東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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お盆

2013.07.15

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こないだ、とある往診患者さんの家で、お線香をあげてきました。


その患者さんのご主人が亡くなる寸前まで、診させていただいていたからです。


多発性骨髄腫という、非常に難しい病気で、最後はモルヒネを使っても取れなかった痛みが、たった一本の鍼でとれるという、

貴重な経験を何度もさせていただいた、思い出深い症例でした。


亡くなる寸前に、酸素吸入をしながら煙草を吸って、火事になりかけた話とか、かなり足腰が弱った時点で、誰にも言わずに一人で自転車に乗り、

数十キロ離れた街まで行ってしまい、警察に捜索願いを出したこととか、今では笑い話ですが、当時は一家全員、

我々医療スタッフも含めて、大マジで、真剣に一喜一憂していました。(笑)


僕がお線香をあげたのはお盆の入りの前日でしたが、何となくそこにその患者さんがいるような感じがして、毎年思うのですが、

お盆ていい風習だなー、と感じました。


肉体は滅びても、その人がとった行動や言動、顔や声などは、残された方はしっかりと覚えています。


その魂だけでも、帰ってくる日が、年に数日、ちゃんとあるなんて、なんかいいじゃないですか。


仏壇の前で手を合わせ、

「今後も奥様、息子さん、ご親戚、しっかり治療させていただきます。」

と、伝えておきました。



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