東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「三陰三陽」という考え方 7

2015.11.28

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これまでのお話

 

「三陰三陽」という考え方 1

「三陰三陽」という考え方 2

「三陰三陽」という考え方 3

「三陰三陽」という考え方 4

「三陰三陽」という考え方 5

「三陰三陽」という考え方 6    参照

 

 

 

では、続きいきまーす!!

 

 

◆三陰三陽経が支配する皮膚の部位

 

 

今日は我々にとって重要な「皮膚」について考えてみたいと思います。

 

 

鍼も灸も、皮膚からのアプローチですわな。

 

 

『黄帝内経素問』皮部論(56)によると、その皮膚も、部位によって三陰三陽経が支配している、と言われます。

 

 

どの部位をどの経絡が支配するかは、その経絡が流れる部位を頼りにすればいいそうです。

 

 

そしてそこには、それぞれ、何やら変わった名前が付けられています。

 

 

手足の陽明経が支配する皮膚の部位のことを「害蜚(がいひ)」と言います。

 

 

「害蜚」”万物を損なう”という意味だそうで、陽気が盛んになるのも陽明経、陽気が損なわれるのも陽明経、という意味なんだそうです。

 

 

手足の少陽経が支配する皮膚の部位のことを「枢持(すうじ)」と言います。

 

 

「枢持」「枢」の意味は、前回のお話の「開・闔・枢」の枢に通じ、気の出入を調整、調節する重要な機構、という意味なんだそうです。

 

 

手足の太陽経の支配する皮膚の部位のことを「関枢(かんすう)」と言います。

 

 

「関枢」の意味は、「関」は堅め守る、「枢」は先ほど言うように出入の調整ですから、「枢」の働きを固め守る、という意味なんだそうです。

 

 

そして、手足の少陰経の支配する皮膚の部位のことを「枢儒(すうじゅ)」と言います。

 

 

少陰経も、前回の「開・闔・枢」の話しで出てきたように、その働きは「枢」でした。

 

 

「枢儒」「枢」もその意味であり、少陰経が支配する皮膚の部分が「枢」の働きを持っている、という意味だそうです。

 

 

手足の厥陰経の支配する皮膚の部位のことを「害肩(がいけん)」と言います。

 

 

「害肩」の意味は陽明経の「害蜚」と似ており、厥陰経は陰の極みであるから、陰が盛んになるのも、陰が損なわれるのも厥陰経、という意味で

 

「害肩」と名付けられているんだそうです。

 

 

手足の太陰経が支配する皮膚の部位は「関蟄(かんちつ)」と言われます。

 

 

「関」は固める、「蟄」はこもる、という意味がありますので、陰気を固めこもる、という意味があるようです。

 

 

以上、三陰三陽経が支配する皮膚の部位の名称は

 

太陽経→関枢   太陰経→関蟄

少陽経→枢持   少陰経→枢儒

陽明経→害蜚   厥陰経→害肩

 

となり、これに前回の開闔枢を重ねると、

 

太陽経→関枢   太陰経→関蟄   太陽経と太陰経は「開」

少陽経→枢持   少陰経→枢儒   少陽経と少陰経は「枢」

陽明経→害蜚   厥陰経→害肩   陽明経と厥陰経は「闔」

 

となります。

 

 

・・・まあ、太陽経と太陰経、つまり陰陽離合論「開」の働きを持った経絡に、皮部論では「関」の字があてられているあたり、非常に興味深かったりするのですが、

 

ここはあえて深入りは避けます。(笑)

 

 

 

続く

 

 

 

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