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毎日毎日、こんなに「手」というものを意識する仕事があるだろうか、と思うぐらい、「手」に意識を集中している。


僕はもともと、ゴツゴツした男っぽい感じの、「カタイ」手で、最初はずいぶん苦労しました。


なぜなら、十代の頃、そういうカタイ、ゴツい手にあこがれて、すすんで力仕事をしたり、重いものを持ったりしまくっていたからです。


拳をぐっと握りしめた時の”イカつさ”を、よく友達と競ったりしていました。（苦笑）


まさかこんな、ツルツル、プヨプヨの手をよしとする様な職業に就くとは、思ってもみなかったです。


最初の頃は、勉強会でみんなが触って分かっていることが、僕だけ分からず、悔しい思いもしました。


・・・で、10年以上経った今では、まだまだ名人の手には程遠いけど、まあまあの手にはなってきたかな、という気はします。


特に近年、タバコをやめてから、手を洗うと、よくアカがポロポロと落ちて、手をこすってそれを落とすと、ツルツルの手のひらが出てくるようになりました。


仕事がら、1日に何回も何回も手を洗うのですが、その度に「脱皮」することもあります。


毎日毎日物理的に使うところ、意識を集中しているところには、当然「気血」が集まります。


要は、使い過ぎなどの無理がなければ、新陳代謝が盛んになります。


感覚も研ぎ澄まされてきます。


そして、いわゆる「プロの手」になってくるのではないでしょうか。


いくら頭脳明晰な人が頭で分かって、理屈を磨いても、こればっかりは、プロのそれにはかないませんな。


職人の手には。



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