東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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補瀉 24

2016.03.06

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これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉     参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

 

 

 この本については、実は以前チョコッと紹介したことがあります。

 

鍼灸時間治療学 参照

 

 

ここに面白いことが書いてあります。

 

「時間によって、ツボが開いたり閉じたりします。だから補瀉する時は、ツボが開いてる時にしなさい。」

 

と。

 

 

これ確かに面白いのですが、ちょっと現場では使いにくい理論かな、と思っています。

 

 

この理論について、僕はそこまで真剣に検証したこともないのですが、真剣に検証したことがあるという先輩が、イマイチだった、と言っていましたし。。。

 

 

これだと、使いたいツボが開いてる時間にしか、治療の予約をとれませんしね。。。(笑)

 

 

また、面白い記載としては、

 

「鍼する時は、鍼を口に鍼を含んで温めてから打ちなさい。」

 

とあります。

 

 

まあ、今では衛生面の観点からしてもあり得ないことですが、確かに、冷たい鍼を刺すよりも、人肌に温めた鍼を打った方が、

 

気はよく動くように思いますね。

 

 

また、

 

「気の動きをよく理解して、キチッと間違いなくツボをとって鍼すれば、補瀉は宜しきにしたがう。」

 

と、僕の大好きな記載があります。

 

 

これは非常に重要です。

 

 

ここまで、何度も書いていますが、補瀉するには様々な技術もあるのですが、要は正気と邪気を噛み分けて、キッチリ取穴して、

 

綺麗に刺鍼すれば、生体側は常に治ろうとしているわけですから、特に何もせんでも、結果的に補瀉は正確になされるのです。

 

 

ここは、北辰会の考え方も同じです。

 

 

この補瀉シリーズの、最終的な結論にも連なる部分だと思います。

 

 

また、妊婦さんに対する堕胎の鍼として、

 

「合谷を補法して、三陰交を瀉法する。」

 

という配穴パターンを記載しています。

 

(現代では鍼灸院が堕胎の相談を受けることはまずありませんがね。)

 

 

また、

 

「男は左を瀉法、右を補法し、女は左を補法、右を瀉法する。」

 

とも述べ、陽である左、陰である右、という風に、補瀉を分ける方法を提示していますが、これはちょっと言い過ぎじゃないかな、と思います。

 

 

 ただ、左右の問題は、以前にも触れている通り、重要な問題です。

 

「左肝右肺」に関して 参照

 

 

また面白いことに、「深浅の補瀉」のことを「迎随の補瀉」と言ったりもしています。

 

 

やはり”迎隨”という言葉の意味が広いということを教えてくれています。

 

 

このように、『子午流注鍼経』は、これまでと違う、様々な視点や考え方を提示してくれたと思います。

 

 

形式論理的な補瀉法を述べつつも、

 

「正邪を噛み分け、キチッと取穴できれば、結果的に正確な補瀉がなされる。」

 

という記載があるところに、僕なんかはシビレますね。

 

 

 

続く

 

 

 

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