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2010.07.16
治療を長いことやっていると、これまではうまくいっていたのに、途中からうまくいかなくなり出すことがたまにあります。
みんなみんな、全てがストレートに治ったら、こんないいことはないんだけど、なかなかそうもいかないのが「病気」というものなんです。
・・・しかしこういう時、東洋医学をちゃんとやっている人なら、極めて冷静に対処できるはずです。
清明院では、初診の際、問診にて
「その患者さんのこれまでの病の歴史や体質」
を十二分に聞いた上で、それを東洋医学的に分析し、さらに「今、この瞬間」の脈や舌などの体表観察情報と合わせて、「証」を立てます。
「体表観察」について
「弁証論治」って何ですか? 参照
かなり細かく分析しますので、まず初診時に立てた「証」、つまり東洋医学的な診断(治療時点における病理状態)は極めて重要です。
しかし、治療が進むに従って、治療開始当初の「証」が、徐々に変動してくることがあります。
これもまあ当然と言えば当然なんです。
・・・だって「治療」してるんだから。
これを見逃して、いつまでも初診時に立てた「証」にこだわって、同じ治療を続けていると、場合によっては徐々に徐々に悪化していってしまう患者さんもいます。
そんな時、モノを言う(効いてくる)のが、初診の時に聞いた、
「これまでの病の歴史(既往歴)や、その患者さんの体質(体質素因)」
です。
これに基づいて分析した、その人の病の全体像のことを、北辰会では
「病因病理(びょういんびょうり)」
と呼んでいますが、この「病因病理把握力」こそが、こうした時に大変役立ちます。
病気というのは、治りにくいものほど、単一の原因から直線的、短絡的に起こっているものは少なく、いくつかの原因(病因)があいまって、
複雑性と立体性をもって形成されていることが多いです。
これまでうまくいっていた治療が、途中からうまくいかなくなった、ということは、その患者さんの病因病理の中のおいて、初診時とは異なる、
どれか他の病因が今度はメインになってきた、ということを暗示しています。
だからそういう時は、初診カルテに基づいて、場合によっては患者さんに追加問診をして、冷静に「再分析」します。
カッコよく言えば「論理の再構築」です。
分かりやすく言えば「いっぺん全部バラシ」です。
(笑・・・言い過ぎかな?使える情報はまた使う訳だからリフォームみたいなもんか。まーいーや。)
これをすることにより、今度は新たにメインになってきた、別の病因、病理に対して、治療をしかけていきます。
とまあこんな風に、「病気」というのは、東洋医学が作ったロジックの網目から逃げることは出来ないようになっているんです。
・・・スゴイこと考えたもんだわ、しかし。
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よくわからないんですが例えば最初アトピーの治療してたのに途中から肩凝りの症状が出て来たからそっちの治療に移行するとかそういう事でしょうか?
通りすがりさん
コメント、ありがとうございます
> 例えば最初アトピーの治療してたのに途中から肩凝りの症状が出て来たからそっちの治療に移行するとかそういう事でしょうか?
そういう場合もあります。しかし細かい部分を説明すると少々長くなりますので、近日中に具体例を示します。
もう少々お待ち下さい。
お返事ありがとうございます。
鍼灸治療に通ってるのですがまさにそういった?ような事が一年近く続いてるので具体的なお話楽しみにしています。
通りすがりさん
> 鍼灸治療に通ってるのですがまさにそういった?ような事が一年近く続いてるので具体的なお話楽しみにしています。
患者さんでしたか!一応、「善は急げ」ということで、本日具体例を挙げておきました。
こんな感じでどうでしょうか?ご感想、お聞かせ下さい。