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これまでのお話
東洋医学は宗教か。 10 参照
さて、どんどんいきましょう。
◆宗教の定義の問題
このシリーズは、なかなかデリケートな話であります。
僕のような無知蒙昧、浅学菲才が扱っていいような話ではないのかもしれませんが、まあ書き始めちゃったんで、勢いで書いています。(笑)
この問題について、実際に宗教を信仰したりしている色々な先輩や友人なんかにも、意見を聞きながら書いています。
そこでよく出てきたのが、
「宗教といっても、定義が様々で、人によってとらえ方が違うところがあるからなー。」
というご意見。
これはごもっともで、調べると、専門家である宗教学者に言わせても、宗教の定義は何百もある、なんておっしゃる学者さんもいるようです。
一口に宗教といっても、その人によって宗教観が違う。
そしてそれは「医学」「医療」に対する定義も同様であり、何百ほどではないにせよ、これも人によって違う。
となると、万遍なく、かつ矛盾なく語りつくそうなんて思ったら、話がますます難しく、ややこしく、かつ壮大になる。
コントロール不能になる。(苦笑)
てか無理。(^^;)
そう言ってしまっては上手くないので、ここでは、ある程度コンパクトに区切って、サクッと自分なりの定義(というか考え方)を述べ、
自分なりの、今のところの考えを述べて終われればいいかな、と思っています。
〇
最初にも書いたけど、僕なりの「宗教」の定義は、
「人間を幸せに向かってあまねく教え導くもの、教え」
と考えており、「医学」の定義は
「人体の仕組み、病気の仕組みを論理的に研究し、治療に役立てる学問」
と考えております。
・・・で、東洋医学だって、西洋医学だって、歴史的変遷を見てもそうだし、病気が治って健康になる、ということは、
当然ながら人の幸福と切っても切れない関係にありますから、医学と宗教が無関係ではない、というのは当然なんですが、
東洋医学の場合は、人体の仕組み、病気の仕組みを考える時に、現代科学で証明されてないもの(気や臓腑経絡)の存在を前提とした人体観な訳ですし、
実践している医者の数の上から考えても、日本の医学界、医療界の全体から見たら、圧倒的少数派な訳ですから、いかにも怪しい、ヘンな奴ら、
オカルト論者、カルト宗教、と思われがちであるし、僕自身もかつてはそう思っていた、というお話をしてきました。
しかしながら、僕の場合は縁あって「鍼灸」という道具を使って、本気で患者さんを治しにかかってみたところ、どうしても「東洋医学の理論、考え方」を採用しないと、
自分の中で納得して前に進めなかった、という現実があった、だから東洋医学の学術を採用した、というお話もしました。
そこで初めて東洋医学の言う「気や経絡」というものの存在を実感し、徐々に信じ、理解するようになり、拙いながらも少しは運用できるようになり、
今に至る、というお話をしました。
では、もう少し突っ込んで、再確認しておきたいのですが、「”東洋”医学」というのは、「”西洋”医学」とどう違うんでしょうね?
西洋医学では、
「人間は60兆(2013年以降は37兆説が有力)の細胞の集合体であり、生命というのは、遺伝子を自己複製するシステムである」
と、機械論的に説くわけですが、東洋医学の場合は、
「この世の森羅万象は”気”から出来ており(気一元論)、大自然、大宇宙と人間(小宇宙)は分かれているけど一つのものである(天人合一思想)。」
と、生気論的に説きます。
東洋医学のこういう発想、医学の前提となる自然哲学が根底にあればこそ、目に見えないけど”ある”と思われるような「臓腑経絡」という概念を、
「気一元」の立場、世界観で医学理論化する、という発想も出てくるわけです。
西洋医学には、気や経絡は出てきません。
今後、西洋医学が進歩すれば、東洋医学のこういった概念も発見、解明されて云々・・・、という人がいますが、僕個人的には、
それは無理じゃないかなー、と思っています。
(概念的、部分的に近いものが発見できたとしても、あくまでも”近いもの”に過ぎないんじゃないかな、と思います。)
この違いは、自然に対する根本的認識、根本的な哲学の違いから、こうなります。
ほいじゃー、自然哲学って何でしょう。
次回いきましょう。(笑)
続く
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