東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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中医学の成立した歴史的背景

2016.10.06

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昨日、学校で「中医学の成り立ち」について講義した。

 

 

毎年、このテーマで講義している。

 

 

中医学、中医学とよく言われるが、正確に理解している学生の、何と少ないことか。

 

 

毎年毎年、講義内容をアップデートするたびに、周辺知識が増えてきて、要点をまとめて話すのが大変になる。(苦笑)

 

 

アヘン戦争以降の、清国(当時の中国)の悲惨な運命。

 

 

その国内情勢の変化に合わせて、変容していかざるをえなかった伝統医学。

 

 

初代ドイツ帝国宰相、ビスマルク(1815-1898)の、

 

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

 

という言葉はあまりにも有名ですが、何故、現代で我々は東洋医学をやっているのか、何故、現代の東洋医学の現状はこのようになっているのか。

 

 

東洋医学の価値は?

 

 

本当に現代において、国民の医療として必要なのか??

 

 

必要なのであれば、それはどうしてか?

 

 

必要なのに、なぜ今、こういう位置づけなのか?

 

 

この問題を詰めて考えていくと、近現代の日本史に対する理解が必要になり、さらにはその日本史を取り巻く、近現代の世界史への理解が必要になり、

 

ひいては、この500年くらいの世界の歴史と、医学史まで、キッチリと踏まえる必要がある。

 

 

本質としては変わらなくても、医学医療は、政治経済の変動変化の影響を、確かに受ける。

 

 

日本国の医療が、現在の様に圧倒的西洋医学偏重路線に変容したのには、それなりの理由がある。

 

 

新中国(中華人民共和国)が”現代中医学”をまとめ上げたのにも、現在、世界的な復権、復興運動をやっているのにも、それなりの歴史的背景がある。

 

 

そういうことを知らずして、教壇に立ち、鍼灸医学を説くわけにはいかない、と考えている。

 

 

ただまあ、「歴史観」というのは、いきおい、自分の個人的な主義主張と相まって、偏った見解を持ちやすい。

 

 

そこは気を付けていないといけない。

 

 

真の鍼灸医を目指すなら、多角的、多面的に見て、より妥当性の高い歴史観、医学史観を持った上で、より強固な鍼灸医学を、言行の根底に据えるべきだ。

 

 

 

その方が、結果的に治療効果が上がる。

 

 

 

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