東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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再分析(具体例)

2010.07.27

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早速ですが、通りすがりさんから、質問コメントをいただきましたので、忘れないうちに(笑)、「再分析」の重要性について、具体例を示してちょっと説明しましょう。

 


・・・まあ、専門用語は使わず、なるべく簡単にいきましょう。

 

 

「よく分からん」と言われたらイヤなので。

 


あとちなみに、この話題に関するこれまでのお話は以下の3つです。


再分析(病因病理について)
再分析(標本について)
続・再分析(標本について)

 

 

清明院には、アトピー性皮膚炎の患者さんが多いのですが、とあるアトピーの患者さんを例に挙げて説明してみようと思います。

 

 

僕は初診時の情報から、東洋医学的に、その患者さんの皮膚のかゆみの原因を、

A.仕事による過度のストレスによる血行不良

B.甘いものや脂っこい物の食べ過ぎによる消化機能の弱り

と考えました。

 


そしてこれの優先順位は「A>B」でした。

 

 


この場合、AもBも同時に治療してしまうと、本当の中心がどっちなのかはっきりしませんし、この方の場合は明らかにAの方が中心でした。

 


というわけで、よりシャープな効果を狙って、まずは「Aのみ」から治療し始めました。

 


要するに血行をどんどん良くする治療です。

 


治療が進むにつれて、皮膚の状態が改善してきました。

 


しかし、最初の症状の強さを数字の10だとすると、4ぐらいまで改善してきたところで、症状の改善が止まってしまいました。

 


そこで「再分析」してみると、体の状態が、「A>B」から、「B>A」に変化しています。

 


そこで今度は「Bのみ」に対する治療に切り替えました。

 

 

要するに胃腸の機能を活性化する治療です。

 

すると、再び皮膚の状態が快方に向かい始め、最終的にかゆみのレベルとしては、最初を10だとしたら1か2ぐらいで安定しています。

 


現在もAとBとの優先順位に注意しながら、完治を目指して治療続行中です。

 

 


・・・とまあこのように、

「皮膚のかゆみの原因はAとBで、中心はAである」

ということも、途中で症状の改善が停滞してきた時に

「原因の中心がAからBに移ってきた」

ということも、結局は初診時にキッチリ情報が取れているか、それをキッチリ分析、治療できているか、ということにかかって来るんです。

 


また、病理の中心のなかの中心を明確にして、そこにシャープにアプローチできた治療の方が、効果もシャープに出ます。

 


ちなみに、通りすがりさんがおっしゃったような、アトピーの経過中に肩こりが出てきた、というような場合であれば、

・何かきっかけはなかったのか

・そもそもこの場合、皮膚と肩こりには関係があるのか

・どういう時に肩がこり、どういう時は楽なのか

・その時皮膚の状況はどうなのか


などという観点から、再分析します。

 


そして、肩こりも考慮に入れながらの治療をやる場合や、肩こりは皮膚とはまた別の病、という認識で治療をやる場合など、対策を考えます。

 


このように我々は、患者さんが日々訴える様々な症状に「振り回される」のではなく、それらがどうして起こっているのか、

「冷静に東洋医学的に分析」

しながら治療にあたっているのです。

 

 

少しでもお分かりいただけましたら幸甚です。

 

 



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関連記事: 「再分析」の重要性

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この記事に関するコメント

“再分析(具体例)” への2件のフィードバック

  1. 通りすがり より:

    詳しい解説ありがとうございますm(__)m
    複数の要因の中から一番効果が出そうな要因を叩く という意味だったんですね
    私も一年間以上アトピーを主訴に鍼灸院に通ってるいましてアトピーの症状は悪い時10としたら見た目は1痒みは3くらいになったのですが代わりにむずむずや全身が詰まった感じ、肩首凝り、blogにあった狂のような症状が出始め十ヶ月近くたち徐々に悪くなってきています。
    アトピー自体はよくなっているのですが他の症状に関してはあまり良くならないですし少し説明にも ん?と感じてしまう事があるのですが別の鍼灸院を探すべきでしょうか?

  2. いんちょう より:

    通りすがりさん
    > アトピー自体はよくなっているのですが他の症状に関してはあまり良くならないですし少し説明にも ん?と感じてしまう事があるのですが別の鍼灸院を探すべきでしょうか?
    んー、第3者である僕が、無責任なことを言う訳にはまいりませんので、そこは通りすがりさんご自分で判断されるべきだと思いますが、他の先生の意見を伺ってみる、というのも一つの方法じゃないかな、とは思います。
    言わばセカンドオピニオンの東洋医学版とでも言いましょうか。
    幅広い病に対応してくれる鍼灸院は、現在どんどん増えていますので、今後はどんどんそういうことも考えるべき時代になっていくでしょうね。
    私から申し上げられることとしてはそのような感じです。

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