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これまでのお話
では続きいきます!!
前回、手足の経絡は3つの陰経と、3つの陽経とに分類される、というお話をしました。
それを「三陰三陽経」というワケですが、その名前を陰経から言うと
「太陰経」「少陰経」「厥陰経」、
陽経では
「太陽経」「少陽経」「陽明経」
でしたね。
そしてこれらは、陰気や陽気の多寡によって、このように呼び分けられている、というお話をしました。
今日は、それ以外の特徴について触れておこうと思います。
◆三陰三陽経と開・闔・枢(かい・ごう・すう)
この話は一般の方には難しいと思うけど、ついでなんで書いときます。
三陰三陽、それぞれの経絡の”働き”を考えた場合、開・闔・枢という3つの働きに分けることが出来ます。
これは、『黄帝内経素問』陰陽離合論(6)というところに書かれています。
「開」には開くという意味があり、気の出入に関係します。
三陰三陽経の中で「開」の働きを持っているのは、陽経では太陽経、陰経では太陰経です。
太陽経は小腸と膀胱の経絡、太陰経は脾と肺の経絡です。
・・・まあ、この4つの臓腑ともに、”開く”ことによって気の出入を調整するという意味で、理解できなくもないと思います。
「闔(ごう)」は閉じるという意味があり、気の保護に関係します。
「闔」の働きは陽経では陽明経、陰経では厥陰経です。
陽明経は胃と大腸、厥陰経は肝と心包です。
この4つも、閉じることによって気を保護する、と、理解出来なくもない感じです。(笑)
「枢」は”開と闔(つまり開閉)を調整する”という意味があります。
ドアで例えれば、開いていて出入り自由な状態が「開」、閉じた状態が「闔」、それを調整する蝶番のような役割を担うのが「枢」です。
「枢」の働きは少陽経と少陰経です。
少陽経は胆と三焦、少陰経は心と腎です。
この4つが、「開く」と「閉じる」を調整するというのも、分からんではない、という感じですな。
〇
ここで個人的に重要かな、と思うのは、上に一応臓腑を働きとともに挙げましたが、開・闔・枢というのは、「臓腑」そのものの働きことを言っているのではなく、
あくまでも「経絡」(手足三陰三陽経)の、生理的な働きのことを言っているのだ、ということです。
手足三陽経において、人体後面(陽の部位)を大きく流れる太陽経は、開く(エネルギーを発散する、と言い換えてもいいかもしれません)働きを持っており、
人体の前面(陰の部位)を大きく流れる陽明経は、閉じる(エネルギーをため込む、と言い換えてもいいかもしれません)働きを持っており、
人体の側面(陰陽が中途半端な部位)を大きく流れる少陽経は、その開閉を調整する働きを持っており、手足三陰経においては、手足三陽経のその働きを支えつつ、
自身も開・合・枢の働きを有し、表裏のエネルギーバランスの調整(恒常性維持)に役立っている、ということだと思います。
このように経絡というのは、それぞれに気血の量が多かったり少なかったり、それぞれに担う働きが違ったりしながら、人体の複雑で霊妙なバランスを支えている機構なのです。
つづく
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