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2015.10.03
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「患者さんの声」をいただきましたので紹介します。
30代 女性
【症状】
妊娠25週で判明した前置胎盤、再生不良性貧血
~前置胎盤と再生不良性貧血による貧血、血小板減少をすべて針で克服し、無事無痛分娩ができました!~
無痛分娩(※1)で有名な都内の病院で分娩予約をし、妊娠の経過も順調に安定期に入っていた妊娠25週の検診で、
突然の前置胎盤(※2)を告知されました。
徐々に貧血の数値も悪くなっており、鉄剤を服用することによる副作用から、胃痛や吐き気にも悩まされていました。
そして、お腹の子供の分までの血液を作るのが負担だったのか、小学校のころにかかり、もう現在ではよくなっていた、
再生不良性貧血(※3)という病気が再発し、そのまま貧血は進み、血を固める働きをする血小板がどんどん低下していき、
無痛分娩をしてもらえるはずが、その病院から突然の転院をすすめられました。
大出血のリスクの高い前置胎盤に加え、貧血、血小板減少、そしてもし早く生まれてしまった場合、
その病院では新生児治療ができない、というのが理由でした。
それからは真っ暗でした。
受診のたびに、出血したら入院だからと脅され、早く生まれることになっても、それはあなたのせいではないと言われ、
もしかしたら出血が多い場合は子宮を摘出することになるかもしれない、とまで言われ、子供は二人はほしかったし、
無事産むことが最優先になり、当初の予定だった無痛分娩もできない可能性が高くなりました。
なんとかできないか、と必死でネットを検索していたときに、ふと、逆子が針で治るなら、前置胎盤も針で治るのではないか?と思い、
前置胎盤と検索したところ、横浜のとある鍼灸院を見つけました。
電話をすると、清明院を紹介してくださり、わらをもつかむ気持ちで清明院に電話し、経過を伝え、
「治療してもらえますか?」
と聞くと、明るい声で
「できます!」
と。
正直拍子抜けでした。
この世の終わりを告げられたような気持から、ここを頼ってみようと思い、通院が始まりました。
痛みに弱い私は、針治療も怖く、たった一本の針ですら、先生に痛くない針にしてもらっていました。
先生の言いつけを守り、体を冷やすアイスはしばらく我慢し、週3回通院しました。
針治療開始後も、貧血も血小板も、数値は横ばい状態でしたが、転院した病院は無痛分娩もできる病院だったため、
血小板の値が10万以上だったら、無痛分娩ができるということもあり、前置胎盤に加えて、針で貧血、血小板の上昇も目指していました。
前置胎盤については、なんと出産間近の33週で胎盤の位置が上がり、問題は解決しました。
しかし、依然として血小板の値が横ばいのため、無痛分娩ができるかどうかは出産前日までわからない状態でした。
そこで、出産前日まで針治療を受け、その日に39週の妊婦健診を受けました。
しかしやはり血小板は8万のままのため、無痛分娩はできないかもしれない、そろそろ覚悟を決めたらどうか、
と、産科医には勧められました。
しかし!!奇跡はおきたのです!!
翌日の朝から陣痛がきて、破水したため産科を受診し、採血をしたところ、なんと血小板はちょうど10万!!!
無痛分娩できますよ!!と言われました。
ある程度お産が進んでからの方が良いといわれたため、陣痛を多少我慢しましたが、お産の進みもよく、
途中からは麻酔のおかげで痛みもなく、安楽に出産をすることができました。
怖いことばかり言われる妊婦健診で落ち込みがちだった私の気持ちを前向きにして下さったのは、先生の太陽みたいなパワーのおかげです。
何とも言えないプラスのパワーを注入してもらい、大変な妊娠期間を乗り超えることができました。
生まれた子はもうすぐ1歳で元気満々です。
この治療体験記がどこかで途方に暮れている妊婦さんに希望を与えるものになればいいなと思います。
最後まであきらめなくて本当によかったです。
≪清明院注≫
(※1)無痛分娩・・・麻酔を使い、お産の痛みをやわらげる出産法。部分的に麻酔がかかる局所麻酔と、全身にかかる全身麻酔とに大きく分けられます。
最もポピュラーな硬膜外麻酔では、陣痛をのがし、子宮口が4~5cm開いてから麻酔を注入します。
(この症例の患者さんはこの方法です。)
麻酔と聞くと「生まれた瞬間もわからないのでは」と思いがちですが、この方法なら産声を聞くことも可能。
緊張しやすい人や初産が難産だった人などは無痛分娩のほうがスムーズ、ということも少なくありません。
(※2)前置胎盤・・・胎盤が正常より低い位置に付着し、胎盤が子宮の出口(内子宮口)にかかっていたり覆っていたりする状態を「前置胎盤」といい、
その頻度は、全分娩の0.3~0.6%といわれています。
また、前置胎盤のうち5~10%では、胎盤と子宮が癒着して胎盤がはがれない「前置癒着胎盤」となる可能性もあります。
胎盤は、お母さんと赤ちゃんをつなぐ血液・酸素・栄養のとても豊富な組織です。
前置胎盤は、胎盤が赤ちゃんよりも子宮の出口付近に位置しているため、ほぼ100%帝王切開で分娩となり、
お母さんにとっても赤ちゃんにとっても危険性の高いハイリスク妊娠なのです。
(※3)再生不良性貧血・・・再生不良性貧血とは、骨の中の骨髄にある血液を造るもとになる細胞「造血幹細胞」が減少することにより、
白血球、赤血球、血小板のすべてが減少する病気です。
厚生労働省から難病に指定されています。
【清明院からのコメント】
本症例の初診は去年(H26)の夏なんですが、実に印象深い症例です。
蓮風先生がいつも仰ることですが、やはりこの症例のように、西洋医学がお手上げ状態になった、難病の患者さんを救いうるところに、
鍼灸医学の魅力、現代における真の存在意義があるのだと思います。
この方は初診時、妊娠26週と2日であり、病院からは30週の時点で前置胎盤の状態が悪ければ即入院、と言われている、切迫した状態でした。
初診時、「脾湿肝鬱(湿熱)、腎虚」と弁証し、刺す鍼はどうしても怖いとのことで、皮膚に刺さない鍼で治療を開始すると、
初診の治療後から、大便に良性の変化が現れ、5診目には胎盤の位置に変化が現れました。
そして、治療を開始してから1か月半経った頃、前置胎盤は正常に回復しました。
この時点で、帝王切開は免れました。
その後はこの患者さんの第一希望である無痛分娩を行うために、貧血の治療を目的として治療を継続し、10月には、
上記のような奇跡的な結果を得ました。
結果的に、皮膚に一本も鍼を刺すことなく、です。
前置胎盤や再生不良性貧血を、鍼灸で治そうと考える患者さんは少ないと思います。
この方のご職業は医療従事者であり、西洋医学に精通しているからこそ、その限界もよく認識されており、東洋医学に大きな可能性を感じたのだと思います。
徹頭徹尾、東洋医学の考え方に基づいて臨床をやっていると、こういう症例にしばしば出会います。
ただ、私はこの症例をもって、前置胎盤が鍼で治るとか、再生不良性貧血が鍼で治るとか、そういうことを誇大に主張したいわけではなく、
東洋医学の理論と手法で心身のバランスを整えると、こういうことが起こることがある、という事実を知っていただきたいのです。
この患者さんが仰るように、病院から打つ手なし、と言われて、どこかで途方に暮れている患者さんがいらっしゃったら、
あきらめる前に一度、清明院に診せに来られては如何でしょうか。
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