価値」という意味です。

哲学用語なんだそうです。

こないだ読んだ本に出てきました。

そこでふと、現代における、僕ら東洋医学の存在意義って何なんだろう、と考えました。

現代の東洋医学は、本当の意味での存在意義が、表現できていないのではないだろうか、ということを考えました。

やはり、もし

「我々東洋医学にしか治せない病」

あるいは

「相対的に、東洋医学で治した方がいい病」

があるならば、”そこにこそ”我々の本当の存在意義があるのでしょう。

僕はこれ、「大いにある」と思っております。

僕がもし西洋医学の医者ならば、もし東洋医学が相手にする病気や、その考え方は、すべて西洋医学でカバーできるようなら、興味も持たないであろうと思いますし、存在意義も感じないと思います。

実際に、こういう考えを持っているかどうかは別としても、現状は、東洋医学に見向きもしない西洋医者がほとんどなんじゃないでしょうか。

何ででしょうか。

西洋医者の志が低いのでしょうか、

そうでもないでしょう。

これは結局、まだまだ我々、東洋医学側が表現、発信できていないからでしょうね。

西洋医学で治らない、と言われた患者さんが、鍼灸治療で治った、という実例を、清明院では何例も経験しています。

今度の伝統鍼灸学会でも、そういう症例を発表します。

微々たるものですが、こうやって「発信」を継続します。

現代の東洋医学に対する一般的な認識に、僕が危惧を覚えるのは、東洋医学というのは、忙しい西洋医学のお医者さんが診きれない、

病院からあふれた患者さんに対して、ゆっくりお話を聞いてあげて、全身に鍼して灸して揉んで叩いて、なでまわしてくれるから、

存在意義があるんでしょうか。

そりゃあ、ただ単に他人から必要とされる、という限りにおいては、それで存在意義あり、となるのかもしれないけれども、

それは僕らの「真の」存在意義ではないように思います。

たまに、「東洋医学は西洋医学のアンチテーゼ」と聞く時があります。

「アンチテーゼ」というのは、「テーゼ」なくしては存在しえない存在なんじゃないでしょうか。

東洋医学は、病人を前に、「テーゼ」足り得ないんでしょうか。

そんなことはないと思います。

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