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これまでのお話
奇恒之腑について 4 参照
では続きいきます!!
本日は奇恒之腑のラスト、「女子胞」についてです。
女子胞というのは、西洋医学で言う”女性生殖器”のような存在です。
(これも厳密に考えていくと違うのですが、イメージとしてはそんな感じです。)
要は、女性独特の臓器でり、妊娠し、胎児を育てる場所のことです。
(いわゆる”子宮”のイメージが一番近いでしょうね。)
形としては袋状でありながら、胎児を蔵する働きがあり、妊娠していない時でも、毎月、妊娠できるように十分な気血を蔵する、
というわけで、風変わりな存在である「奇恒之腑」にノミネートされとる訳です。
ちなみに、男性の場合の陰嚢、睾丸、精巣を”男子胞”という言い方はしませんし、奇恒之腑にも数えられていません。
(男性だって精を蔵するのにねー)
これは男性生殖器には胎児を妊養する能力がないからでしょう。
女子胞については当然、『黄帝内経』に出てきます。
『黄帝内経素問』奇病論(47)には、
「女子胞は腎に繋がっているのだー!!」
とあり、『黄帝内経素問』上古天真論(1)には、
「14歳になると、女子胞に関わる気血が盛んになって、妊娠できるようになるのだー!!」
と、書いてあります。
因みに、現代日本では初潮年齢の平均は12歳ぐらいだそうです。
2500年前と比較して、二歳も違うのは、栄養状態や、セクシャルな情報の氾濫など、様々な原因が考えられるでしょう。
ともあれ、上記から分かるのは、女子胞は腎の臓と非常に関わりが深く、女子が正常に発育すると、一定の年齢で、女子胞において妊娠できるようになる、ということですね。
ただ実際は、女子胞には経絡で言うと腎の臓の経絡である足少陰腎経の他にも、足厥陰肝経、足太陰脾経、足陽明胃経、奇経八脈の任脈、督脈、衝脈が入りますし、
機能の上では心の臓も深く関わりますので、一概に女子胞の病だからと言って、腎の臓が悪いとは即断できません。
清明院にも婦人科疾患の患者さんは非常に多いのですが、一例一例、的確な弁証論治が要求されます。
まだまだ細かいことを語りだしたらキリがないですが、「奇恒之腑」シリーズ、一先ずここまでにします。
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