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日々の臨床はもちろん、あらゆる場面で、物事のスムーズな進行を妨げる、「取り越し苦労」というもの・・・。


今日も、朝一番にいきなり患者さんから、

「先生、私の首が痛いのは、もしかしたら肺ガンかなあ・・・？」

と聞かれ、じゃっかん面喰いつつ、

「どうしてそう思うの？」

と聞くと、

「友達にそうかも知れないって言われたから。」

とのこと。（苦笑）


この患者さんの首の痛みは、先週の段階でほぼ完璧に治っていたのに、急に悪化していた。


よくよく聞くと、つい最近、その友人の友人が肺ガンで若くして亡くなり、その初期症状が肩首のこり、痛みだったんだそうだ。


それを電話で聞いてから、どんどん痛みがきつくなってきたという。


その友人としては、心配して言ったつもりなんだろうが、もたらした結果はどうも思わしくない。


首の痛みは悪化したし、ガンが心配で眠れなくなった。


結果的にはありがた迷惑だ。


まあ本人も、そんなに不安なら、病院へ行って検査でもしてもらえばいいんじゃ、と思うけど、それは怖いからイヤだとのこと。（苦笑）


・・・で、僕にしきりに不安を訴える。


患者さんの心理と言うのは、全員じゃないけど、時たまこういうものです。


ある不安が生じると、自分の中でそれがどんどん増強し、体に悪影響を与え、その悪影響が不安をさらに加速させる。


やもするとそこで、ワケの分からない行動に出て、大きな、取り返しのつかない失敗をすることもある。


そのつまらん悪循環をブッタ切るのが鍼だ。


上述の患者さん、そのあと鍼すると、首の痛みがまったくなくなった。


僕は言ってやった。

「ガンが治ったのかもしれないよ。」

と。（笑）



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