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前回のお話
奇恒之腑について 1 参照
では続きいきます!!
奇恒之腑というのは、6つあります。
つまり、
「骨・髄・脳・脈・胆・女子胞」
の6つです。
この6つに、”奇恒之腑”なる名前を与えたのは、『黄帝内経』です。
(『素問』五蔵別論(11)です。)
五蔵別論には、
「この6つは、地の陰気を受けた存在であり、腑のクセに何かをため込んでやがる存在」
ということになっています。(意訳by竹下)
五蔵別論には、臓と腑の定義を比較して、
「臓は大事なものをため込んで洩らさない存在、腑は洩らしてため込まない存在」
ということになっています。
(これは超有名です。)
そう考えると、奇恒之腑というのは、腑のクセに、何かをため込んでやがるという、変わったやつな訳です。
だから、変わった存在、ということで、奇妙の”奇”の字があてられています。
この中の、「胆」については、以前書きました。
「脳」についても、以前書いています。
ですので、ここでは、それ以外の4つについて語っていこうと思います。
まずは「骨」から。
◆東洋医学における「骨」とは。
東洋医学も、当然、人間の体には「骨」という、建物で言えば柱のようなものがあるということは、2500年前の『黄帝内経』の時代から、すでに認識していました。
『黄帝内経』の本文中から、「骨」という文字を検索すると無数に出てきます。
しかし、素問81篇、霊枢81篇の、「篇名」自体の中に”骨”とはいっているのは
霊枢:骨度篇(14)と素問:骨空論(60)
のみです。
骨度篇の方は、骨の長さから、経脈の長さを論じた篇です。
骨空論の方は、経穴が骨と骨の間の空間(骨空)に存在することを説いた篇です。
このように、「骨」というのは、他の組織に比べて動きが少ないため、人体における位置や長さを考える時の”基準”として考えるのに便利だったんだろうと思います。
また、何度も出てきますが『素問』五蔵生成論(10)には、
「腎の合は骨なり」
とあり、『素問』陰陽応象大論(5)には、
「腎は骨髄を生ず」
とあり、『霊枢』経脈篇(10)には、
「骨は幹たり」
とあります。
これらから分かるのは、骨と腎の臓との関わりの深さ、また、骨は体を支える柱である、ということです。
また、「歯」について、東洋医学では
「歯は骨余(骨の余り)」
と説きます。
歯についても、以前書きました。
歯科と東洋医学 参照
これらのことから、東洋医学的には、「腎の臓」が弱ると、骨や歯がもろくなり、逆に骨折などで骨を傷めると、腎の臓にキツイ負荷がかかる、と言えると思います。
続く
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